【戦】光の神、神の影
大門・錦 2022年4月30日
「お願い事が、あるのですけれど。」
新宿島沖合。水平線にも新宿島の見えない、遥か遠方に浮かぶのは海上に展開されたフィールド。
そこに立つのは一組の男女。
方や青の番長。蒼海番長 竜城・陸。
方や黒のクラス所属 大門・錦。
男女が顔を合わせるにはあまりにも場違いなフィールドに呼び出したのには、訳があった。
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竜城・陸 2022年4月30日
――……。
(その変貌を)(その魔力が、膨れ上がるのを)(“異質”を宿すのを)
(しかし眉一つ動かさずに、眺めていた)
成程ね――では、こちらも相応の姿でお相手すべきところだろう。
竜城・陸 2022年4月30日
といっても、別段、見た目が変わるわけではないんだけどね。
(“それ”は“自分”である、と定義できているから)
(いまや時を要さずとも)
(儀礼的な手段を経ずとも)
(その魂を、この表層に顕現することは、できる――)
竜城・陸 2022年4月30日
(――眼を開いた)
(眼前にしているのは。何一つ変わることない、級友の姿であることだろう)
(けれどその奥に。)
(どこまでもただただ、高く、遠く、鮮烈な、畏怖すべきなにかを)
(身も心も溶かし尽くされるような、届かぬ空の涯ての光景を)
(闇を、夜を、影を、魔を、――すべてを灼き尽くす、全き“光”を)
(彼女は、視るだろう)
竜城・陸 2022年4月30日
(焼け付くような熱が、周囲に満ちる)
(身体を、思考を、魔力を、権能を、生命を――)
(――世に満ちる“すべて”を灼き尽くす、“光”の領域)
……お待たせ。
(声音は)(平時のそれよりなお柔らかく、穏やかで)(平坦な)
では、いつでも好きなように。
竜城・陸 2022年4月30日
――――ああ、名乗るほどの神威は残していない。
いつも通り、竜城陸、と呼んでくれていいよ。
(無効票)
大門・錦 2022年4月30日
(くく、と。常の錦の笑い方とは異なる、喉を鳴らすような笑い。)
えぇ。恐らく本来の神威であれば、如何に私とてこの場に立つ事さえ難しかったでしょう……なんて。
(すい、と右手の甲を見せるように胸の前に翳し。音もなく、気配もなく。錦の前に立つのは3体の『破壊の天使』。盾を持つもの。剣を持つもの。弓矢を番えるもの。それが、陸へと連携して襲いかかり)
さて、時間稼ぎくらいにはなるでしょうか。
(軽く回した手の平へと乗るのは、金の指輪が1つ。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月30日
――おや。
心にも無い世辞は必要ないよ、友人なのだから。
(なんて、軽口めいた言葉を放つにも、声音は柔らかなまま)
(向かい来る天使、その尽くが)
竜城・陸 2022年4月30日
(――――燃え尽きた)
(それこそ、音もなく。この“神”が何かしたというような、その気配もなく)
時間を稼ぎたいのなら、この数は無いでしょう?
(返す手、生み出した光の槍)(その数は、百を下らず)
(まるで意思持つように、錦目掛けて殺到する)
(避けようと追い続ける、必中必殺にして不敗の槍、その権能の再現)
(無効票)
大門・錦 2022年4月30日
あら。
(仮にもトループス級にも等しい『破壊の天使』が瞬時に消滅した事に漏らしたのは、ただ、それだけ。そして。)
大門・錦 2022年4月30日
(必中必殺たる光の槍、その全てが錦の体を貫いて)
大門・錦 2022年4月30日
酷いこと、しますわね?
(声は、先程まで錦が立っていたところとは全く異なる場所から。分身……ではない。今もなお、光の槍に貫かれた錦はあり、その場に崩れ落ちて。ただ、煌々と輝く右目が、魔法の証を残していた。)
大門・錦 2022年4月30日
一度に出せるのは3体まで、ですもの。
この姿に成ってもそこは変わらないのですよね。
私が操れるのが3体までですから、致し方のない事ですわ。
ですから。
(再度。召喚されたのは先程と同じく盾、剣、弓を持った3体の『破壊の天使』。異なるのは、その手に持つそれぞれが、神話に語られるような武具であること。)
大門・錦 2022年4月30日
想起再演・夢幻演舞奏葬(リフレイン・パラレルナイトメア)。
ヒトの歴史で、時間を稼がせていただきますわ。
(そう言いつつ、先程の指輪を指に嵌めるのではなく両手で握り込んで。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月30日
当たってくれてから言って欲しいかな?
(驚いた様子もなく、声の響いた方へ視線を向け直して)
竜城・陸 2022年4月30日
……まあ、そうか。
あくまで主体は君であるのだろうから、君に扱えないものは扱えないか。
それに関しては、僕も余り他人の事は言えないけれど。
(それこそ神本来の権能で振るえば、“必中必殺”の因果が定まり、そこから逆算して軌道が描かれたはずだ。喩え今のように幻影を用いたとて、構わずその槍は“本体”に当たっただろう)
竜城・陸 2022年4月30日
――そして、それはこちらも同じ。
(地を蹴り、翼で以て速度を上げて、向かい来る天使たちの間を抜けるように擦れ違う)
(触れる、)(必要さえなく)
(“すべてを焼き尽くす”光の権能が、その身を焼いて、)
(その手にある、或いは身に着けた武具が、決闘場の床に落ちる)
――“神の使い”だろう?
その程度で止められると思われているのならば、少々心外かな。
竜城・陸 2022年4月30日
(別に、何をしたわけでもない)
(“全てを灼き尽くす”光の領域は、この“神”に近づけば近づくほどにその苛烈さを増す)
(距離を詰めれば当然、焼け朽ちて尽きるのは自明のことという、ただそれだけ)
(――そしてそれは、向かう先に在る少女にしても同じこと。)
(肌を焼く熱も、肉や骨を溶かす光も、感じられるだろう)
(或いはそれは、思考を白く焼いてゆき、)(能動的な行動を、反射的な対応を、困難にする――そういうものとしても影響を与える)
竜城・陸 2022年4月30日
時間が欲しい、と言われて、素直に待つ相手は無いだろう。
(勿論、第一義的に彼女の“発散”が目的なのだから、そうしてもいいのだが――それと同時に“模擬戦”でもある)
(手の中に生み出す、一振り)(光が形を成した、剣)
(距離を詰め切れば、それを以て一閃を見舞うところだが――)
(無効票)
大門・錦 2022年4月30日
『いいえ、十分ですわ。』
(声が、重なって。向かう先、焼け落ちていく錦の口からと。異なる場所から聞こえてくる声。先程と同じく、全く同一に存在する、二人の錦の姿。分身ではない。幻影でもない。見抜くものには見抜けるだろう。どちらも真に錦である、と。)
大門・錦 2022年4月30日
(煌々と輝く錦の右目。『神ノ毒(サリエル)』。世界を侵す幻影を生み出す権能。騙されているのは陸ではなく、世界。先の光の槍に貫かれた錦も、今なお焼け落ちていく錦も、この錦も、全てが真。)
重力でも、魔弾でも、電界でも。貴方を止めることは出来ないでしょう。
ですが。止める必要は別にないのです。
だって。(気を逸らせれば十分ですもの、と。)
大門・錦 2022年4月30日
(祈るように。錦の両手が胸の前で組まれる。その掌中には、金の指輪。掌の中に生じた電界の中、金の原子が一点に収束を開始する。だが、本来であればそれだけだ。現実の物理法則においては、ただの数gの金を収束させたところで、プラズマとなって終わり。)
大門・錦 2022年4月30日
(しかし、超常を為してこその魔法。条理(かみ)に逆らい、定理(かみ)を崩し、ありとあらゆる摂理(かみ)を、己が意のままにする事こそ、魔なる法の真髄。そして、錦の望みのままに、世界が侵される。)
大門・錦 2022年4月30日
(太陽の、実に20倍もの質量がなければ起こり得ない極超新星爆発が、一瞬にして錦の掌中にて生じた。それは、星の最後の輝き。恒星の断末魔にして、新生の産声。消えゆく恒星の絶叫(ヴァニシング・スターライト)。絶滅の咆哮が、花が咲くように開いた錦の掌中から、放たれて。)
大門・錦 2022年4月30日
『神ノ裁(ダン)』。(やや斜め上。打ち上げるよう角度ではなたれたのはγ線バースト。かつて地球上で大量絶滅を引き起こしたともされる天体現象。それが、地球上で発生するとどうなるか。まず、尋常の生物であれば瞬時に急性被爆で即死する。引き続きγ線は大気を消し飛ばし、オゾン層を分解し、地表には有害な紫外線が降り注ぐようになる。波長をほぼ持たず、電位を持たず、一直線に進行方向の全てを貫き襲い来る。条理を、定理を、摂理を、嘲笑うかのような暴虐の閃光。即ち、それを防ぐには、条理を、定理を、摂理を。超えなければ。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月30日
(――降り注ぐ光を見上げたなら、)
君たち、僕が相手だからってなんでもしていいと思っていやしないかい?
(焦りひとつなくそう呟いて、)
竜城・陸 2022年4月30日
(何故かと問われれば、答えただろう)
・・
(“だって、それは魔法なのだろう?”)
竜城・陸 2022年4月30日
(――要は)
(地球上で起こるはずのないそれを支えているのは、錦の生み出した“認識”ただ一つであるのだから、)
(だから、“焦る必要は一切ない”のだ)
竜城・陸 2022年4月30日
(世界の法則を読み解き、その流れを掌握し、利用する――というのならばまだしも)
(“ここにはありえないもの”を生み出し上書きするだけの――要は“自身の認識を世界に上書きする”だけのものであるのなら)
(“より強固な認識で上書きすればいい”というだけの話であり――)
竜城・陸 2022年4月30日
――――悪いけれど、
(かつて)
(“神”と呼ばれた少年は、自身の運命に“死”を上書いた)
(“生きる限り生き続ける”はずの生命に“自然のものでない死”を被せ、それを成さしめた――)
(それは、)
(つまり、)
・・・・・・ ・・・・・・・・・
(自然の法則を――世の理を捻じ曲げたということであり、)
竜城・陸 2022年4月30日
僕はね。
(だから、)
現実改変
“そういうの”は得意だよ。
(この段に於いては、ただ、強く思うだけでいいのだ)
(“この光はその光を灼き尽くす”と)
(“その光の余波が、この世界を侵すことは決して有り得ない”と)
竜城・陸 2022年4月30日
(何よりも)
(この光があらゆるものを守ると、)(それが為せると)
(――――傲慢なまでに、そう信じている)
竜城・陸 2022年4月30日
(――過たずあらゆるものを捉え、射貫き、焼き尽くす不敗の槍。その権能を載せた光槍を、真向から光の奔流へとぶつけて)
(その“認識”を、こちらの“認識”で上書いて、捻じ伏せる)
(相手を傷つけるものではない、)
(ただそれは、“世界は事もなく在るがままに流れるのだ”と約すだけのもの)
(光の暴虐だけを焼き尽くし、一切のその影響を排するだけのもの)
(無効票)
大門・錦 2022年4月30日
(光の槍が、閃光を飲み込んでいく。歪められた条理によって生み出された閃光が、あるべき世界へと正されていき。)
大門・錦 2022年5月1日
……やっぱり。理不尽ですわね。(仮にも神の写身の名を冠す存在である、『神ノ影』(メフィストフェレス)の世界を上書く認識。光が強ければ、また影も濃く残される。少なくとも伍するくらいは出来るかと、思っていたけれど。)
大門・錦 2022年5月1日
まぁ。少しは発散できましたわ。好き勝手しましたし。(消費した魔力量からして、数カ月は持つだろう、と。そう微笑んで。光の槍に飲み込まれていった。)
(無効票)
竜城・陸 2022年5月1日
――それはまあ、そうだろう。
君の目の前にいるのは、神ひとり、その認識だけで殺せる程度の“魔法使い”なのだからね。
(囁くような低い声音は、それでも彼女の耳に届くだろう)
(かつて己の認識で以て、己を殺した“神”の独白めいた言葉には、それまでの平坦な響きにはない悲嘆が、微かに乗った)
竜城・陸 2022年5月1日
(その光は彼女の身を焼くことはない)
(先に放ったものならばいざ知らず、そこに乗せた神秘は“世の理を正す”というただそれだけのものだ)
(――“光”の権能が為す領域の影響は、受けるかもしれないが)
竜城・陸 2022年5月1日
(出来うる限り出力を絞って、注意深く距離を取りながら)
……どうだい、調子は。
(無効票)
大門・錦 2022年5月1日
……………………率直に言っていいでしょうか。
最悪の部類ですわ。
いえ、魔力を吐き出せてスッキリはしていますけれど。(そもそもが魔の産物。世の理を正す、となれば存在そのものが脅かされかねない。)
ともあれ。お付き合いありがとうございましたわ。
竜城さんにお願いして良かったとも思っていますもの。
(無効票)
竜城・陸 2022年5月1日
……ああ、すまない。
あれにだけ当たるように調節すべきだったね……どうも僕は制御が“俺”ほど巧くはなくてね。
まあ、だから“俺”も普段、僕に任せたがらないのだけれど……。
(とはいえ“あちら”は魔術師だ――“こちら”は魔法使いだが――。同じ強度の現実改変能力は有さず、単体では認識の上書きは不可能であったろう)
どういたしまして。
役に立てていたのならば何よりだ。
……ちなみに、定期的に吐き出さないといけないものなのかい、それは。
(無効票)
大門・錦 2022年5月1日
いいえ、死んでないだけマシですわ。
恐らくそれも正された結果、なのでしょうけれど。
(魔でも有るがヒトでもある。その御蔭で消滅はしなかったのだろう、と。)
そうですわね……ある程度は発散しないと魔力が溜まりすぎて励起する可能性もありますし、きっかけから鑑みるに大規模な帰還が行われると励起するようですわね……
先程のではなくても、魔力の消費の大きい魔法を使えば発散は出来ると思いますわ?
(無効票)
竜城・陸 2022年5月1日
それこそ僕も君も“ひと”を核にしているようなものだからね。
そう簡単に消えるものでもないのだろうさ。
(――言いつつ目を閉じて、“切り替え”る)
竜城・陸 2022年5月1日
……じゃあ錦、次はもう少し穏便な魔法でお願いできるかな。
出来れば俺でも対応できそうなやつとか……
すごくでかいの一つとかじゃなくてそこそこ大きいのを複数みたいな感じとかで……
(そうすれば、その表情も、声音もいつも通りの)
(“竜城陸”と呼ばれた少年の、それ)
(無効票)
大門・錦 2022年5月1日
(変化の逆回しのように、魔力の帯が錦の体へと戻っていき。)
あら。次も付き合って下さいますの?
(肌に沿うように流れていた魔力の紋様も消え、普段の姿へと戻り)
……けれど、折角お付き合いいただくのですもの。
ちょっとくらい驚かせたい、と思ってしまってはいけませんか?
(無効票)
竜城・陸 2022年5月1日
え、そりゃ当たり前でしょ。
友達の頼みを断ったりしないよ。……俺だからこそできることなんだから、尚更。
竜城・陸 2022年5月1日
……まあ気持ちはわからなくもないけど、せめて地球環境に影響の出なさそうなのだと嬉しいかな……。
(なんて言いつつ)
(近づいて、手を差し出し)
不調でしょう。学園まで運ぶよ。
(無効票)
大門・錦 2022年5月1日
(ふふ、と微笑んで。)
では、お言葉に甘えますわね。環境保護については、追々改善していきますわ。
(そんな事をいいつつ、差し出された手を取った。)
(無効票)
竜城・陸 2022年5月1日
おや、それこそ「他人の事を言えた義理ではないでしょう」なんて言ってくれてもよかったところだけれど?
(なんて、軽口ひとつ、)
……差し支えなかったら抱えて飛んでも構わない?
差し支えるなら、パッと移動しちゃうけど――
(演出終了)
大門・錦 2022年5月1日
あら。一本取られましたわね?
(軽口には、軽口を返して。)
えぇ、手を引かれてぶら下がると肩が痛くなりそうですし。
エスコート。お願い致しますわね。
(そのまま、抱えられてフィールドを後にした。)
(演出終了)
大門・錦 2022年5月1日
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