第17試合:北西駐車場にて~前哨戦
最上・優人 2022年4月17日
トライデント:シーズン1、第17試合。
最終試合のフィールドは障害物の多い「ショッピングモール」です!
注目はやはり第1試合・第6試合と序盤で2連勝を決め、ポイントで大きくリードする黒神の三竜か?
早速選手たちが移動を開始したようです……が、おっと、これは……!?
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ラール・ケレス 2022年4月17日
(北西平面駐車場。南には開けた広場、東には立体駐車場を見上げるマップ端)
(試合開始から程なく、「彼女」が立体駐車場側から足を踏み入れた時。周囲には、初期配置で反応があった一人を含めて、ディアボロスの影は見当たらず。代わりに――それなりに多く止まった車の影から、まるでかくれんぼのように。ちらほらと、数体のプチギガースが姿を覗かせていた)
神楽・のぞみ 2022年4月17日
駐車場の入り口から、少女が中を覗き込んでいる
(のぞみ達のチームは……今のところ、一位……! ええと、えと……一番いいのはもちろん、この試合も一位を取ること……だけど、点数で考えると……二位でも優勝のチャンスがある……よね)
(無効票)
神楽・のぞみ 2022年4月17日
(そして……ここにはプチギガースがたくさん……ポイントを稼いでおけば……ゴールデンを倒されちゃっても……いい感じに……なる!)
「……問題は……もう一人近くにいる……はずなんだけど……合流するために……移動したとか……ん……ん……」
駐車場を見回しても、辺りに人の気配はなく、少し自分にとって都合のいい事を考える。どうあれ、こうして様子を見ているのは時間の無駄でしかなく……思い切って一歩踏み出していく
(無効票)
神楽・のぞみ 2022年4月17日
「お、おじゃましまーす。
……プチちゃん……ごめんなさい」
誰もいませんように、と願いながら、恐る恐る駐車場へと入っていき、
近くにいたプチギガースを殴りつける
ラール・ケレス 2022年4月17日
拳を振り下ろしたのと、全くの同時。
どるん、と、唐突な音を立てて、のぞみの斜め前方に止まっていた軽自動車のエンジンが入り。
存在を誇示するようなハイビームが、のぞみとプチギガースを照らし。
運転席には誰もいないまま。
勢いよくアクセルを踏まれたように走り出す――!
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月17日
――ただ、正確にハンドルが切られるわけではなく。
まっすぐ走り出しただけの、質量の塊で――どちらかといえば、避けなくたってコースは外れ気味だったが。
神楽・のぞみ 2022年4月17日
もちろん、他の相手がいる可能性を考えて警戒はしていた、警戒はしていたが……いきなり車がこちらに迫ってくるのを見て思わず声をあげる。
冷静に見れば、誰も乗っておらず、コースも外れている、と判断できただろう。しかし……普通の感性の少女にとって、車に轢かれるかも、という恐怖は耐え難いものであり…………
「ひっ………ひえぇ……か、かみさま……なんとかして!!」
(無効票)
神楽・のぞみ 2022年4月17日
少女が『神』と呼ぶ存在は、曖昧な指示で動くことはできない……何とかする……という命令に対し、出力されたのは……以前の会話から、車がぶつかりそうならどうするか、という問いの答えの一つ
…………迫り来る軽自動車は『神』が発生させた斥力場にぶつかり、大きな音を立ててその場に停止した
……もう動くことはなさそうだ
ラール・ケレス 2022年4月17日
(――受け止めるか。試合は見たが、大した出力だ)
声は上げず。少しだけ驚いたように目を瞠る執事は。
のぞみの、
・・・・・
すぐ真後ろにいた。
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ラール・ケレス 2022年4月17日
まともにやったら強敵だっただろうな、と、素直に思う。
だからこそ、一切の容赦なく。
寄生体を仕込んで操作した車は、ただの囮。
反対側に停車した車の影から飛び出し、音もなく忍び寄った執事は。
黒光りする大振りなナイフを、背後から肩越しに腕を回すように、あどけない少女の喉元に――――
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月17日
――――ざざ、と、微かなノイズ交じりに走る通信音声。
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月17日
その予想外の内容を吟味するには、時間があまりに足りなかったけれど。
ただ、咄嗟にマズいと直感して、ギリギリで刃を止めた。
神楽・のぞみ 2022年4月17日
「あ、あぶなかった……これじゃ大事故だよ……」
車が動きを止めたのを見て、ほっと胸を撫で下ろす。恐怖と緊張、救われた安堵から接近する相手に対する反応が遅れる
……もし、そのままナイフが振り下ろされていたのなら、真っ先に倒れ伏していただろう
刃が止まり、背後の気配に気づいた少女が回避を試みる。ナイフから逃げるようにくるりと転がって、ラールへと視線を向ける
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神楽・のぞみ 2022年4月17日
「……て、敵襲……不審者……!」
それだけ呟いてラールから距離を取るように後退る。車も含めて彼の攻撃なのだろうと、気付いて警戒しながら相手の動きを見つめる
ラール・ケレス 2022年4月17日
「ふしっ!? ……待て待て待て、……いや、敵は敵なんだが」
離れるのを追うことはなく。
まとまらない言葉を口にして、ナイフを持ったのと別の手を「待った」の形に差し出しながら、数秒、思考を巡らせる。
(――――待て待て待て)
(いや、南はともかく――)
・・
(なんで陸のところに2人向かってる?)
(藤永は今フリーってことか? あんないかにも放置したら厄介そうな女が?)
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ラール・ケレス 2022年4月17日
想定した幾つかのパターンの、どれからも外れた事態。
周囲を囲んでいたはずの三竜チームの2人がそう動く、ということは、だ。
(あの広報、ゴールデンギガースより陸を優先しやがったな……!?)
何かしらの理由で二手に分かれたくなかった……以前の試合の様子からすると3人目のケアか?
それとも単に、2人がかりなら速攻で撃破して戻ってこられると踏んでいるのか。
分からないが、自分の思う手堅さからは大きく離れた判断だ。
となると、不味い。
何が不味いって――――仮に神楽を排除出来ても、先が続かない。
ので、
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ラール・ケレス 2022年4月17日
「……悪かった、不意打ちして。待て、続ける気はない。今も止めたろ、攻撃」
ダメ元で謝ってみた。
神楽・のぞみ 2022年4月17日
(言いたい……ごめんなさいですんだらお巡りさんはいらないんだよって言いたい……けど……のぞみの神様は……「心からの謝罪ならば受け入れ許すべき」)
「え、ええぇ……う、うーん……ええと……は、反省してるなら……うん…………今は敵同士だし……攻撃したりするのは……全然、いいんだけど」
警戒したまま、会話を続ける
(無効票)
神楽・のぞみ 2022年4月17日
「…………ん、ん……でも……うん……不審……お兄さんは、なんで攻撃……やめたの? もう一回攻撃してきたら、のぞみも……反撃するよ」
あのまま手を止めなければ負けていた訳で、怒りよりも疑問の方が大きくなってきて
ラール・ケレス 2022年4月17日
「全然いいんだ……」
流石に良くはないだろと思わず漏らした。
良い子すぎて執事はちょっと申し訳なくなった。
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月17日
「――手短に言うぞ。推測込みだけど、多分じきにメリタガータの2人がこっちに来る」
おまけに多分、B棟はもう何かしらの方法で制圧されている――と踏むが、それは口には出さず、
「僕らが殴り合ってても、2人がかりでどっちも潰されるだけだ。――片方落とすまででいい。手を組もう、神楽」
神楽・のぞみ 2022年4月17日
ラールの話にこくこくと頷きながら耳を傾ける
(二人もこっちに……う、うーん……不審者さんと戦いながら二人を相手に……して……ポイントも稼いで……ん、ん……)
「ん…………手を…………?」
(、)
神楽・のぞみ 2022年4月17日
相手の言ってることは理解できる、チームにも自分にもそのほうが得なのは分かる……分かるものの
(いきなり車ぶつけられて、刃物で切りかかってきた人と……手を組む……今は……そのほうが……いいのかなあ)
「ん、いい案だと……思わなくも……ないかな
…………………よ、よろしく……おにーさん」
とても不満そうな声と表情で答えた
ラール・ケレス 2022年4月17日
「サンキュ。――冷静だな、神楽は」
不満たらたらの顔に、苦笑気味に肩を竦める。
そりゃまあ、不満は当然だ。頷いてくれただけで感謝したくなるのは本音であった。
何かの音が響く南側を、見遣り、
「細かい相談する時間はないから、一つだけ、伝えておく。半分は僕の都合だけど、半分はお礼だ」
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ラール・ケレス 2022年4月17日
「どっちも厄介だけど。
僕らにとっても、お前らにとっても――ゴールデンを諦めてないなら、藤永・えみりは無理にでもここで落としとくべきだ」
そう、口にした。
(つづく)