第9試合:潮騒に蠅声
最上・優人 2022年4月13日
▼Situation
S1:第9試合「仮想学園」
③校舎:B棟
大昔の話。船というものが未だ衛生的ではなかった時代。
船乗りたちは蠅声に悩まされたという。
時は進み、現在。
普段ならば生徒や教職員で溢れかえっているはずのそこは、驚くほどにしん……と静まり返っていて。
されど、その静けさは。まさしく嵐の前の静けさであった。
潮騒と蠅声の、生存競争が始まる。
2
五月・崇鈴 2022年4月14日
だから、この偉そうなアダルト3号からやってやるってんだよ
(躱されたとしても、大振りな狙い通りに壁は切り刻む。空いた穴は逃げ道。引き戻した爪でルリアの剣をはじきつつ、その穴に逃げ込む)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(教室と廊下。四角い閉所な空間。その壁を切り刻み、空を飛べる自分が自在に行き来できる道を作ってやる。そうやってチマチマとやっていればいい)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
……
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
好きにして、いいの?
(小さく笑い、問うて)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(「これ」を選ぶと)(ルリアはきっと怒るのだろう)
(それは、わかってる。だけど)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(同時に。ルリアが、わかってくれるのも、分かってるから)
──耳、塞いでおいて。
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(言った刹那)
(遠吠えが。響き渡る)
(空を飛べる? 閉所の利を活かせる?)
(関係ない)
(だって……音より早く動けるなら、こんな足止めなんてしなくて済むはずだ)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(校舎を揺るがし、弱い箇所を崩落させるほどの、音の衝撃が)(響き渡る)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
(身を隠した、次はどこから来る――と警戒しながら)
だからそう言って――(までを、言いかけて)
…………ちょっと。
妙な事、考えてない?
(好きになさい、とは言ったけれど。)(あくまで、「私を守ることを優先する必要はない」と言いたかったのだ、こちらは)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
(だから、次の瞬間、相棒が取ったその行動には)
(怒気を孕んだ表情を、隠しきれなくて)
(あぁ、こんなに怒っているのに――)
(結局の所、狙いを理解した瞬間には咄嗟に魔術で耳に栓をした自分にも腹が立つ)
五月・崇鈴 2022年4月14日
)
・
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(耳を塞いだところで、こちらは異能による対応など何もない。「見えて」いたところで音では避けようもない。穴の先、2人の真下あたりで、1匹の蠅女が、落ちた)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
――っ………………
(崩落を始める校舎。魔術防護つきとはいえ、間近であれだけの衝撃を受けて、くらりとよろめいて)
(いや、自分はいい。それよりも――)
マガミ!!!
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(ああ、やっぱり怒らせた)
(くすっと、笑う)(わかっているのに、迷わずこういう選択をする私もどうかと思う。けど)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(「敵」が落ちてきたのを見届けて、)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
……だいじょ、ぶ。
すこし、勝ちを焦った。ちょっと、この体だと、想定外に負担が大きかったのは、……うん。
(目逸らし)
……怒った?
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
…………当たり前の事、聞いてるんじゃないわよ。(はぁ、と息を吐きながら)
こういうときのアナタって、本当にいっつも……。
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
──そうね。
(と、小さく苦笑混じりに)(それでも)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
……それでも。私はルリアに、勝って欲しいの
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
……全く、もう。(まだ、僅かに怒気を孕んだ声。それでも、口元はわずかにつり上がってしまって)
(無効票)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
ほら、行くわよ。アイツはもう落としたでしょ。
ゴールデンの出現位置まで―――(と、そこまでを口にして)
(あの蝿女が墜落した所までは、見えた。けれど)
(消滅までは――? そんな思考が、ふいに頭をよぎって)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
……
(僅かに、怪訝げな顔をして、ルリアを見て)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
───しまっ
(思うように、力を奮える体ではないことを、思い出したふうに、「そちら」を)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(そのすぐ背後で、頭、特に耳元が潰れた虫の体液に塗れた蠅女が、上半身だけを宙に浮かばせていた)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(爪はルリアの腹部を突きさすように、差し出されようとしている)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(ヒヒッ。その顔はルリアではなく、マガミを見て……「勝たせたいんだろ? どうする?」と語っている)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(迷いは、ない)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(稲妻が、爆ぜたような音が響く)
(割って、入って。自分のからだで、止めて)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
……やっぱり思ってるより、ずっと脆いですね。この体……
(がくん、と膝をつく)
(代わりに。突き刺さった爪を自分から抜かせるつもりも、ない)
(五月の手首を掴んで)(骨が、肉が潰れるほどの、力で)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(ぐじゅり)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(掴まれた手首の肉と骨が潰れ、千切れる……否、潰れたのは蠅だ)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(リソースを極小に分割した無数の蠅。それが今の崇鈴の体を構成している。上半身の切り口も、倒れていた下半身も同じように蠅が蠢いている)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
ブブブ、ヒッヒヒ、ブブ(羽音と笑い声が響く)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(切り離された手首が、まるでそれ自体が生きているかのように、マガミの傷口をさらに広めるために蠢く)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(反応は、早かった)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
(自身の体を、「燃やして」)(蹂躙する手首を、焼き尽くす)
(再び本体に戻れないように)
(だけど)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
ルリア……
(無効票)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
――――誰のモノに、勝手に手を振れているの?(ひどく、冷えた声が空間にこだまして)
(無効票)
マガミ・ゾーリンゲン 2022年4月14日
ごめん。
(そう。短く、……──)
(離脱)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
報いは――その身で受けなさい。(3本目。刀身そのものが炎でできた刀が、宙を舞い――残った本体を、有象無象の蟲どもを、完膚無きまでに焼き尽くさんと振るわれ)
五月・崇鈴 2022年4月14日
ヒッヒヒ、ヒッヒ! ちげぇだろ、あっちから来たんだろ?
アダルト3号の身代わりによぉ、ヒヒッ、ヒヒヒッ!
(ただの虫に炎に対抗する術はない。飛び立つ蠅が火の粉となって短い命を散らせる)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
ヒヒッ……あー、慣れねぇことはするもんじゃねぇな。疲れた。
ま、ポイントはそれなりに稼いだし
(体が燃えカスになり、崩れ)
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
時間稼ぎも十分だろ……じゃあな
(無効票)
五月・崇鈴 2022年4月14日
(燃え尽きた)
(離脱)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
(そうして、崩落する校舎に、ただひとり)
(この場の戦いにおいては、ひとまずの決着はついた、ものの)
(無効票)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
(模擬戦、腕試し、ゲームのようなもの)
(わかっている。ここは仮想の空間であって、マガミは今頃現実の世界に帰還しているだけ)
(そう、理解してはいるけれど)
(無効票)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
『ルリア……ごめん。』
(そう、先程の光景が、鮮明に思い出せて)
(無効票)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
…………私の気が収まる理由には……ならないっ!!! (がつ、と壁を拳で叩いた)
(ただでさえ崩落しつつある天井から、ぱらぱらと破片が落ち)
(無効票)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
………………勝ってほしい、って言ったわよね。
(帰還したあの子に、聞こえているのだろうか。)
(無効票)
ルリア・アクアボトル 2022年4月14日
……必ず。(聞こえていないなら、それでいい。どのみち、今私の心が望むのは)
(勝つ――それだけだ)
(そうして、駆け出す。ゴールデンギガースを目指して)
(離脱)