【個】春花の咲くころに
竜城・陸 2022年4月7日
たまたま、午後早めに授業が終わった日。
確か今日は業務を当てていなかったはず、と後輩に声を掛ける。
「ちょっと出かけない? そんなに遠くはないんだけど」
場所:
新宿島・とある緑地
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竜城・陸 2022年4月7日
(――某区にある森林緑地。二十三区内にあって珍しく、豊かな自然の見られる場所)
(桜はもう見頃を終えてしまったけれど、春の野花はまだまだ咲き頃で、緑の絨毯の上には転々と、鮮やかな色彩が見て取れる)
竜城・陸 2022年4月7日
いきなりでごめんね、確か今日は業務のない日だったよな、と思って。
(個人の仕事とかも大丈夫だった? なんて首を傾げて)
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(この狭い東京新宿島とは言え、普段から学業に仕事にいそしんでいると)
(当然、知らない土地の方が多い訳で。)
(暖かな春の風が野花を揺らし、色鮮やかな色彩に思わず感嘆の溜息が漏れそうになる。)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(そんな彼女は折角のお出かけだしとの事で、一度寮に帰り改めて春の装いを)
(先日姉と一緒に買いに行ったミニスカートをメインにしたコーディネイト)
(こうやって実際にはいて外に出るのは初めてです。)
(ナチュラルだけど少し化粧もして。)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
はい、新学期始まって早々で特に用事も無かったので。(丁度良かったです。)
素敵な場所ですね?良く来られるのですか?
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
実際に来るのは初めてかな。話には聞いていたけれど。
(道なりに歩けば周囲に広がる草原に転々と、黄色や白の小さな花。タンポポやニリンソウ。赤みがかった少し背の高い、ワイルド・オーキッド。そんな花々を眺めやっては、目を細めつつ)
そう、何事もなかったのならよかった。
新しい住居が決まったとは聞いていたけれど、生活は落ち着いた?
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
あら、そうなんですか(と少し嬉し気に、歩を進めて)
うーーん?
荷物を入れて…、学校が始まってすぐなので
まだ少し慣れて無いかな。
まだ寮生の殆どと顔合わせも出来ていませんしね。
週末に、その辺も兼ねてお食事会があるみたいです。
レイ・シャルダン 2022年4月7日
陸さん…。今まで色々とご迷惑おかけしました。
色々と配慮頂いて嬉しかったです、ありがとうございました。
やっと…ボクにもただいまって言える場所が出来ました。
(お礼のべ、お辞儀をする。)(そんなの不要と思われているかもしれないけど)
(彼女なりの筋なのだ。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
礼を言われるようなことではないよ、……うるさく言っただけのような気もするしね。
(なんて、くすっと笑って)
まあ、何にせよ落ち着ける場所が出来たのならよかった。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
まぁ…割と…口酸っぱく言われたのは事実かも?
(日々を少しずつ振り返り、同じ様に小さく笑い)
ずっと心配してもらってましたし、ね。
そですね。
それにやっと使えますね。(お風呂の。アレ)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
どうも、加減がわからなくてね。
……過保護じゃないかとか、友達にはたまに言われるんだけど。
(なんて少しばかり苦笑してみせて)
ふふ、使ってみたら感想を聞かせてほしいな。
ああいうの、俺もあまり馴染みのないものだし。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
そ・う・で・す・ね。
…いつぞやの冗談みたいなのは勘弁してほしいなぁ。
でも気にかけて頂くだけならいくらでも歓迎致します。
今の寮には一人用のユニットバスもありますので…。
ただ、やっぱり開封するまでは決心が要りますよね。
(無くなっちゃったら嫌だし。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
おや、使うためにあるものなのだからそうしてくれたほうがいいけれどね?
飾っておくような風情のあるものでもないのだし。
(なんて言いつつ――緩い足取りでまた歩を進め始め)
奥の方には池もあるらしいよ。まずそこまで歩こうか。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
無くなったらまたプレゼントしてくれます?
その代わり感想は使った後に直接会って伝えます。
(足元の花を見ていた目線を彼に戻し)
あら、池ですか。
(先を行く彼のすぐ隣に並んで歩きます。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
それはそれで、贈り物の特別感がなくなるんじゃないかな?
(木立の間を抜けるように続く道なりに歩いて行けば、ほどなくして視界は開けて)
(左手側には、池が見えてくるころ)
……そう。そのあたりの景色が見たくてね。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
まさしく、言われてみればその通りですね。
(折角だから、使い終わった後、ボトルレジンにでもしようかな。)
この辺りの景色…?
何かあるんでしょうか?
(彼の目線の先を追う様に、左手に見えてくる池の方を向き)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
また何かの機会があれば、その時は別のものを贈るから。
(それで勘弁してもらえると嬉しいな、なんて言いつつ)
何か、……そうだな、何かというわけではないけれど。
(池のほとり。少し開けて広場のようになったそこから、池を回り込むように左右に道が伸びていて)
(こっち、と左の道へ、迷わず歩いて行けば)
竜城・陸 2022年4月7日
(――初めに目を引くのは、池の傍に咲くアヤメの花)
(彼女の故郷でも、同種の花が“アイリス”と呼ばれ、親しまれていただろう)
このあたりは、欧州でも馴染みの深い花が多いから。
気晴らしにはいいかな、と思って。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
はい、待ち遠しいですね。
楽しみにしています。
…。
あら…。
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(決して花には詳しくない。)
(青のクラスとは言え、花や木などとは正反対の事を学んでいるから)
(だからきっと、この花の名前も分からない。)
(でも、懐かしい。)
(家の近所で、川のほとりで、通学路の何処かで)
(きっと一度や二度では無い数、愛でたのだろう。)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(その花に駆け寄り)(あの時の様に愛でる…。)
(でも…何故…?)
(思い出すのは…気晴らしにはいいかなって。と言う言葉)
…陸さん。わざわざ…調べて?
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
(そんな様子を、微笑まし気に見やりながら、遅れて近づいていく)
(傍に屈んで指先を伸べたのは、アヤメの花――)
(――ではなく、その傍に咲く小振りの紫花)
(スミレの花は、日本でも馴染みのある野の花だ)
……慌ただしいこの時期に加えて、ドイツの現状も予断を許さないだろ。
少し、思い詰めているんじゃないかと思って。
(余計なお節介だったかな、なんて、言いつつ)
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(手のひらに灯る青い魔力の光)
(シートの様に地面に敷いて、その上に膝をつく)
(改めて花に触れ、その香りに触れ、故郷に思いを馳せる)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(この数か月を思い出す。)
(楽しい事、辛い事、じっと耐えるだけの日、立ち向かう日)
(そして、今まさに彼女の故郷が永遠に無くなるかもしれない事態に直面している。)
(きっと14歳になったばかりの少女が抱えきれるものでは無かったはずで…)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(だけど)
(だけど、それでも今を笑顔を返せるのは)
(傍に沢山の人が居てくれて、彼女を支えてくれるから)
…ありがとうございます。
…ありがとう…。
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
それこそ礼を言われることではないよ。
俺が勝手に思って、したことだしね。
(花に触れていた手を止めて、顔を上げる)
……それにまあ、俺も個人的な用事があったわけだから。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
それでも嬉しいものは嬉しいから…。
個人的な用事…ですか…?
(はて?と彼の方を見て)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
そう。個人的な用事。
(草の上に腰を下ろして、)(再び、指先は小さな野の花――菫の花に触れる)
……故郷の花なんだ。
まあ、故郷の、と言わず、世界中色々なところで見られるのだろうけど。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
陸さんの…故郷の…。
(陸さんの触れた花を見つめ)
(私がこの花に先ほど触れた時の気持ちを思い)
(陸さんがこの花を見つけた時の思いを想う)
綺麗な花ですね、何と言う名前なのですか?
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
ああ、……これはスミレ、という花だね。
(見たことはなかったかな、とちいさく首を傾げて)
――海に面した土地に居を構えた一族でね。
春は海岸の方へ歩いていくと、海岸線を埋めるように咲く花々が見られるんだ。
プリムローズに、スミレ……初夏が近づけばアルメリアやシーカンピオン。
竜城・陸 2022年4月7日
……とくに菫の花は、思い出深い花だったから。
つい、久しぶりに見たくなって。
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レイ・シャルダン 2022年4月7日
うっ…。
(もしかして…説明してもらったことありましたっけ。)
(うーーん。。。)
(でも…。)
レイ・シャルダン 2022年4月7日
(もう一生忘れません。)
陸さんの故郷…ですか?
(海に面し、イングランドか、北アイルランドか…きっとドイツよりは涼しく――)
(彼の育った環境を想像して、)
花に囲まれた暮らしだったんですね…?
菫の思い出…伺っても?
(彼にとっての深い思い出が…一体どんな思い出なのか、想像も出来ず)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月7日
俺の生きていた頃はまだまだ、そこらを歩けば簡単にこういう光景に出会えた頃だからね。
ひとがまだ、自然と共に在った時代だ。
(懐かしむように目を伏せて、)……思い出。
竜城・陸 2022年4月8日
……身体が弱くて、碌に外へ出られなかったと話したろう。
そんな俺が、初めて外に出たのが丁度、スミレの咲くころ――春から初夏に移り変わる季節だったんだ。
(生まれて初めて見た、外の世界。)
(焼き付いて離れない故郷の風景、消えない憧れ、故郷への想い)
(“正しさ”を求め、死を希求した“神”のこころが科した制約が解けてようやく、)
(それを、しっかりと思い出せた)
だから、うん。
思い出の花、というやつだね。
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レイ・シャルダン 2022年4月8日
(生きていた頃と言う言葉にチクっとした胸の痛みを感じる)
(彼が遥か昔を生き、そして死に、何の因果でここに来たと言う事実を)
(彼の語るその姿は少し寂しそうにも見えた。)
(もう…決して帰る事の出来ない、…望郷の念)
レイ・シャルダン 2022年4月8日
…そんな昔に咲いていた1500年前の思い出の花が、
遥か遠い未来に、こんな極東の地で見られるなんて、
(アイリスの花に触れ)
しかも…貴方の花と私の花、並ぶように。
…何ともロマンチックな話ですね。
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竜城・陸 2022年4月8日
まったくだね。
……時が移り変わろうと、変わらないものもあるのだと、実感できる。
故郷の話を思い出したら、君にも話そうと思っていたんだ。
前は、よく知らない、なんて言ってしまっただろ。
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レイ・シャルダン 2022年4月8日
この現代に、貴方にとっても変わらない物が残っていてよかった。
嬉しいです、お話を聞かせてくださって。
でも…何故思い出せたのでしょう?
何かきっかけでも?
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竜城・陸 2022年4月8日
こちらこそ、聞いてくれてありがとう、と言うべきかな。
きっかけ? …………そうだな、
竜城・陸 2022年4月8日
欲しいものには全力で手を伸ばすと決めたから、かな。
必ず取り戻そう、世界を。
……手始めにまずは、君の故郷だね。
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レイ・シャルダン 2022年4月8日
…。
レイ・シャルダン 2022年4月8日
ええ、まずは私の故郷から。
この新宿島の空を飛んで、その景色を見て思いました。
足りない…って。
必ず。すべてを取り返しましょう。
(無効票)
竜城・陸 2022年4月8日
ああ、そうだね。
……その為にも今日はもう少し、英気を養っていくとしよう。
勿論、暗くなる前には送っていくから、心配しないで。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月8日
ええ、そうしましょう。
あっ…。
ねぇ陸さん。
帰る時…、あの…この花たち、
少しだけ摘んで帰っちゃだめかな?
部屋に飾ろうかな…なんて。
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竜城・陸 2022年4月8日
…………、
さすがに緑地の花は摘んだらダメかな……(たぶん)(なんて言いつつ、)
竜城・陸 2022年4月8日
……まあ、それなら帰りに花屋にでも寄っていこうか。
アヤメの花なら切り花があるだろうし、スミレも……たぶん、鉢植えならあるだろうから。
(無効票)
レイ・シャルダン 2022年4月8日
Ja~。
じゃあ…次はなんのお話をしましょうか。
(▼)
竜城・陸 2022年4月8日
んん、そうだな、何がいいだろう……。
それじゃあ――――
(▼)