第4試合:山頂付近での乱闘
神居・メト 2022年4月4日
トライデント:シーズン1、第4試合。
チーム【ビッグ5】【ケルベロス】【虎威電斗上等】の一戦です!
フィールドは“山岳”!
非常に高低差が激しいマップで、
見晴らしの良い山頂付近と木々の生い茂る麓、それらを分断する渓谷で構成されています。
選手たちの転送が――おっと!
これは……よりによって隠れる場所のない山頂、ゴールデンギガース出現地点で3チーム4選手が遭遇!?
いきなり大混戦の予感です――!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
広がる荒野、隠れる場所は点在する木や岩の影くらい。
3分後に出現する【ゴールデンギガース】を撃破するのは誰か、
果たしてその時、何人の選手が立っていることになるのか――
2
一恋・未樹 2022年4月4日
――!?
(自分の十八番の酸攻撃が、眼前に向かって来た。)
――チッ、人にそんなもん向けんじゃねえっつの!?
(自嘲混じりの悪態。どうやら育ちが良さそうに見えてだいぶこっち寄りのタイプらしい。)
(しかし攻撃の広さは一目瞭然――!)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月4日
――VRなら、使い潰しても問題、ねえ!!!
(一張羅の特攻服を、力一杯脱ぎ捨てるようにして上に被る。
無論、特攻服へ「属性装填」してある粘体も未樹の上へと集中し――)
食い尽くせえ!!!
(うぞうぞと蠢く黒の粘体が、上空の酸と打ち消したい、溶ける。多量の煙を上げながら)
(吸収しきれなかった酸で、未樹の四肢からも、少しずつ酸が漏れ出ていく)
(まだ、まだだ。
あと何分、何秒耐えれば――!?)
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月4日
(――だん、と、地に足を付ける。成る程、そう防いだか。視界を塞いでくれたのは幸いだが、稼げたのはせいぜい数秒……、)
「……――!?」
(そう思考する最中、走る、微かな違和感)
(上の状況が正確に分かるわけではない。目を逸らす余裕はなく、捨てた拳銃を奪われたことも把握できていない)
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月4日
(感じたのは、ただ、通信越しの動揺だけ)
(――、まさか、とは思うが。否、自分の攻撃が利用されれば動揺するのも当然ではある。執事として、真っ先に気付くべきだった)
(舌打ちする暇はない。――今かける言葉は一つだろう)
「陸、」
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月4日
(傷ついた状態で氷柱に叩きつけて、感覚の消えた片腕。これがペインブロックか。これ以上酷使すれば強制ログアウトもありえる)
(迷いなく反対の腕の手首を返し、袖口から取り出したのは暗器めいた数本のスローイングダガ―。素早く青い寄生体を纏わせて)
(投げるのは、上――――では、なくて)
(紡ぐ言葉も。大丈夫だ、でも、心配するな、でもなくて、)
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月4日
「――助太刀は要らないよなぁ!?」
(視線は油断なく未樹に向けたまま。あらぬ方の地面に向けて、投げ放つ。投げた先は――先程。未樹が炎を放った際、紛れるように下に向けて放たれていた呪符の近く)
(何をするか、読み取れるわけではないが――状況を見れば、防ぐべき手は幾つかの方向性に絞られる。未樹から稼げた数秒を、執事はその対処に向けた)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月4日
「――――」
(名を呼ばれた。)
(はっとして、意識を引き戻す。)
(視線の先にあったはずの姿を追うように視線が動く)
(捉え直した相手は既に射撃態勢。銃口が此方を向いていて――)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月4日
(続けられた言葉に、ああ、と思った)
(この期に及んで、まだ他人を信頼できていないのか、自分は)
(――それは、すごく、格好悪いな)
(だって、向こうはちゃんと、信じてくれているんだから――)
「……勿論、」
(ああ、格好悪い)
(物凄く、格好悪いけど――)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月4日
「……問題ないよ」
(――だったら、これ以上の無様は見せられない)
(震えているけど。唇には笑みを佩いて、)
『――破魔の蒼星』
(旋律に乗せた言の葉を紡ぐ)
(伊達に、番長なんて肩書を背負っているわけではないのだから――)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月4日
(右手を翻し、手の中に剣を生み出して、)
(――急降下)
(放たれた銃弾は頬を削った。浅い傷からリソースが漏れ出るが、この程度なら軽微なもの)
『破穿の氷軌』
(手にした剣が、淡い蒼光を纏う)
(否、注視すればそれが、蒼い氷晶であることは見て取れる)
(それが生む、極限まで凝縮された極低温の冷気を、剣に纏わせて)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月4日
「――さっきの分の、お返し!」
(相手がその場から逃れるより早く、むりやり近接距離へ持ち込んで)
(袈裟懸けに斬り上げる)
(無効票)
里木・啓吾 2022年4月4日
(アークコードを併用した戦術【サモンバレット】
このVRでは特定の場合を除き
S.S.A.に対する術式弾丸の再装填が必要だった)
(無効票)
里木・啓吾 2022年4月4日
(バリアを意識しすぎて"狙いが精確すぎた"
少し動けばそりゃ確かに避けられる
加えて右手に愛銃を持ったまま、左手のみで自動拳銃を構え
腕を伸ばしていた)
里木・啓吾 2022年4月4日
(まぁ……つまるところ)
「……浮気はするもんじゃないですね」
("手がなくなった”)
里木・啓吾 2022年4月4日
(回避しようとしてバランスを崩したまま……
肩から切り飛ばされた左手を見送った)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月4日
チっ、目敏い!
(仕込みが潰された。
あっちはウィチカ謹製の符がベースの方だ。
狙ったタイミングで起爆し、暴走態を作るつもりだったが……
そろそろ余裕が無い。時間もどうだ…このままジリ貧だけは勘弁……)
(上に被った特攻服を雑に捲り、辺りを見渡した
その、瞬間。)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月4日
(「ここ」にいる全員が、目標としている「ソレ」が。
名前の通りの輝きでもって、現れた。)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
――――ッッッッッッッシャァァァァァアアアアアアア!!!!!!!
(瞬間。
ラールに狙われた符は放棄。
特攻服から大量の符を取り出した。)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
『我が力、依代に宿りて形を為せ。宿るは記憶。 無窮の記憶なり。』
『宿るは記憶。 無窮の記憶なり』
『――記憶なり』
(未樹の眼前に。龍の顎が現れる。
暴走した際の記憶の再現だ。
巨大な龍となり、口から火を噴いたその時の、記憶。)
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月5日
「――――上等。」
(獣のような猛りを前に、高揚を抑えて呟く。――先の反省もあり、ラール・ケレスは、これ以上なく正確に、状況を把握していた)
(『啓吾は撃破』。十全には程遠い自分。けれど仕込みは諦めたらしい未樹)
(――この状況なら、陸が決められる。極論、未樹を抑え込めれば道連れでいい。……が、)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
(――それを、三対。)
(三つの龍の首が、それぞれに口腔に熱量を充填していく。)
ぶっ、ち、か、ま、せぇぇぇぇぇぇ!!
(ドラゴンブレスが、ゴールデンギガースを狙って、発射寸前だ。)
一恋・未樹 2022年4月5日
。。
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月5日
「――『己の闇を恐れよ』」
(さっきあぁ言っといて「敵ごとお前の技に巻き込まれてやります」じゃ、流石に顔向けが出来ないよな)
(動く腕を掲げ。いつのまにかその指に挟むのは、一枚のカード)
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月5日
「『されど恐れるな、我が力』――!」
(その腕を、飲み込むように。爆発的な勢いで「悪魔の体」が体を侵食した)
(腕だけでなく、その半身を覆う青。執事の影は一回り大きな歪なものとなり、翼をも再び大きく広げ)
(がしりと力任せに三頭竜の影に掴みかかり、巨腕が竜の首を締め上げ、顎を抑え、向きを逸らそうと、)
(同時に、翼が大きく空を叩く。体を押し出すように。先程までの動きが嘘のようなパワープレイ。不細工だが、ゴールデンギガースに攻撃さえさせなければ、それで構わない。必要なのは数秒だけだ。このまま未樹ごと、安全圏まで押し出してしまえばそれで事が済む――!)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(先までの攻防とは打って変わった未樹の反応と)
(躊躇なく切った、恐らくかなりのリソースを消費するであろう大技)
(それだけ見れば。目視叶わずとも状況は明らかで、だから)
『星滅の葬嵐――』
(状況を確認するより先に、旋律を紡ぐ)
(同時、視線を走らせて。“標的”の位置を把握し、彼我の位置関係を確認、)
(ラールの動きは見えていた。或いは巻き込むかもしれないな、と冷静に判断して、)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
『――終滅の天災』
(しかし、それでなお躊躇することはない)
(麓で行われていたであろう攻防で、チームリーダーが見せた働きに。ともにこの場を持ちこたえた彼が、こちらへ寄せてくれた信頼に)
(それらに応ずるというのなら、ここを確実に奪ることこそが何よりの応報だろう)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(満ちる冷気)
(刺すような殺気)
(――降りる静寂)
(紡ぐのは、自身に許された膨大なリソースの、実に三分の一近くを削って放つ、“切り札”だ)
(自身を中心とした広範囲に十数秒間にわたって吹き荒れ、そこに在るモノを捉える氷禍)
(全きなる氷獄、世界の終端の具現――)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
『――死は、汝が側に』
(紡いだ言葉で、まるで堰が決壊するかのように)
(激しい氷嵐が吹き荒れる、)
(その中を――)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(――視えた標的へ向かって、疾駆する)
(相手の手が“炎”であることがわかっているからだ)
(いくら余人の生存を許さぬ氷圏の顕現であろうと。この中では“氷”はあくまで“氷”だ)
(加えて、持続時間は相手より長いかも知れないけれど)
(瞬間的な火力では劣る可能性がある、ということも、冷静に判断できていたから)
(超高熱の炎を前にして、これだけでは足りないという可能性は、頭にあって――)
(――だから、最後の詰めが必要だ、と)
(正しく、理解できていた)
(無効票)
里木・啓吾 2022年4月5日
(痛みと自責の中、戦場の空気が、温度が変わったことだけは分かった。)
「…………ッ」
(とはいえもうできることはない、じきにログアウト……
より先に周囲の嵐、"死"によって吹っ飛ぶのが――
――吹っ飛ぶ?範囲で?)
(無効票)
里木・啓吾 2022年4月5日
「……流水・矢(スプラッシュ・ボルト)!」
里木・啓吾 2022年4月5日
(詠唱後、行き場を失い
後方へ向いていた愛銃から勢いよく水が放たれる)
ZBAAAAAANG!
(放水砲、対象の動きを止める牽制。
そしてぬかるんだ地面による、逃走阻止。
狙いは……ケルベロスによる同士討ち。
もし、まだチームが生きていればこれが次に繋が―――)
(終了)
ラール・ケレス 2022年4月5日
「――――――――あ?」
(無効票)
ラール・ケレス 2022年4月5日
(今度は。心から)
(驚いた、間の抜けた声が漏れる)
(死んだと判断した敵。それでも殺気があれば気付けたかもしれない。だがその、当たれば儲けとばかりに放たれた、まるで子供の悪戯、悪巧みのような――それでいて洒落にならない、猛烈な勢いの妨害に気付いたのは)
(竜と未樹に掴みかかろうとした背を、押され。飲まれるように思い切り、バランスを崩してからで――)
(俺のターン)
ラール・ケレス 2022年4月5日
「ッそが――――!
(目の前に開く三の顎。吹き荒れる炎が)
(悪態を最後まで叫ばせることも許さず、消耗した残るリソースを綺麗に吹き飛ばし、飲み込んだ)
一恋・未樹 2022年4月5日
――(千載一遇の、チャンス!!)
(三つ首龍による炎の放射が、氷界とぶつかる。
拮抗、かは分からない。
リソースはかなりぶち込んだが、本来であれば拮抗はしないだろう。
チャンスの間だが、時間は無い――!!)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
(リソースが欠けてぼろぼろの左手で、木刀に貼り付けていた符を剥がして新たな符を貼り付ける。―――3枚。)
(最後の一手を準備しながら、翼で滑空。ゴールデンギガースへと飛ぶ。)
(青番、速かったか……?それだけが気掛かりだが。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(ち、と)
(珍しく、軽い舌打ち)
(――速度はといえば)
(翼で飛翔する分には、相手に遜色ない程度には、否、恐らくそれより速いくらいでは、あったろう)
(しかし、標的までの距離の差と)
・・・・・・・・
(そもそもの反射反応の稚拙さから、動き出しは明確に遅く――)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(――――間に合わない、)(と、判断するや否や、)
『破魔の蒼星――』
(「魔力を励起し、纏わせる一節」。短くそれだけを唱えて、)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(手にしていた剣を、標的へ目掛けて投擲する)
(魔力を帯びたそれは、ただ手を伸ばして妨害する、程度では止まらない速度と威力で以て、)
(標的であるゴールデンプチギガースへと迫り――――)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
『我が力、依代に宿りて形を為せ。宿るは記憶。 無窮の記憶なり。』
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
(記憶。
記憶だ。
そう。たくさん間近で見たのだ。)
・・
(3回も。)
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
(星見・晴の。
ミサゴ・ゾーリンゲンの。
――一恋・花束の。)
(それぞれ理屈は違えども。斬撃の極地。)
(花束の無彩千変では無い。)
(ただの現象再現。
見た記憶と同じ事象を、再現させようとする為だけの力。)
(それを、木刀に纏わせた。)
(これでもう看板だ。)
(翼の端が。足の指が。腹が。
髪の先が。
どんどん軽くなっていく。)
こ、れ、でぇぇぇぇぇぇ……。
(無効票)
一恋・未樹 2022年4月5日
終われやぁあああああああああああああああ!!!!!!
(木刀を振るう。
膝から下が消えていきながら、倒れながら、
飛んできた剣ごと。
金色の標的ごと。
全部を巻き込む、斬撃を。
ぶちかました。)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(剣の切っ先が、届くか否かで――)
(振るわれた斬撃がそれごと標的を捉え、消し飛ばしていくのが見えた)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
(――それに一拍遅れて、術者の姿が掻き消える)
(要は、残るリソースの全てを振り絞った一手だった、ということで――)
「……やれやれ、」
(漸く、標的の“在った”場所へ辿り着いた。音もなく、静かに着地して)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
「……判断ミスだな。」
(――「一番速い手段がそれだった」から、あまりリソースをつぎ込む間もなく咄嗟にああしたけれど)
(そうか、確かに。獲りさえすればリソースを失ってもいい、という、特攻が成り立つのなら)
(もう少し時間をかけてでも、強力な手段で以て応じるべきだった)
(無効票)
竜城・陸 2022年4月5日
―― ゴールデンプチギガース、撃破!
―― 試合終了です!
(吹き荒れていた氷嵐もおさまり)
(静寂に包まれた山岳で、ひとり。流れるアナウンスを聞く)
竜城・陸 2022年4月5日
―― 得点の集計結果を発表します!
―― 勝者は――――
(終了)
一恋・未樹 2022年4月5日
――――『虎威電斗上等』!
(終了)