【101号室】スィーリの部屋
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年4月3日
~扉に掛けられたメッセージボード~
【❤御用の際はかならずノックをお願いいたします❤】
【(小さな文字で)※不用意に扉を開けますと命の保証は出来かねます🎵】
寮の入り口にほど近い部屋。スィーリ・ラウタヴァーラの居室。
その扉を開けた先に広がるのは──
・パイプベッドにパイプ椅子、頑丈さだけが取り柄と言わんばかりの作業台
・ハンガーラックにつるされた大量のメイド服
・壁に掛けられた「メイド道」の掛け軸
(以下は家具や壁紙などで巧妙に隠されているようだ)
・扉の外へと向けられた収音マイクや多種多様なセンサー類
・二重鍵構造のアタッシュケース
・ラベルに髑髏マークのかかれている薬品
etc……。
笑顔のメイドが、あなたを迎えることでしょう。
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煌燥・灼 2022年9月26日
ハハハッ、頼りにしているよ。
(にこやかに微笑んだまま部屋を出て行くのでした)
(【退室】)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年9月26日
(部屋を出ていく煌燥様を、静かに見送るのでした)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
(あの日から数日後)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
(部屋に散乱するメイド服)(隠さなければならない銃器なども片付けられずに放置されている)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
(のそり、と幽鬼のように少女が起き上がる)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
(カーテンから差し込む日の光を、鬱陶しそうに手で遮って)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
(あの日はどうやって部屋に戻ったか記憶にない)
(意識を失ったとき目の前にいた人、そうお嬢様が──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
……っ!!?
(こみあげてくる吐き気に、慌てて洗面台に駆け込む)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
かはっ……!?う、ぉぇ……っ……ぐ、ぅ……。
(わずかな胃液が出てくるのみ。それもそのはずだ。この数日まともな食事をとった記憶がないのだから)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
お、じょう……様……。
(その場にうずくまり、小さくこぼす)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月6日
ごめんなさい……。
ごめんなさい……。
ごめんなさい……。
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(また数日後)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(人間というものはそう簡単には壊れないもので)
(心が死んでいても身体は生きようとするらしく)
(気づけば辺りにはペットボトルや保存食が散らばっていた)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
学校……行かないと、いけませんよね。
皆さんにも、心配……かけちゃいますし……。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(ゆらり。ベッドから立ち上がる)
(登校用のメイド服に手を伸ばそうと──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(ぐしゃり)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(何か踏みつけたか、と足元を確認する)
(散乱する衣服のようだ)
(レース素材のカーディガン)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(それはいつだったか。お嬢様とデートをしたときに用意したもので)
(メイドではなく一人の友達として同じ時間を過ごした証)
・・・・
(裏切り者の残骸)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
こんなもの……っ!!!
(ビリッ)(ビリビリッ)
(手近なナイフを手に取り、その布切れをずたずたに引き裂く)
(何度も)(何度も)(何度も)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(カランッ)
(手元からナイフが滑り落ちる)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(後に残るのは──もとに戻らぬ思い出の品)
(それはまるで現在の自分と彼女の関係を表すようで)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
……ぜんぶ、壊れちゃった……。
(乾いた涙の跡に。また一筋の雫が)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月8日
(ばたんっ)
(何かの倒れる音)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(ブブブ)
(スマホの振動音が響く)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(自室の床に裸同然の下着姿で転がるスィーリがうっすらと目を開く)
うる、さ……ごほっ……な。
(暖房など入っていない冬の部屋だ。当然のように体調に不調をきたし)
(だが自身の身体に興味がない少女は、ゆらりと身体を起こして画面が光るスマホを手に取った)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(画面に並ぶのはメッセージの数々。内容は長い間学校に顔を出さない彼女を心配するのもので)
……。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
心配、かけてしまっています……よね。
(そう呟きながらも返信はせず、そのまま画面を閉じる)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(立ち上がると、ふらり身体が揺れる)
(圧倒的に栄養が足りていない。鏡を見たならばげっそりとした顔つきが見て取れる)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
ははっ……ひどい顔
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(慣れた手つきでメイド服に着替える。心が伴っていなくとも習慣とは怖いものだ)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(そして部屋を出るべくドアノブに手をかけ──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(びくっ)
(思わず手を引っ込めてしまう)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(想像したのだ)
(廊下でばったり出会うお嬢様を)(にこやかに挨拶をするお嬢様を)
(ただの同級生として私に接する、あの人を)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
被害者ぶって……何様ですか……。
(そしてそんなことに怯える自分に対しての嫌悪感が募っていく)
(すべてお前のせいだろう、と)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(ガラガラ)
(窓を開ける音)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2022年12月12日
(堕ちたメイドが宙を駆けて行った)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月12日
(今日も不在……)
(そっと気になって前を通りかかったが)
…………。
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月12日
(そっと、静かに鍵を開ける)
(申し訳ないと思いながらも、マスターキーで、部屋の掃除をするために開けた)
……。
(部屋の中は散乱していて)
…………。
(掃除をするのをやめた。
彼女と一緒に掃除すべきだろう)
(無効票)
天乃川・星子 2022年12月12日
(静かに置いていったのは、描いてきた絵)
(吹雪の中をひたすら、凛と走り続ける純白のオオカミの絵)
(彼女は生物を描けないはずだが……何故か描けたその絵を、そっと部屋において)
(静かに去っていった)
(【お手紙】)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
(ガラガラ)
(窓の開く音が部屋に響く)
(無効票)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
(音をたてないように、そっと地に足をつけるのは──)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
ただいま……というならば、正面から戻ってくるべきですよね。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
(荒れ果てた部屋を見渡して)
我ながらすごい惨状です。はぁ……。
(ちょっとずつ片付け始め)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
……?
(ふと部屋に違和感が)
この絵は──。
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
(手に取ったのは「吹雪の中を駆ける狼の絵」)
(この部屋に入ることができ、そして絵を描く人物といえば)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
お嬢様、が……?
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
(だが、お嬢様は生き物が描けないはず)
・・・・・・・・
(いや、違う。描けなくなったのは刻逆が起きたからだったはず)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
今のお嬢様は、記憶をなくして……刻逆前まで戻っている?
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
いずれにせよお嬢様と話をしないといけませんね……。
(気は重いですが)
スィーリ・ラウタヴァーラ 2023年1月5日
(決意を固め)
(まずは部屋の掃除に勤しむのでした)
(【退室】)