【102号室】イアの部屋
星咏・イア 2022年4月2日
布団は無い。「寝る時ふわふわ、するし」椅子も無い。「だって、ふわふわするし…」
無骨な事務机には、高性能な水冷式デスクトップ。「マシンは、だいじ……ほんとはもっと良いのほしいけど。」
部屋の隅の小さな1人用冷蔵庫にはラムネがぎっしり。「いーちゃんの、ガソリンだよ。」
かなり本格的な大口径天体望遠鏡。「これで、天使を見つけた……」
壁の一面を埋めるホワイトボード。「いろいろ、書く……」
スチールラックに学校で使うカバンと教科書類と制服一式。
床に散らばったスケッチブックとクレヨン。
生活感が欠如した部屋。
唯一の装飾らしき物は、壁と天井にまばらに貼られた蛍光色のシール。
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星咏・イア 2022年4月2日
さて、これで粗方片付いたかな。マシンと観測機器の貧相さには涙が出てくるが、元々の僕の部屋は世界ごと消滅したからね……追々揃えるしかあるまい。黄のクラスから協力を取り付けて……それにもまず先立つ物が必要だが……。
(そんな呟きを漏らしながら、猛然とホワイトボードに書き留めていく少女。その怜悧な横顔からは普段のぽやーっとした表情は消え、エネルギーに満ち溢れていた。)
星咏・イア 2022年4月2日
先刻から、僕の内部処理の負荷が著しく軽くなっている。内的要因、では無いね。恐らくは星辰だろうが、何らかの条件で「」からの干渉が弱まるのか…?要検討だね……それが可能かは別として。(キュキュキュキュッ、マーカーペンを滑らせていく。)
思わぬ僥倖で拠点設営が捗ったが、一時的な物だろうね。すぐまた眠りに落ちるのだろう。
星咏・イア 2022年4月2日
うっ、段々頭痛が重篤化してきたぞ……強烈な悪心もする。(刻限だ。普段の僕の知能でも理解出来るレベルでタスクは書いておいた、これで何とかなるだろう。なったらいいなァ。なれ。頑張れ僕。)
うぼぁー。
(パタリ、とペンを取り落とすと死んだ魚のように浮き上がる)
星咏・イア 2022年4月2日
…………んぁー。寝てた?……うっ、あたまいたい……
(ゆっくり起き上がると、いーちゃんの部屋だった。……あれ、なんか物がいろいろある。いーちゃんがやったんだっけ……そんな気がする……多分そうだった。がんばった)
あ、白いのになんか書いてる。
星咏・イア 2022年4月2日
ふんふん……いーちゃんへ。
(いいぼうえんきょう と ぱそこんを てにいれてね)(てんしに ついて きいろの くらすのこに そうだんしようね)(まじゅつの おべんきょう がんばってね)(ほしをみて)
(後は、意味不明な記号と数字と英語?がぐちゃぐちゃでよくわかんなかった)
むか。これを書いた子は……いーちゃんをバカにしている。いーちゃん、漢字もちゃんと読めるもん……むずかしくないのなら。
星咏・イア 2022年4月3日
ふむぅ……(何からしたらいいんだろう。あ、上からかな。そう思って書いた気がする…あれ?いーちゃんが書いたんだっけ?)
とりあえず、ねむい……ねる……(中空で眠りに落ちる。)
(起きたら読んだこと忘れてたので、ちゃんと書いて残しといた子はえらいなーと思いました。)
星咏・イア 2022年4月5日
【深夜】
(望遠鏡とスケッチブックを傍らにフワフワ浮かせながら、いそいそとお出かけ)
(退室)
天乃川・星子 2022年4月11日
(そっと、彼女の部屋へ投函される額入りのキャンバスとメッセージカード)
『入寮ありがとうございます、ようこそ紅月荘へ』
(それは夜空。
青と黒で描かれた深い夜空。
月明かりもささない暗闇に、いくつもの流星が夜空を翔ける。
銀色の流星の筋が月明かりの代わりにあたりを照らす。
イアをモデルに描かれているようだ)
(お手紙)
星咏・イア 2022年5月17日
ふーむ。(片手に杖を握っている。柄が水晶、本体は金色に輝く金属らしき素材、随所に大小様々色取り取りの宝石があしらわれている。)
ついに、いーちゃんもこういうの拾ってしまった……魔法の杖。(だよね。多分。)
星咏・イア 2022年5月17日
そーれ、フリフリ……(いつもの星魔術と一緒に振ってみる)
おお……(チカチカ、宝石が瞬く。出てくる星さん達がいつもの何倍も、そして解像度も増しているようだ)
なんか、繋がりやすくなった感じがする。