【個】メイド・イン・シンジュクシティ
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
手紙何て古風な方法が罷り通っているのはなかなか不思議な気分で。
『胸貸してください。場所は――』
――なんて、初めて書いたにしては上出来なメモ帳を相手の下駄箱に叩き込んで、今に至る。
学園の傍。人がいなくなって放棄された、工事途中の廃ビル。そのワンフロア。
壁はまだ設置されておらず、剥き出しの柱が規則的に並ぶ灰色の空間。
狐は一匹、そこで手紙の相手を待っていた。
裸の外壁部分から夕陽が差し込んできた頃。
※書き込み可能
#ミサゴ・ゾーリンゲン
#クリスタ・コルトハード
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クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
っ!(蹴り抜いた。床が、落ちる)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(煙の中、“意識誘導”に担いでいたライフルケースを地面に投げて懐からナイフとハンドガンを抜く)
(屋内だ。長物を振り回すよりは、このほうがいい。それに――――)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
サ ー マ ル ア イ
“赤 外 線 視 ”
(右目の視界に、温度に寄る識別機能を“追加”する)
(これがあれば煙の中でも相手の動きは手に取るように――――)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
――――は?
(わかるからこそ、素っ頓狂な声が漏れた)
(地面を抉って、下へ行った。流石に、いきなりそれは考えていなかった)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
マジかよあの女……ッ!!
(あんな華奢な体しておいて、全然可愛げがない動き。プランを組みなおしつつ、蹴り抜かれた穴へ、煙幕を追加しながら飛び込んでいく)
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
(階下。天井から漏れ出る煙幕の中で赤く光るふたつの眼。微笑んだままのクリスタが、飛び込んでくるエモノを見上げていた。丁寧にスカートをつまみ上げ、片足を下げて、もう片方の脚を曲げる)────いらっしゃいませ、ミサゴ様。
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
それでは、ご奉仕させていただきます(そういってブーツの先で蹴り上げた石ころ。回転を加えるように一度打ち上げてからそれをミサゴに向けて、床を抜くほどの脚力で蹴り飛ばした)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(手榴弾を基点に煙が発生する以上、彼女が逃げた先は必然的に煙幕が薄い。新たに投げ込んでから突入したとはいえ、姿を完全に消せているわけではなく――――)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
いってぇ――――!!!!
(左腕で、受けた。パーカーの裏に着こんでいるガントレットが砕ける音。当然、殺しきれなかった衝撃で骨が軋む)
(転がりながら、煙幕を追加していく。まともにやり合って勝負になる相手ではない――――)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(――――故に、煙幕以外の手を追加していく)
(ピッという小さな音と共に、クリスタの周囲にある放置された建材の陰に隠れて“事前に設置されていた”爆弾が起爆した)
(フロアの柱が、外壁が、ビルが崩れない程度に吹き飛ばされる)
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
────っ!!(火薬の匂い。そう感じ取った瞬間に、クリスタは爆炎に飲み込まれた)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(ばらばらと、裾からガントレットの破片を振り落とす)
(動くのに邪魔だ)
…………流石に、人間相手にやりすぎたか?
(爆風で煙幕が吹き飛ばされ、事故現場同然になった状況に視界が通り始める)
(無事かどうかを確認するつもりで、一歩前に出て――)
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
──事前に用意していた罠ですね。なるほど、ミサゴ様。これは喧嘩というよりも、狩りだったのですね(かき消えていく煙幕の中から、クリスタが声を上げる)
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
(煙の中に、ただ立っていたクリスタの足元には、爆炎で焼けた跡がない。塵もない。まるでそこだけ〝爆発を蹴り上げた〟かのように)
狩りでしたら、俺も得意ですよ。……エモノは違いますけれど。
(顔に少しかかった内巻きの髪を、そっと耳にかける。それから一歩、前へ出ると)
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
(クリスタは姿を消した。正確には注意から外れた。視線を誘い、意識を導き、自身はその逆へ)
さあ、俺の番です
(そう口にしたときには、すでにミサゴに肉薄していて。貫手をミサゴに向けていた)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(――――聞こえてくる声に、思わずその場で身構える)
(ハンドガンの銃口を彼女に、マガジンに添えるように、ナイフを逆手に)
(爆破程度では障害にならない。例えるなら、重戦車だ。こちらの攻撃何て意にも介さず、悠然と突き進んでくる鋼鉄の要塞)
(だとすれば――――)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
…………舐めてたのはオレのほう、か。
(想定が、2段も3段も甘かった。今取れる手段は“ほとんど”ない)
(プランの再構築を――――)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
―――――ッ(一瞬、誘導に乗せられて視線が外れる)(刹那、真正面からの衝撃。胸。灰の中の空気が一気に口から溢れ出て――視界が黒く明滅する)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(遠く、コンクリの上をボールの様に吹き飛ばされる音)
(――――――何をされたのか理解されたときには、もと居た場所から十数メートルは離れた柱の根元に、放り投げられた鞄の様に無造作に妖狐の体は転がっていた)
(地面と平行になった視界の向こうに、彼女のブーツが見える)
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
(吹き飛んだミサゴが柱にぶつかって止まるのを確認すると、フロアをとん、とんとテンポよく駆けて)
おやおや、狩りはこれからですよ、ミサゴ様
(編上げブーツの先端を、倒れたミサゴの腹へ。柱ごとへし折るつもりで、蹴り上げる)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(――――狩られる)
(種族的な直感か、それとも本能か。その4文字が脳裏を過れば手にしたハンドガンをやみくもに撃ちながら、左腕に巻いた時計を見る)
(――――まだ、もう少し)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(拳を腹とブーツの間に入れて、致命傷を避ける)
(力に抗わず、折れた柱の破片と一緒に転がりながら)
(視線だけ、絶えず眼前の相手を見据えて)(真っ直ぐ、銃口を向けた)
クリスタ・コルトハード 2021年8月19日
────いいですね。ああ、とてもいいです、ミサゴ様。まだまだ折れていませんね。やはり狩りはそうでなくては
(向けられた眼光と銃口。まるでそれをスポットライトを浴びるかのように楽しげに受けて、両手を広げる)
さあ、噛んでみてください。その牙で。この森羅番長に届くというのなら
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
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シャープシューター ピアシングバレット
“弾 速 強 化” “貫 徹 強 化”
(二重に、三重に“ただの弾丸”を強化し――引き金を引く)
(対物狙撃銃の一撃に匹敵するほどに強化された弾丸が、真っ直ぐに彼女のほうへと放たれ――――――)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
(――――――――――しかし、それは偽装だ)
(本命は、まったく別な方向)
リ リ ー ス
“停滞解除”
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月19日
・・・・・
(“廃ビルの外” “停滞”の魔術によって“事前に置かれた狙撃”)
【
https://tw7.t-walker.jp/club/thread?thread_id=487
(“停滞”の魔術による楔を解かれ、電光の様に弾丸が飛来することを彼女は察知できるだろうか)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
────。(速く、そして環境物を利用して防ぐにはあまりに高い威力なことは、魔力の匂いから想定できた。必要なのは、ただ〝硬い〟モノ)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
(袖に指をかけると、飛び出す万年筆。特殊な合金でできたそれを握りしてめて身体を回す。脚から、背、腕、全身の力を使って、狙うは弾丸の横っ腹)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
(目の前で放たれた弾丸を、ただただ硬い万年筆で串刺しにした瞬間に悟る。これは、本命ではない。張り詰めた糸の切れるような感覚が、後方にあった)
(お見事です、ミサゴ様)
(存分に手間のかかった奇襲。狩人として、十分な修行を積んでいるのだろう。そう考えると、口元が緩む)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
(だからそれを、ねじ伏せさせていだきます)
(視線を向けるよりも早く、踏み込んでいた脚に、さらに力を入れる。振り下ろしかけていた万年筆の軌道を曲げ、その勢いで体ごと回る。慣性を力でねじ伏せ、急速に角度を変えたそれは、背後から迫る弾丸を下から貫いて────)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
……流石に、素手で防ぐことはできなそうでしたので。
(2発の弾丸を貫いた万年筆を、ミサゴの前に放り投げた)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
(…………綺麗だ)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
(空に筆を走らせるような――いや、実際走らせているのだが――その一連の動きに、違和感は存在せず、ただ自然に、流れるように切っ先が走る姿に一瞬、視線を奪われて)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
……降参。
(――だからこそ、その言葉を口にするときには苦笑が漏れた)
(両手を上げて、降参のポーズ)
(“仕掛け”を使い切ったからではなく、単純に、性能の差を実感して)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
(にっこりと笑い)
はい、それでは俺の勝ちです。お疲れさまでした、ミサゴ様
(とことこと歩いて近寄り、手を差し出した)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
(ナイフとハンドガンをパーカーの裏側に戻しつつ)
(差し出された手を見る)
(自分の手をしっかり服の裾で拭いてから、その手を握って)
いや…………2,3回死ぬかと…………
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
大丈夫っ! 人間そう簡単には死にませんよ!
(ぐっと引っ張り起こす。めちゃくちゃ安定した重心)
さて……残念でしたね、一日ご主人様
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
(引っ張り上げられる)
(挙げられてから気づいた)
(逆では???)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
ああ……いや、まあ、それは別に……。
(耳が素直にしょんぼりしたまま苦笑する。腹が痛い)
(胸を見降ろした)(腹に穴は開いていない)(セーフ)
……完敗しましたケド、オレはなんかします?
ジュースとかパンとか買って来ればいいですか???
(そういえば、自分が何を賭けるかは話していなかったな、と)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
うーん、そうですね……(俺もなにも考えてませんでした、と付けて、口元に指を当てて)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
じゃあ、今度俺とデートしてください!
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
わかりました。ちょっとコンビニまで行ってくるんで、ちょっと肺機能が復活するまでもうちょい―――――――
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
―――――なんて????????
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
一日サンドバッグが良かったですか? 俺はそれでも構いませんが
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
デートしましょう。
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
よかった!(ぱん、と手を叩いてにっこりと笑う。それからくるりと回って)そのときは胸も貸してあげてもいいですよ
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
(胸を貸す)
(今日のこの戦闘は“胸を借りた結果”なので)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年8月20日
………………………………それは暫く遠慮します……。
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
(がーーーーん)
クリスタ・コルトハード 2021年8月20日
【〆】