【個】眩い夜に、青二つ
竜城・陸 2022年3月27日
会場――がこういう場所なのは、事前の手配を少し手伝った関係で知っていて。
たぶん、他の生徒よりは落ち着いてこの場所にいる、はずなのだけれど。
それだけに自分でも、何故だか落ち着かないような、そんな気分の理由がわからなくて。
どこかそわそわと、或いは、少し緊張したように。
周囲をへ視線を巡らせる、そんな姿があった。
#ルクス・アクアボトル
#竜城・陸
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ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
(なんて、まあ)
(今は楽しむのが礼儀、ってものよね)
(視線に気づいたように、さらりと首を傾げて見つめ返して、――腕にかけた指先に、ゆるく力をかけて)
竜城・陸 2022年3月27日
(もちろんクラスの仕事は滞りなく回るように完璧に配分しているので、知己を眺めやる表情はこちら、どちらかというと「楽しんでいるようでよかった」くらいのものである)
(よく見知った同級の友人たちには、軽く手を振ったりもしていたかもしれないが――なんか眼鏡作ってくれた異性の友人が驚いた顔してた気がするけどなんだろう)
(さておき――――)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月27日
あ、
(どうもやはり見つめ返されると、一瞬言葉を忘れてしまう)
(よくないな、と小さくかぶりを振って――)
(――こういうのは男性がエスコートするものだ、とは書いてあったけれど)
(こんな催しのない時代の出身だ――あったところで参加することなどありえなかったろうが――どうしたらいいのか、さっぱりわからない)
(周りの生徒たちも、踊り始める子たちもいれば、壁際で談笑している子もいて――)
……ええと。
どうしようか、――踊る? 少し、休んでからのほうがいい?
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
あら、――たった今、聞いたばかりじゃない?
何が正解か、なんて、気にするひとはいないわよ。
(あの子なかなかいいこと言うわよね、なんて。主催の言葉を思い出し、くす、と、笑って)
だから、ね、陸――
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
どっちだと思う?
貴方はどっちがいい、でも、構わないケド。
(悪戯っぽく、見上げて)
(それはもう、今日は素敵な紳士にお誘いいただけたのだもの)
(ちゃんと、リードしてもらわないとね?)
(ただ、……そう聞きながら、軽く、体を寄せて)
竜城・陸 2022年3月27日
……まあ、そう、だけど。
正解や不正解はともかくとして、君の体調とかは気にしたっていいじゃない?
(なんて、少し口を尖らせ、つつ――)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月27日
――どっちがいい、……ね。
(どっちが、と問われたら、)(……まあ、それは、勿論、決まっていて)
(空いた片手を、)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月27日
(――彼女の目の前に、差し出して)
……では、一曲踊って貰えるかな、ルクス。
そうしているだけでも勿論、綺麗だけれど――踊る君の姿はもっと、とびきり綺麗だろうから。
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
(あら、ちょっと偉そうだった? なんて言いたげな、悪戯っぽい顔で笑ってみせて、)
――……、
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
(するりと、一度腕を解くと――)
ええ、喜んで。
私も、そうしたかったの。
(そんな、前とは少し違う、短かな返事と共に、)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
(貴方の掌に、指先を重ねて)
竜城・陸 2022年3月27日
……ありがとう。
(重ねられた指先を手繰るように、その手を取って、)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月27日
(――そっと、指先に口付けをひとつ、落として、)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月27日
(丁度、曲の切れ目が近いころ)
(行こうか、と、その手を引いて、ホールの中央へ)
(――きっと、その方が、彼女は綺麗だと思うから)
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
(さすがに少々、驚いた顔。みっともなく声を上げるようなことは、しなかったけれど)
……もう。さらっとそういうことするのね、貴方。
(漏れる、届くか届かないかの微かな囁き。少しだけ、唇を尖らせて)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
(ええ、と、頷いて。迷いのない足取りで、それが当然、というように、エスコートに任せるままに歩み出た)
竜城・陸 2022年3月27日
(囁くような声に、返る言葉はなく)
(ただ、もしかしたら横顔を見上げたら、何のことやら、みたいな顔をしていたかもしれないけれど)
(――内心、やっぱり緊張しているのはさておいて、)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月27日
(ゆっくりと進み出る傍ら、)
……そういえば、こういうダンスも経験はあるのかな。
俺は言わずもがな、ではあるのだけれど。
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
ふふ。私、海賊だもの。
社交会、なんてガラじゃあないけれど――
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月27日
――ダンサーの娘でも、あるんだから。
大丈夫よ。好きに動いて?
(心配ご無用、とばかりに、微笑みながら、)
(自信に満ちた様子で、貴方に向き直り)
竜城・陸 2022年3月28日
……ならそれこそ、君に自由に踊ってもらいたいところなのだけれど。
(とはいえ、まあさすがに――一通り観て学んできたとはいえ、アドリブまでこなせるかと言われたら、あまり自信はないもので)
さすがにそれでは、俺が足を引っ張ってしまうか。
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(なんて、口では少し自信のなさそうなことを言いつつも、)
(フロアの中央。衆目の集まる場所に立っても、些かも動じる様子はなく)
(向き直って、笑みを返すと)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
では、どうぞお付き合いください、姫君。
(軽く、芝居がかったような口調で言って)
(彼女の片手を取って。もう片方の手を優しく、腰に添えて)
(曲が始まれば――)
(少しばかり堅苦しく、要は「教科書通りの」、そんな感じながらも)
(案外、危なげのない動き出し)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
しますとも。
(くすりと、冗談めかして笑って)
(腰に添えられた手。いつもよりも間近な顔を、じ、と、期待に輝く見上げて)
(陸の1歩目を分かっていたように合わせる1歩、そして2歩――)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
波に合わせて、風に合わせて。
乗りこなすのが、自由の醍醐味でしょう? ――王子様。
(観てイメージしてきたよりも、きっと、動きやすいことだろう)
(ゆるやかな「2人の」踊り出しは、曲調にぴたりと合って)
(どんな動きにも合わせてみせるわよ、と、その顔が言っていた)
竜城・陸 2022年3月28日
(踏み出した足取りは、それは、当然、実践なんてほとんどしていないのだから)
(危なげはなくとも、気負いはあって。だから、少しだけ、ぎこちなかった――はずで)
(はずだった、けれど)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(――まるでそんなのないみたいに、一歩目が踏み出せて)
(二歩。三歩。緩やかに前へ、後ろへ、横へ――ひどく自然に、緩やかに流れる旋律と噛み合って、)
…………、
(それが、自然に、じゃないことなんて勿論わかっていて)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(僅かに、目を瞠りつつ。彼女の表情を窺えば、)
(――聴こえてきた言葉に、くすりと笑った)
(本当に、実に、彼女らしい言葉だ、なんて思って)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
(くすくすと、笑いながら)
(踏み出すステップは、型通り――というよりは、奔放にも映るものだろう。特に、端から見たら)
(細かな動きを大きく見せて、細やかな髪を、艶やかな指先を、翻る青を、――そしてパートナーを見せつけるように)
(ダンサー、と嘯いたのだもの。――私にとって、それは、人を魅せてこそ)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
(でも、そうね。それだけじゃなくて、――、別の楽しみ方も、少しだけ)
(くるりと体を入れ替える拍子、こちらからも背中に回した腕。手を取り合う距離から、もう半歩、体を寄り添わせて、)
――楽しいわね?
(なんて、掠れるような囁き声)
竜城・陸 2022年3月28日
(なんというか、不思議な感覚だった)
(自分の力で体を動かすことなんて、ついぞ半年前まではできなかったから)
(今だって、“魔術に頼らない自分”は、本来は型通りの動きを真似るだけでも精一杯で)
(だからたぶん、自分の足取りは、動きは、その枠を出ない――はずなのに)
(なのに、それに合わせてくれているはずの彼女は)
(とても生き生きとしていて)
(自由で、軽やかで、艶やかで――)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(ああ、)
(ほんとうに、綺麗だ、)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(――――なんて思っていたところ、だったから)
(半歩、近づいた距離に、不意を打たれたように目を瞠って、)
(……一歩遅れて、さっと頬に朱がさして、)
…………、
(やっぱり、言葉が出なかったから)(ちいさく、頷くだけがやっとだった)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
(にこ、と)
(その、赤い顔の頷きを。からかうでもなく、嬉しそうに笑った)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
(――気付けば、距離は元のまま)
(華やかに、穏やかに続くダンスに、互いの背に見えるプロムナードの会場は流れ行き)
(さあ、……そろそろ、曲も終盤かしら?)
竜城・陸 2022年3月28日
――――、
(あれ)(おかしいな)(どうしよう)
(言葉が、やっぱり出てこない)
(……それどころか)
(嬉しそうな、その笑顔を見たら)(息が、詰まるようで――)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(――――少し距離が離れて)(元通り、)
(少しだけ、ほっとした。あのままだったら、足を動かすのだって忘れていたかもしれない)
(――でも、少しだけ、)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(…………いや、やめよう)
(ゆるく首を振る。相変わらず少し、頬は赤いまま)
(緩やかに流れる旋律はもうそろそろ、終わりへ向かうところ)
(乱れかけた、というかもうほとんど疎かになりかけていたステップを、少し立て直して――)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
(――懸命に合わせてくれる……というのは、ちょっと厳しい採点。うん、十分に形になっていて、エスコートしようという意志の伝わるステップ)
(回された手、細身だけれどしっかりとした体。すぐ傍で見上げる顔)
――――うん、
(一つ、小さく頷いて)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
いいわ。私、好きよ。
貴方と踊るの。
(くすりと、とびきり悪戯ぽく、笑って、)
だから、――これが終わったら、次の曲も、踊りましょう?
(もっと、と、甘やかにねだった)
竜城・陸 2022年3月28日
(実際に踊ってみるのでは、やはり勝手が全然違って)
(それこそ相手のいることだから、当たり前なのだけれど)
(でも、予想していたより息は上がっていなくて)
(足取りもまだ、彼女のそれについていけるだけの余力はあって)
(それこそ多分、彼女がうまく合わせてくれていたからだろうけれど――――)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(――なんて、逸れかけた思考を引き戻される)
(引きかけていた頬の熱が一気に上がったのは、彼女の笑みのせいだろうか、それとも言葉のせいか)
(…………いずれにせよ)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(ああ、駄目だ)
(今日は全然――)
(――彼女のこと以外、考える余裕がない)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
……うん。
いいよ、踊ろうか。
(――だから頷いたときも)
(体力がどうのとか、そういうのは、もう全然頭になくて)
(その言葉に応えたい、と、素直にそう思ったのと、)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
――やっぱり、踊っている君はすごく綺麗だから。
もっと、傍で見ていたい。
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
ええ。もっと見て。
――私も、同じよ。
(心から笑って、そう返す)
(貴方が何曲も何曲も踊れるなんて、思っていないけれど。――大丈夫、なんて、聞いてあげない)
(私がねだって、貴方は応えてくれたのだもの)
(、)
ルクス・アクアボトル 2022年3月28日
(手加減なんて、要らないでしょう?)
(訪れた、一曲目の終わり。腰を支えられるように、体を預け――指先を、絡めるように握って)
(甘い視線を。貴方の瞳に、向けて)
竜城・陸 2022年3月28日
――本当?
(思わず零れた声音は、)(いつもより少し弾んで聞こえたろう)
……だったら、嬉しいな。
(返す笑顔も――)(それを映したように、明るく、何の衒いもない)
(心からの、笑顔だった)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月28日
(預けられた体を支えて、)(少しだけ、抱き寄せるようにして)
(――自分を見上げる視線に、)
(蕩けるように、目元を緩ませて、笑う)
(、)
竜城・陸 2022年3月28日
(――いいよ、今日は、君が望むだけどこまででも)
(それを伝えるように、)
(指先を絡め合った手を、自分からも、しっかりと握り返した)