【個】春の息吹のなかで
竜城・陸 2022年3月22日
……そういえばデートの話をしていたのだった。
と思い出したのは、プロムナードへ向けて諸々の対応も落ち着いた頃。
落ち着いたと言っても前日までにまた別の仕事もあるが――さておき。
まあ、こういうのはこちらから声を掛けるのが筋だろう。
そういうわけで放課後、彼女の姿を探して――。
場所:
新宿島内・ショッピングモール
書き込み可能:
#十桜・ひとめ
#竜城・陸
・終了時にアンケート選択
1
竜城・陸 2022年3月22日
(きょとん、と目を瞬いて、)
竜城・陸 2022年3月22日
……それはまた。エスコートのしがいがありそうだ。
(なんて言いつつ、遅ればせながら、と手を差し出して)
じゃあ、差し当たって最初はどこから見てみようか?
(エスコート、とは言いつつ、あくまで主導権は彼女の方に。好きなように、自由に見て回っていいよと)
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
ふふ、ちゃあんと繋いでいてね?
でないと──何処かに行ってしまうかも。
(握るというより、重ねるように。その手を合わせて)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
そうね……どこからと言われると迷ってしまうけれど…………
(移ろう視線の先に、ふと。大きなショーケース越しに並ぶドレスが見えて)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
(ぺたりと張り付くように見つめ始めました)
ああ、綺麗…………ねえ、陸。
この前は……カタログ?だったかしら。ああして写真を見るのも悪くないけれど。
こうして実物を見ると、より綺麗だと思わないかしら。
(無効票)
竜城・陸 2022年3月22日
おや、それは大変だ。
しっかり掴まえておかないと。
(強くはない程度に、その手を受け止めて――)
竜城・陸 2022年3月22日
(――――彼女が視線の先、ショーケースの硝子越しの彩に目を奪われれば)
(その足取りを追うように隣で、じ、と見上げ)
……こうして見ると細部にわたって細やかに気を遣っているのがわかるよね。
刺繍ひとつ、装飾ひとつとっても手が込んでいて……こういうのとか。
(なんて、裾のレースを指さしてみたり)
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
………(ふぅ)(と、薄いため息のような声を漏らして)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
あなた、そういうところよ。
(差された指を攫うように手を握り合わせて)
いい?そんな難しい話はしていないわ。したくないの。
もっと大雑把に。ともすれば、乱雑に言葉にしなさいな。
(その目を見つめた)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月22日
(細い手に攫われた指が所在なげに空を切って、)
え、……っと。
難しい話をしているつもりは全然ないんだけど……素直に、思ったことを言葉に出しただけ、というか。
(見つめられた目を、少し伏せた)
大雑把に……?
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
知っているわ。そんなこと。
あなたにとって、それが普段の考えていることだってこと。
自然と出た言葉がそういうものだって、知っているわ。
十桜・ひとめ 2022年3月22日
けれど、ねえ。陸。
我が欲しいのはそんな言葉じゃないの。
美しいものを見たら、美しいと言って欲しいのよ。
ほら、少し。首を後ろに引いて、見てご覧なさい。
(彼の顎に指を当てて、ほんの少しだけ、力を込めた)
(絢爛である目の前の純白のドレスは、着るものや誰かが手を入れたものとして見るのではなく)
(まるで一つの命のように見るべきだと、少女は言うのだ)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月22日
(個々の要素を取り上げるのでなく、総体として見るべきということだろうか――、)
(なんて、思考を途中で打ち切った)
(たぶん、そういう“難しいこと”でもないのだと思う)
――……、難しいことを言うね。
竜城・陸 2022年3月22日
(“感じたままを言葉にする”ことは、今までなかった)
(ずっと――世界と一枚隔てた向こう側から世界を見ていたし)
(幼いころから、そうあることを禁じられて生きていたから)
(――少なくとも幻想竜域の自分は、それを禁じられてはいなかったはずだけれど)
(それでもなぜか、幼いころから自然とそうして生きていたように思う)
(魂の残滓に残った、枷の所為だろうか、)
竜城・陸 2022年3月22日
(――いや、多分、そうじゃない)
…………眩しいものは、怖いと思ったことはない?
竜城・陸 2022年3月22日
(誰かの所為に、“僕”の責任にするものではない)
(これは多分、自分の問題)
綺麗だ、と思ったら、手を伸ばしたくなってしまうから。
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
────怖い?
十桜・ひとめ 2022年3月22日
……いいえ。いいえ、陸。
むしろ、我にとっては愛おしくて。手放したくないものよ。
(少女が眩しいと感じることはない。この眼にどれだけの強烈な光を浴びせられたとて、瞳を閉じることはないだろう)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
(なにせ、少女の言う“愛おしい眩しさ”は一つきりだ。もう手に入ることのないものだ)
(どれだけ手を伸ばしたとて、どれだけ祈りを捧げたとて)
(あの暖かで、麗らかな世界。何もない。眩しい光だけの世界は)
(もう二度と。そう、少女は識っている)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
(それでも、なお。愚かにもこうして生きている)
(気が狂いそうな朝を迎えても、闇に融けるような夜を明かしても)
(もう一度。一目、見れると識っている)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
(だから)
────ねえ、陸。
(彼の手を、自らの顔に引き寄せて)
十桜・ひとめ 2022年3月22日
我は、綺麗かしら。
(手を伸ばすことを、恐れないで。)
(後のことなど、“その後”に考えればよいのだと)
(我儘で、傲慢な。可愛らしい悪魔のように囁くのだ)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月22日
俺は自分の手の中に、何も持ったことがなかったんだよ。
だから、手を伸ばすことが贅沢だ、と思っていた。
(――求めたものを得られたことはない、し)
(だからいつか、求めるのをやめてしまって)
(一番、そうしなければならない時に、手を伸ばすこともできなかった)
だから、手を伸ばすのは本当に特別なことだと思っていて――――
竜城・陸 2022年3月23日
――――、いや。
それが難しく考えすぎってことなんだろうな。
(そもそも、多分、昔の自分にしてみれば)
(もうとっくに随分と多くのものに手を伸ばしている、わけで)
……はあ、もう、まったく。
竜城・陸 2022年3月23日
(彼女の瞳が、告げていることは読み取れて)
……それを気付かせてくれるにしてはちょっと、意味深な質問のしかたじゃない?
(そんな軽口)(でも、引き寄せられるそれに抵抗することはなく)
(頬にかかる後れ毛に、指が触れるかどうか。擽るように指を伸ばして)
……うん、綺麗だと思うよ。
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
そうかしら。そういう風に思っているあなたこそ、やっぱり考えすぎなのよ。
(軽口には軽口を。程度はやや刺々しいが、そんなやりとりを愉しむようだった)
(ほんの少し。たった数瞬)
(触れたかどうかすらわからないその感覚を、少女は永い刻を過ごすように浸る)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
(ひと呼吸の間から、瞳を開けば)(微笑みを湛えて)
ええ。ええ。
そうでしょう。そうでしょうとも。
我は、とっても綺麗なのよ。
十桜・ひとめ 2022年3月23日
だから陸。この我に似合うものを探しましょう?
それから、甘いものも食べたいわ!
ああ、それと────
(返事など聞いていないとばかりに歩を進める。繋いだ手は、一体どちらの手綱なのか)
(精霊のような少女のその貪欲さは、ともすれば悪魔のような娘で)(実際に、悪魔ではあるけれど)
(何者であろうとも手を引き。何者であろうともその手を引かせる)
(蠱惑的とさえ呼べるその行為を、あらゆる者に等しく振り撒くその姿は)
(ただ、綺麗だとその目に映すことしか出来ないだろう)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月23日
それはご尤もだと思います。
(とか苦笑を浮かべてみせて)……そうだな、でも。
(大切なひとたちに、好きと言えなくて)
(綺麗なものを、ただありのままに見つめられない)
(伸ばしたい手を、伸ばせないままの)
(そんな風に生きるなら、それは)
(あの日の諦めも、あの日の後悔も、乗り越えられていないということだ)
……そうだね、まあ。
難しく考えすぎるのはなかなか、治らないかもしれないけど。
竜城・陸 2022年3月23日
感じたことを言葉に出すことくらいは、もう少し頑張ってみるよ。
(なんて言いながら、)
(その歩に合わせるように、足を進めて)
君に似合うもの、となると難しそうだな。
半端なものじゃ、君の輝きに負けてしまいそうだし――
(甘いものねえ、なんて、周囲を見渡すように視線を巡らせたところで)
(あ、と、一度、ドレスの方を振り返って)
――そういえば、プロムナードはどうするの?
ドレスが決まっていないなら、それも見ていこうか?
(いや、そもそも出るのか、というところだが――)
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
……ふふ、そうね。
我も悪魔じゃないから、待っていてあげるわ。
(いつか。我のことを本当に心から『綺麗』と言う日を)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
あら、言っていなかったかしら?
ロロと踊るわ。
あの子、どうしても我と踊りたいと言うから。
ふふ、可愛いでしょう?
(無効票)
竜城・陸 2022年3月23日
おや、猶予を戴けるなら幸い。
(なんて、くすっと笑いつつ、)
竜城・陸 2022年3月23日
えっロロと?
……ロロと…………???
…………??????
(あいつの判定だとひとめもロリ判定なのかな……???)
そっか、ならそれこそ、最高に似合うドレスを探さないといけないね。
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
ふふっ……面白い顔をしてるわよ、陸。
そんなに可笑しい?
ええ、そうよ。
だから今から────
十桜・ひとめ 2022年3月23日
──あなたは、誰か誘ったの?
(無効票)
竜城・陸 2022年3月23日
えっ?? あっごめん……ちょっと意外で……。
あいつの好みのタイプってもう少し可愛い系なのかなと勝手に思ってたって言うか。
……あっそのひとめが可愛くないって話じゃないからね??
君の場合可愛いところもあるけれど印象としては美人というか――(とか、言い訳)
竜城・陸 2022年3月23日
(――はさておき)
ん、ああ、……幸い、好いお返事を戴けたよ。
とても綺麗だし、ダンスも上手な子だから、俺もちょっと頑張らないとな……と思ってるとこ。
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
ふふふ……そうね、あの子は可愛い子が好きだから。
ええ、ええ。知っているわ。
あなた、こういう時の方が素直に出るのね。可愛い。
十桜・ひとめ 2022年3月23日
……そう、よかったわね。ええ、我も嬉しいわ。
きっとその言葉をそのまま伝えたら喜ぶわよ。
頑張りなさいな。女の子に恥をかかせてはダメよ?
(意地悪な言い方をしているけれど、顔はとても嬉しそうに笑んでいた)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月23日
若干粘着質な言動がなければ後輩にも普通に慕われそうなんだけどねあいつ……性格も面倒見も顔もいいのに勿体ない。
(まあある意味あれも親しみやすさかもしれないが)
う、いや、……言葉で誤解されたり、相手を傷つけること、多いから。
ちょっと敏感にはなってるかも……。
竜城・陸 2022年3月23日
――ん、ありがとう。
そうだな……その辺りはこう……伝えてるし伝わっていると思うのだけれど……
ちゃんと当日も伝えるよ。
……そこはうん、頑張ります。
ダンスとか……も……。
(無効票)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
……いい?陸。
言葉が足りなければ足せばいいわ。
間違っていたのなら正せばいいわ。
ぶつかり合ったのなら、言葉を単純にすればいいわ。
十桜・ひとめ 2022年3月23日
それからね。
善いことは何度言っても善いことなのよ。
(だから欠かさず、伝えるのよ。と)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
……ふふ、じゃあ陸。
ドレスを見て回った後はそのまま練習の方がいいかしら?
いくらでも付き合ってあげるわよ。
もちろん、対価は貰うけれどね?
(少女の言う対価とはもちろんスイーツのこと。悪魔の取引だ)
(無効票)
竜城・陸 2022年3月23日
…………、
うん。そう、だね。……それはそうだ。
(確かに、そう思えば)
(一度間違えたくらいでなんだ、という話ではあるだろう)
(――伝わるかどうかわからなくたって)
(伝えようとすることを諦める理由にはならないし)
(最後まで伝わらなかったのなら。それはもう、そういうものだったのだろうし)
竜城・陸 2022年3月23日
……ああ、それは――うん、そうだな。
確かに、君の言う通りだと思う。
(そういう意味では、言わなくても伝わってほしいと思いすぎていた、かもしれないし)
そういう時は確かに、気持ちもそうだけれど――
ちゃんと、言葉にしなくちゃいけないね。
竜城・陸 2022年3月23日
え、いいの? ……それはありがたいな。
勿論、付き合って戴けるなら対価はお支払するとも。
先払いにしようか? それとも、ドレスを見て回ってからにする?
(お気に召すままにどうぞ、と、言いつつ)
(軽やかな足取りが赴く先へ、付き随うだろう)
(▼)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
ふふ、殊勝な心掛けよ、陸。いい子。
じゃあそうね、まずは我のドレスから────
(春陽が差すこの日和に、二人は言葉に華を咲かせていく)
(その陽が暮れてしまうまで────)
(▼)
十桜・ひとめ 2022年3月23日
【終】