【個】保健室の七不思議:Reprise
十埼・竜 2022年3月6日
◆ シチュエーション ◆
MM学園にいくつかある保健室。
担当の生徒も居らず……あなたは体調を崩しているのか、サボっているのか。
とにかく、室内に一人、ベッドで横になっていたが、不思議と眠れない。
そんな時。
『ねえ――――きみも寝つけないの?』
カーテン越しの隣のベッドから────………
………────「そんな、『学園の七不思議』」
「きみは、知ってる?」
寝起きみたいに、怠くかすれた声の先で。
カーテンは、閉ざされている。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
どうだろうな。
いい奴だったかはともかく、一生懸命なヤツだったとは思うよ。
……そういえば、お前に謝らないといけなかったんだ。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
悪かったな。最初に会った時、なんとなく話は聞いてたんだからさっさと撃っとけば面倒ごとにはならなかったんだろうけど……あんまりにも一生懸命そうで、撃てなかった。
十埼・竜 2022年3月6日
なるんだぁ…………(思わず自分の胸を見下ろした)
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十埼・竜 2022年3月6日
なんとなく話聴いてた……って、ぼくが消されるとか、そういう?
(どっからだろ、番長とか? と、首を傾げて)
……だから、ぼくはちゃんと、最後にでも、あいつと話をすることができたんだね。
それでも、完全にすっきりした、ってわけじゃないけど……きっと今よりもっと、いろんなことが有耶無耶のまま。
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十埼・竜 2022年3月6日
一生懸命そう、だったんだ。保健室でも。
(ヘッドホンに、触れて)
………………苦しんでましたか?(声を、落とす。)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
(紐に括って首から下げている鍵――推定谷間で暖められたが自己主張してくる気がした)(こほんこほん、咳払い)
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
いや。もっとこう、漠然としてるってかありのまま話されてわけわかんなかったって言うか――――。
お前、ルリアのだろ? 匂いでわかる。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
まあでも……話しが出来たんなら、いいんじゃねえかな。
“やりたいこと”をやった結果なんだろ、アイツが。
調子は悪そうだったけど、テメエの胸の重さ以外は苦しそうには見えなかったよ。
(アイツ毎回胸元開けてたな――――)
十埼・竜 2022年3月6日
の!?
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十埼・竜 2022年3月6日
…………「の」、です、ケド……におい? え? そんなのついてるの!?
(面白いくらい顔が真っ赤になっていく)
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十埼・竜 2022年3月6日
(心臓のあたり押さえて深呼吸した)
…………ちょいちょい胸の話が挟まってくるな……たぶん会ってもぼく見えもしなかっただろうけど……え、っと。
率直にお尋ねしますがルリアさん並みだと思っていいってことですか?
(ラジオでもなんかマウント取りながら愚痴ってたけど)
(大変なんだなあ………おんなのこって………)
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十埼・竜 2022年3月6日
………やりたいこと、させてあげてくれて。
ありがとね。
ぼく、あいつのことキライだけどさ。
同業者の仕事がうまくいったら、よかったな、って、思うんだ。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
オレと妹ぐらいにしかわかんねえよ。
付き合い長いしな(なんでそんなワタワタするんだ?と何でもないことの様に小首を傾げる)
ああ、確かに。それぐらいだったかもしれない。
(確かに~~~と極めてフランクな同意)
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
こういうのは後腐れないほうがいいだろうしな。
お互いやり切れたんならいいんだけど――――
(お前はどう?と)
十埼・竜 2022年3月6日
(ふたたび自分の胸を見下ろし)
(ちょっと手を当てて)(手を浮かして)
(キュッ…………という顔をした)
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十埼・竜 2022年3月6日
……出来れば、もう少し話をしてみたかった、というのが本音。言葉を引き出すインタビュアーとしては悔いが残るよ、時間無かったしね。
……ずーっと、あいつの声ってぼくには聴き取れなかったからさ。ぼくに聴こえない音なんて、ないのに。
でも。……できることは、できたと思う。
あいつは、あいつが抱えた言葉全部を伝えきれてないとしても。
「自分たちはそこにいた」ってことを、何も知らなかったぼくたちに刻みつけていったんだから。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
(なにやってんだこいつ―――という顔)
なら、よかったんだろ。
(のっしのっしと開いたカーテンの区切りを越えて、隣のベッドに近づけば)
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
(乱暴に頭をワシワシして)
・・・・
おつかれ。頑張ったな、2人とも。
十埼・竜 2022年3月6日
うん、よかっ――――
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十埼・竜 2022年3月6日
っ!?(手が伸びてくる前に、反射的にヘッドホンの両耳を両手でがっちり押さえ)
わ、ひゃぁっ、ちょ、ひっ!
(そんなことをしていれば逃げようもなく。わしゃわしゃと白い髪を掻き混ぜる掌の下で、身をよじらせては上擦った悲鳴をあげる)
(こんな冠のせいで、その頭に触れられた経験が薄いのは、きっと)
(ふたりとも、いっしょだった。)
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十埼・竜 2022年3月6日
………(はー、息を整えて)………まさか、頭を撫でてあげる、約束でも、してた?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
いや、特に約束したわけじゃねえけど、頑張ったヤツにはこうしてやるもんだろ。
(妹にもしてるし母親もよくやってた)
……悪い、頭触られんのヤなタイプ?
十埼・竜 2022年3月6日
あ。
(…………がんばったね、って、頭をなでてくれる、父さんの記憶は)
(きっと、あいつも、持ってただろうか。)
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十埼・竜 2022年3月6日
……ヘッドホン外れて耳が露出するとちょっと、大変なことになるんだ。「ぼくたち」はさ。
なんというか、すごーく、過敏で。
でも……そう。そういうのって、特別なご褒美だろ。
だから、あいつ、ねだったかな、って。
…………ぼくだったらそうしたかも知れないからさ。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
なるほどな。覚えとくわ。
(一歩、二歩離れて。自分が寝ころんでいたベッドに戻って腰を下ろす)
いや。アイツには特にお願いされなかったよ。
精々布団だけだと寒いから温めろーってぐらい。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
…………あとは、まあ。次会った時の約束を最後にしたぐらいか。
十埼・竜 2022年3月6日
さむいからあたためろ???????
暖めたんですか?????(感情がついていっていない笑顔)
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十埼・竜 2022年3月6日
…………次に会ったときの、約束。
それって……ぼくが、聞いてもいいやつ……かな。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
んなわけねえだろ。
こっちの布団投げつけようとしたらやることあるっつってどっか行ったし。
ん。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
名前を名乗る、ってぐらいだよ。
預かってるもの返すついでに。
十埼・竜 2022年3月6日
……一応ぼくになりかねなかったヤツの態度悪い話、すごーく複雑な気持ちになりますね……
よかった、篭絡されてなくって。
……名前と、預かってるもの?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
んなのルリアやらと幼馴染してたら日常茶飯事だからな。
なんか、鍵。使い道わかんねえもん渡されても困るし。
(首にかけた紐を引っ張り上げる)(シャツの間から古い鍵がひょこっと顔を出して)
十埼・竜 2022年3月6日
…………あ、そうなんだ。幼馴染……(その名前が出る度に器用に顔が赤くなる)
鍵?(ベッドから足を降ろして、更に前かがみに。手元を覗き込む)……随分古い、ね。どこの鍵だろう……
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十埼・竜 2022年3月6日
(あいつが来たのは、『学園』の、『バックアップ』。)
…………旧校舎……?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
さあ、どうだろうな。
取りに来るらしいし、そのうち分かるだろ。
(ふわりと、その使う先にはさほど興味はない様子で―――)
十埼・竜 2022年3月6日
……(顔をあげて。)もしかして、今日、返せると思った?
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十埼・竜 2022年3月6日
あのラジオを聴いてて。
取りに来るって、まだ、思えますか。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
まあ、最初の二言目ぐらいまでは。
ワンチャンあるか、ってな
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
――――――。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
さあ、な。
どっちでもいい。ただ……お話の最後に“さよなら”よりは“またね”のほうがいいだろ。
十埼・竜 2022年3月6日
…………。
(最終回を迎えたいラジオ屋が、いるもんか。)
(みっともなくても蛇足でも、)
(次回につづく、って。そう言いたいし――――その言葉を、待ってて欲しい)
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十埼・竜 2022年3月6日
…………あーあ、あいつが聞いたら泣いて喜ぶんじゃないかなあ。
(ぼくが、そうだから。)
(ベッドから降ろした足先で、靴を探る。爪先にひっかけながら、)
おわりさき、りゅう。(自分の名札を指さした。)……なんて、ラジオ聞いてたらバレてますよね。
あいつぼくの本名を電波に乗せやがったから。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
どーだか。泣きはしないんじゃねえの?
そう言うタマだろ、たぶん。そんな印象。
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ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
ルリアからも聞いてたしな。
……ミサゴ。ミサゴ・ゾーリンゲン。
十埼・竜 2022年3月6日
…………直に見たきみが言うんなら、そうなのかな。
ミサゴ……(同学年の名前を、記憶に探って)先輩。
(靴を履いて、立ち上がり)
お世話になりました。(頭を下げた。)……なんて、ぼくにじゃあないだろうけどさ。
聴いてもらえたから、そこにいられる。
……ラジオって、そういうやつらだから。
(📻つづく)
十埼・竜 2022年3月6日
(歩き出し、かけて、振り向く)
……あいつにこっちでしっかり友達がいたなんて、思わなかった。
『またね。』
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
こちらこそ――こちらこそでいいのか?
まあ、いいか。
(笑って、歩き出すのを見送って――)
(📻つづく)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2022年3月6日
おう。これからも頑張れよ。
十埼・竜 2022年3月6日
(――――がらがらがら、)
(ぱたん。)
十埼・竜 2022年3月6日
【――――この続きは、またいつか。】