【戦】蒼天燃ゆ
火撫・穂垂 2022年2月26日
あれから、ずいぶんと経った。
いろんなものを見て、いろんな人と出会った。
そして、それは向こうも同じ。
あの時から、自分はどれだけ変わっただろう。
あの時から、あの人はどれだけ変わっただろう。
きっと今なら、あの時見れなかったものも、見れるかもしれない。
ところ:グラウンド/簡易闘技場
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竜城・陸 2022年2月26日
(刃が振り下ろされるに遅れて)
(地を裂くように走る衝撃波と、それを追うように噴き上がる火柱)
(一瞥して、)
竜城・陸 2022年2月26日
(しかし、微動だにしない)
(生み出すのは――透き通るような、青い――“水”の剣だ)
(揺蕩うそれを形に留めた刃は、立ち上る炎の根元を射止めるように貫いて、その威を削いでいく)
(――同時に)
(放たれた幾つもの白い氷の剣にも、彼女は気付くだろうか)
(炎を“浄化”する水が舞い上げる蒸気に紛れる白い刃、こちらは明確に少女自身を狙っている)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月26日
んー?
(元より、挨拶がわりの一撃、通るとは思っていなかった。ただ、刃の内に眠る火の一端を解放しただけの単純な一撃だった、が)
(剣だ。障壁かと思えば、そういうのを使う。……『道具』と言う形に落とし込むのは人と言う形に近づいているということなんだろうか、とちょっと思ったりもする)
……?
(じゅう、立ち込める水蒸気の中に、何かが紛れ込んでいる――)
火撫・穂垂 2022年2月26日
……そう。
(視界は劣悪。単純に視力に頼れば、その凶器を判別するのは難しかっただろうが、そもそも穂垂の視力は『元から悪い』。火に見え、焼かれ続けた瞳は、単純な視力で言えば失われつつある)
(だからこそ、それが見せぬものが視えるのだ。濛々とした中を、一切の迷いなく、突っ切る)
壁、張らないの?
(一息で駆け抜け氷剣の包囲網から抜け出し、陸と擦れ違いざま、振り返りざまに大きく斬馬刀を横薙ぎさせる。いくら力を宿すと言っても、解放しなければただのでかい刀だ。単純な質量と遠心力に任せた一撃である)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月26日
必要がない時はね?
(――振るった刃は、勿論、視えない硬質な感触に阻まれて、竜の身体までは届かない)
(それが刃を阻んでから、彼女の方を振り向いた。視線が交わる)
一応、普通に振り回せるんだね?
(近づけば、急冷する周囲の温度には気付いているだろう。それが経時的に深化していき自身を縛ることも、一度手合わせをした彼女にならば理解できている事実のはずだ)
(――加えて、さて)
(やり過ごしたはずの刃が、急激に軌道を変えて背から追ってきていることも恐らくは気付いてくれるだろうが)
竜城・陸 2022年2月26日
(振り向きざま、刃を振るうために止めた足)
(這い上るようにそれを縫い留める氷の蔦と、)
(周囲一帯の地を白い氷に染めていく冷気のほうはどうだろう)
(振るった刃を伝うように伸びる氷が、その身体を侵そうとするのには、どう抗するだろう?)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月26日
あ。
(壁あったわ。カキーン)
うん。ボクも、火の燃やし方は、知ってる。
(猛火。己の内の火を熾し、身体を動かす業。冷やし、弱め、鈍らせるソレとは真逆であるがゆえに、対抗手段になりえるもの。もっとも、彼を相手にそれで抗するのは、己にも相応の負担を強いるものであることは間違いないのだが、それは顔には出さない)
(そして、背後に迫る気配。避けるだけではだめだったか……と思いつつ、それだけではない怖気。前も後ろも塞がれた、が)
じゃあ、見せてあげる。
(対処する手は、ある。この程度を防げぬようでは、挑む資格もない)
火撫・穂垂 2022年2月26日
火は命、即ち総てなれば。
(穂垂の言う『火』とは、四大元素や陰陽五行などにみられる属性の一つとは異にするものである)
(『種火』と『薪』と『氣』を以て織り成すもの、即ち『四大元素』や『陰陽五行』と同列の『世界の法則』そのものなのである)
宿星、その力を。
(轟、刀身からあふれ出る炎が伝う氷を吹き飛ばし、渦を成して穂垂を覆う。それは、単なる『炎の障壁』ではない)
(種火と薪と氣、すべてはここに在る。故にこれは、ひとつの完全なる火、ひとつの世界を創造する。覆い尽くす火が『独立した世界』として顕現する。これを抜くことは、ただ壁を破壊することではなく、世界の隔たりを突破するという所業に等しい。……最も、彼ならばその気になればそれも可能かもしれないが)
火撫・穂垂 2022年2月26日
(炎の卵という『独立した世界』に閉じこもる格好となってしまえば、内からも外からも容易な干渉は許さない。氷雪も、蔦も、氷剣も『別の世界の出来事』なのだから)
(炎の卵が勢いよく跳ね、迫るあらゆるものを撥ね退けながら距離を取って)
……よいしょ、と。
(じゅうぶんに影響外まで離れたかな、と言うところでその卵を割った)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月26日
へえ。
(成程。小さく呟いて、)
(彼女が距離を取るに任せて、その姿を見送った)
(そのまま向かってきたのなら、それに応ずる術を取っただろう)
(取れる、という自負はある――自身が“世界の法則”を語り、相手が別の“世界の法則”を謳うのならば、要はそこに発生するのは白の番長曰く“理不尽の押し付け合い”であり)
(そうであるならば道理は単純。力の強い方が勝つだけの話で、こと単純な“力の強さ”に於いてならば、この学園の誰に劣っているとも思っていない)
竜城・陸 2022年2月26日
(けれど、彼女がそれを用いたのはあくまで防御のためだけ)
(少し勿体ないな、とは口の中で小さく呟いたのみ)
(距離を取る彼女の周囲――まるでそれを照準に捉えるように、逃さぬように、一定の距離を保ったままに)
(無数の氷剣が、包囲して)
(炎の殻が剥がれた瞬間、それが一斉に彼女へと向けて殺到する)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月26日
(読めていた。と言うか、まぁこちらとしてはただ防御と仕切り直しの為だけに行使したわけであり、それを解除した瞬間であれば絶好の攻撃タイミングである。戦い慣れした相手ならば大抵仕掛けてくる)
よいしょの――
(炎の卵を割るに斬馬刀を振り抜いた勢いを――殺さない。くるりと回ってもう一振りの回転薙ぎ)
――しょっ。
(轟、今度こそ、明確な意思を以て刃と共に渦を巻いた炎が、氷の剣を叩き落さんとす)
火撫・穂垂 2022年2月26日
(『宿星』。即ち、この刃が宿すのは『星の火』。火撫が奉ずはじまりの火。創世の力である。『火を宿す』というあまりにもシンプルな能力でありながら、概念武装すら名を連ねる上位遺産に座す所以はここに在る)
(これはあくまで、その分け火を与えられたもの。厳密な『己の力』とは言い難いが故に、それを振るうことは重大な責任を伴い、こと模擬戦には本来であれば、持ち出すことがあったとしてもまずその機能は大幅に封じられる。それは、ありのままを良しとする火撫の者の矜持でもある)
(だが、今回に関しては。己がそれを持つに値する、それを行使するに値する者であると他ならぬ己自身に示すために、その封を解く)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
(“世界”を異にしていようと――)
(“炎”という形でここに在る以上)
(彼女が、“火の祭司”であることを旨とし、その火を揮う以上は)
(そこに在るものは、この世界に於いて“火と呼ばれるもの”であり――)
(それは、空気を焼いて、熱を生むものだ)
(かたや、差し向けた氷剣は、“氷”の持つ“物理的な特性”――つまりは、冷やし凍らせる性質を強く含む“氷柩の剣”だ)
(炎の巻き起こす熱と、氷のもたらす冷気)
(その二つがぶつかれば、そこに生まれるのは空気の流れ、すなわち“風”であり――)
竜城・陸 2022年2月27日
(――そこに生まれた風を、掌握する。)
(出来ないなどという道理はない。ここに在るは“自然の法則”そのものであるから)
(そして、生み出された風がもし、“炎”という独立した世界に干渉することができなくとも、)
(先程のように、殻に籠っているわけでないのだから。術者へとその威を及ばせることは、できる)
(舞う刃風が、炎の渦の向こう側で吹き荒れる――)
竜城・陸 2022年2月27日
(――くらいでは、君は膝をつかないだろう?)
(信じているから、)
(次の一手を振るうべく、目を、閉じる)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月27日
(神であれ、竜であれ、なんであれ、それが人であるを望むのであれば、それは人である)
(かつて自分はそう言ったし、それを撤回するつもりは更々ない。あくまでこれはこれ、それはそれの話として)
……うん、やっぱり。
(極寒が過ぎれば、今度は吹き荒れる風。木々を薙ぎ倒し、家を崩すかのような暴威。……まるで、自然そのものを相手にしているかのようだ。初めて見たときは、それを『人と言う火を拒絶するもの』だと思った)
(だけれど)
火撫・穂垂 2022年2月27日
(今ならはっきりわかる。そうではないのだと)
(そこに在るのは、確かに火だ。とてもとても大きな、世界に息づく森羅万象が織り上げた火)
(小さな火が寄り集まって命を作り、命が寄り集まって社会を作り、様々な社会が寄り集まって自然を作る。その多層構造の中で、違う層、広い世界を包括する火が、そこに在る)
……うん、うん。
(自然は容易く、人の命などは呑み込み、無へと返すだろう。だが、個人の命は呑み込めても、人と言う種がやがて社会を立て直し、再び自然の猛威に立ち向かうように。天災を人の知恵によって治めるように、それは決して一方的な上から下への関係ではない)
(だからこそ)
火撫・穂垂 2022年2月27日
(生きる意志がある限り、人は自然に立ち向かい続け、はじまりの火は、それを見捨てはしないのだ)
(荒ぶる風の刃は、幾重にもその身に傷を刻んでいる。その度に流れ出た血が火を噴きあげ、また別の気流を生み出し、その身に致命傷が刻まれるのを防ぐ)
……我は火撫を継ぐ者。
我は火を視る者。
そして……火の理を結う者。
これで、今は最後にするね。
ボクがやれる、一番のもの。異なる理に立ち向かう、全力のもの。
(風の中、一度斬馬刀の切っ先を陸へと向けて、構え直す)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
(旧き言葉を唱えて、)
竜城・陸 2022年2月27日
(――目を開いた、と同時)
(身も凍るような冷気はなりを潜めて)
(代わり、満ちるのは――何もかもを焼き尽くすような、灼熱)
(満ちており、けれど空虚な彼方の空、涯ての向こうより照らす光)
ああ、おいで。
……まだ見せてもらっていないからね。
この“火”を宿して示したい、君自身を。
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月27日
うん。
(刀を担ぎ、しっかりと両手で握り締めて、それを見据える)
(光、熱、圧倒的な『火』)
(火には、二種類のものがある。生み出すもの、そして奪うもの。今相対しているそれは、あらゆるものを光の中に消し去り、影すらも残さない、『奪うもの』の火の、純粋なまでの奥の底の底に見える。人が誰かを傷つける時、獣が牙を剥く時、自然が猛威を振るう時、それらすべての根幹にある力だ)
(そして、それを前にして示すべきは……)
火撫・穂垂 2022年2月27日
大いなるはじまりの火。すべての母にして、我ら子らに遍く宿るもの。
(はるか昔、人は火を以て肉を焼き、毒を殺し、食すことを覚えた)
(いつの頃か、人は火を以て鉄を溶かし、剣を鍛え、己の牙とした)
(己も知らぬ頃、人は火を以て蒸気を操り、想像もつかぬ力を生み出した)
(そしてあらゆる時代で、火は戦と共に、理を敷きなおした)
(火は、ありとあらゆる時代、ありとあらゆる場所で、人と共に在った。もっとも原始的で、それが故に極めて強固な信仰。『時代を創る火』を、新たな時代を切り開き、産み出す『火』を)
火撫の名の下に、我、穂垂が『命ず』。
(明確に、己の意志を以て、制御下に置く。轟、刀身に灼熱の焔が渦を巻く。この戦いの中ででも幾度も目にした様相でも、そこに宿る力は先の比ではなく)
旧き理を焼き、ここに我等が火を以て新たなる理を――
火撫・穂垂 2022年2月27日
――『創世』せよ。
(それは、あまりにもシンプルな、ただ炎を走らせるだけの袈裟懸け一閃)
(しかしてその火は、旧きを焼き新しきを紡ぐための。人が、人の意思で、新たなる時代を築くための『創世の火』である)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
(――いつか誰かが言った言葉を覚えている)
(“自然すら畏怖させるほどの魔力。あれはもはや、“神”と呼ばわるべきものでしょう”)
(別に、その“誰か”の言葉には、真理なんてなかったのだ)
(だって、それはただのヒトだった。家族でもない、ただ自分のことを一目見ただけで、“そうだ”と判断しただけの)
(だから、あの日から“そう”なったのは――)
竜城・陸 2022年2月27日
(自分のせいだ)
(自分が独りでいなければいけない理由を、他に求めたかっただけ)
(自分と世界を隔てたのは、ただ、自分だった)
(自分を自然と分ったものは、ただ、己の心だけだった)
(自分を、“人”ではないとしたのは、)
(――――結局、己の心唯一つだったのだ)
竜城・陸 2022年2月27日
(いま、旧き理は淘汰され、新たなヒトの紡ぐ真理が世界に満ちている)
(そうして人は世界を変えてきた。幾度も、幾度も)
(その傍らに炎が在った――と、この刃が語る)
竜城・陸 2022年2月27日
(ただ奪うだけのものであったのなら)
(今も、自分を、そういうものだと)
(何処まで行っても、それしかできないのだと)(思っているのなら)
(この炎はきっと容易く、自分の身を焼き滅ぼしたことだろうけれど――)
竜城・陸 2022年2月27日
(――引き抜いた柄のない柄を握る。)
(刃を生み出したそれで、真っ向から、炎の一閃を受け止めた)
竜城・陸 2022年2月27日
(神秘ならぬ刃)(神秘を紐解いた者が、技術で以て織り上げた刃)
(この刃を、)(この武具を、)(“十全に扱える”ことは)
(他でもない、“証明”だ)
(己が、人の理のなかで生きられるということの)
(それを、己が自分に許したということの)
(だから――)
竜城・陸 2022年2月27日
――人は、炎と共に世界を、その理を変えてきたけれど。
変わらないものが、遺されたものが、きっといくつもあって。
(人の理のなかで、生きていく。)
(そうしたって、自分は、ヒトではないから)
(旧き理に囚われた、“神”でもあるから)
(炎は、その肌を焼いて、腕を爛れさせて、焼き尽くそうとしてゆくけど)
俺はね。
それを拾い上げていく者で在りたいと思ったんだ。
(旧き理が焼き尽くされたって、)
(そこには、遺るものがある)
(だから――――)
竜城・陸 2022年2月27日
(――刃を受け止める腕が焼かれたって、退きはしない)
(燃え落ちる前に再構成して)(焼け爛れるたびに癒して)
(そこに、立っている)
ねえ、穂垂。
君の炎は、ただ旧きものを焼き滅ぼして、そこに新しいものを建てるためだけにあるの?
(――そうだ、と彼女が言うのなら。)
(その時は、まあ、悔しいけれどまた一握の灰から生まれ直すことにしよう)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月27日
もちろん、違うよ。
(焼き滅ぼされるべきは、『旧き悪しきもの』。旧くとも『善きもの』まで焼く道理はない)
(だからこそ、焼きはすれど、『焼き尽くす』ことはできないだろう、という確信がある。正しき火を示すものとして、この刃と炎で焼き尽くせるのは、『真に害悪なるもの』だけでなくてはならないのだから)
悪しきを焼き、善きを継ぐ。
怪我したところを癒したって、その人が変わるわけじゃないでしょ?
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
――うん。ありがとう。
(その言葉は、まるで、)
(“そこにいていいよ”と言われているみたいだった)
(――“災厄”でなくても)(“焼き尽くすもの”でなくても)(“化け物”でなくても)
(ここにいられるのだと、言われているみたいだった)
じゃあ、穂垂。
――もう少しだけ付き合ってもらうよ。
(刃を滑らせて、力の均衡を崩し)(受け流すようにいなして、距離を空ける)
(焦げ付いた腕を癒やしながら、)
竜城・陸 2022年2月27日
(地についた足でそのまま地面を蹴った)
(一度大きく羽搏いて推力を稼いだ翼は折り畳んで、抵抗を減らす)
(低く滑るような飛行は、とはいっても体格差もあって完全に死角からとはいかないけれど――)
(少しでも、意識の外からの攻撃、にはなるだろう。逆に、“この体格差で下は取るまい”と、常識的には考えるだろうから)
(胴を薙ぐように一閃。何の魔術もかけていない、純粋な武術としての、剣捌き)
(人間として得てきた力で以て、その刃を打ち破る心算だから、)
竜城・陸 2022年2月27日
(――冷気も)(灼熱も)
(そこには満ちていない。)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月27日
……うん。やっぱり、ヒト。
(旧きもの、悪しきものを焼く火。その信仰に限界まで寄せに寄せた創世の火。それを突破するのは、それこそ『先へ進む人の意志』なのだ)
(目では追えた。傷だらけの身体に宿る火をさらに燃やして、大振りの刃を強引に割り込ませる。ここに在る『理』を制す者の矜持として、その意思を真っ向から受け止める)
火撫・穂垂 2022年2月27日
……でも、ゴメンね。
火は、よくても、ボクが、そろそろ、無理っぽい、かも……。
(再度の打ち合い、鍔迫り合いの中、強引に刃を割り込ませた態勢で無理に力を込めた筋肉から、ばたばたと血が落ちる。振るわれるもの大いなる火から譲り受けたものであれど、それを振るうのはあくまでも己自身であり、強くもっと強くと燃やし続けた内の火は、限界が近かった)
(ギリギリのところで抑えてこそいるが、単純な力比べの中であれば、続ければ確実に押し切れるのは陸からしても明らかだろう)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
……そう見える?
(刃と刃の打ち合う音。滑り込ませられた刃を押し返す――力を込めようと、して)
竜城・陸 2022年2月27日
(――異変に気付いて、そこで、力を籠めるのをやめた)
(刃を引きもしないが。下手にバランスを崩させても、不自然な動きになる。恐らく、逆に負荷がかかるだろう)
…………。
君自身の示したいものは、示せた?
(もともと、その為の戦いだ。だからこの問いに是が返るようであれば、それ以上を続ける理由はない)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月27日
んー……。
(相手の力が緩むのを感じた。こちらも、お互いがバランスを崩さない程度に体重を掛けつつ力を順番に緩める。穏便に鍔迫り合いが終わった)
……たぶん、やれた、と思う。
まだまだ、足りないところは、多いかも、だけど。
それでも、火は、応えてくれたから。
(思うままに宿星を振るい、扱い切れた……と言うのは、確かに使い手に足る力を示せた……と言うことでいいんじゃないか、と思うことにした)
(まぁそれでも超えられなかったのは残念だけど。などと、ぺたんとその場に座り込んだ。ちかれた)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
そう。……それならいいんだ。
(完全に刃を引いて、剣を降ろす。刀身が霧散していくのを確認してから、もとの刃のない柄に戻ったそれをしまって)
竜城・陸 2022年2月27日
(彼女の傍まで近づいて、屈み込む。目線を合わせるように)
……そう。
ならこれからは、応えてくれたその力に足るだけの器にならないといけないね。
俺と一緒だ。
(酷寒を呼ぶでもなく、灼熱をもたらすでもないその手を差し出す)
(いつかは、差し出せなかったその手を)(今日は、迷いなく)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月27日
……うん。そうだね。
ボクも、陸も、いっしょ。
(いつか伸ばして届かなかった手を、今度は)
(あるいは、また別のあの日のように、差し出された手を取って)
(あの時感じた冷たさはなく、一緒の、人肌の熱を、感じた)
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
まあ、でも、俺はだいぶ近づいたかな――と思うよ。
皆の番長だからね、ちゃんと先を歩いて、背中を見せられないと格好悪い。
(そういう意味では、前は格好悪いところを見せたな、なんてちらりと思う)
……さて、立てる?
(しっかりと、彼女の手を握って。首を傾げて問いかけた)
(無効票)
火撫・穂垂 2022年2月27日
……すごいね、陸は。
(うん、と手を借りながらよいしょと立ち上がって)
(単純な魔力量とか実力とか、まぁそれもだが、それだけじゃなくて。今日の手合わせを通して垣間見えたものへの、純粋な賞賛だった)
……うん、うん。それじゃ、お片付けして、いこっか。
(無効票)
竜城・陸 2022年2月27日
すごいのは――どちらかというと皆かな。
誰もみんな、怖がらないで――いや、違うな。
もし、怖いと思っていたとしても、手を伸ばしてくれるだろう。
だから俺も、自分から手を伸ばそうって思えたし、それに応えられるようになりたいと思えた。
俺が、“俺”でいられるのも、そのお陰だ。
(それこそ、この身の内に在るものは、彼女の世界にいう“旧き理”は)
(そのままであったなら、いつか“自然”――理そのものとして世界に溶けてしまうか)
(或いは、皆の持つ“火”に焼き尽くされるだけのものだったろう)
竜城・陸 2022年2月27日
だから、俺がすごい、と思ってくれたなら。
君もすごいのだし、皆もすごいし、……もっとすごくなれる、ってことだと思うんだ。
(――だから君も大丈夫、)
(なんて言葉は蛇足だと思うから、言葉にすることはせず)
ああ、では、手分けして片付けようか。
でも無理はしないでね。きつかったら休んでいてもいいから。
(発言終了)
火撫・穂垂 2022年2月27日
そう、かな。
(みんながすごいのはもちろんだが、自分はどうなんだろう、と今は思うのだが)
そうかも。
(一緒だから。自分だって、やれるんだろう。そう思ってもいいんだろうなって気はした)
うん、大変だったら、言うね。
(とりあえず、と。まずは放り捨てた鞘を取りに、疲労感のある身体を動かし始めるのだった)
火撫・穂垂 2022年2月27日
-了-
(発言終了)