【個】悪童たちは頂きを目指す
天城・冬樹 2022年2月7日
正月明けの約束。
二度と砕けないことと、今度相手をお願いすること。
慌ただしくしている間についに約束の日が来て。
夕刻、決闘場の種を起動すれば、現れたのは瓦礫の散らばる廃墟。
崩落しているが学校だったと思しき場所。
転がった机の上に座って、相手を待つ。
▼発言可能
#新堂・亜唯
#■■■■
1
新堂・亜唯 2022年2月7日
ちぃ……。離れてちゃ向こうの手数の方が多いぞ……。
(再び弾幕での物量作戦に出られたら、見切るのは難しい)
(ならば、陸と戦った時のように、〝白紙の記録〟で攻撃の呼吸を読み、回避に徹する)
(そう判断し、一瞬、〝白紙の記録〟の表示するデータに目を移したが)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
――え?
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
っ!!
(顔を上げれば、ランダムに動く無数のオーブ)
(これでは、規則性を見出して避けることはできない!)
瓦礫の影に……うぉわっ――!
(とっさに物陰に飛び込もうとするが、殺到する弾幕に押しつぶされていく)
天城・冬樹 2022年2月7日
近づかれちゃまずいから必死なんだよ!
(なんて、普段通りの軽い口を返す)
(飛び込んでいく球体が、包囲を狭めるように、逃げる道を減らすように、その姿を追いかけている、と)
(明らかに、その速度が動揺したように鈍った)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月7日
あぁ、やっぱり見えるんだ。すごい道具だね、それ。
(君、は優しいから)
“戦ってるときにびっくりして手が止まらないようにね”
ってこの間言ったでしょう?
(くすくすと、普段通りの笑みを讃えて)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月7日
(その瓦礫ごと。もしくは裏から回って。光を帯びた球が殺到する)
(違和感に気づけば)
(名前の入るべき場所に、上から書いたように判読できない文字が乗っているのが分かるかもしれない)
新堂・亜唯 2022年2月7日
くっ……そぉ……。
(球の連撃を浴びながら、気で作り出した斥力の壁を用いて、弾かれるように転がっていく)
(それでも防ぎきれない球の連撃は、何発も何発も重たい打撃を食らうように体を痛めつけて来るが)
ぉおお……!!!
(ボン、と大きな音を立てて瓦礫を吹き飛ばしながら)
(青い闘気を纏った体が、地面を這うように飛行して、弾幕から逃げながら間合いを図る)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
(〝白紙の記録〟には言語化できる情報を出力できる)
(当然、その個体名、固有名すらも――だが)
(目の前の相手を表示する項目は〝■■■■〟……エラー? 遺産でも読み取れない秘匿情報?)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
(「お前は誰なんだ?」そんな言葉が口をつきそうになった)
(だが、発する前にそれは間違いだと思いなおす。少なくとも目の前の相手は、共に笑い、共に過ごし、そして今こうして向き合っている彼は……自分の知っている天城・冬樹に違いない)
……ゆっきー……お前。
(それだけは、絶対に間違いない)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
(だから、問うのはこうだ)
……大丈夫なんだな?
全力でぶつかって……その体は、大丈夫なんだな!?
天城・冬樹 2022年2月7日
これじゃ、ダウンしてはくれないよね。
(分かっていた、というように光の玉が隊列を変える。おなじ角度、同じ距離で巨大な半円のように展開して)
(名前は、呼ばれなかった)
(ということは)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月7日
(読めなかったのだろう)
(あの遺産ならば、読んでくれるかと思ったのだけれど。自分の手からも零れてしまったそれは相当難儀なところまで行ってしまったらしい)
(続いて口をつく言葉に身構える)
(さて、なんと言われてしまうか……)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月7日
(聞こえた言葉にぱちりと目を瞬く)
(停止、驚嘆、そしてじわりと広がるのは確かな喜び)
……真っ先に心配が出るんだね。
大丈夫だよ! 何度だって天城さんは戦ってきたじゃぁない。
(声を張り上げてそれに応じる)
刻逆が戻って、悪魔が最初からいなかったことになりでもしなければね。
(続く台詞は普段の声のトーンで)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月7日
だから――
(隊列を変えた光の玉と玉の間を結ぶように光条が伸びる。さながらそれは網。回転しながら、少年を捕えようと迫る光の網)
まだまだ、こんなもんじゃぁないでしょう?
新堂・亜唯 2022年2月7日
――フゥ。
(張り上げて、聞こえてきた大きな声に、息を吐く)
(安堵、そう見えるかもしれない。だが――〝呼吸〟は螺月流にとっては、力の源)
(それを大きく見せたということは、つまり)
なら、やることは変わらねえな。
ぶっ飛ばすでも、捕まえるでも、俺は……ゆっきーに向かって手を伸ばす、それだけだ。
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
(スゥ――――)
(息を吸う。深く、静かに、鋭く)
(向かってくる光の網。それが網ならば)
復讐の刃……!
(その手に、新宿島の空間を、展開された模擬戦場を切り裂くように、白刃が握られる)
(それもまた、陸との戦いで見せた、〝医療用メス〟の召喚。その刃に、気を乗せる)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
螺月流――――
(その流派を名乗る時に、拳術と続けたことは無い)
(かつて最上優人へとそれを伝授した時も)
――〝執刀術〟。
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月7日
(三日月を描くように振るわれた刃で、その軌道上にある彼の力、彼の力が存在する空間〝切除〟し)
〝絶空〟!!
(光の網を切り裂いて、冬樹の方へ向かって通り抜けてくる)
天城・冬樹 2022年2月7日
(“視る”ことに集中しているからこそわかる。その気が練り上げられ、高まっていることが分かる)
(まだ隠し玉あるんだ)
(驚き?いやいや、嬉しさが勝る。こんなにも全力でぶつかってきてくれていることが嬉しくて)
じゃ、“僕”も君に向かって全力で手を伸ばそう。
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月7日
(拳ではない。手にしてるのはメス。魔術じゃなくて科学を鍛える、なんて言って結局まだまだものにできてないなぁなんて思案しながら)
(網が切り裂かれる。断ち切るものであるならば確かに網を開けるのは道理)
(オーブはいまだに戻らず、光の槍も手元にはない、けれど――)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月8日
こっちにおいで
(胸元に手を当て、抜き出したのは鍵。先ほどまでの光とは打って変わって、新月のように赤く暗いその鍵を)
(迫りくるメスへと突き出す)
新堂・亜唯 2022年2月8日
隠し玉どころか……これじゃまだ螺月流を納める途上!
それでも、螺月流は〝只人が異能への抑止力〟として作った流派……これくらいはできらぁ!
(刃を振りかざし、彼の眼前へ躍り出る)
(手にするは、医療が神の造形物である人体へと踏み込んだ象徴、神秘を否定する科学の刃)
(それを、冬樹へと向けて――)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(――!? なんだ、鍵……?)
(正体不明、危険……だとしても! この距離から引くのは、臆するのは、そのほうが流れを持っていかれる!)
はっ!!
(突き出された鍵へと、メスを振るった)
天城・冬樹 2022年2月8日
途上だとしても、これに乗っかる気持ちは確かに本物!
〝只人が異能への抑止力〟が相手なら、こちらは神秘の秘匿を暴いた鍵。……暴けるなら当然閉じることだって!!
(天使への復讐のためと使うことを厭っていた彼らと同種の力)
(元より、ここまで寄られたらこのくらいしか手立てはない、それを臆さずまっすぐにメスへと突き出して――――)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(ぶつかった瞬間に、分かった)
(――この鍵は……本来はこちらの執刀術と同質のもの! だがそれが刃ではなく鍵なら――)
(こちらが〝メスで開いた〟領域が〝鍵で閉じられ〟ていく!)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(こちらのメスは自分自身の定めた概念になぞらえて作り出したもの)
(対して、向こうのそれは正真正銘、本物の〝聖なる力〟だ。ならば)
(押し負け、刃が砕け散るのは当たり前)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(何度も何度も敵の領域を切り開けるわけではない)
(もう一度離れて、あの弾幕に包まれればジリ貧は必至)
(だったら、迷うことはない)
(目を開く。息を吸う。もうその手に武器はないけれど、この体は未だここにある)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(その手に握る物が何もなくとも、握る拳がここにある)
(ならば)
こっちはこれで〝出し切り〟だ。行くぞ。
(迷わず、怯まず、退かず。守りを捨てて、届くまで手を伸ばすだけだ)
(あの、必ずどんな相手にも拳を届けんと突っ張り続ける、どこぞの愚直(バカ)な不良(カズキ)のように)
(体中の力を、拳へ)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(青白い閃光が、短く瞬き、繰り出す拳に宿る)
(ただ正しい構えで振るわれた拳に、余すことなく気を乗せただけの打撃)
(それを螺月流では〝練勁拳〟と呼ぶが――なんの難しいことは無い)
――受けてみろ、冬樹!!!!
(つまりそれは、今、彼が放てる最高(クリティカルヒット)の拳だった)
天城・冬樹 2022年2月8日
(模造のメス。さすがに正面からぶつけ合って砕かれることはない)
(このまま自分の領域に飲み込んで、最後の一撃を当てればこちらの勝ち。なのだが――)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月8日
(諦める気配がない。目の前の少年は諦めていない)
(なおも食らいつこうとこちらへと迫ってくる)
(無手で何ができるのか、いや、普段から無手で戦い抜いてきちているではないか)
(この距離で悪魔の権能は使えない。宝玉を戻すには間に合わない)
(拳を防ぐには遅すぎる)
(なら、諦めるか………?)
(否)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月8日
…………初めてだよ。
(形が解れ、揺らいだ鍵を右の拳で握りこめば)
(赤黒い閃光がゆらゆら立ち上り、その拳に宿る)
(型なんて知らない)
(踏み込みも、呼吸も未熟な、けれど常識の埒外の力でただただ威力だけを増幅した――――)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月8日
――望むところさ、亜唯!!!!
(君の頬へと吸い込まれるように伸びる、生まれて初めての右ストレートだ)
新堂・亜唯 2022年2月8日
――!
(拳。槍でもなく、光の玉でもなく、彼の力そのものを握りこんだ右拳)
(この期に及んで、包囲でも弾幕でもなく唯のパンチで来やがった)
(そんな攻撃は)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(愚直で真っすぐな、男の意地を握りこんだだけのような抵抗。そんな攻撃は――)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
――
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(〝人の世の超常を切除する螺月流〟に立ち向かう手段として)
(そんな人間らしい意地は――どんな何より効くに決まっている)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
――――っ!!!!
(右拳を迷わず、彼の頬めがけて振り抜き――だからその勢いのまま、彼の右拳を、交差法で受けた)
(派手な衝突音と共に、弾かれた体が宙をまった)
天城・冬樹 2022年2月8日
(拳が迫りくる。けれど不思議と怖くはない)
(同じだけの勢いを乗せて。相手の勢いをも載せるように、拳を振りぬいて)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月8日
(派手な音とともに、衝撃に弾かれた体が宙に舞う)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(がらんがらんと瓦礫を派手に巻き込みながら、ほどけた闘気を棚引かせて、砂煙の中に落ち)
っ……く、ぅう……
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
…………。
(ぐわんぐわんと揺れる頭、焼けたように痛む頬と白む視界)
……こんな、腰まで砕けそうなほど深いとこに響く拳……。
男の、何よりの身分証じゃん。
(〝白の記録〟で読み取った彼の正体。読み取れなかった空白の名前)
(けれどそれらは、全て、タダのデータで、単なる文字だ)
(無効票)
新堂・亜唯 2022年2月8日
(男同士なら、一番大切なものは、意地を握って固めた拳を交わせば、それで分かるものだ)
(同じところを目指して、同じ夜に理想を語って、同じ時間を過ごした)
――間違いなく、冬樹の拳だ。
(吐き気がするほど頭は揺れているが――えらく清々しそうに、その場に大の字になって寝転んだ)
天城・冬樹 2022年2月8日
(赤黒い光の尾を引いて、どさっと瓦礫の中へと落下して)
う……ぐ、ぐ……
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月8日
(視界がちかちかする。星が飛ぶ、なんて形容されるけれどこういう感じかと嫌でも自覚する)
(記憶の上では初めてではない痛みなのだけれど、その時よりも格段に心地良いのはなぜだろう)
……芯に響くって意味では本家にはかなわないけどね。
見てたから、さ。色んな人の意地の張り合い。
(拳同士の応酬、周りの男子のそれを見ていて、真似しなくてはと思ったのか――心惹かれるものがあったのか。上手く説明はできないけれど)
(無効票)
天城・冬樹 2022年2月8日
……効いたよ。ほんとうに。
(目が覚めるような拳だった。心地よさすらある)
ありがとう。咄嗟だったんだ、必死だったんだ。
……きっと、間違いなく僕のだ。
(起き上がろう、とするが。動くとどっと吐き気が襲ってくる)
あ~……駄目だ。
しばらく休んでようかな。
(頭と頭で向かい合う形で大の字になって、空を仰いで)
新堂・亜唯 2022年2月8日
そうは言うけど、良いモンもってんじゃんなぁ、冬樹。
……あー、いってぇ。さっき顎外れたんじゃねーかな。
(なんて言いつつ、まだいうことを効かない足を投げ出したまま)
そりゃーそうだろ。
食らった俺が保証するよ。
(なんていいながら、空を仰いで)
(震える手で、たぶん見えているであろう後者の方へと「大丈夫」と言わんばかりに手を振る。まぁ説得力はないが)
(演出継続)
新堂・亜唯 2022年2月8日
……まー、いいでしょ。
先に起きたほうが治すってことで。
(なんて言いながら、しばしその場を吹き抜ける、戦いの余熱を残した風にさらされていた)
天城・冬樹 2022年2月8日
あはは、見込みあるかな? 近接戦闘もやらなきゃなぁって思ってたんだ。
……こっちも駄目。全然動けそうにないや。
(なんて言いつつもおかしそうに笑って)
やったね、亜唯くんのお墨付きなら安心さ。
(ありがとう、とサムズアップを返す)
(握り切れずに随分不格好になってしまったけれども)
(演出継続)
天城・冬樹 2022年2月8日
そうしよっか。
幸いどっちも、治すのは得意なわけだからね。
(そんな風に応じて、そっと目を閉じていた)