【個】近付くほどに遠ざかる
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
リターナーは死にたがる習性でもあるのだろうか、どうにも知人らが死を厭わない気がしてならない。
やめろとは言えない。事実彼ら彼女らは強いのだから。
僕ごときでは及びもつかぬほどに。
で、あれば。深淵の寸前で、お互いに強くなれると思うのだ。
そうして血みどろの訓練相手を頼んで早一時間――。
放課後、廃棄区画にて。
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奉利・聖 2022年1月30日
あぁよかった。まだ死んではいませんでしたね。
お早めに手を打つことをお勧めします。他者の治癒には明るくなくて。
(あくまでもにこやかに、具合を確かめて)
奉利・聖 2022年1月30日
実りあるものにはなりましたでしょうか?
出来るだけご要望にはお応えしようと努力はしましたが……
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(咳き込む肉声、喀血のような音、ふらつきながらもまた一歩踏み出す。)
……いいえ、いいえ、まだ近寄れます。
まだ僕は生きたいと思っている。
死にたいと願うほど、近寄らなくては。
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(死を越えた先まではいけない。弱いから。)
(死の淵ギリギリまでを狙うしかない。彼らの強さを知るには。)
(深淵が覗いてこようが、こちらが睨み返してやろう。)
(彼に、一歩、近づく。)
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
………
奉利・聖 2022年1月30日
ほう。
(一歩近づくのを見て、こちらも踏み出した)
なるほど確かに、『死』にはまだ近づけるようです。
奉利・聖 2022年1月30日
───しかして、それだけではまだ足りない。
ただ近づくだけでは、上澄みしか理解できないのです。
(武器を握る片腕だけが、強張っていた)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
……。
――上澄み?
は、は、……は!何を、今更!
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
所詮僕は人の努力を奪って戦った人間です。
根底を知らず、根源を学ばず、血と汗と涙の結晶だけを掠め取りました。
それが是か非かは置いといて……こんな体でどうにかできるなら、やらない理由はないでしょう。
(踏み出し、踏み込み、)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(そもそも、「技量再現コード」とはとある人物が習得した絶技、それらを表面上の結果だけをなぞり再現した上澄みの簒奪にすぎない)
(手刀で遥か彼方の合金を切り裂いた一閃を)
(一瞬で大木すら消し飛ばす連打を)
(巧みな足さばきで攪乱する不意打ちを)
(大地を揺るがし破壊する剛拳を)
(意識の隙間に入り込む瞬撃を)
(包み飲み込み打ち返す反撃を)
(達人らのそれを、無理矢理に奪って再現しただけの技たち)
(リターナーの「それ」を真似れるかはわからないが)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(上澄みだろうと、結晶だろうと、取り込む貪欲さだけは、底なしだ。)
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
それでいいのなら──よろしい。
(叫ぶように、『屍龍帝ノ魂』が震えた)
(内臓に大きな欠損が多い。呼吸による錬気は、不完全)
奉利・聖 2022年1月30日
何故僕が、死を厭わぬか。
死ににくいから?死んでも蘇るから?いいえ、違います。
識っているからです。味わい尽くしたからです。
たとえ死んでしまうとしても、そこに恐れはありません。
千でも及ばぬ経験を、この刹那に掬い取れるかどうか…!
(不壊の竜骨を、片腕だけで振り抜くッッッ)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(なんだなんだろうな。この人も。)
(あの人も、あの人も、アイツも、アイツも、みんな、受け入れやがって。)
(死にたくねぇな、こんなに痛くて、くらくらして、ふらついて、)
(そんな先に、何があるんだよ。)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(終わりの先に、何があるんだ。)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(――その身を打ち弾かれ、半人半機の体は勢いよく転がっていく。)
(こんな時でも歪まない我が腕は何と腹立たしい事か。)
(立ち上がれ、立ち上がれ、立ち上がれ)
(立ち、上、が、 、 )
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(這い蹲ったまま、動けない。)
(辛うじて、息はあるようだ。)
(バチバチと電流が鳴り響く。)
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
…死にたくないと、思っておりますか?
(這いつくばった死にぞこないに、近づいた)
どうして死にたくないと思うのでしょう?
痛いから?未知だから?終わってしまうから?
奉利・聖 2022年1月30日
僕も最初は、そうでした。
そして暫くはずっと、そうだった。
(故にそれは、正しい)
(人が死に向き合う姿勢は、それで正しい)
(でもそれが、壊れる瞬間が来る)
そして僕は死に慣れ過ぎて、恐怖を失いました。
死が近すぎて、何かが住み着いてしまいました。
奉利・聖 2022年1月30日
そんなところまで来てはいけませんし、来ようとしても無理でしょう。
(カンっ。竜骨で地を突いた)
思い浮かべなさい。貴方にとって。
死は一等、恐ろしいものですか。
そうでないのなら、何が一等恐ろしいのか。
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(何が一番恐ろしいのか?)
(ああ、そういえば前怖いものって何ですかとか、聞かれたような。あの時はなんて答えt)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(バチッ)
(存在が消えて)
(いつの日かの如く、彼の後ろへ。)
(電流で流血が焼け、鉄となぜか混じる銅の香りが充満する)
(幽鬼の如くの有り様で、静かに口を開いた。)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
終わって、次は、何ですか?
次の僕は、僕ですか?
僕が覚えてることは、事実ですか?
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
――例えば、終わるたびに、何か失ったことに気付いてなかったりはしないのですか?
喪失の連続で、摩耗するのは当然でしょう。
でも、それは、嫌なので。
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(死ぬことが恐ろしいのではなく、死んで終わってしまう事こそが恐ろしいのだと)
(テセウスの船のような、沼男のような。自己の連続性が失われて正気でいられる精神性は持っていない)
(仮に世界五分前仮説などを持ち出されたら、真っ先に否定するかの如く)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
僕は、僕が僕じゃなくなってしまうことで取りこぼすのが怖いのです。
僕が僕のままでいられるために、強く、遠ざからなければならない。
(最低で最悪で地獄のような、それでいて暖かなあの人の記憶)
(それのためならば、厭いつつも喜んで死にかける矛盾も孕んで)
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
(振り向かない、ままで)
貴方は、終わって、失ってしまうかもしれないことが恐ろしいと。
そう、仰るのですね。
奉利・聖 2022年1月30日
もしかしたら僕も、何かを失っているのかもしれません。
現に僕には……思い出せない顔があります。
終わる前と終わった後で、同じ僕ではいられなかったとしても…
気付けなかったかもしれません。
奉利・聖 2022年1月30日
誰にも証明できない以上、答えなど無いでしょう。
それでも……あえて僕が言うのであれば。
真に失いたくないものは『何があろうと』消え切らない。
僕が思い出せない顔も、完全に消えてないのですから。
(精神論。ともすれば、ただの気安めのような言葉)
(しかし答えが出せないものには、それしかない)
(それを信じて、終わりの先に目を向けるしかない)
奉利・聖 2022年1月30日
…それが、僕が終わっても歩ける理由でした。
貴方もそうなればいい、とは言いません。恐ろしさは拭い難いから、恐ろしいものなのですから。
さぁ、もっと近づきますか。境界線に。
(竜骨は握られたまま、振り返りざまに殴り抜けることも、できる)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
それは――
(それは、諦めではないのですか?)
(覚えていればいい、忘れなければいい、忘れ切れなければいい、忘れたという事を忘れなければいい)
(そういうことに、なっていってるのではないですか?)
(その言葉は、信号のまま飲み込まれ外部へと放出されることはなかった。)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(大きく息を吐いて、パラドクスを解除した。フタイテンはこういう時に少しだけ厄介だ。電流が鎮まる。)
忘れられる方は、悲しいものですよ。
いつかは絶対忘れるとしても。
(例えば、約束をしたらしいあの後輩とかは。)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
僕は、……――僕は、卍奪を狙ってます。
率い、「今度こそ」死なせることがないように、生き方を示したいと思ってます。本当のことを言えば若干の私情もありますが。
あなたや他の人のように死ぬような戦いが悪いとは言いません、相性だってありますし。
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
でも、だからこそ、望まないなら望まない人には、生き延びる戦い方をしてほしい。
失う方も、失われる方も、辛いですから。
そのために――
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(枯れ枝よりも頼りないこの体に、活を入れて)
僕は、境界を知っておきたい。
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
…そうでしょうね。
よく知っています。毛色は違いますが、僕もそうでした。
ごくたまに死ぬ前に知り合いだった人と、死後も会ったりすることがありました。
皆、死したことも人間関係も忘れていた。
だから僕は祈ります。
願わくば、僕は忘れないでいられたらいいと。
奉利・聖 2022年1月30日
貴方は───。
(死なせて、しまったのですね)
いいでしょう。それならば。
(回転するように振り返る力を利用して、竜骨を)
奉利・聖 2022年1月30日
どうか、超えないように。
(竜巻のように、振り抜いた───)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(打ち据えられ、後ろに吹き飛びつつもどうにか体勢を立て直す。両の脚でしっかりと踏み止まり、数秒――崩れて両膝を突く。)
(一息ごとに、瞬きするごとに、命が吐き出されているような。絞り切った雑巾から、まだ捩じり上げるような)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(どうにか、なんだっていい、死なないために、戦いを続けるために、踏み出さねば……!)
(止まらないことこそが、追いつかれないこと……!)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(立ち上がり、踏みしめ、踏み出し、踏み込み、一 、)
(体、動か い、まだ、 だやれる たたかう だ、こわくて つらく も)
(今度こそ倒れ、立ち上がれない。)
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
…………。
(竜骨を杖代わりにして、倒れ伏した彼に歩み寄る)
もう、立てませんか。
ご満足は、できましたか。
(確かめるように、問う)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(虫の息のような機械音声、ノイズ混じりでとても聞き取りにくいが)
……まだ、まだ、どう、ぞ。
(こと意地とやり遂げるという事に関しては譲らない男だった)
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
……よろしい。
望みを叶えるのが僕ですから。
行くも止めるも、貴方次第ですからね。
(足を、振り上げた)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(声すらも上げれない、体の軋みが)
(全身に広がり)
(きっと彼は踏み抜き砕いたはずの骨が異様に硬く、まさしく不壊だったことに疑問を覚えるかもしれないが)
(死ねない男はそれでとうとう意識を手放した。)
(無効票)
奉利・聖 2022年1月30日
───案外、そう変わらないと思いますけどね。
(最早応答も無くなったのを確認して)
奉利・聖 2022年1月30日
……ふぅ、あまり心地良い物ではありませんねぇ。
この後、どうしましょうか…ひとまず放置するのもアレですし……。
(片腕が無いままで、身体を担いで)
(──やはり、妙に骨が硬いのがこれでも分かる)
誰の元まで運びますか、ねぇ。
(ふらふらと、歩いていくのだった)
(演出終了)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
(運ばれながら、小さく、小さく、微かな声で)
(歪んだ口角から洩れ出した一言。)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
( 「掴んだ。」 )
(演出終了)
グスタフ・カツラギ 2022年1月30日
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