【戦】それを乗り越えたくて
クオン・アイリアス 2022年1月29日
障害物の無い、決闘場の中心にて少女が待つ。
「強いと聞いたから」
―――嘘だ。嘘だった。本当は、彼女のあの言葉である。
「青の番長の理不尽さに打ちのめされ」
打ちのめされる。あの、『彼女』がそう言った。
ならば、自分は、それを否定せねばならない。理不尽さに立ち向かう。乗り越えていく。それが、自分の願いであったから、少女は、蒼の番長と戦おうと、思ったのだ。
#クオン・アイリアス
#竜城・陸
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クオン・アイリアス 2022年1月29日
(ずらりと並ぶそれを睨みつける。ただただ、憎しみがあった。氷獄の魔力がどれだけ強大で、どれだけ恐ろしいか。眼前にすればひしひしと伝わる。自分にはうかがい知れぬほどの魔術の才。ただた圧倒されるばかりで)私は、こんなにも弱い(それが、己への呪詛となる)
クオン・アイリアス 2022年1月29日
(己への、憎しみ。ヒトを呪わば穴二つ。今、銀狐霊糸は氷剣に繋がっている。その霊的なつながりを駆使した、『自身の己に対する呪詛』を反転させる事で相手へと影響を与える)……!(自身を呪った事により、体が重くなる。けれどその分、氷剣もまた、『重く』なっている』筈で)いくわよ……!(無理やりその囲いを一直線に突破しようと駆けだした)
(無効票)
竜城・陸 2022年1月29日
……なるほど。そういうことか。
(小さく呟いて、)(駆け出すその姿を見て――)
竜城・陸 2022年1月29日
では、こうしよう。
(――氷の剣の隙間を縫うよう生み出したのは、)
・・・
(水の刃である)
(“浄化”の権能司る水もまた、この竜の本質のひとつ)
(――流水が形為す刃は、)(そこに込められた“浄化”の権能をより純化させたものだ)
竜城・陸 2022年1月29日
(切り裂くのは相手――ではなく、相手と氷の剣とを繋ぐその“糸”だけだ)
(高密度に圧縮された水の刃で、切断できるような糸であるかはわからないが――)
(少なくともそこを伝う“呪術的な”影響は除けるだろう)
(――元通りの動きを取り戻したそれに、彼女がどう対応するものか)
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月29日
ギッ!?(もしこの霊糸が『金色』であったのならば、こんなにも容易く断たれる事はなかっただろうが、あくまで未熟な銀色の狐の霊糸はあまりにも脆かった。強制的に霊的なつながりが断たれたフィードバックがただでさえ灼かれている脳をさらにスパークさせて、鼻血が噴き出た。一瞬意識が空白して)
クオン・アイリアス 2022年1月29日
……!(さらに距離を詰めてくる氷剣にどうにか霞む視界の焦点が合った)く、そ……!(この距離で、『重く』なんて出来はしない。距離は確かに縮まった。けどそれだけだ)こんなに、簡単に呪いを解かれるなんて、弱いの、かしら……!(クオン・アイリアスには、自分を呪う事しか出来ないから。怒りが、呪いの深度を深くする)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
『貴方のせいで、私の糸は脆いまま……!』(新谷守・宗光の刀身に、銀狐霊糸を纏わせて)『ヒトを呪わば穴二つ……!』『作り出されしモノよ、拙く、脆い私のように、貴方の剣も、弱いまま……!』(剣に纏わせた銀狐糸が逆転させるのは、『己の作り出したものが脆い』という自身に対する怒りだ。それを反転させて、触れたものを脆くする。氷剣の魔力が冒してくるなら、それに冒される前に叩ききってしまえばいい。それでどうにか進もうと)
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
――それは巧くないな。
(無論、)(刃が呪詛を纏うのならば。その呪詛に侵された氷の刃は脆く、儚く砕け散ることだろう)
(それは少女の望む通りになるはずだ。氷剣は“浄化”の権能を帯びていない)
(――だけれど。)
竜城・陸 2022年1月30日
. ・・・・・・・・・
(それを遮らないのは、砕かれて問題がないからだ)
(それらが纏う氷獄の冷気は、地に突き立てば地を凍らせ)
・・・・・・・・・・・・
(砕け散れば大気を凍らせる)
竜城・陸 2022年1月30日
(――砕けた氷片が、急激に少女の周囲の温度を下げていく)
(温度だけではない)
(そこに渦巻く冷気は、生きとし生けるもののすべてを凍らせる氷獄の冷気)
(それは、)(身体の熱を、)(ヒトの感覚を、)(命の灯を、)
(凍らせ、留め、眠らせるもの)
竜城・陸 2022年1月30日
(――加えて)
(近づけば近づくほどに、竜の纏う冷気の影響も濃くなるのだ)
(足は鈍り、)
(腕は重く、)
(耳は遠く、)
(目は霞み、)
(――それでどこまで近づいてくるだろうか)
(いつまで立っていられるだろうか)
(普通の人間ならば、とっくに動けなくなっているはず、だけれど――)
(“そう”ではないから、差し向ける氷の剣は、その勢いを緩めることなく)
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
(《存在転換疑似再現:呪術大后・金毛九尾》は、『呪術に長けたあり得ざるクオン』を仮装演算して、ワールドハッカーとしての力で現実にコピペするパラドクスだ。だからこそ、クオン自身は『現実』と『理想』の軋みによるフィードバックを受けるが、逆に言うとそれ以外は己の呪術による根本的な影響を弾くことが出来た。それでもなお)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
うる・・・・・・さいわね!(電脳はアラートで埋まっている。体中から血は流れる。パラドクスによる効果すら貫通して竜の冷気が体を犯す感覚すらしていた。それでも少女は前に進んでいく。だってそれしか出来ないから)
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
――……。
(小さく息を吐いた)
竜城・陸 2022年1月30日
(空へ逃れれば、それで済む話だ)
(――そのまま、彼女が動けなくなるまで待てばいい)
(だけれど、多分そういう終わり方を意地でも認めない、そういうつもりなのだろう)
(“自分を呪ってまで”――)
竜城・陸 2022年1月30日
(羽搏きが止む)
(地に降りる)
(引き抜いた柄から、刃を形成して)(真っ直ぐに、向けた)
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クオン・アイリアス 2022年1月30日
……!(再び、刃を納めて、じりじりと近付いていく。居合の構えだ)
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
(動かない)
(身を裂く冷気は相変わらずで、近づけば彼女は直にその影響を受けるだろうが)
――……打っておいで。
それで気が済むのなら、ね。
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
(下に、見られてる。実際そうなのだろう。きっとそれだけの差が存在する。けれど、自分は強くあらねばならないのだ。妹よりも。才能なんてないに等しいのに、愛しき母の業を持って)なら、存分……に!(明らかに等身の射程外からの一振り。先ほどと同じく無数の銀閃が舞う。それが、蒼の番長へと切り裂くように、『触れる』ように襲い掛かり)
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
(――侮っているというわけではなく)
(ただ、このまま同じことを続けていけば先に彼女の命の方が尽きるだろう、とは思った)
(流した血はどれくらいだ?)(どれほど体温が下がっている?)
(下に見ているわけでもなく)(彼我の差を傲慢に身勝手にはかっているわけでもない)
(そういう、単純な、生命というものの帰結として、そうなる、と思った)
竜城・陸 2022年1月30日
(刀身に纏わせたのは、)(“浄化”の権能)
(無数に閃くそれが呪詛を帯びているならば、易く切り払えるだろうし)
(そうでなくとも、それがただの糸だとしても、どれほど強度のある何かだとしても、)
竜城・陸 2022年1月30日
(その糸が)(一振りに込められたものが)
(どれほどに大きく強いものだとしても、)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(この刃が――その程度斬れないなどとは思っていない)
竜城・陸 2022年1月30日
(魔術を纏っていないただの刃だ)
(剣閃が彼女の元まで届く、ということはなく)
(ただ、己に襲い来る無数の白銀だけを払うような、そんな一閃)
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
ほんっとうに……!こっちが必死こいてやっている事を容易くふいにしてくれるわね……!けど、だからこそ!(呪いが祓われていく。すなわち――ー)
・・・・・・・・・・
(呪いが解けてゆく)
・・・・・
(クオンの体が、一気に軽くなった)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
……!(そもそも、クオンの呪詛は、前提として『呪われているのはクオン』なのだ。クオンが、クオン自身のふがいなさを呪っている。それを踏まえて、『クオンが呪われている』という事実のみを取り出して、『呪われているのなら、人を呪わば穴二つ。呪った相手にも報いを』という概念を駆使して、『呪ってきた相手を銀狐霊糸で触れている事で霊的にクオンと相似形を構成した対象に移す』という非常に迂遠な方法で呪詛を成立させている)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
(当然の事として、呪いによる弱体化はクオン自身も受けている。あくまで『事前にどういう種類の呪いを受けるか知っているから気合いで耐えられる』のと、『存在転換疑似再現:呪術大后・金毛九尾で非常に高い呪術耐性を得ている』から、『相対的に相手の弱体化の方が大きくなる』だけである。ならば呪いそのものがなくなれば弱体化も当然解除されるわけで……)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
せめて……、一太刀……!(は入れないと気が済まない……!天狗経の呪いにより強化された身体能力から放たれる紫電の一線が番長へと肉薄してゆき……)
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
(――別段、それに何を驚くこともない)
(人の限界を超えた挙動を間近で見た)
(これよりもなお鋭く研ぎ澄まされた太刀と向き合った)
(彼女よりもなお折れず、砕けない、不退転の意思を見た)
竜城・陸 2022年1月30日
(何を思って、目の前の相手ではない何を見て、太刀を振るっているのかわからないけれど――)
おれ
(“ 己 ”と真に向き合ってくれた彼らのそれに比べれば、)
――このくらい、
竜城・陸 2022年1月30日
(無理矢理に受けもしない、避けもしない)
(近しい誰かがいつもやっているように、力の流れを見極めて、受けて、流す)
(――尤もそれは、まだその程度の技術しかないということでもあるが)
(武具の扱いには慣れていない。正面から打ち合って確実に打ち勝てる、わけではない)
(だから、)
竜城・陸 2022年1月30日
. ・・・・
(詰めは、その一太刀ではない)
(肉薄した彼女の喉元に突き付けた、氷の刃)
……凌げないと思われていたのだったら、心外だな。
(武具は手放さない)(刃も、引かない)
(静かに、彼女の目を見返した)
まだ続ける?
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
……(首に突き立てられた以上、それを否定する事は出来なかった)……いえ、そうね。負けだわ。みどもの
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竜城・陸 2022年1月30日
ん。
(氷の剣は、それで霧散した)
(目を閉じて、)(数節の古き言葉)(自意識を、切り替える)
(――身を裂くような酷寒も、底冷えするような冷気も、なりをひそめるだろう)
(この冬の日にかかわらず、どこか温かく感じすらするかもしれない)
竜城・陸 2022年1月30日
……、何か、別のものを見ていたでしょう。
それを悪いと言うつもりはないけれど、何か俺に挑んだのには他にも理由があった?
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
……(血濡れのまま座り込んで)先輩が
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
……ん。俺が、何?
(目線を合わせるように屈み込んで)
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
錦先輩が、『青の番長の理不尽さに打ちのめされた』って言ってたから……
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
へっ??
(それこそ思いがけない言葉だった)(多分今日を通して一番驚いたかもしれない)
……錦、そんなこと言ってたの?
え、全然俺は覚えがないんだけど……手合わせしたこととか、ないし。
ちょっと魔力を使ってみせたくらいで……。
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
けど言ってたし!だから、みどもは、アンタと戦って、理不尽じゃないって、そうやって証明しないとと思って
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
……そうなんだ。
まあ今度本人に聞いてみるか、そのあたりは……。
でも、別に理不尽ではないと思うよ。
単純に人間の道理とは違うところにあるってだけで。
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
それは理不尽っていうんじゃないかしら……!
クオン・アイリアス 2022年1月30日
(ふらつきながら立ち上がって)フン!今度は絶対、勝つわよ
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
兎と狼を見比べて、世の理を比べたりしないだろ?
残念だけど、次があったとして譲る気はないかな。
でも、また挑んでくるというのなら楽しみにしている。
……手を貸さなくて大丈夫?
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
大丈夫だわ
クオン・アイリアス 2022年1月30日
//
(無効票)
竜城・陸 2022年1月30日
そう。……なら、いいのだけれど。
片付けはしておくから、保健室にきちんと寄るように、ね。
(演出終了)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
……ん。分かったわよ
(無効票)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
色々と、うん。勉強になったわ。その、ありがと(そう言って去っていった)
(退場)
クオン・アイリアス 2022年1月30日
【このスレは終了しました】