【イ】エムライブ「ワンマン・サウンド」
音紡・奏 2022年1月29日
たった一人の
バンドであり
オーケストラであり
音の集積だ。
◆スレッド概要
音紡・奏/sOnUsのライブパフォーマンス用スレッドです。
観客として御覧になる場合は、以下のスレッドにてお願いします。
【見・誰歓】エムライブ「PLUS One」観客席
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◆出演者
音紡・奏/sOnUs
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音紡・奏 2022年1月29日
(時間だ)
(照明が落とされて暗くなったステージ)
(それが今、光によって照らされる)
音紡・奏 2022年1月29日
(ステージの上には、1人の少年と)
(マイクだけ)
(ワンマン・サウンドにはこれで事足りる)
音紡・奏 2022年1月29日
(表現者は、ステージの上では不敵に笑う戦士だ)
どうも皆さん。エムライブ、楽しんでいますか?
あっという間に時が経って、もう後半を迎えています。
さて、一昨日のステージを見てもらった人にはもう分かっていることだと思いますけど…まずはこれから何をするのか、デモンストレーションから始めたいと思います。
音紡・奏 2022年1月29日
ヒューマンビートボックスとは、口だけを使う音楽。
ボイスパーカッションと言い換えれば分かりやすいかもしれませんね。
厳密には少し違うんですが…例えばこんな感じに。
<シャンッ!!と甲高いハイハット>
<手拍子のようなハンドクラップ・スネア>
音紡・奏 2022年1月29日
おっと、マイクに細工がある可能性もありますね。
(ステージの端に立って、マイクから離れた)
<DJがやるようなロングスクラッチ>
<カスタネットを鳴らすような、クリックロール>
勿論、そんなものはありません。
音紡・奏 2022年1月29日
これからやるのは、全部こういうのです。
勿論歌いもしますけど…まずは色んな音楽を楽しんでください。
「ワンマン・サウンド」とはどういうものか、ゆっくりと。
まずは…ジャズ!
<ムーディな雰囲気の、ピアノソロ>
音紡・奏 2022年1月29日
<そこにドラムが加わり>
<ある意味ジャズの花形、サックス>
(それぞれの音が引き立つように、他の音は裏で走らせて)
(手振りでピアノをやるように、ドラムをやるように、サックスを吹くように)
次、ロック
音紡・奏 2022年1月29日
(ドラムの曲調がガラっと変わって)
<かき鳴らすエレキギター>
<重く響くベース>
(ギュインと、エンジンがかかるようなサウンド。ジャズよりもハードで、忙しなくて、けれども歴史の中で親しまれてきた音楽体系)
テクノ!
音紡・奏 2022年1月29日
(電子音楽で構成された、1980年代頃から有名になったジャンルだ)
(今回はその中でもよりテンポを高めに、トランスに近い状態で)
<シンセサイザー>
<時々走るレーザーサウンド>
(クラブで流れてそうなメロディラインを)
<マイクを外して、喉元に当てた>
(こうすると、くぐもったような音になって。よりクラブミュージックぽく聞こえるのだ)
音紡・奏 2022年1月29日
ラスト!
(このジャンルには…正式な名前は無い。世間的に言えば、和ロックなんて言うのだろうか)
<重く、重く、重く。和太鼓を響かせ>
<まるでエレキギターのようにかき鳴らす、三味線!>
(アニメのBGMになりそうだよな、こういうの)
(なんてやりながら、思ったりもするのだ)
音紡・奏 2022年1月29日
(シッ、と指を立てて音を止める)
音楽というものは色々なジャンルがあって、それは歴史の中で…時に先人をリスペクトしながら、時に突然の閃きで生まれてきました。
ビートボックスだってそういうものです。
さて、それじゃあここからはオリジナル曲です。
実は歌ったりもしますからね、オレも。
音紡・奏 2022年1月29日
(曲調はロックにいく。前奏でアゲていこう)
<ドラム>
<加わるようにベース>
<さらに追いかけて加わるエレキ>
「ㅤアンテナはもう立ってる
ㅤㅤㅤ感度良好、オンラインさ
ㅤㅤㅤㅤ言葉は飾らずデフォルトで
ㅤㅤㅤㅤㅤ確かな電波を君に送ろうㅤ」
(男子の歌声としては、少し高め。ハッキリと、一つ一つの言葉を聞き取りやすくして。歌声の裏ではドラムとベースが走ってる)
(歌と演奏を同時に行うのは、とてもとても難しい。頭も喉も最高に熱を帯びていた)
音紡・奏 2022年1月29日
(歌が上手いと、ビートボックスも良い評価を得やすいと言われている)
(例に漏れず、sOnUsもその手合いだ。のびやかに、ハリがあって。丸みを帯びる声とは正反対)
「ㅤローファイかハイファイか
ㅤㅤㅤちょっとばかし悩ましい
ㅤㅤㅤㅤ考えても仕方ないから
ㅤㅤㅤㅤㅤオンエアは止まらないよㅤ」
(観客席の一人一人を、見回して。自分の音楽とはこういうものだと、訴える。ただ一人の、ともすれば孤独なステージだが。不思議と寂しさは無いのだ)
音紡・奏 2022年1月29日
(さぁ、一番熱量の必要なサビが来るぞ)
<ギターが熱を帯びるように加速して>
<導くドラムはハイテンポに>
<されベースは、変わりなく>
(ちなみにこの曲は、大分前にある先輩をイメージして作ったものだ。まぁ、本人の前で言うつもりはないけど)
音紡・奏 2022年1月29日
「ㅤブースの機器をアクティブに
ㅤㅤㅤ音を通じて君にインタラクティブ
ㅤㅤㅤㅤ一度作動させたら後はノリで
ㅤㅤㅤㅤㅤ今宵も相互作用のお時間だㅤ」
(サビはとにかく詰め込んだ。いかんせん、口を早く回さなくちゃいけない。それでも一音をハッキリ聴けるように、歌い上げる)
「ㅤお耳までスーパーソニック
ㅤㅤㅤ魂にはウルトラソニック
ㅤㅤㅤㅤ超音速の電波は止まない
ㅤㅤㅤㅤㅤ今宵も極限音速なのさㅤ」
(スーパーからウルトラに。まるで小学生みたいな、言葉のパワーの上げ方だ。だから歌い方を、メロディをそれに合わせて強くしていく。ボルテージと同期するように)
音紡・奏 2022年1月29日
(そして続く二番、サビ、Cメロにサビと続いて)
(ドラムも、ベースも、ギターも)
(曲のクローズへと向かって行った)
音紡・奏 2022年1月29日
オリジナルソング『夜の電波』でした。
さ、名残惜しいですが次は最後の曲です。
──ここまでのオレの作風とはガラっと変わって、バラードっぽくしました。ビートボックスも少し、抑え目ですが…どうぞ最後まで聞いてください。
音紡・奏 2022年1月29日
ㅤ
ㅤㅤㅤㅤ『音楽』
音紡・奏 2022年1月29日
<宣言通り、サウンドはアコースティックギターだけ>
(どこかしんみりと、少しの明るさを纏う曲調で)
音紡・奏 2022年1月29日
「ㅤ新しい曲を
ㅤㅤ作ってみたんだㅤ」
(そして、歌声が)(変わった)
(今まで誰にも聞かしたことのない)
ㅤㅤㅤ・・・
(──女の声だ)
音紡・奏 2022年1月29日
(この声は、ただ一人の家族の声だ)
(失われて、それでも残った存在の証)
(とても綺麗な声をした姉がいたんだ)
「 ちょっと試しに
ㅤㅤㅤ聞いてみてよㅤ」
音紡・奏 2022年1月29日
「 ちょっと作風
変えたりしたけど 」
(弟の音楽を、喜んでいた姉へ)
(そして、聞いてくれる皆へ)
「 自分らしく
仕上げたつもりだ 」
音紡・奏 2022年1月29日
「 気に入ってくれたら嬉しいよ
君のプレイリストに入りたい 」
(音楽を作る時、いつも考えていること)
(聞いて欲しいと、合うかは分からないけど、ただ聞いて欲しいと)
音紡・奏 2022年1月29日
「 何番目に入れたっていいよ
聞いてる間に寝ちゃってもいい 」
(絶賛する必要は無くて、ハマる必要も無くて)
(この音楽に、どう向き合ってもいい)
音紡・奏 2022年1月29日
(サビでギターの曲調が、少し変わった)
「 流行りに乗って聞かなくてもいい
食わず嫌いすることもあるよ 」
(だから、流行りに乗るのは嫌だって言ってもいいんだ)
(音楽は、聴く方も自由でなくちゃね)
「 サビだけ好きだっていい
歌詞に共感しなくたっていい 」
(ここだけが好き、なんてのもいい)
(心に響かなくても、大丈夫だ)
音紡・奏 2022年1月29日
「音楽は逃げないから、ごゆっくり」
音紡・奏 2022年1月29日
(そして、二番へと続いて)
(終わりに近づく、Cメロへ)
音紡・奏 2022年1月29日
「ㅤ歌うのも 奏でるのも 聴くのも
ㅤㅤㅤ音楽が好きってこと以外に
ㅤㅤㅤㅤ必要なものなんてあるかい?ㅤ」
(趣味の一つなんだから)
(義務なんてものに縛られないで)
(どんな側だって、楽しんでほしい)
音紡・奏 2022年1月29日
「音楽への向き合い方も」
(これを聴く人に、伝えよう)
「音楽の愛し方も」
(何時の時代にも)
「人それぞれでいい」
(どんな場所でだって)
「健やかに楽しんでね」
(人がいれば、そこに音楽はあるはずだから)
音紡・奏 2022年1月29日
「世界には」
(そしてこれが、一番言いたいこと。最後のメッセージ)
音紡・奏 2022年1月29日
ㅤ
ㅤ
「音楽が溢れてる」
音紡・奏 2022年1月29日
(後には、緩やかに消えていくようなギター)
(ライブの終わりと共に、この曲も終わる)
音紡・奏 2022年1月29日
(終わりの挨拶は、無い)
(余韻を壊さず、ただ──しっ、と指を立てて)
音紡・奏 2022年1月29日
(ステージを、去るのだ)
音紡・奏 2022年1月29日
【ご覧いただき、ありがとうございました】