私立MM学園

【個】エンチャンテッド

十埼・竜 2022年1月28日
放課後の学食。ライブの準備も大詰めのおやつどき。
プロモーションに余念のないスピーカーから、ひっきりなしに流れるさまざまな歌声。

その、片隅で。
お饅頭を前に番茶を啜る、奇妙なヘッドホンの白い少年は、ちょっと目立つ。

#奉利・聖
#十埼・竜





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十埼・竜 2022年1月28日
ぼぼぼぼくのことだって言ってないじゃん!!??(しかし表情が口ほどにものを言っていた!!)
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十埼・竜 2022年1月28日
…………身を振るというか、すでに……所有され済みなんだけど。たぶん。(首の後ろに触れる。……まだ自分の耳は刻まれた魔法を読み取るほどじゃないから、何をされたのかはわかってないんだけど……)

ただのその、なんていうか…………ぼくが選んだことなんだけど、(今度はまた、露骨に言い淀んで)……………い、け、ないことを、したんじゃないか、って、気も、ちょっと。 (無効票)
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奉利・聖 2022年1月28日
その感じだと…何かしらの契約をしてしまった、という感じでしょうか。

それで、これはまずいことをしてしまったのではと心配されているわけですか。
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奉利・聖 2022年1月28日
まず、確認したいことがあります。

竜さんはご自分の意志でそれを受け入れたわけですよ。
所有者…この場合お相手の方からは、何かまずいものを課せられたり…竜さんが不利益を被るようなことをされておりますか? (無効票)
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十埼・竜 2022年1月28日
それは、全然……(ふと、唇に触れた拍子に)
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十埼・竜 2022年1月28日
(――――何をされたのかを思い出して顔が真っ赤になった)
やっぱり全然。ほんと、全然。……何かしろって言われるわけでもないし、するなって言われるわけでもないし。

(……この副作用だけ、不利益だろうか)(思い出すと心臓痛くなるからなあ……!) (無効票)
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奉利・聖 2022年1月28日
……これはかなりいい思いをしたと解釈してもよろしいでしょうか?

なるほど、では別段困ってることは無いわけですか。
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奉利・聖 2022年1月28日
では、その上でお聞きしますけど。

『無かったこと』にしたいと思いますか? (無効票)
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十埼・竜 2022年1月28日
いい思い、って、いうか…………

…………ご。
(真っ赤な顔を俯けて、背中を小さく丸めて湯呑の水面を睨みながら絞り出すように)
……………………ごほうびだったとおもいます………………
(湯気でも出そうだ 頭頂部から)
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十埼・竜 2022年1月28日
(しかし)
(続く問いに、がばっ!!と顔を上げて)ない!!(即答で断言した) (無効票)
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奉利・聖 2022年1月28日
なら別に、何も心配する必要無いのではありませんか?
現状竜さんは不利益を被っておらず、選択に後悔もしていない。

これから先どうなるかという不安もあるのかもしれませんが…竜さんを見るに、その人は邪悪というわけではないのでしょう?
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奉利・聖 2022年1月28日
問題が起きたらそれから考えるでいいと思います。
もしも意にそぐわぬことを強要されでもしたら、その時は生徒会や番長を頼ればよろしい。
健全な学園生活を脅かすとなれば、動いてくれるでしょう。

何なら僕でも構いませんけどもね。 (無効票)
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十埼・竜 2022年1月28日
うん…………そう、なん、だけど。(未だに、ちょっと歯切れ悪い)
ルリアさん、魔王だけど邪悪かっていうと……そーゆーんじゃないもんな(小声)
勿論、真っ先に先輩を頼るよ。一番頼りになるもん。

…………邪悪かっていうと、どっちかってと、ぼくのほうっていうか……
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十埼・竜 2022年1月28日
…………先輩、もーいっこ、聴きたいことがあるんだけど、いい? (無効票)
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奉利・聖 2022年1月28日
よろしい。
(ルリア…聞き覚えの無い名ですね)

ふむ?それはどういう───
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奉利・聖 2022年1月28日
あぁいえ、どうぞ。何なりと。 (無効票)
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十埼・竜 2022年1月28日
えー、今まで覚えてる範囲で15人程度とお付き合いがある先輩は―、
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十埼・竜 2022年1月28日
…………恋、って、何回した? (無効票)
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奉利・聖 2022年1月28日
……────
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奉利・聖 2022年1月28日
したことは……多分、無いですねぇ。
する気にならなかった、とも言えますか。

(求められれば、応じた。本当に、それだけ)
(自ら求めて、焦がれたことは無い) (無効票)
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十埼・竜 2022年1月28日
……そんな気はしてた。でも、相手は本気だったんじゃないの?

する気にならなかった……のは、なんで?
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十埼・竜 2022年1月28日
……あー、そっか。
“死”の方が大事だから?

(…………流石に嫌味が過ぎた、気がして)
(口を塞ぐみたいに、お饅頭を頬張った) (無効票)
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奉利・聖 2022年1月28日
勿論、それもあります。

でも一番大きいのは…そうですねぇ。
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奉利・聖 2022年1月28日
魅力的だと思う人は、沢山いました。
容姿や性格、能力の面で…それはもう、多種多様に。

ですが僕は…永い輪廻の中で、あることを知りました。
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奉利・聖 2022年1月28日
以前、お話したでしょうか。一回の人生は殆どの場合、数年で終わると。
勿論自死によるものも多いですが…たとえそうしなかったとしても。

世界には『破滅』が降りかかるのです。
狙いすましたかのように。そういう機構であるように。
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奉利・聖 2022年1月28日
時に、疫病として。

時に、天災として。

時に、人災として。

沢山の死が吹き荒れるのが、お決まりだと言わんばかりに。
何かがおかしい、思わざるを得なかった。
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奉利・聖 2022年1月28日
だから僕は、思ったのです。

どうせ何を積み上げたとて、抗えぬ死がやってくるのなら。
自ら恋を求めたところで、一体何の意味があるのでしょう。
次の人生では無かったことになって、自分の記憶にだけ生きていることに、何の意味があるのでしょう。
それすら長き輪廻の中で風化するというのに。 (無効票)
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十埼・竜 2022年1月28日
(気が付けば咀嚼が止まっていた)
(手にした湯呑を取り落としかけて我に返る)(ごとん、と、陶器の底が食卓を打つ音がやけに耳に響いた)
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十埼・竜 2022年1月28日
(「それ」に気付くのに、確信するのに、諦めるのに――――どれだけの死を積み上げたんだろう)
(ぼくにとっての「たった一回」。どうしたってどうがんばったって覆らないから、受け入れた、死を)
(どれだけ。)

…………。
(青ざめた顔を上げて)
せんぱいは、
(縋るような眼差しで、心細そうに、となりを見た。)
………………今は。
あきらめて、ないよね? (無効票)
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奉利・聖 2022年1月28日
──さて、どうでしょうか。
まだ分かりません。まだ一年も経たないのですから。
突然抗えない何かが降りかかって、終わるかもしれません。

でも、そうですね。
辿り着いたここは、これまでとは違うという感覚もあるのです。
だから、少し期待はしています。
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奉利・聖 2022年1月29日
初めて実った作物は、焼かれました。

幼馴染と結婚したという友人は、疫病で死にました。

素朴で健気な少女は、飢饉で死にました。

自ら思い出を求めることを止めて、望まれた時だけ受け入れる。
どうせ失うなら、自分の為になる知識や技術に記憶を割いた方がずっと有意義でした。
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奉利・聖 2022年1月29日
──今回はそうならないように。

ただただ、祈るばかりですね。 (無効票)
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十埼・竜 2022年1月29日
(諦めるな、と願う方が酷なのかも知れない)(希望を抱くための手が、残っていないのかも知れない)

(見上げた黒い瞳はただ柔らかく細められていた。)
(父さんに似ているようで、それよりももっと穏やかな――――傷つきすぎたものは、あまり光を跳ね返さない。)
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十埼・竜 2022年1月29日
(それが、怖かったし、悲しかった)

(だから)

(――――まるで掴みかかるみたいに、その金髪に手を伸ばして)
(ヘアピンとかもうごちゃまぜにわっしゃわしゃにかき混ぜた。) (無効票)
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奉利・聖 2022年1月29日
後はこれから次第ということではありますが───

(わっ、と声を上げる間もなく)
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奉利・聖 2022年1月29日
(いくつかのヘアピンが飛んで)
(いつもの髪型はぐちゃぐちゃになって)

…竜さん?

(声音に糾弾する意志は、籠ってない) (無効票)
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十埼・竜 2022年1月29日
(声に、ぴたりと手を止めた)

(……怒っても良いんですよ、先輩。)
(こんなのワガママなんだから。)
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十埼・竜 2022年1月29日
(ただ、ぼくの中に刻まれた彼女の名が、高らかに謳う)

(「欲しければ手を伸ばせ――――奪い取ってでも!」)
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十埼・竜 2022年1月29日
…………それって絶対、先輩、寂しかったじゃん。(乱した髪を、撫でる。……頭の大きさは、自分とそう変わらない。)
(こどもじゃん。ぼくと、おんなじ。)
二度と。
……二度と、先輩が、さみしくないように、する。
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十埼・竜 2022年1月29日
ぼくたちは一緒に大人になるんだ。
(押し殺した声で。)(懇願に似ていた。) (無効票)
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奉利・聖 2022年1月29日
(寂しかった、か)
(何時からか、それすら忘れるようになっていたのでしたね)
(でもそう、こうして思い返すと確かに)
(とても、とても。寂しいものだった)

おやおや、竜さんたら。
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奉利・聖 2022年1月29日
どうやら、思ったよりも期待してもいいのかもしれないですねぇ。

(願われているというのは)
(とても得難い、ことなのだな) (無効票)
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十埼・竜 2022年1月29日
思ったよりじゃなくって。して。
…………ぼくじゃ不満?
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十埼・竜 2022年1月29日
(髪を撫でる手に、半端に残ったヘアピンが当たって)
(……うわ。)

…………先輩がこんなに頭ぐちゃぐちゃにしてんの初めて見たな……(まるで他人事みたいに呟いてしまった) (無効票)
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奉利・聖 2022年1月29日
そんなことはありません。
…期待していますよ。出来る後輩ですからね。
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奉利・聖 2022年1月29日
自分の惨状がどうなってるか気になりますね、これ。
まぁ多分…寝起きくらいの感じかもしれませんけど。

(あらま、と困り顔で。それでもちょっとだけ笑みが漏れた) (無効票)
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十埼・竜 2022年1月29日
(……やっと)
(ほっとしたように、息を吐いて。)
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十埼・竜 2022年1月29日
……先輩の寝起きって、こんな面白いの?
(いつもの軽い調子で、落としたヘアピンを拾って返す。)
見てみたいな。今度泊まり行っていい? (無効票)
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奉利・聖 2022年1月29日
髪質の問題なのか、結構跳ねるんですよ。
あぁ、来ますか?そちらと比べると少々見劣りするかもしれませんが……あ、ご飯は凄く美味しいですよ。
(ヘアピンをつけながら、後で田吾作寮長に確認しないとな、と思うのであった) (■)
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十埼・竜 2022年1月29日
え、ほんと!? やった!(こどもみたいに声を跳ねさせて、)
結構古い寮なんだっけ……あ、ごはんはうちのしゅーせつ先輩もねぇ、特に精進料理が……

(そのあとは――――やがてライブ会場からお呼び出しがかかるまで、)
(のんびり、おやつどきを楽しんだのだった。) (+SIGN OFF+)
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