私立MM学園

【個】それを、ひとは「  」と呼んだ

竜城・陸 2021年12月31日
――休日の屋上。

人気のないそこで、一人、大きく伸びをする姿がある。

場所:
本校舎・屋上

書き込み可能:
#十埼・竜
#竜城・陸





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竜城・陸 2021年12月31日
――――、
(その口調は)

(まるで、「彼」が誰かに言い聞かせてるみたいだ)
(そんな風に思わされる、その、言葉を、聞いて) (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
――――嫌だよ。

(はっきりと)(そう、答えていた) (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
俺は。

(「  」に)(「  」に)(「  」に)

(身を浸せば)(簡単に何もかもを終わらせてしまえる)

(そういうもので)

(だけど、)

……俺は、“そうはならない”と決めたんだ。
俺の中のあらゆるものは世界を、人を、傷つけるものにはしない。

それに、 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
――それを向けられるのは、ね。
案外、恐ろしいものなんだって、俺は知っている。

(六つになった、その日)
(お祝いに、と姉たちが持ってきた“それ”は、)
(己を殺すための、毒だった)

(嫌われているのなんて知っていた)(憎まれているのだって知っていた)
(「僕のせいなのだから、仕方ない」と、確かにそう思っていて)(それでも)

(呼吸も侭ならない中、狂ったように泣き笑う姉たちの声を聞くのも)
(“生き返った”自分を見る姉たちの、恐慌しきった表情も)
(口々に“僕”へ投げかけられる、憎悪も、悲嘆も)

(「 くて」)(「 くて」)(「  かった」) (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
知っていたって。そうであると諦めたって。受け入れたって。
怖いものなんだよ。

それを、他人へ向けるつもりには、ならない。

……少なくとも、俺が“ヒト”になれないうちはね。
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十埼・竜 2021年12月31日
誰が言ってたっけかな。相手を理解する、なんて、推測と共感の数珠繋ぎでしかないですよ。
それでも、先輩のはぼくより精度高そうだもの。 (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
……まさか先輩がぼくと同じ轍を踏んで、「ちゃんと言葉にできないから直に叩きつけます」――――なんて選択をするとは思わないんですけど……
(言いながら)(今のぼくのコンディションをノイズイーターに“録音”して、いつでも再生できるようには整えて) (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
(恐ろしい。そう独白した瞬間の揺らぎ、どこか血の通った悲しさが、聞こえた気がした。)

文句聞くくらいでぼくが死ぬと思われてるのは、ちょっと見くびられ過ぎてる気がするんですが(苦笑いを浮かべて見せて)
……それとも、先輩の力のせいかな。魔法の歌、みたいな。

(じゃあ)(口にしないなら、ぼくが言おう。)
彼が死んでしまったとき、ものすごく、怖くて。
奪われたのが腹立たしくて。
………ぼくを、殺したいほど憎みますか。
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竜城・陸 2021年12月31日
……そういうものなのかな。
どうも、俺はそういう経験に乏しいからよくわからないのだけれど。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
…………言葉にできないんだ。これは。
(小さく、息を吐いて)……魔法の歌みたいな、というのは、半分くらい、正しい。

それは、俺の持っているものじゃないんだ。今は。

(「  」は、)(「  」は)(「  」は。)
(“  ”の持つもので)(その力と強く結びついている)

表面的に、そうかな、という感情を懐くことはできても。
それに奥底から同調してしまうと、――さっきのようなことに、“なってしまう”。

だから、 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
(多分、その言葉が全て音になる前に)
(――“停滞”の力が、竜の権能である“氷”の魔力が、その音を奪ってしまっただろう)

(とはいえど、物理的に凍りつかせたわけではなく)(出した音がそのまま、吸い込まれて消えたみたいに)(何も、響かなく、なるというだけ)

(――空気も水も何もかも凍り付いた世界では、音というものは何処へも響かないらしい。)

今それを問わないで。
俺に、君を殺させないで。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
――俺のかたちを、壊さないでよ。

(声音に、滲んだなにかは)(やっぱりまだ、確かにそうだと感じられないけれど)
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十埼・竜 2021年12月31日
(歌は、心の発露で。それが何かを変え得ると信じる、願う、力だ)
(そんなに、誰もが目指す歌に近いところにいるのに、)
(誰よりも不自由だと思う)

(……永月寮の薄羽蜉蝣が聞いたら、大爆笑するんだろうな)

(舌が凍りそうな冷気が喉元に突きつけられて、ぼくの声の“波”が完全に殺されて。生命の危機よりもまず、先にそれが思い浮かんだ。) (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
……だいたい、答えじゃないですか。(これは、届くだろうか)
それで……、(遅れて来たくせに、どうしても滲む恐怖は、別に伝わらなくっていいんだけど)

(でも、聞こえてないと困るから、震える足で一歩、踏み出す。)

どうしましょうか。(彼の手の届く目の前で、小さく首を傾げた。)
(みしみし。ぱき。凍り付く音を繰り返す外套の内側。……さっき、ぼくが感じたものが、全てその内側に詰まっているのなら)
(今、声音に聞き取ったものには、血が通っていたから。)

壊してんのはどっちだろう、って、ぼく、思うんですけどね。
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竜城・陸 2021年12月31日
(止めたのは、その一瞬だけ)
(決定的な言葉を、聞きたくなかったから)(ただそれだけ)

(だから、その後の言葉は全て、聞こえていた)

……答えだって、わかっているから。
答え合わせをしたくないんだよ。

(わかってる)
(“  ”の感じているものは)(自分の感じているものだ)

今、それを受け止めたら――この形を保てないから。
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十埼・竜 2021年12月31日
(つっかえて吐き出せない言葉なら、それはラジオの仕事だけれど――――言いたくないことを言わせるのは、そうじゃない。)

(一歩、二歩、後ろ向きに。彼の姿をじっと見ながら、足を引く。互いに手の届かない距離へ。)

(冷たい空気を、肺一杯に吸い込んで)……関係ない、って言いましたけど。ぼくはね。(ラジオ・パーソナリティの穏やかな声を。)
グスタフ先輩がせー先輩を殺したのを、許せなかったんですよ。彼の隣の部屋で寝泊まりして、食堂でご飯食べて、一緒に暮らしながら、数週間。……怖くて、ムカついてて、でも、どうしようもなくってさ。だってぼく、関係ないじゃん。ねぇ? (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
……そうしてたら、消えちゃう気がしたんです。そのうち、なあなあで忘れて赦せちゃうんだろうなって。
あのときの、ぼくを。

ぼくは、それをぼく自身に許せなかった。ぼくは風化させたくなかった、忘れてしまうそっちの方が怖かった。
……それで、そうなる前に、言ってやろうと思って。ぼくがすごーく、怒ってた、ってことを。 (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
……りく先輩、それ、忘れちゃいたいですか?
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竜城・陸 2021年12月31日
…………じゃあ。

あれで、誰かが同じ気持ちになる、って。

考えたりは、しなかった? (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
(低く吐き出した言葉を)(そこに、滲んだものを)

……ごめん、なんでもない。
(かぶりを振って、追い出した) (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
…………。
忘れたい――わけではないよ。
受け入れたくなければ、後生大事に抱えやしないさ。

(――切り離してしまっていたものを、ひとつにする)
(そうあって初めて、自分の望むものに近づけると思っているから)

ただ、“今は受け止められない”というだけで――それを、どうにかするための算段も、立てていて、でも。
これを、今受け止めたら。

……見ただろう。俺は、“ああいうもの”になってしまう。
そうなりたくは、ないんだ。
この力を――そういうものに、したくはない。
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十埼・竜 2021年12月31日
(目を伏せた。)
……ぼくなんかがあの不壊の命に手が届くなんて、思ってなかったんですよ。……いつもより少し痛い目見てくれないかなって。
でも、それはぼくの考えが浅かった。

……だから、(手でも広げてやろうかと思ったけど)(……どうしても苦い思い出に繋がってしまって、腕は上がらなかった)
りく先輩がぼくに何をしても、覚悟もしてるし誰にも何も言わない。……したくない、でしょうけど。 (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
……先輩のは、風化したりしないんですね。
(それは、傷も癒えないってことじゃないのか。……どこにも、行き場のないまま。それって、すごく痛いままじゃないか)

(同じ、気持ち。)(溜息を吐いて。)
先輩、なりたいものがあるんですね。
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竜城・陸 2021年12月31日
どうにかするつもりなら、最初の時点で止めたりしないさ。
(小さく息を吐いて、)

……それこそ、君を叱る筋合いもないのだけれど。
もう少し、別のやり方も考えたほうがいいよ。
俺みたいなやつでも、案外、身を案じられてしまうくらいだからね。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
わからないな。
……“俺”が抱えていてくれるから、そうというだけで。
俺が本当に、人間であったなら、いつか消えてなくなるのかもしれないし。

(――全てを受け止めた後に、どうなるかは、それこそわからない)
(だって、“感情を抱いてはいけない”と鎖されて生きたことしか、なかったから)

(でも、) (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
…………まあ、それは成ってから考えるさ。

……というか、なりたいものくらい、それはあるだろう。
男の子なんだから。晴だって、英雄、なんて言葉をよく使う。
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十埼・竜 2021年12月31日
そこに関してはあちこちから。とりわけ本人から、ものすごーく。
…………しませんよ。あれ、ぼくだってすごく苦しいんだ。
(命の熱を追っていたのなら。ほどなくしてぼくがきっちり絶命したことだって、きっと見抜かれているのだろう) (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
(あるだろう、という言葉には、曖昧に微笑んで)

なりたいものになるまでに、ぼくは目障りじゃありません?
(まだ、あの凍り付く音は外套の内側から聞こえているんだろうか)
先輩、今、その服の下、あんまりぼくに見せたくない感じになってたでしょ。……ぼくと顔合わせるたびに我慢してそれ、じゃ、迷惑でしょうしね。
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竜城・陸 2021年12月31日
あいつにしたことに限らず。俺に対して言ったこともだ。
“何をされる覚悟も出来ている”なんて、言うものじゃない。

……まさか、死にたいわけじゃないだろうに。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
目障り? どうして。
じゃあ、逆に訊くけれど―― (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
あれが、一回殺した“くらい”で、収まると思うかい? (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
……そうしたくないし、しても意味がないのなら、する必要なんてないだろう。
それにこれは――君に対するものに限らない。
何があったってすぐこうなるのだから、多少多めに抱え込んだところでそれこそ変わらないさ。

……困難を成し遂げようというなら、この程度呑めなくてはどうしようもないのだからね。
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十埼・竜 2021年12月31日
言われたわけじゃないですけど、彼はそうしましたから。
……そこまで保ちはしないでしょうけど、ぼくだって、そうすべきでしょう?

(声を聴くべきだ。今、語るのを止められようとしている言葉を。)
(それが、ぼくたちだ――――) (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
……大した腹いせにはならないでしょうね。
いえ、今後はぼく、あんまり会わない方がいいのかなあ、って。(一応、顔合わせる度に死ぬ思いするのだってヤなんですよ。)
ぼく、人探しは得意ですから、逃げ回る……足の速さはないですけど、回避するだけならそれなりに。

何があったってすぐ……案外癇癪持ちですか? ちゃんとこう、そのままと言わず昇華するような形ででも……イライラ、吐き出す手段はあった方がいいと思いますけど……
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竜城・陸 2021年12月31日
どうして?
君と彼は違うのに、同じ受け止め方をする必要があるなんて、そんな道理はないだろう。
……俺が言うのも説得力はないけれど、人間と人間の関係は、鏡に映したように相似するようなものじゃないのだから。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
「無理矢理抑えている」と前にも言ったかもしれないけれど。
けっこう頻繁に緩むんだよ、これ。今回の要因は“俺”の抱えたものが大きかったからだけれど、俺の側の制御がうまくいかなくなる、なんて原因だったりもするし。
(大小すべて数えればそれなりに事例があるんだよ、なんて)(そんな風に言って)

……だからまあ、俺の側できちんと予測出来て対処できれば問題ないさ。今回はたまたま、不意打ちだったからまあ……怖い思いもさせてしまったけれど。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
それに、言ったろ。
俺がわかってることは、“俺”にだってわかってる。

君の動機が、“俺”の抱えたものと同じものだったことだって。

だから、別に次からは顔見るなり食って掛かるようなことはないと思うよ、きっと。
気に病むのなら―― (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
“力”と“感情”が切り離せたときに、理不尽に怒られてでもくれればいいさ。
そう、遠くはない話のつもりだからね。
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十埼・竜 2021年12月31日
ぼくだって、こういうときに言いたいこと抱えられたままなのは信条に反するってだけで。(渋面をつくる)……あのひとと感性が似てるってなると、それはちょっとヤだな……だいぶヤだな…… (無効票)
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十埼・竜 2021年12月31日
…………じゃ、首尾よくいくことを祈りながら、怒られる覚悟をしておきます。(軽く、頭を下げた。)

(――――鐘の音が、響いてくる)……ある意味、今年のうちに聞いておいてよかった話、だったかも。
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竜城・陸 2021年12月31日
じゃ、少なくとも“言いたいことを聞く”だけに留めておきなさい。
あいつみたいに、殴ってくれてもいいですよみたいな態度は君にはあまり似合わないしね。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
――当然。
(別に、“俺”だってそれに異を唱えているわけじゃないし)(当たり前だ、俺なんだから)

そうだね、俺のほうもむしろ……一度不意打ちを喰らっておいてよかったのかもしれないな。
……いや、君には申し訳ないことをしたのだけれどね……。
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十埼・竜 2021年12月31日
似合わない分は、ぼくのみっともない背伸びと精一杯の誠意だと思っていただいて。
(……自壊する音を、ぼくだって聞きたいわけじゃない。)

不意打ち喰らっといてよかった?(意外そうに、目を瞠って)……りく先輩がいいなら、いいですけど…… (、)
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十埼・竜 2021年12月31日
(ごぉん、鐘の音。)(……に混じって、自分を呼ぶ声が聴こえた。提出書類に不備? いやまさか。)

じゃあ、ぼくは行きますよ。……何かとお騒がせしました。
先輩は、よいお年をお迎えください。(静かに頭を下げて、)

(屋上の扉を、再び潜る)
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竜城・陸 2021年12月31日
あいつに対してしたのなら、誠意かも知れないけれどね。
(同じことをしたのだから、返されても仕方ない、というのは、道理の通る話で)
外野の身勝手な言い分にまで、自分の身を捧げなくたっていいんだよ。

それは、まあ。……君がどういう気持ちだったかなんて俺は知らなかったからね。
取り返しのつく時にこうして会えたから、それを知る機会もできたのだし。
……君にしてみればいい迷惑かも知れないけれど。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
……いいや。お騒がせしたのは、こちらのほうだろう。
行ってらっしゃい。……よいお年を。と言うのだったっけ?
(僅かばかり首を傾げながら、)(扉の閉まるまでを、見送って) (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
(這い上る氷霜が、肌を腐らせていく、のを)

……わかってるだろ。

(逆回しみたいに、光が癒していく)

子供みたいに喚けたら、楽だけど。感情のままに力を振るえたら、何も考えなくたっていいけれど。
俺は、そうなりたいわけじゃないんだから。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
(嫌だっただろうと問われれば、そうだ)

(怒っているかと問われれば、そうだ)

(許せないかと問われれば、わからない――のは、“僕”のせいだろうか)

(けれど、正直、理解しきれていなかった)

そうか、俺―― (無効票)
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竜城・陸 2021年12月31日
――そんなに、穏やかな質ではなかったんだな。

(湧き上がるものが)(こんなにも昏く、深く、焼け付くように熱いなんて)

(でも、) (、)
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竜城・陸 2021年12月31日
いつか、ちゃんと正しく表に出せるように、なるから。

……それまで、君が持っていてよ。

すぐ、受け止められるようにしてみせるから。

待っていて――
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