私立MM学園

【個】たたかいのはてには

三隅・彩乃 2021年12月24日
渋谷区。

すっかりと時間を止めてしまった渋谷の街中。
ダンボールを手にした、ドラゴニアンと人間とオラトリオの組み合わせ。

毛布の入った最後の箱を降ろして、彩乃はふぅと息を吐きました。
12月の半ば、冬であってもたくさん運動すればじんわりと汗をかくものです。
しばらく呼吸を整えて、
もう一度大きなため息をつきました。

この戦争で勝ち取った町並みに目を向けていると、彩乃の胸中を複雑な感情が支配していくのです。


書き込み可能
竜城・陸
三隅・彩乃




演出終了
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竜城・陸 2021年12月24日
――大天使だった、ね。
種族としての天使、というのではなく? (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
クロノヴェーダのほうよ。
私は三隅瞳子という女の子に憑依した大天使だったわ。

……新宿にきて、いまは人間だけど。
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三隅・彩乃 2021年12月24日
陸さん。率直な意見を聞きたいのだけど。
人間とクロノヴェーダは争わずに共存できると思う?
争わず、一緒に正しい歴史を取り戻せるよう手を組めると思うかしら。

どちらも傷つかず、失われないようにするにはきっとその方法しかないと思ってるのよ。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月24日
――……そう。
(確かに憑依した側の意識が残る例も、もしかしたらあるのかもしれないし)
(刻逆という異常事態に於いて、それが再び分たれることもあるのかもしれない)
(それについては、頷きひとつ、それ以上の言及はせず)

(けれど、)
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竜城・陸 2021年12月24日
無理だろう。
彼らが自らのいいように造り変えた世界を手放すとは思えない。

……共存の意思があるとするのなら。
はじめから、人の歴史を改竄し、分割し、多くの人々を“なかったこと”にしてしまうような下法を用いる必要などなかったはずだ。 (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
(正論です。冷たく鋭く、しかし揺るぐことのない鉄のような正論です。彩乃には反論のしようがありませんでした)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
悲しいわ。私も本当はわかってるのよ、戦いを避けることはできないって。
わかっていても嫌で認められなくて『戦わない可能性を探すこと』へ逃げていたんだわ。
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三隅・彩乃 2021年12月24日
(空気がかちかちで重くて、呼吸するのに一苦労です)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
私はいつか、人間の側に立ってともに戦うのでしょう。

ねぇ陸さん。番長のあなたにとって戦うのは苦痛かしら。
それとも息をするようになんてことのないものかしら。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月24日
(小さく息を吐いて、)

……別に、戦いたくないのならば戦う必要はないと思うけれどね。
その分誰かを支えるのを旨とする、というのでも構わないといえばそうだろう。
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竜城・陸 2021年12月24日
苦痛だ、と感じたことはないな。
成すべきこと、成したいことがある――その為に支払う労苦を、辛いと感じたことはない。 (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
私は戦いたくないんじゃなくて、みんなに戦わせたくなかったのよ。
戦いで傷ついてほしくなかった。
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三隅・彩乃 2021年12月24日
もう「戦わないで」なんて言わないけれど。

陸さん、あなたの成したいことって?
あなたは何を失って、何を取り戻したいの? (無効票)
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竜城・陸 2021年12月24日
(――“なら、「どちらも選ばない」のはそもそも違うだろう?”)

(そんな問答をして、悩ませるつもりはなかったから。吐息一つ零しただけにとどめた)
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竜城・陸 2021年12月24日
――……俺個人が失ったものはそんなに多くはないんだよ。

(結局のところ、自分は自分のいた世界に受け入れられることはなかったろう)
(そう、だから)
(もともと、“何も持っていなかった”のと同じ)

でも、取り戻したいものはあるんだ。
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竜城・陸 2021年12月24日
人が正しく、生きることと死ぬことを選べる世界。

人が正しく、生きることを喜び、死ぬことを悼める世界。

俺は、それを、取り戻したい。 (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
……素敵な世界ね。とても。
(思えばディヴィジョンは、彩乃の故郷ですらそういう世界ではなかったのです)

それはあなたの元いた場所にもあったもの? (無効票)
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竜城・陸 2021年12月24日
……素敵な世界かどうかは、どうかな。
“正しく”というのは、言い換えれば“己の意思で”ということで――要は、生きるも死ぬも自分で決めるべきだ、と言っているのだから。
それを受け入れがたい人間もいるかもしれないだろ?
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竜城・陸 2021年12月24日
――でも、人の世界とは元来そういうもののはずで。

俺が、“赦せない”と思ったのは。
“そうでない”世界の現実を、目の当たりにした時だった。 (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
いいのよ、私にとってはそれが素敵なことだから。
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三隅・彩乃 2021年12月24日
目の当たりにしたとき。
それは、あなたがディアボロスになって他のディヴィジョンへ行ったとき?

それとも……新宿に着たことで自分のいた場所がそうでなかったと知ったとき?
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三隅・彩乃 2021年12月24日
.. (無効票)
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竜城・陸 2021年12月24日
――……。

彩乃は、幻想竜域に“竜の花嫁”という風習があるのを知っている? (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
知らないわ。
すこし不安を覚える言葉の組み合わせだけど。

……竜ってクロノヴェーダの竜よね? その花嫁は人間がなるの?
(彼の先の言葉を思えば、きっと素直に祝福できる結婚ではないのでしょう) (無効票)
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竜城・陸 2021年12月24日
平易に言ってしまえば、ドラゴンに捧げられた生贄のことだ。
ドラゴンの配下である竜鱗兵は、『竜の花嫁』が命を捧げることで生み出される。

……そしてこの“竜の花嫁”になることは、幻想竜域では名誉なこととされている。
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竜城・陸 2021年12月24日
あの世界ではね。
人間は、支配者にその命を捧げることを尊ばれるんだ。

そして、同じ人間同士でさえ――
同じ人間同士に、死を望むようになる。
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竜城・陸 2021年12月24日
“名誉なことだ。”
“だから、お前はその命を捧げなさい。”

……そうやって。人が、人に、死を望み。
その死を歓喜のうちに迎え入れる。

死ぬ本人でさえ。
そうして理不尽に命を絶たれることに、疑問すら感じない。
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竜城・陸 2021年12月24日
……それを目の当たりにして。

狂っている、と思ったよ。 (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
人が正しく、生きることと死ぬことを選べる世界。
人が正しく、生きることを喜び、死ぬことを悼める世界。
(彼の言葉を繰り返します)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
あなたの取り戻したいものの、対極だわ。

……あなたは、失ったものはそんなに多くないと言ってた。
自分の元いた世界のこと、あまり好きではないのね。
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三隅・彩乃 2021年12月24日
私はこの新宿の世界が好き。
ここを楽園のように思ってる。

あなたも……、あなたの人間関係を抜きにしても、ここのこと大好きなんじゃないかしら。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月24日
対極? どうして。
俺のいた世界は、少なくともそうだったよ。

(――ある日、自分を殺そうとした姉は、泣きながらこう言った)

(“母上がいなくなって悲しい”)
(“母上を殺したお前を許さない”)

皆、正しく、人の死を悼んでいた。
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竜城・陸 2021年12月24日
(――それが、“幻想竜域”では反転していた)

(“母上はあなたの為に命を捧げた、とても名誉なことだと思う”)
(“私も母上みたいに、命を捧げて竜の御世を支えるわ”)

(それが、)
(何よりも、赦せなかった)

(大切な人の死を悼むという当たり前の機微さえ奪われ、塗り替えられた)
(そんな、世界が)

だから、俺はそれを取り戻したいんだ。
取り戻した結果俺の手の中に戻ってくるものが何もなかったとしても。
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竜城・陸 2021年12月24日
……まあ、でも。
この世界が好きだ、というのは、その通りかな。 (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月24日
……ああ。歪んでしまった、のね。
(ぽつり。返事を求めない言葉がコンクリートへ滲みていきます。改竄の前後の記憶があるのは、なんて残酷なのでしょうか)
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三隅・彩乃 2021年12月25日
(他者の尊厳が、歪んでしまった様を見せつけられてしまったのでしょう)

なんだかとても寂しいわ。その話を聞いて、あなたの願いが叶うことを祈りたくなったのに。
叶った結果であなたに戻るものがないのは。寂しいわ。
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三隅・彩乃 2021年12月25日
(深呼吸ひとつ。重い空気を吐き出して、軽い空気を取り込みました)
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三隅・彩乃 2021年12月25日
ありがとう陸さん、話してくれて。
戦いに赴く人たちの動機を聞けてよかった。
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三隅・彩乃 2021年12月25日
ごめんなさいね、突然変な話を始めてしまって。
人のいないときじゃないと話せないと思ったのよ。 (無効票)
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竜城・陸 2021年12月25日
……寂しいと思ってもらえるだけでも過分なことさ。

なにより、戻るものはないけれど――
これから手に入れるものはきっと、俺の中に残るだろうからね。
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竜城・陸 2021年12月25日
いいや、お礼を言われるようなことではないさ。
謝る事でもない。
クラスの子が悩んでいるのなら、その力になるのも俺の仕事だし――
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竜城・陸 2021年12月25日
――番長ではなく、俺個人としても。

君の力になれたことは、嬉しいからね。 (無効票)
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三隅・彩乃 2021年12月25日
そうね。
たくさんの幸せを抱えて戻ればいいのよね。
(いつか刻逆が正されて歪みが、クロノヴェーダが消えたとき、彩乃はどこへ行くのでしょう。しかしそれがどこであったとしても、そのときたくさんの幸を抱いていればきっと寂しいことはありません)
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三隅・彩乃 2021年12月25日
あら、いいの?
それじゃあまた今回みたいに……(ぽんぽんと毛布入りのダンボールを叩きました)頼りにしちゃうわ。

そして私も陸さんの力になるの。楽しみにしててね。
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三隅・彩乃 2021年12月25日
さあ。
(ぱん、と手を叩きます。空気を入れ替える軽やかな音)

たくさん話しこんじゃった。急いで戻らないとみんなを心配させちゃうわね。
学園に戻りましょう。たくさんの幸せをまた探さないと! (演出終了)
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竜城・陸 2021年12月25日
そう、そういうことだ。

……それに、それを抱えて戻れば。
戻った在るべき場所でもまた、できることが増えるかもしれないし。

変わるものだって、あるかもしれないからね。
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竜城・陸 2021年12月25日
ああ、勿論。
いつでも言ってくれていいし――

そうだね。
この間、君の言葉が俺の助けになってくれたみたいに。
また、力を貸してくれたら嬉しいよ。
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竜城・陸 2021年12月25日
と、本当だ、随分話し込んでしまったね。
早く戻らないと、しとらに怒られてしまうかな。
(なんて、肩を竦めて冗談っぽく言い)

ああ、戻ろうか――
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竜城・陸 2021年12月25日
――これからもまた宜しくね、彩乃。 (演出終了)
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三隅・彩乃 2021年12月25日
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