【個】煌めく街と華やぐ音
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
・あらすじ
演奏を直接聞いたら認めますだなんて言われてしまいましたら、それはもう聴いていただく以外にないというもので。
そんなこんなでお呼び出ししました12月の某日。
クリスマスも近くて街は賑やかに浮足立つ、そんな日のできごとです。
・とき
12月のとある日の夜
・ところ
新宿島の街中
・おはなし
奉利・聖
レイチェル・セレナイト
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レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
(そんなこんなで、ビル街の間、細い路地を抜けて立ち止まった建物の前)
さて聖くん、着きました!
こちら今回お借りしますスタジオになります。
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
お世辞じゃないならもっと嬉しいですね。
職業柄、お手入れは欠かしていませんから。
……え、むしろそれ見てみたいんですけど。髪を下ろしてピアス外した聖くん。お風呂上がりとか狙えば見られます?
ええ、あんまり役に立たないんですよねー……立地とか文化が違いすぎるのとかもありますけど。
さて、そういうわけで入ってみます?
奉利・聖 2021年12月23日
そうですねえ、基本的にお風呂ではヘアピンもピアスも外しますから。
そこが狙い目なんじゃないでしょうか。
とはいえ早々機会があるわけじゃないでしょうけども。
えぇ、入りましょうか。
スタジオなんて本格的ですねぇ。掃除くらいでしか来たこと無いので、ちょっと新鮮な気分です。
(少しワクワクしたような心境で、彼女についていく)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
えー、そこは私にサービスとしてお風呂上がりそのまま出てきてロビーとかでくつろいでてくださるとかそういうのは……。
(そう、鳳蓮荘はお風呂が部屋にあるので、本当に機会がないのです!)
音楽室とかでもよかったんですけど、せっかくならと思いまして。
って、掃除では来たことあるんですか。本当にどこでもお掃除してるんですねえ……。
(ちょっと呆れつつ中に入って、予約の旨を告げ、スタジオの鍵を貰います)
奉利・聖 2021年12月23日
どうしても、と言うのであればそうしますけど…。
何しろお風呂に入る時間が固定ではありませんからねぇ。
(学園での掃除が終われば帰ってくるが、寮のご飯を食べた後にもう一度登校したりものするのだ)
つまり本日は、レイチェルさんの演奏を独り占めというわけですか。
これは他人に知られてはいけない名誉でございますね。
(丁寧な一礼でスタッフの方に挨拶をしまして)
求められればどこでも向かいますから。
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
………レイチェル気付きましたが、もしかしてお風呂上がりを狙わなくてもお願いすれば外してくれたりします?
いやでもそれはこうちょっと邪道ですね……むむむ。
私の音楽への愛をめいっぱい理解していただかないとなりませんからね今日は。
(スタジオの扉と鍵の番号を見比べながらきょろきょろと)
それにしたって学内に留まらないんなら、聖くん随分有名人になってそうですけどねえ。
奉利・聖 2021年12月23日
え?別に構いませんよ。どのようなご要望でもお応えしましょう。
(なんでも肯定するマンなので大体聞いてくれる)
是非とも示して頂きましょう。
…番号からしてあそこのスタジオでは無いでしょうかね?
(あっ、と声を上げて扉を指差して)
基本名乗らないので、外見だけ人づてに伝わってる状態みたいですよ。
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
いえ、なしで。なしでお願いします!
なんかそれは邪道な気がしますので!!
むむむ、余裕ありげな態度ですね……あっ、ありがとうございます。
(指された扉の方にぱたぱた歩み寄って)
それはそれでなんだか面白いですね。謎の金髪タトゥー青年として後世の都市伝説に残るかも知れません。
奉利・聖 2021年12月23日
あらま。それは残念。
でしたら機会を伺うといいでしょう。
何しろ、独占状態で聞くのは初めてですからね。
最もそれに集中できる状況で、果たしてどう感じるやらです。
(目的のスタジオの前まで来たら、期待に胸がいっぱいになる)
ふふ、都市伝説入りするのは名誉なことですが、あらぬ噂が独り歩きしないようにしたいところです。
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
えっなんで聖くんが残念がるほうなんです?
私が何かこう法外なお願いとかしたらどうするんですか、もう。
(なんて言いながら扉を開けて、スタジオに踏み込んで)
(機材の……といっても伴奏を流すステレオだけなのですが……チェックを行って)
(観客席用に椅子を用意して)
……では、こちらにお座りください聖くん。
飲食はダメなところなので、ちょっとお暇かも知れませんが、楽器の準備ができるまでお待ちくださいね。
奉利・聖 2021年12月23日
おや、構いませんよ。
出来る出来ないは勿論ありますが、断りませんから。
(スタジオをきょろきょろと見回す)
(こうして落ち着いてみると、また違う発見もあるもので)
では、失礼して。
ごゆるりと準備してくださいね。
(そう言って腰かけ、彼女が準備している様子をじっと見ている)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
それが問題だって言ってるんですけれども!?
もーそんな感じじゃ都市伝説にも様々な尾びれや背びれがついてもいたしかたないと思いますが!
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
(なんて口は忙しなく動かしながらも手際よく楽器を準備していきます)
(ヴァイオリンを取り出して、まずは基本のボーイングから。雑味のない音色が彼の耳を揺らすでしょう)
(続けて、基礎の音階。運指の練習はファーストポジションから順に、それが済めば基本のアルペジオ)
(流れるように緩やかに、時には力強く)
(もちろんこれでもまだ、練習の段階ではあるのですけれど)
奉利・聖 2021年12月23日
(??????)
(全然分かって無さそうな顔)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月23日
(───おぉ、既に心地良い音色ではないですか)
(音楽に特別に明るいわけではないですけど、これはまだウォームアップのようなものなのでしょうね)
(…レイチェルさんがやると、特に映えますねえ)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
(一通り、音出しは終わり。一度、楽器を操る手を止めて)
……えーと。本当にたとえばですけれど……
私が無抵抗で殴られてくれって言われてオーケーして、本当に殴られて死にかけてたら、ちょっとなあって思いません?
(この言い方で伝わるかな、ちょっと自信がないですが。竜さんは、彼は痛みを感じにくいようだっておっしゃっていたし)
奉利・聖 2021年12月23日
…うーん、それは確かに。
知人の痛ましい姿は見たいものではありませんからねぇ。
(で、これが自分が対象だと何も感じないのだ)
(他者の痛みならば、我がことのように苦しむのだが)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
なら、それと同じようなものですよ。
なんでも聞いてしまう姿を見ていたら、そういう時だって断らないんじゃないかって思って。
……それは、私はちょっと心配だし、嫌だなって思います。
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
……まあ、私が勝手にそう思ってるだけの話ではあるんですけどね。
いわば、余計なお世話みたいなものです。
……さてさて、では聖くん。
ご準備はよろしいですか?
奉利・聖 2021年12月23日
…いえ。痛み入ります。
仰る通りでございますから。
(早々死なず、苦痛も感じず。己が命の重さというのが、極端に軽い物だと考えている。だからどんな暴力を自分が受けようとも怒りもしないし、理不尽だとは思わないのだ)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月23日
(オホン。気を取り直して)
えぇ、いつでも大丈夫です。
宜しくお願いします。
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
実感はわかないかもしれませんが、そういうものだと思ってください。
……たとえばその結果聖くんがすごく傷ついて、死に掛けたり、とか。
そういう風になったら怒る人……だって、いるんじゃありませんか?
(ちょっとずるい言い方かもしれませんが、多分、聖くんにはこういう言い方の方がわかりやすいんだと思うんです)
(自分が傷ついたら誰かが悲しい。引き留める一手としては、ちょっと卑怯ですが、まあ私は手段を択ばないたちなので)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
はい、それでは。
(用意したステレオの、再生ボタンを押します)
(入りまでの猶予は、確か五小節取っていましたっけ。足音で刻んで定位置へ。そこから足で刻んで、数えて)
――お楽しみくださいね。
(添えた弓を振り下ろすように目一杯に、音を奏で始める)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
(最初に奏でる曲は、アントニオ・ヴィヴァルティの「春」、その第一楽章。きっと多くの人が耳にしたことがあるであろうその楽曲)
(
https://www.youtube.com/watch?v=559cEx8l5cg )
(伴奏はあらかじめ録音しておいたステレオに任せて、ソロパートを奏でてゆきます)
(春を告げる高らかな主題から始まって、追いかけるように伴奏と交代で奏でる小鳥の囀り、泉の清流と頬を撫でる風)
(不意に訪れる雷と春嵐――けれどそれも春の訪れのあかし)
(過ぎ去った後には再び、小鳥の歌声が聞こえてくる――)
(そんな情景をうたった、三分少々の作品です)
(無駄のない動きで、奏でてゆく。軽快に、時にしなやかに。高らかに、歌うように。時には叫ぶみたいに。)
(一流の演奏家と比べても遜色のない音色を、響かせていきます)
奉利・聖 2021年12月23日
……そうですねぇ。思い当たる人がいます。
(死人に対して身に余ることだと、思いもしますが)
(きっとそれが、普通の感性というものなのでしょう)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月23日
(──思わず、背筋を正した)
(凛とした雰囲気さえ漂わせるその佇まいに)
(全身が、耳を傾けはじめる)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
(――さあ、春が来た)
(そう告げるかのような楽し気な、大層有名なヴァイオリンの旋律が過ぎ去れば、小鳥の囀りを思わせる軽快なトリルが鳴き交わすように流れ)
(続けて水の流れを思わせるような柔らかな旋律が――彼の耳を打つでしょう)
(もしかしたら、まるで、風そよぐ暖かな春の光景を幻視するかもしれず)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
(そこへ鳴り響く稲妻のようなソロパート)
(降り注ぐ嵐のような伴奏の中に青く煌めくような鮮烈な響きを乗せて――)
(――それもやがて、冒頭と同じ軽快な音楽へと回帰して、曲は終わる)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月23日
(そして、それを弾き終えた女の顔はとても生き生きとしていて)
……どうでしたか、聖くん。
奉利・聖 2021年12月24日
(音の躍動という表現が、これでかと似合うくらいには)
(伸び伸びと、何にも邪魔されず奏でられていた)
(楽譜をなぞって演奏しているのではなく、本当にそこに春があるかのように。優しさも厳しさも内包する、季節の訪れがそこにあるように)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月24日
(春は、生命の季節などと呼ばれることもある。生命は軽やかに芽吹き、水のように穏やかな時を経て、時には以下付きのような激しさを伴って)
(それらの全てが、過酷な冬を越えて齎された春なのだと。生命なのだと。そう表現するように)
(彼女の眼差しは、指先は。高らかに歌い上げていた)
(だから、なのかは分からないが)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月24日
(脳裏に、誰かの顔が一瞬ちらついて)
(きっと、あの人は───)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月24日
(………あれ?)
(今僕は何を、誰を……?)
(ふと我に返った時には)
(涙が一筋、流れていた)
わっ……えっと………凄かったです。
(予想外な変化に戸惑いながら、月並みな表現しか出なかった)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
…………えっ。
(それはもう珍しいものを目にした、というように、目をまんまるく見開いて)
せ、聖くん? 大丈夫ですか、えと、あの、何か……!?
(思わず、駈け寄って)
(大丈夫かしらと前から横から、その様子を窺ってはおろおろと)
奉利・聖 2021年12月24日
や、本当に…大丈夫です。
不意に何か込み上げてきてしまって……。
(ぐしぐしと拭って、ふぅと息を吐く)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月24日
……素晴らしい演奏でした。
表現力が凄まじく、思わず景色が変わるような心地で。
お聞かせいただいて、本当にありがとうございます。
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
……演奏者冥利につきる発言ではあるのですが……。
(とても珍しい光景なので心配は心配で。じろじろと間近で見るように少し顔を近づけて)
なにはともあれ……お気に召したのでしたら、何よりです。
とはいえ、これだけで満足していただいては困りますが。
今日の為にあと三曲くらい練習してきましたので、全部聴いていただかなくてはなりませんので!
奉利・聖 2021年12月24日
ちょ、ちょっと近いです。
(流石に綺麗な顔を間近で見せられると狼狽するもので)
わ…結構ありますね。
分かりました。せっかくの練習の成果…全て見せて頂かなくては。
(深呼吸。落ち着いて、背筋を正す)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
………
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
……聖くん、こういうので動揺するんですねえ。
ちょっと意外かも。
(でもちょっとかわいいかも。なんて思ったのは心の中に秘めておくとして)
ええもう、私の音楽への愛を知っていただくには一曲では到底足りませんから!
では、続けて……の前に。
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
(おいてあった鞄の中から包みを一つ出してきて)
クリスマスプレゼント、ということで、こちら。
あ、帰ってから開けてくださいね? ちょっと恥ずかしいですから。
(そう言って、差し出します)
奉利・聖 2021年12月24日
…なまじ美人なものですから。
(学園の皆さんはそういうとこの、少し無防備すぎます)
オホン。ま、まぁそれは置いておきまして。
次の曲に──はい?
(♪継続!)
奉利・聖 2021年12月24日
あ……。
(クリスマス、というのは当然把握していたが)
(プレゼント貰うことは、全然想定していなかったようで)
(驚きで目を丸くしていた)
ま、まさか頂けるとは。
ありがとうございます。
帰ったら、開けさせていただきます…。
(そっと受け取って、一礼してみせて)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
ふふ、お上手なんですから。
(可愛いところが見られたのでちょっと余裕ぶってるレイチェルです)
(無効票)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
って、ちょっとなんですかーその「全然思ってませんでした」みたいな顔は!
私だって聖くんのこと大事なお友達だと思ってるんですからね!?
じゃなきゃ聖くんに聴かせるためだけに練習とかしませんから!
……もっとこう、聖くんはみんなに大事に思われてるんだー、ってこと、自覚したほうがいいと思います!
奉利・聖 2021年12月24日
い、いやぁ…なんというか、クリスマスに贈り物なんて何時以来か…。
中身はまだ分かりませんが、必ず大事にします。
(プレゼントを大事そうに抱えて、オホンと咳払い)
奉利・聖 2021年12月24日
次の曲を…お聞かせください。
(よろしくお願いしますと、促しておいて)
(きっと、残りの曲もゆっくり堪能することでしょう)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
(いつ以来……か)
……そうでしたか。それじゃ、これからは毎年お渡ししますとも。
刻逆が解決して、元の世界に戻るまで、何度でも。
あ、もちろん!
クリスマスプレゼントばかりじゃなく、お誕生日とか、バレンタインとかもですし。
それ以外にも、この世界には色々行事があるみたいですから!
贈り物だけでなく、イベントごとそのものも、たくさん楽しんでいきましょうね。
(♪継続!)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
はい、では、次の曲にまいりましょう。
次はですねえ、折角のクリスマスなのでクリスマスらしい曲を――
(そんな風に、解説を交えつつ)
(残りの曲も楽しんでいただくべく、全力で音楽への愛を奏でるのでした)
レイチェル・セレナイト 2021年12月24日
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