【個別】問)仔羊の色を答えなさい。
十埼・竜 2021年12月13日
────休日、パソコン室。
当然ながらテストは壊滅的だったし
熱烈な補習、追試のお誘いが相次いで訪れた。
ぼくだってちゃんと真面目にレポートやるつもりでここに来たんだよ。……でも目の前にPCあったらしちゃうじゃん。余計なことを。
最初は地元あたりのニュースとかをアーカイブから浚ってきて……やっぱり、無いんだ、とか。
そのうち。
あ、そういえば、って。
「えっと。実時間は去年あたり……で、いいんだよね。高田馬場の……」
……………あれ?
#奉利・聖
#十埼・竜
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奉利・聖 2021年12月13日
(言ってしまえば、人の秘密を覗いているに等しい行い)
(目は良い。ウィンドウたちの意味も当然理解していて)
(さて、この男の反応はといえば)
奉利・聖 2021年12月13日
懐かしいですねぇ!
これ中学時代の僕ですよ。やっぱり今よりも子供っぽいですねぇ。
(あっさり、それが自分だと認めて)
(それこそ過去の自分を見て、懐かしさすら覚えている)
(咎める気は、一切感じさせないだろう)
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
(まるで卒業アルバムでも見つけたみたいな声をあげる。僅かにも、“波”を荒らげることもなく。その嬉しさに、何の濁りもなく。)
(ぞく、と、した)
(――――けれど、すぐに、わからなくなった。彼はきっとぼくがこれを暴いたことを咎めない。ぼくが怯えることなんてなにもない。なくなった。)
十埼・竜 2021年12月13日
(彼がおかしいのは今に始まったことじゃないもんね?)
十埼・竜 2021年12月13日
……っ(奥歯を噛み締める。そうじゃない、そうじゃないだろ)
(ゆっくり息を吐いて)
……まあ、今よりやっぱりちょっと、幼い感じ、しますね。(まずは、彼の調子に合わせて頷いた。)……何やらかして警察に顔写真提供したのか、先輩、覚えてます?(そのままのトーンで、ネットニュースを指さす。……彼の名前は、そこには「少年A」としか示されていなかった。)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
勿論、覚えております。
悠久の時を経ても、覚えていようと努めておりましたから。
何しろ、僕の。
奉利・聖 2021年12月13日
最初に犯した、殺人ですからね。
(表情はフラットだが…そこには悔悟の念が滲んでいた)
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
……。
(言葉が、よりは。そこに表れた後悔に驚いて、目を見開く)
(もしかしたら、この頃のことなんて忘れているせいで……なんて、都合よく考えた、ぼくが愚かだ)
十埼・竜 2021年12月13日
……ごめんなさい。探って。
でも…………もうひとつ、ごめんなさい。ぼくは先輩に、聞きたいことができた。
()
この人、先輩になにかしたの。
……それとも。先輩が誰かに、言われたの。
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
いいえ、別に僕には何の恨みもありませんよ。
誰かに言われてそうした、というわけでもありません。
奉利・聖 2021年12月13日
ただ……随分と評判がよろしくない人ではありました。体罰やセクハラ、授業での態度も良くなかったので…嫌いな人は多かったでしょう。
ですので、いらぬお節介の延長で…殺すに至りました。
(実際の供述でも、同じように言っている)
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
…………先輩の周りのみんなが、
(被害者の顔写真が、少し幼い彼の顔の隣に並んでいる。)
この人の死を、望んだから……?
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
そういうことになります。
人の望みを叶える為、僕が勝手にそう汲んで…そうしただけです。
今となっては、正しいことだったかどうかは疑問に思っております。
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
(俯いた。)
(深呼吸。)
(腕伸ばして隣の座席の椅子を乱暴に引き寄せて)
座って。(突き出した)今のでもっと聞きたいこと増えたから。
奉利・聖 2021年12月13日
……分かりました。
では、失礼して。
(掃除用具をそこらに立てかけて、突き出された椅子に座った)
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
(手を伸ばせば届く距離の、ピアスだらけの耳に触れる。)
…………「そこまでするとは思わなかった」。
(頬の刺青の上を、指が滑る。)
そう言われたって、言ってたじゃん。
……ぼく、てっきり、そういう人たちの願いを聞いた結果なのかと思ってさ。度を越してお人よしで度を超して思い切りがいい、頼みを断れない、そういう子、なのかなって。
十埼・竜 2021年12月13日
……でも、流石にこれは、おかしいでしょ。
先輩は、どうしてそこまで、願いを叶えようとしたの。
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
(冷えた手で耳を、肌を触られて。同じく死人のように冷たい身と、冷たさが溶けあっている気がした)
それは……それが正しい行いだから、です。
奉利・聖 2021年12月13日
人の為の行いは、本当に幸福な人生に繋がるもの。
人の為に尽くし、人の為に学び、人の為に作る。
其れこそが最も尊き人の生き方であると。
そう教わりました。
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
(たとえ暖め合うことがなくても)(触れた手を離さない。)
……誰に?
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
……確か、家族だったと思いますが。
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
…………本当に、家族?
(彼は、家族への執着心がかなり褪せているんじゃないか……もしかしたら、ろくに覚えてないんじゃないか。祭りの最中、そう感じたのを覚えている)
(でも。……彼の“波”は、本当に読み辛いものだから)(こんなの、結局ただの勘の域を出ない)
十埼・竜 2021年12月13日
……言ってることは正しいと思うよ。耳障りがよくて綺麗でさ。
先輩の実家って教会かお寺か何かだったの?
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
いえ…普通の一般家庭のはずです。
少なくとも我が家にそのようなものは……。
(朧げな記憶を、手繰り寄せる)
(顔の分からない誰かが、この身に教えを授けた)
(それは、母と呼んでいた者で)
(父と呼んでいた者もいて)
(兄と呼んでいた者も、祖母と呼んでいた者もいた)
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
…………その言葉で、先輩がそうしたんならさ。
ぼく、ろくなもんじゃないって思うよ。言葉か、教え方か、どっちか。
(普段のぼくが掬い上げられるのは、意識の表層の音色くらいだ)
(考え込んでしまった彼が、何を探っているのか。答えが出るのを、ぼくは、静かに待つ)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
……………誰も思い出せない。
どんな顔をしていたか、どんな体格だったかも思い出せません。
生まれは確かに普通の家庭だったのは間違いないのですが…。
(長い年月で、記憶は風化していく)
(覚えていられるのは、覚えていたいと思ったことや、人だ)
(つまり)
奉利・聖 2021年12月13日
(少なくとも、記憶の中の『家族』は)
(忘れても別にいいと、思っていることになる)
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
……。
(むに)
(ほっぺたを引っ張った。)(痛くないだろうし、痛がらせる気もないけれど。)
十埼・竜 2021年12月13日
(ほら。「優先枠」に入れてないような人たちなんじゃん)
十埼・竜 2021年12月13日
(ぱ、と手を離して)……でも、今は「正しかったのか疑問」なんだ。……前言ってた、昔の失敗って、この事件のこと?
(再度、モニタに目を向ける。)
(殺人事件を「失敗談」に矮小化しつつある歪さからは、目を背けて。)
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
(引っ張られて、タトゥーの形が歪んで)
んあ。
奉利・聖 2021年12月13日
…そうですね。永い時を彷徨っていた時も、殺人を犯したことは何度かありました。どれもしっかり覚えておりますし…裁きを受けてきました。
(勿論、罰の多くは処刑であった)
法を犯し、人を傷つけ…そうまでするのは本当に正しいことなのか。
僕は今でも、考えて続けています。
奉利・聖 2021年12月13日
……この、最初に犯した殺人が心残りでした。
(彼がモニタに目を向けるのを、追いかける)
これだけは、うやむやのままで終わってしまっています。
どうあれ僕は、罪を犯しましたから。然るべき罰を受けたいと思うのです。
僕が刻逆で取り戻したいのは…「裁き」と言えるのかもしれません。
(無効票)
十埼・竜 2021年12月13日
(異世界でも、同じ轍を踏み続けて、裁かれて)(それで、短い人生を終えて。)
(それでも、まだ、迷えてるのか。)
罰って、二度とすんなよって意味なんですよ。
……せー先輩ってときどき、ものすごーく不器用なんじゃないかって思う。ぼく。それとも痛がらないのも昔っから?
十埼・竜 2021年12月13日
……ディアボロスはきっと英雄になるのに?
きっと誰も、こんな「些細な事件」をもう気にも留めないのに?
うやむやどころか――――(公式にログが残っているのは警察。検察。家庭裁判所?)(多分、何も取り戻せてない今なら、全て、パッヘルベルの鐘の音が届く)
十埼・竜 2021年12月13日
…………先輩って、ヘンなとこでいい子で頑固だね。
(無効票)
奉利・聖 2021年12月13日
器用に生きていたのなら、僕はもっと凄い人間でいられてますよ。
…苦痛を感じなくなったのは、何時からでしょうね。いつのまにかそうなっておりましたから。
奉利・聖 2021年12月13日
英雄になったからといって、罪は消えるでしょうか?
悪逆非道の限りを尽くした者が、英雄になったら全部帳消しでしょうか。それで贖った気にはなりたくありません。
世界にとって些末なことでも…ルールを破ったのなら、糾弾されなくてはいけない。特に殺人はそうでしょう。
世界が僕をどう裁くかは分かりません。
赦されるにしろそうでないしろ…僕は委ねたい。
(無効票)
十埼・竜 2021年12月14日
(……それでこそ、ぼくの先輩。)
(ただ、ぼくは悪童なので)
(公的資料を階層も順番も無視してわざと変なとこに突っ込んでやった。図書館の本を適当に返却した、みたいに)
(いつかの世界が先輩を無視するのなら、ずっとそのまま、忘れられていろよ。)
十埼・竜 2021年12月14日
(そこに立ってるかどうかわからない、ぼくの悪足掻きだ。)
十埼・竜 2021年12月14日
今でも十分すごいと思うんだけど、まだまだハイスペック目指すの? 向上心あるなあ……
(溜息を吐いて、用済みのウィンドウを次々に閉じていく。)
……あ。
もう一つ、聞いていいかな。ついでにさ。
十埼・竜 2021年12月14日
先輩って、ゴミと人ってどこで区別してるの?
(無効票)
奉利・聖 2021年12月14日
同情の余地が欠片も無い存在かどうかです。
(例えば、最初に殺した教師も)
(人として扱っている。問題の多い教師ではあったが、悪い部分しかないわけではなかった)
(連合の彼だって、更生の余地が生まれから寛大な処置にした)
奉利・聖 2021年12月14日
────そろそろ掃除に戻ります。
(立ち上がり、立てかけていた掃除用具を持ち直して)
まだここは使いますか?でしたら暫く時間を置きますけど。
(無効票)
十埼・竜 2021年12月14日
そっか。
……同情基準なんて、結構優しいんだね。
(その眼差しを、真正面から受けることがないことを祈った)
十埼・竜 2021年12月14日
ごめんねー、お仕事中に引き止めて。
……そうだね、ここにいたら無限に余計なことしちゃいそう……
(パソコンの横に広げた資料やレポート用紙を、ざくざく鞄に突っ込む)
もしよかったら、二時間くらいあとに図書室来ていただいて……まだウダウダしてたら、こう……やさしーく、励ましてもらっていいですか……?
(なんて気弱なんだか厚かましいんだかわかんないおねだりを残して、部屋を出て行く。)
(+SIGN OFF+)
奉利・聖 2021年12月14日
承りました。勉強、頑張ってくださいね。
(部屋を出ていく彼を見送って)
奉利・聖 2021年12月14日
……検察のデータも見れるとは。
少々焦りましたが、杞憂だったようです。
(モニターを一瞥して、大きな溜息)
奉利・聖 2021年12月14日
誰も真相には辿り着いていない。
きちんと裁きを受けられるかどうかは心配ですが…最悪、そこはいいでしょう。
裁かれようが赦されようが、
、、、、、、、、、
容疑者が僕一人だけで終わるのなら、それで構わない。
奉利・聖 2021年12月14日
まぁ、殺したのは間違いなく僕ですし。
嘘はついておりませんからね。
(心残りは、どうにかなりそうだ)
(+SIGN OFF+)