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諷和・もこ　2021年12月1日
🔔――カランコロン

とある年末の商店街
たまたま手に入れた福引券で運試しをしてみたところ
大きな鐘の音と法被を着た元気なおじさんの祝辞の声に見舞われて――

――と、いうわけで。一緒にお食事、行きませんか？

手に持った「クリスマスイブ限定・お食事無料ペアご招待券」を差し出して、
フードを被った青年にそう訊ねたのは三週間ほど前のこと。

それぞれヴィラでのクリスマスパーティの最終準備があるからと
現地で待ち合わせの約束をして、

そうして、今日は待ちに待ったクリスマスイブ。

クリスマスムード一色に染め上げられた街並みを
白い息を吐きながら、白い少女は目的地へと向かうのだった。

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諷和・もこ　2021年12月22日
（目をぐるぐるさせながら、考える）
（八千代さんだって言っていたじゃないか、回し飲み――間接キスくらい、普通だって）
（それに、それに今は、演技とはいえ「恋人」……なんだし）

（ぐるぐると考えて）
（キッと、挑むように八千代さんを睨んでから）

（赤い顔のまま目を閉じて）

（頬にかかる髪を耳にかけながら）

（そっと唇をフォークへ近づける） (無効票)

諷和・もこ　2021年12月22日
（出来るだけフォークに触れないように気を付けながら、唇で星を食み）
（ゆっくりと離れて）

（ふーー、と、大仕事を終えたような息を吐きながら、桃の実を咀嚼する）

……………。
（そして、まるで本当にキスをした後のように、頬を赤らめて目をそらし、瞳を潤ませながら）
（指先で、果実の蜜に濡れた唇をそろりとなぞった）

四十万・八千代　2021年12月22日
…………。
（何か責めるような事を言いかける少女へ向けてフォークを差し出したまま、ん？と首を傾げる）

（今日だけで何度少女が赤面する様子を見てしまっただろう。意図して行ったものばかりでは無いが、自分……楽しんできてないかコレ）

（睨まれても「君もやったよね？」とでも言いたげに瞳を細めて）
（覚悟を決めたように少女が桃を食んだ所で静かにフォークを引く）
（とてもクリスマスの食事会に漂うものと思えない緊張感に笑ってしまいそうになっていたが） (無効票)

四十万・八千代　2021年12月22日
……。

（潤んだ瞳に濡れた唇、恥じらいを見せるその表情に、吹き出しそうになる笑いは引っ込んだ）

……今の君、とても艶っぽいよ。

（女の子は生まれた時から「女」である、と言う言葉が頭を過ぎる。
危ない危ない）
（一言告げた後はフォークとナイフを手に取って、クレープを半分だけ食べるために皿へと視線を移した）

諷和・もこ　2021年12月22日
…………
（こんなにも、めちゃめちゃに恥ずかしいのに、目の前の彼は何でこんなに平然としていられるんだろう）
（毎回完敗してる気がする。それどころか慌てる様子を楽しまれてる気さえする）
（悔しい気持ちでケーキの残り半分をもそもそ口に運ぶ）
（シフォンケーキのように口の中でとろけて溶けるやさしい甘さも、今はあまり感じない）

……？
（そんな時、聞こえた「艶っぽい」という言葉に視線を上げて、きょとんと首をかしげる）
（自分に向けられる形容詞としてはあまりにかけ離れてる言葉だから、どうにも理解できない様子で）
（決して、ちょっと難しい単語だからわからなかった、というわけではないのだ、決して） (無効票)

諷和・もこ　2021年12月22日
（よくはわからないけれど、きっとわかるとまた恥ずかしくなるようなほめ言葉なんだろう）
（だから）
……こんなことするの、「恋人」……やちよさんにだけ、なんだからね。
（とりあえず、はしたないと思われないように注意のつもりでそう紡ぐ）

（ぷいと顔を背けた先には窓の外）
（夕焼けはどんどんと赤さを増している）

四十万・八千代　2021年12月22日
（果物のソースで皿に描かれたサンタやトナカイなどを壊さないように避けながらクレープを半分食べていく。
ケーキも美味しかったが鮮やかな果物で飾られたこれもまた甘すぎず程よい酸味が美味しい）

（こんなことは自分にだけ、と念を押す少女の声に顔を上げる）
……それはよかった。
誰にでもそんな表情や仕草を見せていたらと思ったら気が気じゃない。
（『恋人』だけに見せるのなら、誘われていると勘違いしてしまいそうなあの仕草も問題ないだろう。
……だが、もこは照れ屋さんだからなぁ……と不安は拭えない） (無効票)

四十万・八千代　2021年12月22日
はい、残りは君の分だよ。
（クレープの皿を少女の前へと置いて、自分も窓の外を見る）
（少女の瞳の色のように茜色に染まる景色。だがよく見れば上方の空は薄く藍色掛かっていて）

もうすぐ日が落ちるね。
……彼氏らしい事出来ていたかな。
（自分らしさを残したままを意識したらほとんど普段と変わらなかった気がする。
練習にならなかったかもしれないなと考えながら苦笑い）

諷和・もこ　2021年12月22日
（ケーキの最後のひとかけらを飲み込んで、むぅ、と小さく唸る）
（きっと、あーんで食べたり食べさせたりすることについて言われているのだろう）
（心配になるほど慌てていただろうか……慌てていたな）
（そう思うとぐうの音も出なくて）
……もうしないもん。
（二人の会話がちょっとちぐはぐすれ違っていることにも気づかずに、
頬を膨らませながらクレープのお皿を受け取る）

ありがとう。
……ふふ、サンタさんとトナカイさん、崩しちゃうの勿体ないね。
（少しでも長くもたせようと、端っこの方からちょっとずつソースを拝借しながら、クレープを頬張る）
（もちもちの食感と、果物の甘酸っぱさが冷静さを取り戻させてくれて）
ん、さっぱりしてて、美味しい……。
（幸せそうに頬を押さえて、すっかり機嫌も元通り） (無効票)

諷和・もこ　2021年12月22日
……いつもと違うような、そうでもないような…？
（生地を食べ終えて、最後に飾り付けのベリーをフォークでつつきながら首をかしげる）
（……八千代さんはいつもより、なんだろう…積極的？ちがうな、確かにちょっとちがう感じはした、気がするけれど）

「友達」と「恋人」って、本当はそんなに違わない…の、かなぁ？
（よくわからない）
（よくわからないけれど、もうすぐこの関係が終わってしまうのは、寂しい…と思う）
（これを「切ない」と言うのかもしれない）

（そっと窓の外を見て）
……ね、カノジョとして、最後にお願い事していい？

四十万・八千代　2021年12月22日
……ん？？
（微妙に、此方の懸念に対しての返答としてはおかしな部分があった気がするが……微妙過ぎるすれ違いの為正す程の疑問は持てなかった）

可愛過ぎたり綺麗過ぎると崩したくなくなるよな。わかる。
（頷きながら少女がクレープを食べる様子を見つめる。
自分と同じものを食べて幸せそうな表情をしているのを見るのは此方もとても嬉しい気持ちになるから）
……。
（怒ったり、照れたり笑ったり、表情がくるくる変わって見ていて飽きない、なんて口に出したらまた怒られてしまうだろうか） (無効票)

四十万・八千代　2021年12月22日
違いすぎると俺じゃないみたいな彼氏が完成してしまうから仕方がないといえば仕方がないのだけれども。
（行き過ぎたことをしないようにと遠慮もあったし、と内心思うが口には出さない。あれで遠慮してたのかと問い質されそうだから）

友達と恋人の違いか……
（何となくわかるが、言葉に出して相手を納得させられるような内容になりそうにもない。
だから『難しいよな』という言葉で誤魔化して）

…………？
（お願い事。なんだろう。友人には出来ないものだろうか？）
ああ、俺に出来ることなら構わないが。

諷和・もこ　2021年12月22日
えへへ…ありがと。
（了承の言葉に嬉しそうに笑って）
出来れば、みっつ、お願いがあるんだけど。
（なんて「彼女」特権で欲張ってみたり）

まず一個目はね、……「恋人」のうちに、あのツリーを見に行きたいな、なんて。
（最後の木の実を口に放り込んで、ピコっと、左手の人差し指を立てる）

四十万・八千代　2021年12月22日
3つ。
（結構多いな、と思うも……まぁ、時分ができる範囲でという事は言ってあるから大丈夫だろうと……頷く）

（1つ目のお願い事を聞けば瞳を瞬かせ）
……じゃあ、ちょっと急がないとな。
（暗くなりかけている外の景色。店内の灯りもいつの間にか夜用に灯っている）
2つ目と3つ目は移動しながら聞いても構わない？
（ワインの追加料金支払ってこなくては、と席を立ち）

諷和・もこ　2021年12月22日
ランプの妖精もお猿さんの手も、叶えてくれるお願いはみっつだもんね。
（と、悪戯っぽくふふりと微笑んで）

ん、あとの二つはツリーの下でお願いしたいから大丈夫なんだよ。
（ごちそうさまでした、と手を合わせて）
（ポンチョを羽織ってバッグを手に取り、同じく席を立つ）

四十万・八千代　2021年12月22日
ランプは兎も角、猿の手は叶えてくれる内容斜め上だぞ……
（コートに袖を通し、マフラーを少し雑に巻いて）
（そのままレジへ向かおうとしたが立ち止まって振り向き、少女に向けて手を差し出し……）
……。
入った時みたいなエスコート風にはいかないが。
（相手が此方の手を掴む前に、此方から少女の手を握って歩き出す）

（レジでワインの追加料金を支払う。ご馳走様でした、と花火のサービスありがとうございました……と店員にたどたどしくだが伝えて）
……じゃあ、行こう。

諷和・もこ　2021年12月22日
（そうだっけ？ととぼけた口調で返す）
（じゃあ、もし無理なお願いだって思ったら、斜め上に返して逃げていいよ）
（うちには出さないけれど、そんな意図をこっそり潜めて）

わ、わ……。
（店員さんにお礼を言って、小さく頭を下げたところで）
（手を取ろうとしたところで不意に握られた手に、頬を染める）
（驚いて一瞬足を止めかけてから、慌てて小走りで隣に並んで）

……ん、
（と。返せたのはその一文字だけ）
（ポンチョの首周りのファーで口元を隠しながら、小さくコクリと頷いて）

四十万・八千代　2021年12月23日
（店を出て、夕焼け色に染まる街の中を少女の手を掴んだまま小走りに進む）
…………。
（本当は歩幅の違いもあるので合わせて歩きたいけれど、少しだけ離れた所に見えたツリーはゆっくりしていたら時間までに辿り着けないから）
……大丈夫か？
（少女が人や物にぶつからないようにだけ気をつけながら目的地までただひたすらに）

（……そして、辿り着いた）
（街の中にシンボルのように立つ、大きな光るツリーの前に）

諷和・もこ　2021年12月23日
（はふはふと白い息を吐きながら、同じく小走りでついていく）
（きっと、夕日が落ちる前に、と気を使ってくれてるのだろう）
（息を深く吐き、すっすっと細かく二度吸い込む。そんな、何故か慣れ親しんだ呼吸法に切り替える）
……ん、大丈夫。
（八千代さんこそ大丈夫だろうか。激しい運動はあまり得意そうではないけれど）
（チラチラと顔を見上げながら、引かれるままに一緒に走って） (無効票)

諷和・もこ　2021年12月23日
――わ、ぁ……。
（たどり着いた先、電飾で豪華に飾り付けられたツリーに目を奪われる）
（暖色の暖かなライトの色が、空の半分以下になった赤い夕日に反射して、まるで暖炉の明かりのようで）

すごいね……。なんだか、見てるだけであったかくなってきそうなんだよ。
（思わず口をポカンと開けて、ツリーを見上げる）
（大きすぎて、やはりてっぺんの星は見えない）

これだけ大きいと、どこかにヤドリギくらい生えてそうだよね。
（もしボクが寄生されそうになったら助けてね、と。冗談めかして笑いながら、八千代さんの顔を見上げて）

四十万・八千代　2021年12月23日
（全力疾走だったらアウトだったかもしれない。
小走りだったからこそ何とか……少し呼吸を荒らげるだけで済んだ。大丈夫、深呼吸を二、三度すれば元通り）

（感嘆の声をあげて見上げる少女と、ツリーと、空を順々に見て……安堵のため息を吐いた。
よかった、間に合った）
……ああ。
（相手の感想に、自分は上手く言葉に出来ないのか頷いて返す。『なんかこう、キラキラ、キラキラしてる、夕陽とLEDライトが』なんて言えない）

…………ヤドリギが女の子に寄生するというのは俺の作り話だから安心していい。
（見上げてくる少女に、真顔で見下ろしそう返す。本当にある言い伝えだと信じていてどこかに広められたら大変だ。新たな都市伝説を生んでしまう。早めの訂正大事）

諷和・もこ　2021年12月23日
……ん、すごくキレイ。
願い、叶えてくれてありがとうなんだよ。
（ライトの明かりを吸収して、髪を赤く染め上げながら）
（少しだけ、痛くないよう気を付けて、握った手にきゅっと力を入れる）

……あ、え。そうなの？
ヤドリギ自体が寄生植物だから、柔肉の女の子にも寄生出来ちゃうのかなって……。
（てっきり、と。わずかに目を丸くする）（さっきまで割と本気で信じちゃっていた）

あ、そうだ！二つ目のお願い！
（ふと目に入った夕日の角度にハッとして、つないだ手と逆の手で鞄をゴソゴソ） (無効票)

諷和・もこ　2021年12月23日
……えと、あのね、これ……。
（取り出したのは手のひらに収まるほどの小さなジュエリーケース）
（その中身は、

菫色した、小さなバラのブローチで）

えと、あのね……これ、やちよさんの手で、つけてほしいなって。

四十万・八千代　2021年12月23日
（握られた手から少女の感謝の気持ちが伝わってくるようだった。
どういたしまして、と口角を少し上げて）

（ヤドリギについての誤解は解けたようで何より。ごめんよヤドリギ風評被害だったね……と生えているか分からないがツリーの上の方を見上げていると少女がまた声をあげた）
……。
（そうだった、お願いはまだあと2つある。
少女の様子を見て、片手で鞄を探るのは大変じゃなかろうかと思ったが離すタイミングを逃していて） (無効票)

四十万・八千代　2021年12月23日
……ん？
（取り出されたケースに何だろうと小首を傾げるが、中身を確認すれば見覚えのあるブローチ。
……自分が先日少女の誕生日に贈ったものだった）

……いいよ。
どの辺に付けようか。
胸元？
（そっと繋いでいた手を放し、ケースを持ち中からブローチを取り出す。
お守り代わりに作ったものだから付ける場所はどこでもいいのだが、希望は受け付けたい）

諷和・もこ　2021年12月23日
むっ……、……ぅ、ん……やちよさんの好きなところでいいけど……。
（男の人に胸元を触れられるのは、ちょっと恥ずかしい。でも）
……お守り、だから、心臓に近いところの方がいい…の、かな？

（お願いします、と。恥ずかしそうに瞳を伏せながら、ポンチョの前を開き、服が見やすいように背筋を伸ばして）

四十万・八千代　2021年12月23日
自分で見えない場所よりも案外袖口とか鞄とかの方がいいのかもしれないけどな。
（挫けそうになった時に見てもらおうと思った物だから。けれど、アクセサリーとして使ってくれるのなら胸元でも悪くない）

（片膝を付いて少女の前に屈む。ブローチについたピンを相手の胸元に付けようとして……ふと気がつく。
……思ったよりも大きい。何が、とは言わないが。
……服だけ気をつけながら摘んで、そこにブローチのピンを刺して付ける。服以外に刺さらないよう細心の注意を払った）
……よし。
…………似合ってる、って言っていいんだろうか。自分が作った物に対して言うと自画自賛しているようで恥ずかしいな。

諷和・もこ　2021年12月23日
（近づく気配、服に触れる感触に一瞬ピクリと肩を震わせるが、それよりも、）
（胸が破裂しそうなくらいドキドキしてるのが、伝わりませんようにと祈るのに必死で）

（よし、の声にそっと目を開ける。見下ろした胸元には青く光るブローチ）
https://cdn.tw7.t-walker.jp/i/tw7/origin/0173/1136479_g01739_bu_f.png

……えへへ、ありがとう。
「恋人」にアクセサリーをつけてもらうの、ちょっと憧れてたんだよ。
（と、すこし恥ずかしそうに微笑んで）

四十万・八千代　2021年12月23日
（憧れている行為なのに、偽物の恋人で……しかも相手が俺なんかでごめん）
（きっとこれから先、君が大人になる頃には……手作りのブローチなんかじゃなく煌びやかなネックレスや、想いの証の指輪を付けてくれる相応しい相手が現れるから。今は俺で我慢して）

（なんて……口に出せば、自分相手に喜んでくれている少女の気持ちに水を差すのは分かっている。
後ろ向きの考えを抱え込んだまま、少女を屈んだ状態で見上げ照れくさそうに小さく笑った）
ブローチも綺麗なんだがそれ以上に今日の……今の君が輝いているから霞んでしまうな。
流石光属性……
（眩しそうに瞳を細めた後、ゆっくりと立ち上がって）

……最後のお願い、聞いても大丈夫かい？

諷和・もこ　2021年12月23日
（笑った顔に何故かドキリとすれば、続けて紡がれた誉め言葉に頬を染めて）

（染めて）
……。
…………光属性？
（よくわからない単語に不思議そうに首を傾げる）

最後のお願いかぁ……
…………えと、じ、実はね。
本当は、ツリーの前まで手をつないで来たいなって、言おうと思ってたんだけど……
（お願いする前に叶っちゃった、と、もじもじと胸元のブローチを指先で撫でながら、視線を泳がせて）

……そうだ。 (無効票)

諷和・もこ　2021年12月23日
（大きなクリスマスツリー）
（本当ならもっと見に来た人が沢山集まっていてもおかしくないのに、何故か今は人がまばらで）
（遠くからかすかに陽気な音楽と、時々喝采が聞こえるから、きっとどこかでやってるお祭りにみんな行ってしまってるのだろう）
（だから、チャンスは今しかない）

（唇をきゅっと噛みしめて、勇気を奮い立たせて）
（八千代さんの顔を見上げながら）
……それじゃあ、最後のおねがい。

……その、…えと、えと、ね。
えと……、ぎゅって、してほしい、とか……。
（流石に恥ずかしかったようで、せっかく上げた顔を再び俯かせて）
（ふわりと落ちた髪から覗いた耳まで真っ赤になりながら）
（ハグをねだるように、両手を彼の前に差し出した）

四十万・八千代　2021年12月23日
明るい子って事だよ。うん。
（深く気にしてはいけない、と手を左右に振る闇属性）

ああ、そうだったのか。
1つ目のお願いを聞いて急かしてしまったし言う暇なかったよな……
言われる前に叶えるとか、俺サンタみたいだ。
（冗談交じりにそう言って、少女を見遣る。どうやら代わりのお願い事を考えているようだ）

…………ん。
（少女の真剣とも必死とも言える様子と視線に気圧されながらも頷いて最後の願いの内容を待つ） (、)

四十万・八千代　2021年12月23日
…………。
（願いを口にした途端に少女が恥ずかしそうに俯く。
だがそれで願い事を取り消したわけではないのは両手を差し出すその仕草からわかった）

（迷いが無かったわけではないが行動は割と早かったと思う）

（正面に立ち少し屈むと、少女の背に両の腕を回して……腕に少しキツく、強めなくらい力を込める。
黒く丸まった相手の角に当たらないよう気をつけながらも顔を少女の頭に寄せて）
（優しく労るようなハグを求めていたなら申し訳ないが、自分が『恋人』に対してするハグならこうだ）

諷和・もこ　2021年12月23日
（思いの外強い力で抱きしめられて、驚いたように軽く目を見開く）
（細身だと思っていたのに、自分なんかすっぽりと覆ってしまうほど大きくて硬い体。回された腕の力強さ）
（それは自分とは全然ちがって、今更ながらに強烈にこの人が「男性」なのだと）（意識してしまって）
（体温が3℃ほど上がった気がする）

（けれど、いつも誰かに触れられた時の様な怖さはなくて）

（角で傷つけないよう気を付けながら、自分も顔を青年の方へと傾けながら）

（そっと目を閉じ、おそるおそる両手をその背中に回して、抱きしめ返した）
（体温が低いと言っていたこの人に、自分の体温が少しでも移るようにと）

四十万・八千代　2021年12月23日
（腕の中に収まる小さな体。抱きしめ返してくる細い腕。瞳を閉じればより伝わる相手の温もり。呼吸、心音。こうして感じるのはいつ以来だっただろう）

…………。
あ。

（再び開いた瞳の先に見えたのは空。
深い深い青いキャンパスに、散りばめられた光る星）

（時間だ）

（腕の力を緩め、とんとんと少女の背を叩き終わりの刻を伝える）

諷和・もこ　2021年12月23日
（――あ、）
（背中に感じた振動に、終わりの時を覚る）

（最後に一度、頬と頬が触れ合うように、すり、と）
（甘えるようにすり寄せてから）

（名残惜しそうにゆっくり、ゆっくりと、両腕を元に戻す）

（どうしよう、泣きそうだ）
（謎の寂寥感に零れそうになる涙を我慢するため瞳は閉じたまま、そっと体を離そうと）

四十万・八千代　2021年12月23日
（触れ合った頬が温かく、そして擽ったい）
（背に回された腕が外れたのを感じて自分も腕を解くと身体を離し……最初に目に入ったのは少女の表情）

（……どうしてそんな悲しい顔をしているんだろう）

……心細い？
（軽く……今度は優しく。離れた身体を1度抱き寄せ背中をポフポフと2度叩く。
大丈夫だから。
そんなに寂しがらないでくれよ、と思いを乗せて）

諷和・もこ　2021年12月23日
（心細い、のかな？）
（それが正解のようで、少し違う気もする）
（背中を叩く手だって、これ以上は離れ難くなるからやめて欲しいという気持ちと、もっとして欲しいという気持ちが渦巻いて、わけがわからなくなる）

……よく、わからないんだよ。
でも……
（瞼を上げて、顔を見つめる。頭を上げた拍子に我慢していた涙が一粒だけポロリと転がり落ちて）

なんだろう、体が半分になったような、痛いような、寂しいような感じがするの。

四十万・八千代　2021年12月23日
（身体を離して……でも両手は少女の肩に乗せて心配そうに見つめる。
見上げる相手の瞳の中に映る自分の姿が歪んで……零れ落ちる涙に息を飲んだ）

（こんな時、どうすればいいのか）
（残念ながら今までの自分の経験からは答えが出ない）

……すまない。

（分からない自分に。辛い思いをさせてしまっている今に。謝罪の言葉が口から出た）

……何か、俺に出来ることはあるかな。

諷和・もこ　2021年12月24日
（謝罪の言葉にフルフルと首を振って）
……ちがうの、やちよさんは悪くなくて。
……自分でも、よくわからないんだよ……。
（涙がこれ以上落ちてしまわないように、ぎゅっと目を閉じる）

（わからないけれど、気づいてしまったのだ）
（どうして、隣に並んでも彼だけは怖くなかったのか）
（どうして、からかわれるたびついムキになってしまったのか）
（どうして、美味しそうに食べる姿を見たくなってしまうのか）
（どうして、いじわるされても許してしまうのか）
（どうして――握られた手を、抱きしめられた腕を、離したくないなどと思ってしまったのか）

（恋とは、もっと幸せでふわふわとしたものではなかったのかと、身を裂かれそうな切なさに文句の一つも言ってやりたい気持ちになりながら）

（ここまでの時間はおそらくほんの数秒。ほんの数秒で）

（覚悟を、決めた） (無効票)

諷和・もこ　2021年12月24日
（パッと顔を上げ、目を開いた少女には、もう涙の跡もなく）

……それじゃあ、「やちよお兄さん」にお願いしていい？
（今日はお願い事してばかりだと、笑う少女は）

（覚悟を、決めたのだ）

これからも、ボクと「友達」でいてくれる？
（想いを隠して「友達」でいる覚悟を）

四十万・八千代　2021年12月24日
（大切な、汲み取らなくてはならなかった何かをまた……自分は何処かに落としてきてしまったのではないだろうか）
（少女の涙が止まって安心すべき場面なのに）
（少女のお願いを聞いて、分からない何かを間違えてしまった……そう感じてしまう）

……。

（肩に乗せていた手を下ろし、笑顔を見せる。……笑顔に、なっていただろうか）

勿論。君は俺の大切な友達だ。

諷和・もこ　2021年12月24日
…………。
…………よかった、ありがと。
（そう、微笑む）
（笑うのは得意だ。お姉さんだもの。きっと今だっていつも通り笑えている）

あ、そうだ！
（再び鞄をごそごそと探って）
（今度は両手に余る大きさのプレゼントを取り出す） (無効票)

諷和・もこ　2021年12月24日
これ、クリスマスプレゼント。
今日は一緒に来てくれてありがとう。

（にこり、笑って）
（きれいにラッピングされた包みを、はい、と差し出す）

四十万・八千代　2021年12月24日
（出会ったばかりの頃の「友達が出来た！」と喜んでいた少女の面影が、ない。そう感じてしまうのが少し寂しい）

……？？
（鞄に入っているのは枕だけじゃなかったのか、と鞄をゴソゴソする様子を覗き込むように見つめて）

……？！
（出てきたラッピングされた贈り物に、驚いたのか若干仰け反る）

……今回、美味しい食事に誘ってもらってそれだけで十分なクリスマスプレゼントなんだが。
（だからといって用意してくれたものをいらないと言うわけにはいかない。しっかりと受け取ってしまう）

諷和・もこ　2021年12月24日
（八千代さんの目に、わずかに落胆にも似た色を見つけて、困ったように笑う）
（おかしいな、いつも通りに振舞ってるつもりなのに）

あのお食事券はくじで当たっただけの物だもん。
「友達」には、ちゃんと自分で選んだプレゼントを渡したいんだよ。
あ、でもプレゼントは家に帰ってから開けてね……その、えと、目の前で開けられるのは、ちょっと、恥ずかしいから……。
（自分に言い聞かせるように「友達」をわずかに強調して話す）
（大丈夫、大丈夫）

（ふと空を見上げると、少し形の欠けた月と、まばらな星空）
……すっかり日も落ちちゃったね。
そろそろ帰る？ボクたちのヴィラに。

四十万・八千代　2021年12月24日
券じゃなく、君と出かけて食事が出来た事実が俺にとっては大切な贈り物なんだがなぁ……
（今は開けてくれるなという願いに頷いて。普段荷物はアイテムポケットへと入れてしまうのだが抱えて歩くことにした。
……気持ちが嬉しかったから）

……すっかり夜になってしまった。
そうだな、そろそろ帰ろうか。
俺たちの家に。
（空を見上げ、星を見て、そしてツリーをもう一度見上げる。相変わらずここからてっぺんは見えないがキラキラと光の粒が振り掛けられているようでとても綺麗で）
（確かに笑っていたこの日が、楽しかったものだと振り返る事が出来ればいいと願い、ゆっくりと歩き出す）

諷和・もこ　2021年12月24日
……ボクも。
ボクも今日はきっとずっと忘れない。
大切な思い出になったんだよ。
（ありがとう、と。笑って。ちょっと失敗して泣きそうな笑顔になってしまったけれど。感謝が伝わればいいなと、そう、思う）

ん、じゃあ、帰ろ！
（今度は手をつながずに、けれど隣を歩いてゆっくりと）

（一度だけ、ツリーを振り返る）
（ヤドリギの下で、抱きしめあった男女には幸福が訪れるという）
（もし、このツリーにヤドリギが宿っていたなら）

（どうか、どうか） (、)

諷和・もこ　2021年12月24日
（日が落ちて、月が昇り、シンデレラの魔法は解けてしまったけれど）
（ガラスの靴の代わりに、胸に咲く青いバラを大切に抱いて）

（魔法使いの代わりに、ヤドリギに願う）

（どうか、この人に幸福がありますように）

―――メリークリスマス！
　　　お付き合いいただきありがとうございました！

諷和・もこ　2021年12月24日
（〆）

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