【個】contrast with,
リップ・ハップ 2021年11月21日
豊饒祭本番までもう一週間を切った今日この頃。
慌ただしく、賑々しく、普段とはまた違う活気を見せる学園の生活。
それは保健室の中に居ても感じるもので――。
#竜城・陸
#リップ・ハップ
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竜城・陸 2021年11月22日
それを言うなら、俺の方も無尽蔵ではないだろうからな。
まあ、実際に尽きたことはないのだけれど……そうは言っても、体力だって相応だし。
ああ、水の中とか、吹雪の中とかであれば何十時間でもお付き合いするよ?
そうだね、……まあ疑問点の解消という意味では……興味深くはあるかな。
(新しく、引っかかる話はあったが)
(“これまで吸わしてきた”“山ほどそれがあって”……とか)
(……まあ、そこを突っ込んで訊くのは、自分の領分ではないか)
実際、俺自身も詳しいことはよくわからないから。
……ああ、いや、なんとなくは理解しているけど……。
リップ・ハップ 2021年11月22日
おーい勘弁してよ。流石に地の利取られちゃ大仕事になっちまう。
(冗談めいて聞こえた彼の言葉にけらけらと)
んじゃそこは似たよなもんだね。他は真逆なとこいっぱいあったけどさ。ししし。
伯爵に関しちゃ私もなんとなくの部分めちゃあるもん。
竜城・陸 2021年11月22日
おや、駄目か。それなら年中でも戦えるのだけれどね?
(当然、これも冗談めかせた響き)
じゃあ、君が作った……とかでもないんだな。魔術方面はからきしと言ったものね。
変な言い方だけれど、どこかで拾った……とか?
(それこそ、後世では“ダンジョン”なんて呼ばれたりする場所や、遺跡や遺構には、そうした魔道具や呪具が隠されていることも多いが)
リップ・ハップ 2021年11月22日
年中はマジ怪物だろ。補給なきゃ無理無理付き合えん。
わはは。そゆ技術あったら緑のクラス……行ってねいか。それでもやっぱ白だな。
貰いもんだよ。や支給品のがしっくりくっかな。今改めて言葉選ぶんなら。
(取説付いてねーでやんの。ぶーたれながら)
竜城・陸 2021年11月22日
まあ、本当にそうかはわからないけれどね。やったことないし。
(しれっとした顔で肩を竦めてみせて……置いたお茶のカップを手に取り、一口)
貰いもの――(支給品、という言葉からすれば)……どこかの組織に帰属していたとか、そういう感じ?
(近しい人間に託されたというなら、そういう言葉選びにはならないだろうと)
リップ・ハップ 2021年11月22日
家を組織っつーならそなっかな。
パパから貰ったんだよ。仕事で使うから。お家の仕事、手伝わなきゃなんねいから。
仕事用の備品だったら支給辺りがぴったりっしょ?
(家業をこなすために与えられた道具。彼女の説明は、つまりそういうことだ)
竜城・陸 2021年11月22日
家の仕事。
(そんな鎌が必要な仕事?)
(――現代に即して考えれば有り得ないが、しかし――)
(あらゆるディヴィジョンからの漂着者が行きつく、この土地だ)
(であれば――)
……魔物狩りでも生業にしていたとか?
(そんな推測にもなるもので)
リップ・ハップ 2021年11月22日
(一拍、きょとん)
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
わっはっは。ま麦の収穫に使うような鎌じゃねいよな。あれ。
大正解。こんなとこに隠れクイズ王いたな~~??
(ふう。と一息)
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
そだよ。そゆお仕事。そのお仕事で生きてきたわけ。リップちゃんは。
竜城・陸 2021年11月22日
そう、か。
(噛み締めるような相槌、ひとつ)
(大変だったろう、とか)(苦しくなかったか、とか)
(月並みな言葉なんか、浮かばないけれど、)
すまない。踏み込んだことを聞いてしまって。
(――先程、越えるべきでないと思った領分を越えたことは、謝罪の言葉として示した)
(一つ。吐かれた吐息は、あまり、快いという反応出なさそうにも思えたから)
リップ・ハップ 2021年11月22日
別に隠してるわけじゃねいし、でもわざわざ喧伝する必要も無いって、そんだけよ。
踏み込まれたとか思ってないない。
他の家じゃ家事のお手伝いとかのとこが私んとこはそれだったって、そんだけ。
竜城・陸 2021年11月22日
そう、……そうか。
(――でも、と続けかけたのは、呑みこんだ。自分の中の線引きの問題であって、それは相手に押し付ける話ではない)
まあ、でも正直それなら頷けるかな……。
聖くんとやった時も軽く見ていたけれど、随分とまあ戦い慣れしているようだったし……。
リップ・ハップ 2021年11月22日
戦闘からっきしだったらこの歳まで生きてねいって。
頭も身体も戦うためにチューンされるっしょ。
(戦うこと、狩ることを生業としてきたのだ。当然とばかりに)
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
多かれ少なかれ誰でもあんじゃん? そゆの。
ちびっこの頃から身近なもんはガンガン慣れる。染み付く。そゆのが血肉になって成長してく。私ってもんを作るし、陸ってもんを作る。
そっちだってそゆもん、あんじゃない?
(内容は種々。しかし原型は普遍的なものだと)
竜城・陸 2021年11月22日
…………。
そうだね、まあ、あると言えば――
(“ ”というものに纏わる、多くの口伝や、伝承)
(「“ ”とはそういうものである」という、定義)
(「“ ”ならば当然に出来る筈である」とされる数々の権能、技芸、魔術――)
(――「“ ”と呼ばわるべきもの」として、相応しい形というものを)
(徹底して、それだけを与えられながら形作られたものが、)
“僕”には、あったな。
(人工的に、徹底的に、認識を“そう”と歪められて育ち、形を成してしまった――人の世の災厄にして、人から成る神)
(それが、“ ”と呼ばわれた少年の、全て)
リップ・ハップ 2021年11月22日
(少女には読心力などありはしない)
(ただ視力や聴力からなる観察力だとか、コミュニケーション力だとか、そういった力にはやはり恵まれている)
……おーん。
なんか変なこと聞いちった?
(彼の言葉の、ちょっとの間を気にかけるには十分すぎるくらいに)
竜城・陸 2021年11月22日
ん? ……ああいや、そんなことはないよ。
ぼんやりしてしまってすまない。そういうものがあったな、というのを、思い返していただけ。
(――“『嫌いなままでも卑下するな』”だなんて、難しいことを言うよな、あいつ)
(そんな胸中に浮いた思いも、吐息に交えて吐き出して)
(……お茶の液面が凍ったが、見なかったことにした)
まあ、ただ――今まで付けてきた血肉だけじゃどうにもならない事態には出会ってしまったものだから。
どうしようかな、と思ってはいるところだよ。
リップ・ハップ 2021年11月22日
そ? そか。
(ならいいや。本人がそう言うのならそれが全てだ)
(ちょっとひんやりした気もしたが、それもそれ)
……どうしようかなって、んなもんやること決まってね??
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
私ら華のシクスティーンにセヴンティーンよ?
付けりゃいーじゃん。新しい血肉。バリバリ育ち盛りでバリバリ子供だろ。
(出会った事態をこれっぽちも知らないが、あっけらかんと)
竜城・陸 2021年11月22日
……はは。確かにね、それがすべてだ。
それが出来ない理由を、どう取り除けばいいかわからなくて試行錯誤しているのが現状、というところかな。
(自分を“人”に規定する言葉が、たったひとつしかなかったから)
(それを手放せば“人”の形を失うと、“認識してしまっている”)
でも、多分。
遠からず解決することなのかもしれないなって。
そういう気は、しているよ。
リップ・ハップ 2021年11月22日
んなら心配ねいな。するだけ損々。
(解決の兆しがあって、途方に暮れているわけでもないというのなら踏み込む必要もないだろう)
お茶、お代わり要る?
竜城・陸 2021年11月22日
……心配は、するよ。
(“遠からず解決する”というのだって、)(そう言葉に出さなければ糸口を見失ってしまいそうだからというだけの、強がりのようなものだから)
でも、そうしたいと思ったことではあるから、どうにかしないと。
…………それで、
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
……君にも話しておかなくちゃならないことがあって。
そうだな、……お代わり、戴けるかい?
リップ・ハップ 2021年11月22日
? すんの??
心配性かよーー。
…………って単純な話でもねい雰囲気?
おん。私にねぇ?
まいっけど。ちょい待っとき。
(急きもせず、普段通りのマイペースでお代わりを用意し)
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
(ことん。紙のカップが柔らかい音を立てる)
(先ほどと同じように卓上に置いて)
んで?
(話とやらを促した)
竜城・陸 2021年11月22日
するよ。
懸念するべき部分が多すぎるんだ、これをどうにかしようとすると、ね。
……今話すこともその一つ、なのだけれど。
(彼女が席を立つ間、液面が凍ったお茶を傾けて、飲み干して)
(冷たさは、あまり感じないようにできている)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
(ありがとう、と謝辞を述べて。新しいカップを、自身の前へ引き寄せて)
さっき、言ったろ。
“自分の力では満足に体を動かすことができない”って。
あれは本当に言葉通りの意味で――
(何もない空間に、手を翳して、)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
(手元に、一枚の紙を呼び出して)
(それを、彼女に見えるような向きにして、机の上に置いた)
(なんということもない、何の変哲もない、健康診断の血液検査結果)
(――供血を募る立場であるところの彼女は、血液検査の医学的な解釈についても一通り通じているだろう)
(その知識から一目瞭然なのは、「竜城・陸」という目の前の竜人の名が記載されたその検査結果は)
(下手を打てばちょっとした風邪を引いたくらいでも命を落としかねない程度の、重病人と同じようなものである、ということ)
起き上がれないほど脆弱な身体を、魔力で無理矢理動かしているんだ。
いつか、それで何か問題が起こる可能性がある。
だから一応――白のクラスの代表者たちには伝えておくべきだと思って。
(ミーレにも伝えてはあるよ、と付け足して)
リップ・ハップ 2021年11月22日
ん、ああ――、
(提示された用紙、居並ぶ数字。なぞる、なぞる)
……………………、
(視線がなぞる)
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
(この血球系の数値……。)
…………赤点っつーかなんつーか……。
からっからのすっからかん。自愛が足りねいどころの騒ぎじゃねいんだけど。何してんのお前。
(この検査結果で何をしているのか。何をしてこの検査結果なのか。どちらともとれそうな言葉は)
(間違っても――彼の言う所の――白のクラスの代表者の言葉ではない)
(一人の16歳としての言葉)
竜城・陸 2021年11月22日
俺の時代の祭司は、行き場のない魔力が自分を傷つけている、と言っていた。
生まれてから十五年間の間、ずっとそうだったと……ああ、診断を受けたのが十五の時だから。
今は進行自体は止まっている。刻逆で少し、体が変容したからだと思うけれど。
(それを示すよう、翼を軽く動かしてみせて)
……ただ、治癒したわけではないらしい。そういうことのようだ。
リップ・ハップ 2021年11月22日
(組んだ腕。二の腕を指先がとんとんと叩く)
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
で?
殺気の話との関連性は?
(だからこの話が、この検査結果が出てきたのは聞くまでもない。続きを促して)
竜城・陸 2021年11月22日
言葉通り。何か問題が起こる可能性があるから。
(同じ文言を繰り返して、)
俺が自分の血肉を増やす行為というのは、この状態で安定しているものを無理矢理動かそうとしているのと同じなんだ。
体の状態がいい方に傾く可能性も、悪い方に傾く可能性もある……いや、勿論俺はいい方に傾けるつもりでいるのだけれど。
……好転の前に急落する、とか、そういうことも有り得るし。
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
(んん、と)(少し、悩むような、考えるようなそぶり)
(言葉を探すような、間)
今は自分の中にあるものを、一時的に切り離して別のところに置いているような……感じ? で、だから進みも止まっているのだけれど。
俺がこれからやろうとしていることの途中で、どうあっても切り離したものを自分の中にもう一度受け入れることになる。
だから、そういうことが有り得ることを、伝えておきたかった、のと――
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
……ミーレに言われたんだ。
医学的なアプローチでどうにかなる部分もあるかもしれないんだから、簡単にできないと思い込んで諦めるなって、そういうようなことを。
医療の分野からの見地で、どうにかできる部分があるとしたら――君の知識を頼ることになる場面も、きっとあると思うから。
その時は、頼りにさせてほしいって、……そういう話。
リップ・ハップ 2021年11月22日
問題は今まさに目の前のこれだろ。
その時は、じゃねいよ。今がその時だ。
こんなもんお前即刻ドクターストップだわ。順序が滅茶苦茶。
(好き放題に主張してくれちゃって。がりがりと編んだ髪の隙間を掻く)
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
まず今のケアを考えろ。自分でもお分かりの通り異常どころじゃねいよこれ。
(手の甲が用紙を叩く)
何か大きなこと、重大なことやろうとしてんなら万全期せ。やれる限り確度上げろ。
手術だって緊急じゃねいなら心身整えてからやんだよ。
私の見解は以上だ。望んだ答えじゃねいだろうけど謝んねーからな。
竜城・陸 2021年11月22日
――いや、
(小さく苦笑、はしたが)(それくらいで)……そもそも謝る必要はないよ。
“今”をどうにかしないと、“先”がないことなんて、わかっている。
……さすがに一日中部屋で寝ていろ、と言われても頷けないけれど、受けるべき処置があるならすぐにでも受ける。
ただ、
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
――(言葉が、)(喉の奥に引っかかって、止まる)
(“自分の身体が治るイメージがないというだけなんだろう。”)
(そんな風に思った、っけ)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
(“それでは治らないと思う”なんていうのは)
(ただの、自分の認識だ)
(きっと、)(全部)(だから、)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月22日
…………いや。
(“「そうである」と信じられぬ者に、現実は塗り替えられませんのよ”)
そうだな。
“今”すべきことを、教えてほしい。
(“陸くんが身体の不調を諦めて、放置して、人目につかないようにするの。わたくしは普通に、心配ですし、嫌ですよ。”)
(――あんな顔をさせるのは、もう御免だ)
リップ・ハップ 2021年11月22日
…………~~っはぁ。
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
……素直でよろしい。
ただその辺のプランはちょっち待て。
原因が特殊過ぎてどう触れていーのかすぐには分からんわ。
(無効票)
リップ・ハップ 2021年11月22日
だから話、もっと詳しく聞かせろ。知ってる限り分かってる限りでもいいから。
あとこゆ検査、他にも受けてんなら結果出して。
足りないのは受けてもらうかんね。
わかった?
竜城・陸 2021年11月22日
……ん、了解。
ああ、でも――少しだけ待ってもらえるかな。
この後予定していた業務を手の空いている実行委員に割り振らないといけないから、少し時間が欲しい。
……ちなみに受けた検査はこれだけ。この間の学園の健康診断だね。
足りない分は受けるよ、勿論。
(もう少しいいかい?)
竜城・陸 2021年11月22日
(もっと言い募ることは当然に出来たろうし)
(怒ることだって、それこそ、強制的にどうにかすることだって、彼女にならできたはずで)
(……けれど、それを呑み込んでくれたのだろうから)
(意を汲んでくれたのだろうから)
……ありがとう。
(言うのは、「ごめん」よりは、この言葉なのだろう)
リップ・ハップ 2021年11月22日
ん。したら次時間空いた時にね。
検査はフルコースで受けてもらっから、また日を改めて。
(もう少しいいかい?)
リップ・ハップ 2021年11月22日
どーいたしまして。
(言って、ひと先ずは彼を見送る)
(それからというもの、資料漁りに情報収集。蓄積された知力の総動員でどれだけ立ち向かえるのか未知数だが)
(万全を期すためにと全力を賭すのだった)