【個】海の涯てへ繋いでいくもの
竜城・陸 2021年11月20日
前日の慌しさから一晩明けて、早朝。
見回りを済ませて、最終チェックを終えて、段取りの確認をして……。
あとは、開催を待つばかりの、そんな時。
お祭り前の喧騒を遠くに、波の音を近くに聞く。
遠く、西の海を臨んで、彼はそこにいた。
場所:
訓練区画・船着き場内 桟橋
書き込み可能:
#ルクス・アクアボトル
#竜城・陸
1
竜城・陸 2021年11月20日
…………そうしたい、と思っていたつもりだったんだよ。
俺が、何も為さず、ただの人として死ぬことは……俺を唯一、“人”と呼んでくれた人の望んだことだから。
でも、当たり前みたいに、誰かと話して、何かを考えて、感じて、経験して、そうしたら。
実は案外、死にたくなんてなかったんだなって、思ってしまった。
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竜城・陸 2021年11月20日
だけど、定められたことに殉じないわけにはいかないだろう。
だからせめて今だけは、なんて自分に猶予を許したつもりでも……結局そのことが引っ掛かって、足を止めてしまう。
変わりたいとか、強くなるとか、言葉に出してみたって、実が伴わないんだ。
そりゃ、怒るよね。当たり前のことだ。
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
どうして?(と。首を傾げたのは、)
私は別に、「かくあるべし」と定められたことに、逆らってはいけないなんて言った覚えはないけれど。
「正しい」ことが、仮にそうであったとして。
「やりたい」こととそれが食い違ったら、私は「やりたい」を取るわよ、普通に。
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
たとえ話ね。
私が家族を、育った船を取り戻そうとすれば、「正しい」世界が滅ぶかもしれないとする。
私はそれで躊躇うつもりはないわよ。世界を滅ぼしてでも、自分の望む未来を目指す。
――で。
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
問題。
私がそうしたら、どうなると思う?
竜城・陸 2021年11月20日
……他人がそれを許したとしても、俺はそれで“正しい”を選択すべきだと思っている、という話。
…………、どう。どうなる、か。
(どう――――)(…………)……想像がつかないな、
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竜城・陸 2021年11月20日
(でも、)(たとえば)
(百を救うためには、大事な相手を犠牲にしなければならない、と言われて)
(――自分は、頷けるだろうか?)
…………難しいなあ……。
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
他人が許すかどうかに焦点を置くのがもうズレてると、私は思うのよね。(あっさりと、肩を竦めて)
ま。これはたとえ話だから、例えば「世界を滅ぼさなくても何とかなるかもしれない」とか、そういう第三の道はなしにしましょう。
あくまで二者択一しかない。となれば――。
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
誰かに止められるでしょうね、普通に。
だって間違っているもの。(そう分かっていても私はそうするけど、と笑って)
貴方が今迷ってくれたのも、「第三者として」でしょう。
当事者だったら――それが貴方にとっての「正しい」も「好ましい」も踏み躙る選択であれば、最後には止めるんじゃない?
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
だからね、つまり、私の言いたいことは。どうしてもやりたいことがぶつかって、その結果、誰かが踏み躙られるというなら。
どうすればいいかなんて、踏み躙られる側が考えることでしょう。
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
――貴方がそうしないのは、つまり。
自分の決断が世界を左右すると。
自分が我が儘を通そうとすれば、「通ってしまう」と思っているからでしょう。
(違って? と、首を傾げながら、見上げて)
竜城・陸 2021年11月20日
…………、
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竜城・陸 2021年11月20日
まあ、事実と言えば、事実……。
……“正しい歴史”に戻れば、俺は遠からず死ぬ。
そのはずだったけど、……多分ね、どうしたら死なないか、というのはもう理解している。
だから、“死にたくないと思った自分”に成ってしまう時点で、定めを変えてしまうのは決まったようなもので。
…………
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竜城・陸 2021年11月20日
死にたくないと思った俺は。
望まれたようにただ“何もしないで死を待つだけ”という風にはなれないんだ。
きっと、死ななかったならその先へ行きたくなってしまう。
どうしたって、望まれたように振る舞えない。
……そうしたら、まあ、きっと、ひどいことになるだろうね。
それだって嫌なんだよ。
どちらも嫌だ、なんて言ったって仕方ないのはわかっているのに。
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
貴方は。
世界を、正しい歴史を貴いものだというくせに、まるで信じてはいないのね。
(微かに、目を細めて。静かな声音で、そう囁いた)
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
貴方は、それがたかだか自分一人の我が儘で決まってしまうような、脆いものだと言っている。
本当にひどいことになるなら――それを防ごうとする正しい敵も、そうならない第三の道を探って貴方の力になろうとする味方もいるはずなのに。
それで分かりにくいなら、言い換えましょうか?
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
――精一杯気を付けて“動いてあげ”ないと、足元の蟻を踏み潰してしまうと思っているのよ、貴方。
竜城・陸 2021年11月20日
――――、謙虚なんだか傲慢なんだかわからない、か。
(ぼそりと、呟いて)
うん、それは、そうかも。
どっちを信じてないと言われたら自分のことを、だけれど、結果として変わらないな。
……俺は、俺を止められる者がいるってことを、信じていない。
信じて…………なかった。
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竜城・陸 2021年11月20日
(でも、知っている)
(今この場所にだって、今この瞬間にだって、そう成ろうとしている誰かが、片手の指では足りないくらいに、いること)
(それを、信じない?)
(それは――――)
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竜城・陸 2021年11月20日
――――、
(“『嫌いなままでも卑下するな』”)
(“『他人の努力まで見下すな』”)
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竜城・陸 2021年11月20日
…………、ああ、うん。
……いちいち正確だな、あいつ……。
(溜息、一つ)
そうだな、その考え方は失礼だし、無礼だ。
それで踏み潰されるような世界じゃないって、いくらだって示されたのに。
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
なんだ、もう言われてるんじゃない。
ガラでもなく説教臭いこと言わせないでよね。(く、と、苦笑気味に笑って)
その誰かさんがなんで怒ったのか、私は知らないけれど。
今の話で合っていると感じるのなら、もう一歩、単純な話だと思うわよ。
貴方はその相手をさっき友達と呼んだクセに、対等な関係だと見ていないのだもの。
力の差とか、それ以前の話。友人の言葉は、そのつもりで聞くものよ。そうして貰えなければ、傷つきもするでしょう。
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
――――ま、でも。
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
変わらないといけない、というものでもないと思うけれどね、私は。
変わりたいと思うなら変わればいいし、そのままでいたいならそのままでもいいんじゃない。
貴方が仮に謙虚なようで傲慢なふてぶてしいクソドラゴンだとして、それが今の貴方なのだもの。
その貴方の友人になったのなら、それを理解しないまま近付いて一方的に怒る側も、別に、正しくはないわよ。
喧嘩ってそういうものでしょう?
(言いながら、ゆっくりと、貴方の顔――その頬にかかる髪に、指先を伸ばして)
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
(さらりと、顔にかかる髪を払うように、)
ちなみに私は――、
友達と喧嘩して妙なことでうじうじと悩む姿、可愛らしいな、と思うくらいね。
竜城・陸 2021年11月20日
いや、俺、あいつのことは対等に見ているつもりだけど――
(――だけど)
(そもそも同じ地の上に立ってはいなかった、それが)
(今を生きている彼と、今にいながら過去を帰結にする自分が)
(本当の意味で対等と言うのかは、わからない、し、)
(――だからといって、)
…………、いや、うん。そうだな。
対等だと思うんなら、“化け物”の立場からの考えを言うのは、違う。
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竜城・陸 2021年11月20日
……その物言い、まったくもってあいつと同じなんだけど。
俺本当に周りからそういう風に見えてるんだな……。
理解してはいると思う……というか、理解していてなお、というか、そういう感じなんだろう。
ちゃんとするってあいつに言ったのは俺のほうなんだから。
まあ、でも、うん、喧嘩してるんだから。
俺もちゃんと、“自分”の思ってることを言うよ。……竜とか、神とか、そういうものじゃなくてね。
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竜城・陸 2021年11月20日
(細い指先が、頬に掛かる髪を払う)
(――――そこで、初めて、向き直って)
…………妙なこと、か。
俺にとってはけっこう、悩ましいことだったんだけど……。
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竜城・陸 2021年11月20日
……まあ、でも、そのくらいに軽く考えて貰える方が、有難いと言えばそうなのかもな。
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
……「そこまでは言ってないけど」なんてツッコミを期待してボケたのだけど、後半まで被ってたの? それは……ふふ、ごめんなさい。(悪びれない様子でちろ、と、舌を出して)
ええ、それがいいんじゃない?
仲直りしたいのなら、「相手が何に怒っているのか分からない」ままじゃどうにもならないと思うし。言わないのなら考えてほしいのかもしれないけれど、考えたら、話してみるしかないわよね。
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
あら、軽いだなんて。私なりに、親身になって話を聞いたつもりなのだけど?
……でも、どれだけ親身になったって、他人の悩みなんて、人から見たらそんなものよ、きっと。貴方だって、今私の悩みを聞いたら、妙なコトって思うハズ。
(くすり、笑うと、そのまま、あなたの頬に触れて)
――少しはラクになった?
竜城・陸 2021年11月20日
補足するなら、謙虚だか傲慢だかわからないと言ったのは別の人。
あいつから俺への評価は、おおむねずっと“傲慢な馬鹿爺”だと思うよ。小言臭いとも言われたかな。
(後者に関してはお互い様な気がするけどね、なんて肩を竦めて)
そうだな、……結局俺が考えて辿り着いたことだって、正解かはわかったものじゃないんだから。
ちゃんと話すよ。喧嘩したままでいたくはないしね。
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竜城・陸 2021年11月20日
ああ、いや……ごめん、そういう意味ではなかったんだけど。
言葉を尽くしてくれたことはちゃんと、理解しているよ。
……ただ、うん。
そういう風に――当たり前な“人の悩み事”として受け止めて貰えているのが、ありがたいって。
そういう話。
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竜城・陸 2021年11月20日
(頬に触れる指に、ひやりとした感覚が伝わったのは一瞬)
(すぐにそれも止むだろう)
……うん。
少なくとも酷い顔で、開会式を迎えなくてもよさそうだ。
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
言われたい放題じゃない。(思わず、くすくすと笑って)
ええ。そう伝えるのが良いと思うわよ。仲直りしたいんだ、って。
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
分かっているなら、よろしい。
誰だって「男」か「女」よ、サキュバスにとってはね。
ふふ、良かった。――命拾いしたわね。
忙しい時期でなければ、準備を頑張ってくれている中でなければ、相談料を体で払わせていたところよ。
ただでさえ屋台の準備で魔力を使って、小腹が空き気味なんだもの。
(なんて、冗談めかして笑ってから、ゆっくり、手を離す。――ひやりと冷えた時には、顔に出した時には何の反応もしなかった)
竜城・陸 2021年11月20日
別に俺だって好きに言われたいわけじゃないけどさ。
あいつ、頑固だし。俺がそういう印象を変えられるように変わらないと、多分ずっとそのままなんだと思う。
……落ち着いたらちゃんと話すよ。ありがとう。
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竜城・陸 2021年11月20日
その括りもそれはそれで大雑把すぎる気がするけど……。
(知った顔のサキュバスが幾人か思い浮かんで)(まあ彼女の妹は言いそうかもしれない)(とりあえずそこで思考をやめた)
ああ、……そうか、準備の方もしてくれていたものね。
それこそこんな話に付き合わせて――――、
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竜城・陸 2021年11月20日
(ごめん、と出かかった言葉を、切る)
(ゆっくり離れていく手を、そっと、手袋を嵌めたままの片手で、捉えて)
(――――その手の甲に、そっと。触れるだけの口付けを、落として)
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竜城・陸 2021年11月20日
……ありがとう、ルクス。
(彼女の言う、“相談料”に足りるのかは、わからないけれど――)
(心から、喜ばしく、嬉しく、思っていることは。伝わるだろうか)
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
――――、
(ぱちくりと。少しばかり驚いた顔で、されるがままに預けた手を、そこに残る感触を見下ろして)
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
(顔を、上げると)
ええ、どういたしまして。――ごちそうさま。今日はこれで良しとしてあげる。(冗談めかして、くすりと、笑いながら)
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ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
(口許に寄せた自身の手の甲に、これ見よがしに、軽い、口付けを落としてみせて)
(無効票)
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
さて。――チェックは昨夜終わったけれど、良かったら軽く寄っていかない? 開店前の味見。
朝食、どうせまだでしょう。
(ひょいと、立ち上がり)
(――或いは、それで呼びに来たのかもしれない)
竜城・陸 2021年11月20日
(――――それこそほんの一瞬、急激に周囲の温度が下がったような心地がしたかもしれないが)
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竜城・陸 2021年11月20日
(わざとらしく一つ咳払いする頃には、元通り)
(ただ、平静を装ったところで。胸中に残る面映ゆさだかなんだか自分でも分類のつかない何かは、サキュバスたる彼女には如実に伝わってしまっているだろうが)
(それでも体面くらいは取り繕うのである)
うん、まあ、まだだけれど。
……そうだね、それじゃあ、喜んでお付き合いさせて戴くよ。
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
よろしい。それじゃあ――
(演出継続)
ルクス・アクアボトル 2021年11月20日
行きましょう?
(悪戯っぽく、覗き込んで)
竜城・陸 2021年11月20日
――、(僅かばかり、瞬いて、から)
(演出継続)
竜城・陸 2021年11月20日
(重なる視線、並ぶ目線に、微笑んだ)
ああ。……行こうか。