私立MM学園

【個】外つ国は遠く、夢の青

立羽・アケノ 2021年11月7日
良く晴れた青空は、高く抜けるようだった。

VR修学旅行の最終日。
ハワイという外つ国にて、朱蛺蝶の少年はひとり、海へとやって来ていた。

白い砂浜。
寄せては返す、透き通った波。
燦々と降り注ぐ太陽。
其処は知らない世界。
真夏の楽園だった。


#立羽・アケノ
#咲樂・祇伐





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立羽・アケノ 2021年11月7日
(脱いだビーチサンダルを手に持って、素足で波打ち際を歩く。足の指の隙間を、さらさらと白砂が白波と共に流れて行くのが少しだけ擽ったい。本当に、全く知らない場所だ。外つ国だ。すごいなぁ、なんて独り言ちる。日差しがちゃんと夏だ。潮騒の音。海鳥の声。椰子の木が風に揺れて、大きな葉がざわわと音を立てる。日本と違ってからりとした風が、蝶の薄翅を揺らし吹き抜けて涼を運ぶ。全てが本物のようで、最終日になってもなお、これが現実ではないことに慣れなかった) (無効票)
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咲樂・祇伐 2021年11月7日
これが、海……

(VRであることは、わかっているつもりだけれど。竜の娘は夏の海をしらなかった。白いサンダルに、ましろい人魚のようなフィッシュテールのワンピース──兄が選んでくれた夏の装いに、ぴたりと合うような景色がそこにはひろがっていて)

……、
(さく、歩む。
白い砂の熱に、潮騒の音色。見上げた空に、眩しい陽射し──
双眸を細めて、桜飾りの揺れる麦わら帽子をぎゅうと深く被り直した)

……あら?
(真夏の彩溢れる光景に、浮かぶあえかな秋彩に。瞳を奪われたのがきっときっかけ)

ひゃあ!
(海風に帽子を攫われた──しかも、秋彩の子の方へと風が運んでいくではないか!いけない、ぶつかったりでもしたら……!慌て、駆け出した)

よ、よけて……くださいっ (無効票)
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立羽・アケノ 2021年11月7日
……え?
(少女の声に振り返るとほぼ同時。強く吹いた風に巻き上げられるように、麦わら帽子が舞い飛んで行く。VRだから決して損なわれることはない、とはいえ、視界を掠めた桜飾りはわざわざあとから飾りを付けてお洒落をしたのがひと目で分かる物で。裸足で、軽く砂浜を蹴る。ぱしゃんっ、と海水が跳ねる音。ふわりと朱蛺蝶の薄翅が大きく開いて、跳躍の手助けをする。伸ばした手が確りと麦わら帽子を確保して、そのまま軽い水音と共に波打ち際に着地した)
よ、っと。……はい、帽子。
(確保した麦わら帽子を差し出して) (無効票)
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咲樂・祇伐 2021年11月7日
(ぶつかってしまう、伸ばした手が届かない──そう思ったときだった。
ひいらり、紅葉が舞うように。ふうわり捕まえられた帽子に両の手をのばした)

わ……、あ、ありがとうございます。助かりました(はたはた瞬く柘榴色。ぺこりとお辞儀をして礼をつげ、今度はしかりと被り直した)

あの、お水……お翅は、大丈夫でしたか? (無効票)
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立羽・アケノ 2021年11月7日
(飛んだ時に砂浜に放り出していたビーチサンダルを、腰を折るように屈んで取り上げてから、少女に向き合う。自分より、随分目線が上だ。陽光の金と鏡面の銀が、柘榴と向き合う)
ん、大丈夫。
そもそも此処VRだしさ、濡れても平気だし、泳げない奴でも海の中に行けるくらい。
(気にするなとひらひら片手を振って。NPCではないようだから、学園の生徒だろう。見覚えはないけれど、それはそもそも自分の交友関係が狭いので) (無効票)
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咲樂・祇伐 2021年11月7日
VR……は、わ……そ、そうでした……架空の世界でしたね。
泳げない私でも、きっと水底まで行けそうな……
まるで、思い描いた通りの海であったから──つい。
夢を、現だと思ってしまいまして。

けれど、よかった。
美しい翅が濡れてしまわないで。

(安心したように微笑みを向けて、それからまたはたとする)
あなたも、学園の生徒さん、ですよね?……私は、白のクラスの……咲樂・祇伐と申します。
(宜しくお願いいたします、そう柔く礼を) (無効票)
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立羽・アケノ 2021年11月7日
気持ちは分かる。正直、もう最終日なのにまだ夢でも見てるみてぇだもんな。
お褒めに預かりどーも。
(可笑しそうに笑って、褒められた背の薄翅を緩くはためかせる。鮮やかな朱(あか)で彩られた蝶の薄翅は、何とも真夏の鮮やかな青空と煌めく海には似合わないかもしれない。だって、己は常秋の神さまの眷属だから)
そ、オレは中二の黒クラス、立羽・アケノ。えぇと、……多分オレの方が後輩だし、祇伐先輩とでも呼ぶべき?
(細い首を傾けて、問い掛ける) (無効票)
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咲樂・祇伐 2021年11月7日
ええ、なんだか不思議な心地です。
海にこられたのに。ここは誠ではないなんて。
(波打ち際に、そうと足先で触れてみる。砂を踏む感覚も、暑い夏の日差しだってここにあるのに)
不思議だけれど、素敵な海です。
……彼方に、人魚だってすんでいそうです。……なんて、夢を抱かせてくれるほどに。

アケノさん、ですね。
私のことは……祇伐でも、先輩で、も……呼びやすいようで大丈夫。

(そうして、ふふと笑った。
はためく朱にまたどこか嬉しげに双眸を細めて)
アケノさんの朱は、とても美しいですね。
……あ、急にごめんなさい。
……私、赫がすきなの (無効票)
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立羽・アケノ 2021年11月7日
海自体は新宿周辺にもあるけど、流石に泳ぐ気なんてしねぇしなぁ……。
波打ち際を裸足で歩くの、結構楽しいよ。こんなに白い砂浜って初めて見た。
(あまり綺麗にも見えないし、まして、死亡したら消滅してから流れ着く場所、なんて思うとわざわざ海に近寄る気がしない。それに比べると、この海は特に思うこともなくこうして波打ち際で遊べるというものだ。足の指の間を通り抜ける白砂が擽ったくて、日差しはからりと暑いのに海水は冷たく感じて、何だか楽しい)
んじゃ、祇伐先輩ね。高校生?
ん、何か急に褒められたな。オレの色は神さまの色だから、褒めてくれるなら喜んで。
(軽い口調で笑う。己の色どころか全身、それこそ魂まで余す所なく神さまのお創りになられたものだ。いや、この人型はそうではないけれど、薄翅ならまだお創りになられたものだと言って良い範疇のはずだ) (無効票)
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咲樂・祇伐 2021年11月7日
新宿の海とは……異なる心地がしますね。あの海は何だか……呑まれて仕舞いそうで恐ろしくて。
(少しだけ、苦笑い)

裸足で……?
では、私も
(兄が選んでくれた履物を、大切そうに脱いでから、しなやかな足元で水と戯れる。ゆらり、嬉しげに尾がゆれた)
ふふ、ほんとう。心地よいです。
こんな海が、浜があったのですね。
(喪われた過去には。もしかしたら行ったこともあったのだろうか。旅行好きな、方だったから。……その何もかもは波に攫われたように朧気だけど)
(はっと、顔をあげる)

は、はい。
高校生、です。学校は初めてなのですが、面白いですね。

とても美しい赫だったので……つい。驚かせてしまったらすみません。
私の、大切な方も──醒めるような赫が、良く似合う方だったから……思い出して。(大切、そう言葉にする時に、胸の上に手のひらをのせる。
その大切さえも、ほころび堕ち流れてしまわないように) (無効票)
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立羽・アケノ 2021年11月7日
ま、削られた異空間みたいなもんだしな、あの海。
(本来あるべきものが欠けていて、海が何処までも広がっている。異質だ。まあ、今は楽しい修学旅行最終日。今くらい、楽しくて綺麗なもののことだけ考えておこう)(寄せては返す波が、さらさらとした柔らかく細かい砂を運んで、裸足の足裏や指の隙間を擽るように擦り抜けて行く。海水は心地好いくらいの冷たさだ)
これから取り戻せば良いさ。……ま、オレにとってはそもそもこの世界自体が何もかも知らねぇ場所だから、何とも言えねぇけど。

ん、オレも学校初めて。学ぶ意味が分かんねぇことも多いけど、結構楽しい。
……オレも朱も緋もそれぞれ思い出す方が居らっしゃるけど、こういうの、不意に目に入って思い出すと何かこう、来るんだよなぁ……。
(分かる、と頷いた。唐突に、無防備な心にそれが飛び込んで来て、身構える間もなく胸を突くのだ) (無効票)
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咲樂・祇伐 2021年11月8日
いつか誠の「海」をみたいですね。(そんな未来をおもって緩く双眸を瞬く)
(足を撫でる波が、さらさらとすり抜けていく砂が冷たくて心地よい)
……せめて、砂でも持ち帰れればよいのに
(不可能とわかって、口にする。少しだけ唇をとがらせた)
そしたら、お土産にできたのに……

ふふ、そうですね。
取り戻しましょう。あら、あなたにとっても?
(知らない世界、なのかと。
こてりと首を傾げる。サラと、紫烏が夏空にゆれた)

人々が集い学ぶ──不思議で、楽しいです。
……私はこんなだから、戸惑うことの方も、多いのですが……。

……ええ。そうして思い描くたびに、逢えます。
離れていてもこころは、共にとね。(そう、信じているのだと。波音に攫われそうな声をおとす)
それでも、逢いたいなぁと……想うのですが……
(空を見上げる。例え幻の世界であれど、逢えたなら嬉しいのだろうか……なんて考えてから首を振った) (無効票)
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立羽・アケノ 2021年11月8日
何時か、ね。
お土産はさ、砂は流石に持ち帰れねぇから、今日中に何か買ったら。
(お土産は、此処で買うと通販経由で自宅に届けられる仕組みになっている。なら、この場で買った物でなくても気分的なお土産と土産話くらいは持って帰れるはずだ)
そうだよ、オレこの世界の生まれじゃねぇし。だから、学校なんて人の集団に混ざるのも初めてだ。……こんな、とか言われてもオレには分かんねぇよ。初めて逢うんだから。
(少なくとも、初めて逢ったばかりの誰かを“こんな”なんて断じ方をするような育ちはしていない。潮風に揺らされて触角が揺れる。僅かな潮が纏わり付くような感覚も再現されていて、それがすさまじい。リアルならば、風の神通力で身を守っていなければ海方面に近付きたいとは思わない)
……言っても仕方ねぇけど、逢いたいし帰りたいもんだろ。此処で幾ら足場を作っても、そっちが自分の居場所なんだから。 (。)
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咲樂・祇伐 2021年11月8日
(ふふり、嬉しげな笑みを咲かせる)
はい!そうします。
持って帰れないぶんお土産と……
潮騒の香りと音色と、陽射しと。あとは、アケノさんとも出会えたことを。
……だいぶ心配してらしたから、想い出を持ち帰ったらきっと安心してくれるはず……。

……同じですね。他の世界とは異なる世界、に。
……集団に紛れることが、斯様に難しいとは思いませんでした。
それでも、それもまた楽しくもあるのですが
(淡く微笑身をかたどって、そうと帽子を深く被る)

そう、ですね。
かえり………(たい、と。続きは紡げなかった)
アケノさんの帰り道。きっと、いつか……つながり開く事を祈っております。 (無効票)
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立羽・アケノ 2021年11月8日
直ぐ其処の店にも貝殻詰めた小瓶とかハイビスカスのレイとか売ってたし、お土産には良いんじゃん。
(どうやら、随分過保護な保護者が居るらしい相手にそんなことを言いながら、少年はこの世界に来てから自分で作ったシェアハウスの面々へのお土産を考える。同じ学園の者への土産は必要ないだろうが、それ以外への土産は必要かもしれない)
楽しいんなら良いじゃん、やったことねぇこと、色々試してみれば良いと思うよ。
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立羽・アケノ 2021年11月8日
(元が蝶々でしかない少年は、元の世界に帰れば己は蝶の姿に戻れると信じてやまない。たったひとりこの世界に放り出され、神さまの御座す常秋の神域に帰りたくてさびしくて心細くて、とっくに重度のホームシックの癖に、それを誰にも言えずに表に出すこともせずにひとりで真っ直ぐに立っている、意地っ張りの見栄っ張りだ)
……祇伐先輩は帰りたいって最後まで言わねぇんだな。ま、祈りは受け取っとく。祇伐先輩も、後悔はしねぇようにね。
……さて、と。オレ、そろそろ行くよ。
(相手が語尾を濁せば、それを左右異色の金銀で見返して眉を下げるように笑った。帰りたい、と言い切れぬ理由は預かり知らないことだが、自分にも、相手にも、他のみんなにも、人にはそれぞれ大切なものがある。だから、ただ。相手が後悔せず済むように、とだけ祈っておくことにした)
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立羽・アケノ 2021年11月8日
(ビーチサンダルを砂浜に落とし、足先だけで引っ掛けるようにして履き直す。それから、またな、と手を振った)(相手が見送る先、秋の気配を纏う朱い蝶々は真夏の青空に飛び立つだろう)
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咲樂・祇伐 2021年11月8日
貝殻の小瓶に、ハイビスカスのレイ!噫、それは素敵ですね!
(わぁと、瞳を煌めかせる。夏の欠片を持って帰れそうだ)
マカダミアナッツのチョコレートも美味しそうで……ふふ、みんな買っていきましょ。

アケノさんに、気づかせていただくことばかりですね。
踏み出さないと、わからない、ですね。やった事ないことを試すことだって私の試練です。

此度の試練も、私のもの。しかと超えねば……(逢えない、から)
(淡くあわく、散る間際の桜のようにわらった)
まだ、落としてしまったものを見つけられてないの。
ありがとう、アケノさん。
後悔しないように、ひらいていくわ。
(まだ、まだかえれない。軋むような胸の内、締め付けられるような痛みがはしる。これは罰なのだ。大切な約束をおとしてしまった、私への)
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咲樂・祇伐 2021年11月8日
(夏の陽射しが、こころをやくようだ。潮騒の音色に目眩がする。
まだ、かえれない。かえりたい。
今の私ではお父様の事をとめられない。帰りたいけど、お父様はきっと──「彼」を赦さない。守れないから)

またね、アケノさん。
かえりみちも、どうかお気をつけて。(こういうときは、どう見送るべきなのか。乏しい娘には未だよく、わからなかったけれど……敢えて「いってらっしゃい」と微笑みを浮かべて言葉をかさねた)

(朱をはためくその背を見送る。
青に、あかはよく映える──その背が見えなくなるまで、ずっと) (。)
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咲樂・祇伐 2021年11月8日
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