【RP】花は歌う
御縁・榊 2021年10月26日
店頭で、花々の声を聴きながら水換えを行う。
新しい水を入れて貰った花々は、なおのこと嬉しそうにきゃらきゃらと、それはそれは良く喋る。
あんまりに喧しいものだから、思わず片手で耳を塞いだ。
そんなタイミング。
喧しい声の真っ只中に居た男は、最近聞き慣れるようになった少女の声が聞こえたような気がして、顔を上げた。
💐
榊とユノ
1
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
…―――
(透き通るようなうっすらとしたハミングが、街へと溶けていく)
(その声の主は電子の翼をゆらりと動かし、少女は軽やかな足取りを進めていく)
(青いキャスケット帽子、華やかなブラウスとスカートがふわりと揺れればとある花屋の入口で止まった)
…こんにちは。今日も来たよ。
(飾られた花々にまるで話しかけるように、小さな声で呟いてはお店の中に入っていった)
(無効票)
御縁・榊 2021年10月26日
(“あのこが来るよ、榊”“歌う天使のむすめだよ、榊さま”)(店の奥に入り掛けた足が、ぴたりと止まる。嗚呼、あの子かな。店頭へ戻れば、丁度良いタイミングで花々に挨拶する少女の声が聞こえて来た)(“こんにちはー”“おねえちゃんだぁれ?”“あのむすめさんはね、”)(途端、また喧しくなる噂話。静かになったら死ぬのかというレベルで、植物たちは日中ひたすら喋り続ける)
いらっしゃい、ユノ。
(はたり、長い尾を揺らす)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
…ん、こんにちは。店長…。
(やってきた店長らしき人物に対して、こくんと首を下げ挨拶する)
うん、今日も時間ができたから…お花、見ていっても、いい?
(無効票)
御縁・榊 2021年10月26日
幾らでもどうぞ。
(今は他にお客さんも居ないしねぇ、と笑って、奥から引っ張って来た丸椅子に自分は腰を下ろした。この店、お客が居ないとたまにこうして店長がのんびりまったりしている)
今日も何かご入用なら言ってね。
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
うん…そうする。
此処のお花はどれも見ていて綺麗だし…いつ見ても飽きないから。
(ふわり、少し嬉しそうに笑みをこぼしながら)
でも…こんなに綺麗なのにお客さんが来ないのも不思議、だね。
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御縁・榊 2021年10月26日
そう言ってくれると嬉しいなぁ、俺の自慢の花たちだからね。
(傍らのアンスリウムの鉢植えの葉を、白い指がそっと撫でる。ゆらり、緑の手に言祝がれるのを喜ぶように、ほんの微かに葉が揺れた)
仕方ないさ、みんな生きる方に精一杯だからねぇ。まあ、これでも刻逆当初よりはお客さんは随分戻って来た方だよ。有り難いことにねぇ。
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
(自慢の花たち、という言葉を聞いた後に静かに耳を澄ませば)
……うん、「この子」達の嬉しそうな声が聞こえる。
店長がきっとたくさん、愛してあげてるんだね。
刻逆が来る前は…今よりはお客さんも来てたんだ、ね。
…でも、少しでも戻って来てるなら…それは良い事、だね。
(この花々がもっといろんな人に見てもらえるのは、心なしが自分も嬉しいものではある)
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御縁・榊 2021年10月26日
ん、ユノも植物たちの声が聴こえるのかい?
(動物と話せる、とか、精霊の声が聞こえる、とかはちらほら聞いたけれど。精霊がついて居るでもない、ただの植物たちの素の声がそのまま聴こえる、という相手は己以外に身近には居なかったので、興味深そうに。何しろ己のこの耳は、刻逆が起きる前から、それこそ産まれた時からずっとこうなので)
そりゃあね、新宿の一等地にこの広さがあるってコトは、それ相応に仕事が繁盛してたってコトだからねぇ。……みんな、心の栄養を思い出してくれたみたいでちょっと安心したよ。
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
(動物の声が聞こえるのか、という男の問いに小さく頷いて)
うん。どういう原理かはわからないけど…なんとなく。
植物も…生き物、なんだよね?だから必ずしも、音とか声とか…発するものだと思って。耳を澄ませるとその子たちの声がわかるの。
…あ。でもその…お花達と会話することはできない、かな?
私の声が伝わってるかは、わからないから…。
("生命の声"、と呼んでるらしく彼女の耳はそれを聞き分ける翻訳機能を持っている、らしい)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
…?店長は刻逆前から此処にいたわけ…じゃないの?
(さも不思議そうに首を傾げた)
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御縁・榊 2021年10月26日
そうだね、植物たちも生きてるって点で言えば生き物だよ。ふむ……ちょっと難しいね、その仕組み。俺の人間の声を聞くのと変わらない形で彼らの声を聴いてるのとは、またちょっと違うみたいだ。
(動物の声は聴こえないしねぇ、と男はのんびり笑う。己に聴き取れるのは、人種族の声と、植物たちの声だけだ。代わりに、植物たちとは全く困らないレベルで会話が出来るし、その声は特別なことなど何もないので普通の音と同じく常に聴こえている)(ね、と男がまたアンスリウムの葉をつつくと、擽ったがるようにまた葉が揺れた)
御縁・榊 2021年10月26日
ううん、ずっと此処だよ。でもさ、以前はそれが当たり前だったから、繁盛しているから、とか、新宿の一等地だから、とか、あんまり考えたコトなくってねぇ。
(周囲の人々とは違う聴覚を持ち、それを気付かれぬようにと社会に埋没しながら、仕事にのめり込んで植物たちのみを深い付き合いとしていた頃に比べると、誰もがみんな可笑しいから、ありのままで居られて気楽だ)
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
(榊の反応に対してむー…と少し口を尖らせた)
…他の人にも説明はしたけど、みんな同じような反応をしてた。
私も仕組みは思い出せないけど…やっぱりちょっと皆とは違うのかな…。
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
そう、なんだ。
…それじゃあ今のほうが、過ごしやすいんだね。
(それならそれで良かったと、うんと頷いて)
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御縁・榊 2021年10月26日
さあ、どうかな。正直、今となっては誰しもみんな少しずつ異常だし、能力の在り方なんて人それぞれだと思うよ。
(その表情に可笑しそうに瞳を細めて、柔らかい声が言う。相手の能力に関して、何が違うのか、どんなものなのか、なんてことはさっぱり分からないけれど。今のこの世界で、人と違うこと、は異端ではない)
……そうかもしれないねぇ。まあ、俺も失われた植物たちを取り返したいから、世界をこのまま、って訳にも行かないんだけど。それに、もっとお客さんを取り戻したいしねぇ。
(閑古鳥が鳴く、というほどではないけれど、やっぱり以前よりは遥かに客足が少ない。少しずつ、以前の賑わいが戻れば良いけれど)
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月26日
うん…刻逆の影響でいろんな人が大変な目にあってるのは、どこも同じ。
私も、まだ自分自身の事も上手く思い出せないけど…店長のいるこのお店は、大事だって思う。
…此処は来た人を落ち着かせて…癒してくれる。そんな場所のような気がするから。
(なんて、素直な言葉を打ち出して、お店に並ぶ花々を再び眺めていく。その様子は不思議そうに見えて、どこか無邪気でもあった)
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御縁・榊 2021年10月26日
ありがと、ユノ。そう言ってくれるひとが居るってコトは、冥利に尽きるよ。
(この男は、己の仕事を「心の栄養を売る仕事」だと言う。生活必需品ではないし、なくたって困らないものだと言う人も、こんなご時世に花なんてと言う人も、居るけれど。植物たちは、人の心を癒し、時に明るくし、時に落ち着かせ、時に悲しみに寄り添う。そういうものだと思っている)(はたん、と長い尾が揺れる。尻尾にじゃれつく妖精たちをあやすように)
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
(感謝の言葉を向けられれば、くす…と口元をつりあげて)
…あっ…そういえば今日、お部屋に飾るお花を探しに来たんだっけ。
(唐突に何か思い出したようにはっと)
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御縁・榊 2021年10月27日
(突然の思い出しに、ぱちりとブルートパーズの瞳を瞬いた。店に来てからしばらく経っているが、どうやら花を眺める以外に目的があったようだ)
ふ、ふふっ、ユノ、ちょっと思い出すの遅くないかい? 良いよ、どの子が良い?
(ふは、と吹き出してしまって、くつくつと喉を鳴らすように楽しげに笑いながら控えめなツッコミを入れた。そうしてから、未だ笑いの残る声で問い掛けた)
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
(突然笑い出す様子に少し首を傾げるも)
…そう?そんなに可笑しい事とは思わなかった…。
(どの子が良いかと問われれば、んー…と悩み始め)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
…あ。
この子…。
(ふと眺めていれば、それがたまたま目に入り足が止まる)
(それはまるで夕焼けのような淡いオレンジのガーベラだった)
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御縁・榊 2021年10月27日
(本当にのんびりした子だ。そのマイペースさが何だか面白くて、天然なんだか何なんだか)(相手が目を留めたガーベラは、幾つかあるガーベラのカラーバリエーションの内のひとつ。ガーベラは多くの色があり、売れ筋でもあるため、それなりに多くが店頭に並び、慎ましやかな顔でしゃなりと自分を手に取る人を待っていた)
ん、その子にするのかい?
(例えば、花瓶。例えば、一輪挿し。何に飾るかによっても、花の量や種類は変わることだろう(
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
…うん、この子がいい…かな。
(ガーベラを目にした後、小さく頷いて)
あと…一輪だけじゃこの子が寂しいかもしれない、から。
もう少し数はあってもいい、かも。
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御縁・榊 2021年10月27日
良かったねぇ、ご指名だよ。
(男が微笑んで丸椅子から立ち上がり、ガーベラの花びらをそっと撫でる。それを喜ぶように、花はよりいきいきと、瑞々しく花びらを広げて見せた)
どのサイズの花瓶に飾るかで花の量を決めるとよいよ。あんまりすかすかになると見栄えが悪いし、多すぎても花が苦しいからねぇ。
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
(彼の声を聴いた途端に花々が活き活きとした様子を感じさせ、それは彼女の耳からしても、どことなく喜びのようなものが感じ取れた)
花瓶のサイズ……えっと…
…こ、これくらいの大きさ、だったと思う…
(なんとか腕を使って身振り手振りで花瓶の大きさを伝えてみる)
(多分二輪か三輪くらい入りそうな大きさなのだろう)
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御縁・榊 2021年10月27日
(相手の身振り手振りで花瓶の大きさが何となく分かれば、想像出来たのは卓上に置ける程度の小さめの花瓶だ。多分、縦にもそんなに長くなさそうな気がする)
ふむ、それくらいなら同じ色のガーベラだけにするか、もしくは三輪全て違う色にしてみる、なんてのも面白いかもねぇ。でも、この子の色が好みなら前者の方が目立つからオススメかな。
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
む…。
(彼の提案を聞いてどうしようか考える。色んな色があった方が見栄えは良いと思うが、しばらく考えた後)
…ちょっと悩んだけど…この子と同じ色で揃えよう、かな。
同じ色のほうが、まとまりがあって…きっとこの子も安心できそうな気がするから。
(無効票)
御縁・榊 2021年10月27日
ふふ、ありがとう。
(花のことを考えてくれたらしいそれに、男はふわりと柔らかく微笑む。そうして、“行きたーい!”と賑やかに立候補した同色の三輪を選び出して、取り出した。他の花屋と違って、既に花びらが咲き切ったものを選んでも遥かに長持ちするのがこの店の、否、この男の手による植物たちの特徴だった)
それじゃあ、この子たちで良いかな。立候補されたし。
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ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
(店長の言葉を聞いてこくりと頷いて)
うん。店長が選んでくれた子なら大丈夫…。
…私も大事にしなくちゃ、ね。
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御縁・榊 2021年10月27日
そうしてあげて。何時も通り、随分長持ちすると思うから。
(言いながら、手早く花を纏め、包んだ透明セロファンの中にお手製の栄養剤も一緒に入れておく。花瓶の水に入れて使うタイプ。この店も電子決済は導入したため、支払いは電子マネーか、今まで通りの物々交換、もしくは労働力支払いの何れかだ)
(。)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
…ん。この子達もしっかり面倒見てあげるから、ね。
えっと……お支払いはこれでいい、かな。
(ごそごそとポケットから携帯端末を取り出し、電子マネーの画面を開く)
(最近になって覚えた電子マネー決済。実はちょっとやってみたかったというのもある)
(無効票)
ユノ・メルヴィーネ 2021年10月27日
(そのまま支払いを終え、商品であった花を受け取れば)
ありがとう…。
帰ったらちゃんとお部屋に飾るから、ね。
(届いているかはわからないが、花たちに言いかけるようにそう伝えて)
…じゃあ、私はそろそろ帰るね。
あ…それと。また今度、歌を歌う機会ができるかもしれないから…その時は聴いていって、ね。
(そっと手を振ってそれだけ伝えれば、ふっと最後に微笑みを残して店を去っていくのだった)
(。)
御縁・榊 2021年10月27日
はい、お支払いは確かに。その子たちと仲良くしてあげて。
(ぴっ、と電子音。決済が確かに終わったのを確認して、相手の腕に収まった花たちが“行って来まぁす!”なんて賑やかにきゃらきゃらと笑う声を聴きながら、男は少女に笑い返した)
お、ライブ出来そうなんだ? じゃあ、期待して待ってるよ。またね、ユノ。
御縁・榊 2021年10月27日
(手を振って少女を見送った店主は、また花々の世話係に戻った。そうして、次の客が来れば、また彼らのためにとびきりの花を提供するだろう)(そんなある日の、花屋の過ごし方)
御縁・榊 2021年10月27日
【〆】