【RP】袖振り合うも、
御縁・榊 2021年10月25日
賑わいを見せるレトロな喫茶店の一角で、青年はのんびりと珈琲を飲んでいた。
皿の上には、ハムとレタスとチーズを挟んだサンドウィッチがみっつ。
時計は、昼飯に丁度良い時間を示していた。
「すみません、お客さま。混んで来たので相席お願いします」
店員の声に顔を上げる。
どうぞ、と穏やかに笑い返せば、店員はひとりの少女を伴って戻って来た。
💐
榊とリズリア
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御縁・榊 2021年10月25日
やあ、リズリア。奇遇だねぇ。
(見覚えのある少女に、男は何処か気怠く甘い声でのんびりと笑って、ひらひら片手を振って見せる。客商売だからか、一度顔を合わせて名前を聞けば、ほぼ忘れることはない。軽く組んだ脚の上に、空き席に置いていたショールを移動させる。ちょっと寒くなって来ていたから、防寒にも丁度良い)
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リズリア・エミル 2021年10月25日
(店員に案内された先、見知った顔に目を大きく開いて)……あなたは……確か。(まだ彼のことをよく知らない。そもそも、あの組織に招待を受けてから活動らしき活動に参加していなかったので顔を知っているだけの関係だ。名前を思い出そうとぐるぐる思考をめぐらせてから)……榊。で、良かったですか?……隣、失礼します。(名前を確認しながら椅子に座る)
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御縁・榊 2021年10月25日
おや、覚えてたねぇ。うん、御縁・榊と言うよ。榊でもお花屋さんでも、お好きに呼んで。
(可笑しそうにブルートパーズの瞳を細めて、穏やかな声。相手が座ると、その一拍後のタイミングで、どうぞ、と備え付けのメニューが差し出される。茶色いカバーに覆われたそれは、レトロな喫茶店らしく少しだけ日に焼けて古びていた)(相手がメニューを受け取ってくれれば、また男は珈琲に戻るだろう)
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リズリア・エミル 2021年10月25日
御縁・榊……そうでした。データは何度も目を通しましたから。(凛とした姿勢で席に座り彼を見る。差し出されたメニューは会釈しながら受け取って)お花屋さん一度行ってみたいと思っていました。棲み処に花が必要な場所があるので……。(メニューを眺めながら彼の皿を覗き見る)それ……美味しそうですね?
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御縁・榊 2021年10月25日
嗚呼、あの入った時に書いた奴。ん、花に興味があるなら何時でも店に来てくれて良いよー。
(ほっそりとした、けれど確かに男の手がサンドウィッチを持って、花唇が開く。もぐ、と噛み付くひと口は、ごく普通の男性のものだ。するりと伸びた尾が、動かすのにすっかり慣れた様子で膝の上のショールを整えて膝掛け状態にする)
美味しいよ。これのレタス抜きでホットサンドに、ってメニューもあるけど、蕩けたチーズが好きならそっちもオススメかな。
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リズリア・エミル 2021年10月25日
そうです。(真面目に読み込んでいた甲斐があったと頷きながら)ありがとうございます。是非行かせて下さい。お店の名前はなんですか?ん……ホットサンド…… (初めて聞く名前をメニューから探し出すと、確かに蕩けたチーズがとても美味しそうで)ああ、これですね?美味しそう……挑戦してみます。(喫茶店という店に来たのはまだ3度目。知らない食べ物もまだまだ沢山あった。注文を聞きに来た店員に紅茶とホットサンドを頼む)
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御縁・榊 2021年10月25日
店名は、L'oiseau bleu. 場所は、嗚呼、これ渡す方が早いかな。
(綺麗な発音。ロワゾ・ブルー。フランス語で青い鳥を意味する。幸せは直ぐ傍にあった、と話を結ぶ、幸せになるために青い鳥を探した子供たちの冒険譚と同じ名前だ。財布を取り出すと、其処から己の店の名刺を一枚取り出して差し出した。表側には店名や電話番号など、裏には地図やネットショップ用のQRコードが入っている。もっとも、今はネットショップは閉じているので不通だけれど)
君はこの世界の子じゃないんだっけ。ホットサンドも初めてか。
(チーズで火傷しないように気を付けて欲しい所。珈琲に口をつけて、またサンドウィッチを食べ進める)
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リズリア・エミル 2021年10月25日
ロワゾ・ブルー……。(彼の発音を真似してみる。聞きなれないその響きはとても綺麗だった)……異国の言葉ですね。(差し出された名刺を受け取り、珍しそうに表裏をひっくり返しながら眺めて感嘆の声)これは便利な……地図まであって分かりやすい。(問いかけに顔を上げて頷いた)はい。漂着組……とでもいいましょうか。もちろんホットサンドなる物も初めてです。榊は違うのですか?(彼の慣れた仕草と物言いから漂着した様子ではないと予測したが、なにせ見た目では判断つかないのがこの世界。あえて尋ねた)
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御縁・榊 2021年10月26日
うん、今は消えちゃってるけど、海のずっと向こうにあったフランスって国の言葉だねぇ。
(名刺を褒められると、嬉しそうにそっと微笑む。お皿の上のサンドウィッチを順調に攻略しながら、翼のある客用にと用意されている丸椅子に座ったまま緩く尾を揺らして)
俺は生まれも育ちも生粋の東京都新宿区民。他所の世界があるなんて知らなかったよ。他の一般人よりかは、不思議への耐性は昔からあったと思うけど。
(世界が変われば食物も当然変わる。この世界育ちで良かったと思うのは、食物の味は慣れ親しんだものから変わらないことだ)
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リズリア・エミル 2021年10月26日
フランス……どこかでまたその国の文化に触れることがあるでしょうから、覚えておきます。(今度図書館でフランスという国の本を探してみるのもいいだろう。そんなことを思いながら榊の翼や尻尾を横目で眺める)……生まれも育ちも。では此処が残ったのは幸運とも言えますね。(長い睫毛をそっと閉じて少しだけ口角を上げた)私もです。他の世界があるなんて知らなかった。ありとあらゆる世界から人が流れこんできて、ここも昔とは違うのでしょうけれど。それでも、自分の世界が残るというのは何だか不思議ですね。まるで何かに選ばれているような――そんな気がしませんか?何故ここが残ったのか少し疑問なのです。ん……不思議への耐性?(魔術的なものだろうかと首を傾げる)
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御縁・榊 2021年10月26日
世界としてはグランダルメにほぼ近いよ。
(彼処は本当にフランスの狂った史実のような世界だと思う。あの世界の住民からしてみれば、あの世界こそが正史なのだろうけれど。ふたつめを食べ終わり、またゆっくりと珈琲を味わう)
そもそも、魔法や異世界、召喚やら人間以外の異種族やら何やら、なんてこの世界の大多数にとっては単なる空想だったからねぇ。……さぁて、何か意味があるのやら。今の所は何も分からないけど、運命なんてあんまり信じてないしなぁ。
嗚呼、俺はこの世界がこうなる前から植物たちの声が聞こえてたし、多少なら植物たちを動かしたり、育てたりが出来てたからね。
(だから、不思議への耐性はあったと思う)
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リズリア・エミル 2021年10月26日
グランダルメ……なるほど。もう少し他の世界にも詳しくならなければ、と思うのですが。つい自分に関わりのある幻想竜域のことばかり追いかけてしまって……。(運ばれてきたホットサンドに瞬きが増える。覗き込むように顔を近づけて、美味しそうな香りに思わずがぶりと噛りつきたくなったが、手にした途端それの熱さに驚いて皿に戻した)運命をあまり信じていないのですね、私と逆。私はすべてが運命の輪に繋がっているように思えます。もちろん抗えない流ればかりではありませんが……。(変えられる運命と変えられない定めがある。自分の生い立ちを思えばそう思わずにはいられなかった)
……植物の声ですか?どんなことを語るのでしょう。興味があります。
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御縁・榊 2021年10月26日
俺もそんなに詳しくないよ、面白いなぁと思ったコトしか調べてないし。
(軽い口調で、男は悪びれもせず笑う。男の珈琲カップが空いたタイミングで、珈琲はおかわり自由だからか、店員が二杯目を注いで行ってくれた。それに礼を言って見送ってから)
中のチーズが蕩けてる分、ちょっと熱いと思うから気を付けて。うーん、例えくそったれな人生だろうと、全てが運命なんて良く分からない言葉で片付けられるのは俺の好みじゃないからねぇ。
(こうして竜となった今なら良く分かるけれど。自分は多分、思っていた以上に強欲なのだ。己の人生の一片までもが己のものでなければ気が済まない。定めなんて要らないし、敷かれたレールなんて御免被る)
今だとその辺の花瓶の花が元気だよ。他のお客さんがあんなコトを話してた、こんなコトをしてた、って賑やかに噂してる。植物たちは大抵、噂話が好きなんだ。
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リズリア・エミル 2021年10月26日
(「気を付けて」と言われてこくんと頷き、注意しながらホットサンドを一口。チーズの香りが口に広がる。表情の変化は控えめだが、瞳の輝き具合で感動していることは如実。じっと中身を覗いてからまた一口)……美味しい。(今日はまともに食べていなかったので尚更、満たされていく食欲と新鮮な味覚に感動していた)
リズリア・エミル 2021年10月26日
好みじゃない……そう言えるのは強さかもしれませんね。(温和な雰囲気に反して彼は意思が強いのだろうかと想像しながら。彼の考えもまた理解できた。同じように運命を信じない戦友たちは多くいたのだから――)
……花瓶の花?あれも話しているのですか。(驚きながら長め、珍しく可笑しそうに口元に笑みを浮かべた)……噂話とは、困りますね。植物の前で迂闊に秘密を話せない。いずれ榊の耳に届いてしまうかもしれません。
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御縁・榊 2021年10月26日
お気に召したようで何より。
(表情変化に目敏く気付いた男は、目元を和らげるように言う。そうしてあえかに微笑んでいると、確かに男であるにも関わらずどうにも性別が怪しい青年だった)
まあ、俺の考えだから、誰かに無理矢理適用させようとは思ってないけどねぇ。俺の人生の主人は、生まれてから死ぬまで俺で在りたいとは思うよ。
(のんびりとした口調と気怠く甘い声音にそぐわない物言いも、平然としたその表情が男の常であることを示していた。最後のサンドウィッチを手に取り、大きくひと口。咀嚼すると、瑞々しいレタスがシャキシャキと音を立てた)
ふふ、噂なんて簡単に千里を走るものだよ。現にほら、あの子たちは昨日店長の奥方に活けて貰ったばっかりで、長持ちするように栄養剤も入れて貰ってるから、お水が美味しいってさ。
(しれっとした様子で追加情報を入れて、悪戯っぽくブルートパーズが煌めく)
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リズリア・エミル 2021年10月26日
自分の人生を誰かに渡してはいけない……ですからね。(虐げられることを許容してはいけない。それが例え運命でも、抗うべきなのだ。頭ではわかっている。だからこそそう返して、紅茶のカップを口に運ぶ)ふふ……お水が美味しいとは可愛らしい。
(微笑む彼を見る。美しい色の翼と瞳、柔らかな色の髪と纏う花々、その優美な雰囲気は見惚れるものがあった。甘い声でありながら芯の強そうな言葉の数々に男らしさを感じつつも、その見目故に雰囲気は中性的で。きっと彼の花屋は繁盛しているだろうと思わせる人を惹きつける雰囲気は隣にいて心地良い)
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御縁・榊 2021年10月26日
(そうだね、と頷いた青年は、これ以上その話を重ねようとはしなかった。自分の考えは自分の考え。別に、誰しもそうでなくてはいけない、なんて言う気は更々ない。相手は相手、自分は自分。その辺りの線引きは大切だ。間違えると、押し付けになる。自分がそう在るのを誰かが邪魔するのなら、その時にだけは牙を剥けば良い話だ)
あの子たちは明日の天気予報もするくらいだからねぇ。今の所、とても良く当たる。
(植物たちのことを話す声は、優しく親しみを持っていた。植物たちは、空気中の水分量や風、日当たり、そういうもので明日の天気を認識しているのだ)
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リズリア・エミル 2021年10月26日
自然のことは自然の者たちが一番よく分かるのでしょうか。……榊のところで売られている花たちはどんな子なのか、近々会えるのを楽しみにしています。(ぺろりと食べてしまったホットサンド。喉が渇いたのか紅茶も水のように飲んでしまう)花が大量に欲しいのです。木の舟一隻が埋まるくらい。お店を空にしてしまわないといいのですが。
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御縁・榊 2021年10月26日
そうかもねぇ、植物たちにとって雨は恵みだから。
(お手拭きで手を拭いて、珈琲の残りを飲み干した。三杯目は必要ないと手振りだけで店員に断って)
ふふ、大丈夫。俺、植物たちを増やすのは得意だから。幾らでも買いに来ると良いよ。
(うちに品切れなんて概念はないからねぇ、と男は楽しげにふふりと笑う。事実、天の花を咲かせるという千年樹の竜と、生まれついての緑の耳と手を持った申し子が合わさった結果、この男にとって、植物関連で難しいことはほとんどないと言っても過言ではない)
御縁・榊 2021年10月26日
(さて、と呟いた男は、当たり前の動作でふたり分の伝票を持って立ち上がった。相手が果たして気付くか気付かないか。まあ、気付かれた所で、折角だからお兄さんに奢られてよ、と笑うだけだ)
俺はそろそろ店に戻らないと。それじゃあ、また今度。次は店に来てくれるのを楽しみに待ってるよ、リズリア。
(尻尾で持ち上げた秋用ショールを羽織って、レジへ向かった男は、そのまま電子決済をして店を出て行った)
(。)
リズリア・エミル 2021年10月26日
それなら安心です。遠慮なく買わせてもらいますね。(彼の手にかかれば増える一方なのだろうか。丁度いい。大量に買うことも迷惑でないのならあの花々が朽ちる前に仕入れに行こう。ハロウィンのお祭りも近いから南瓜をイメージしてオレンジの花などもいいかもしれない。人を呼ぶ準備をしているあの建物を飾り付ける想像をして嬉しそうに目を細めた)……はい、また今度。(別れの挨拶を交わしてから最後の紅茶を飲み干した。伝票がなくなっている事に気付いたのは少し後のこと。慌てて追いかけるものの姿はもう見えず。次に会った時はお礼を言おうと思い――)
リズリア・エミル 2021年10月26日
(そして『L'oiseau bleu』その言葉の意味も後から知ることになる。幸せは直ぐ傍にあったという青い鳥の物語。彼の店で手にする花々は、きっとそんな幸せを傍らで見守ってくれるのだろう――)
(。)
リズリア・エミル 2021年10月26日
――〆――