私立MM学園

【個】正義と勇気の振るい方

新堂・亜唯 2021年10月8日
新宿歌舞伎町、某下水処理施設。

あの日全部なくなって

この手には何も残らなかった

けれど、空っぽの掌だからこそ

新しく掴めたものもある

そして、空っぽの掌だからこそ

今、俺は拳を握りしめることができる

あとはその拳を、なんのために振るうのか


#新堂・亜唯 VS 野壺・太 (#最上・優人)




演出終了
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最上・優人 2021年10月8日
ザッ…………ザッ………カランカラン

(足元を照らす緑色の非常灯、薄暗い下水道を歩く一人の男)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
(その巨大な体躯以外の全てが鼠に似た男が一人、逃げ出していた)

「へっへっへ、悪いね諸君……もしお前達が勝ったらまた仲良くやろうぜ」 (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(ざっ、と。その行く先を阻む小さな足音)

――それ、誰に言ってんの? おじさん。

(出口の一つに通じる陰から、姿を現したのは小さな人影) (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
「――――――」
(誰にも知られていないはずだった)
(この逃走経路は自分だけの秘密の道、絶対にバレているはずが――)

「へ、へへ……どっちもってのはダメかい?」
(媚びるような笑顔、その後ろ手に鋭く研いだドライバー) (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
悪いんだけどさ、俺もけっこー狡い隠密作戦とかやるタイプで
おじさんが逃げそうな道に検討付けるのは、難しくなかったよ。

(かつん、かつん、と、ゆっくりとした足音が下水道に響く)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
……改めて聞かせてもらうね。
発電機は、どこに隠したの? (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
「発電機ぃ? 何の話だ? 見ての通り俺はよ、こうやって全部放り出して逃げてきたんだ。もう悪い事は嫌になったんだよ、大事な話も聞かされてねぇ。俺が来た道を通ればビルの中に入れるから探してみたらどう……………………だっ!!!!」

(へらへらべらべらと喋りながらじりじりと近づき――肩めがけてドライバーを振り下ろす) (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
っ……。

(振り下ろされたドライバーが、細い肩に突き刺さる)
(白い肌が裂け、赤い雫を滴らせ)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(肩に突き立ったままのドライバーを、もう片方の手で握り締める)
(むしろ、より深く突きさすようにして、捕まえる)

……こんなことしたら痛いよ、おじさん。 (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
「っはぁ!? てめぇイカれてんのか!!!???」
(咄嗟に引き抜こうとしてもまるで動かない)

「は、離せ!離せぇぇええええ!!!!!!」
(殴る、殴る殴る、躊躇がない、自分よりも小さい者を
 顔――それも目や鼻を殴り慣れている) (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(拳が顔を打つ。瞼を、鼻を、ごつごつとした大きな拳が何度も当たる)
(けれど、構いはしない)

……殴ったり、蹴ったり、噛んだり、刺したり、そういうことをされると、痛いんだよ。

(掴んだドライバーを、ゆっくりと、力任せに肩から引き抜いていく)

なのに、平気で人に痛みを与えられるんだね。
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新堂・亜唯 2021年10月8日
でもさ、思うんだよね。
おじさんと俺にどれだけの違いがあるんだろうって。 (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
「っ…………!」
(焦るな、そうだコイツ溺れはしたんだ。それにいくら頑丈でも体重は見た目通りだろ、捕まえて下水に―――)

(掴まれていない方の手が殴るのをやめ、首元へと掴みかか――) (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
あのあと信頼できる人に会って、考えたんだ。人に優しく出来る人と、出来ない人の違い。
俺がおじさんと同じにならないためには、何を忘れちゃいけないのか。

(トン、と軽くバックステップを踏む)
(小さな体は軽やかに後ろへ飛び、相手の手は空を切る)

それは、「痛み」を知ることだって。
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(左足を軸に、右足を真っすぐ天へと振り上げる)
(フィギュアスケーターのように、一本足でバランスを取った奇妙な構え)

――――螺月流。

(己が流派の名を唱える)
(それは奇しくも、相手も聞き覚えがあるであろう響き) (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
「—―――っ!」
(あの筋肉バカのケンポーの名前、だが大丈夫だ。あのバカみたいな体格と筋肉ならともかく、腹蹴ればそのまま飛んで行きそうなガキに殴られたところで――) (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(まるで、大きく足踏みをするように)


――――――〝断斧〟。


(掲げた足を、まっすぐに地面へ振り下ろす)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(地鳴りのような衝撃と共に)



(叩かれた床が、ひび割れた壁が、そして下水道の天井が――轟音を立てて砕け跳んだ) (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
「あ、ぎゃああああああああああああ!!!!!???」
(割れた床の破片が跳ね上がり、男の足、胴、顔へ突き刺さる)

「い、痛い、痛い、痛い!!!!!」
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最上・優人 2021年10月8日
(壁が崩れ、天井から大きな破片が落ちてくる)
「あ、危ねぇ!? は、離せ!離せ! 瓦礫が落ちてくる!?」
(掴まれた腕を必死に引っ張るがびくともしない)

「あああああこのままだとお前も埋まるんだぞ!?」

(自分より遥かに小さな少年に掴まれた腕を振り払おうともがくその様子は、まるでピエロのパントマイムのように滑稽だった) (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(落ちてくる瓦礫の中、小さな手は、掴んだ男の腕を離さない)

……最上さんくらい、上手くできたら良かったのかもしれない。
でも、俺には「手加減できるほどの才能」もなくってさ。

(足元に入れた罅はなおも広がっていき、足場が崩れるのも時間の問題)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
だから、最後の最後までおじさんが反省できなかったら……まあ、それは仕方ないや。
俺も埋まってあげる。
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新堂・亜唯 2021年10月8日
もう一度聞くね。

発電機の場所は、どこ? (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
【野壺・太】
「あ、ああ……げ、下水処理施設の地下管理室だよ! この奥の道を進めばドアがある! 丹頂の奴が鍵も渡してきたけど俺は放っておいたから開けっぱなしだ! 頼む、頼む頼む離してくれ!」

(半狂乱でがなり立てる男、元より仲間意識など欠片も無かったのだろう、聞かれもしない組織の長の名前すら平気で口に出している) (無効票)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
そっか、ありがと。

(そこまで聞くと、掴んでいた男を離し――)

でもごめん、やっぱ俺、力加減上手にできなかったや。
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新堂・亜唯 2021年10月8日
(――ひと際大きな、2メートルほどはあろう瓦礫がその場に墜ちて来て)

手荒でごめんね。

(潰される前に、下水の流れの中へと、男をやんわり蹴り飛ばした) (無効票)
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最上・優人 2021年10月8日
「ギャ!?」
(ざばん、と大きな音を立てて汚水の中へと落ち――)

「ごばっ、ぐぞっ、ぐぞっ、ぢぐしょぉぉおおごぼ、がばっ」

(そのまま下流へ下流へと、流されていった) (演出終了)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
……最上さんはすごいなぁ。
俺も優しい拳が撃てれば、もっと上手に説得できたのかも。

(流れてゆく影を見送りつつ、大きな瓦礫が眼前へと迫り――)

螺月流……。
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新堂・亜唯 2021年10月8日
〝徹拳〟。

(突き上げた拳で、難なくそれを叩き割る)
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新堂・亜唯 2021年10月8日
……にしてもだ。戦意を失ってもらいたかったとはいえ
ちょっと派手にブチ壊しすぎたというか。

(傷口の血を拭い、瓦礫を踏み越えて)

修復加速でなんとかなっかな、これ……。

(まっすぐ、まっすぐ、通路の奥へと走って行った) (演出終了)
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