【1:1】海千山千の女たち、或いは呪われた秘宝
クローディア・ベネット 1月27日21時
自由に今よりも遥かに高い値が付いた時代、力づくで奪い取った己の人生を謳歌する女たちがいた。
片や山賊として、片や海賊として。
かつてエルドラードの大西洋を往く船上で一度共闘した彼女らを、とある呪われた秘宝が再び引き合わせる。
舞台:最終人類史のどこか
キャスト:リブシェ・レッドスケイル、クローディア・ベネット
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クローディア・ベネット 1月27日21時
よし、ここで間違いないはずだな。
……クローディアだ。リブシェ!開けて貰えるかい?
(リブシェから事前に案内された場所に時間通り辿り着いて、クローディアは眼前の扉をノックした。錬金術師にして山賊だという女の根城はどんな有り様なのか、幾らかの不躾な予想を胸に秘めながら)
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リブシェ・レッドスケイル 1月28日07時
はぁい?
(中からガウンドレス姿の女が出てくる。相手を見て成る程、と納得して中へ誘い。中は現代的な部屋だ。所々にオカルティックな物品やアンティークな飾りが置かれているのを除けば、だが)
お掛けなさい。ワインは如何? それとも、ラムの方が宜しいかしら。
(本人は酒棚の方を見に行って)
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クローディア・ベネット 1月28日23時
おう、ありがとうな。お邪魔するよ。
(クローディアは室内に入っても脱帽しなかった。世の中の礼儀に素直に従うのは海賊らしくない、ということだろう。とは言えそれ以外は至って落ち着いた様子で――怪しげな品をちらりと一瞥はしたが――勧められた椅子に腰かける)
最初に勧めてくれたワインを頂こうか。ラムは船で飲むのが好いんでね。
それに今日は、馬鹿みたいに酔いながら話をしたくて来たわけじゃない。
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リブシェ・レッドスケイル 1月29日05時
(帽子には特に何も言わない。「気楽な場」なのだ。気にする必要などと言う風に。もしくは慣れているのだろうか)
じゃあ、プロヴァンスのロゼを。ちょっと気取った色だけど、味は悪くなくてよ。
(慣れた調子で硝子の器に二杯注ぎ、ひとつをクローディアへ刺しだして)
健康と幸運に乾杯、と言ったところかしら。……それで、ご用件は……宝物、だったわね?
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リブシェ・レッドスケイル 1月29日05時
(刺し出して→差し出して)
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クローディア・ベネット 1月29日23時
いいじゃないか、朝焼けの海の色だ。頂こう。
ならず者が自分から投げ出す、全てのもの達に乾杯。
(クローディアは受け取ったグラスを軽く持ち上げて見せる。それから、一口目を呑んだ。香りは甘く、しかし味わいは切れ味のある辛さ。総じて爽やかながら骨があって、女伊達の徒には似合う酒だと感じられた)
その通り。しかもとびっきり呪われた宝物だ。
あんたにしてみれば見慣れているのかもしれないがね。あぁ、だから見てくれと頼めた、とも言えるかもしれないな。
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リブシェ・レッドスケイル 1月30日16時
いいじゃない、ホメロスめいてて。
あれは夕焼けだったし赤ワインだったとは思うけれども――。
(くい、と飲み)
あとは、最新鋭の機材にも乾杯。冷えた葡萄酒がこんなに美味だなんて!
(しばし微笑み、ワインを楽しんでから)
ふふ、呪いなら友人のような物よ。……それに宝物も大好き。見せてちょうだいな。
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クローディア・ベネット 2月1日02時
あれだな、指薔薇色のエーオース[暁の女神]の方ならぴったりだ。昔読んだきりだが……。
エイレーネみたいに全編諳んじるのは無理だよ。
(粗暴な印象――実際戦いぶりは至って荒々しい――に反して、クローディアは教養めいたものの片鱗を垣間見せることがあった。生まれながらの荒くれ者ではないのかもしれない)
そうか、そうか。だったら遠慮はいらないな。
少し机の上を借りるぞ。
(コートの裏に隠した【アイテムポケット】を手に取り、その中から件の品を取り出す。ポケットの小さな口から物理法則を無視して飛び出してきたのは、古びた宝箱だった。黒ずんだ木箱に厳重な錠がかけられたそれを、クローディアは取り出すだけ取り出したが、開こうとしない)
鍵を忘れた訳じゃない。これ自体が見せたかったものさ。
(宝箱の鍵穴から、冷たい呪詛の気が漏れ出つつある様子をクローディアの指が示す。直ちに復讐者を害するものではないが、いかにも禍々しい)
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リブシェ・レッドスケイル 2月1日21時
エイレーネさんにとっては、当時の物語ですもの。あなたは古い物語がお好き?
(エーオースの言葉に微笑む女。こういった会話は好きなようで)
あら、冷たいこと……(冷気の呪詛に少し眉根を寄せて)
開けるに開けられない、でいいかしら? この子。
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クローディア・ベネット 2月2日21時
ああ、胸躍る冒険譚ってのは嫌いじゃない。
ガキだった頃、アラビアンナイトの英訳[1706年初版]が出てね。リブシェの時代にはまだヨーロッパで出てなかったかな?
とにかく、あれも親父の本棚からこっそり取って読み耽ったもんだ。
(彼女の言葉を信じる限りには、出自はイングランドにあるらしい)
ご名答だ。私はこいつの「鍵」を……もしくは、鍵なんか無くても開けちまえる方法を探してる。
だが、一目見ただけじゃ、わざわざこんな呪いの塊なんか開けない方がいいと思われて当然だろう。
そこでちょっとばかし、こいつの……そして私の身の上話ってやつをさせて貰ってもいいかい。
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リブシェ・レッドスケイル 2月4日10時
アラビア……うーん。わたくしの時代にはまだね。
(16世紀の女は、くすりと笑んで)
わたくしも父親の本棚から薬の調合などの書き付けを読んで怒られたわ。昔から悪い子でした。
ええ、そうね。よろしくてよ。身の上話をどうぞ。
……舌を軽くするためにワインのおかわりは?
それとも、お茶の方が良いかしら。
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クローディア・ベネット 2月5日23時
お互いこの盗み癖は揺りかごから墓場まで、いや地獄まで持っていくことになりそうだな。はっはっは!
(愉快そうに哄笑して、残りのワインをぐいっと飲み干す)
有難い申し出だ。ワインをもう一杯貰おうか。
身構えないでくれよ。身の上って言っても、生まれてからの年譜を逐一述べる気はないさ。
私にとって大事なのは、家の商売の付き添いでイングランドから西インド諸島に来て……親父に嫌気が差した末、家を飛び出して海賊になった後のことだ。
ったく、奴隷の女を抱いておいて奴隷で儲け続ける奴の考えは私にはよくわからなかったな。
(あけすけな悪態は、クローディアの黒い肌と合わせて彼女の出生を匂わせていた)
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リブシェ・レッドスケイル 2月8日19時
ふふふ、地獄でお目に掛かったら、何かやらかしましょ。
(ワインをもう一杯、少し味わいが花開いて変わっただろうか)
あら、西インド諸島――。
(自分の後の『時代』について思い出すように、こんこんとこめかみを突いて)
わたくしの知り合いの子に、その時代の出身の方がいますけど。あまり彼女は世情には詳しくなかったですし。
(悪態に何か察したのか、目をパチパチさせ)
ええ、ええ、殿方は大体においてわがままなこと!
(少し訛りのある発音で、オーララ、と呆れたように呟いた)
それで――海賊業で、何かあったのよね?
(詳しく、と身を乗り出す)
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クローディア・ベネット 2月11日22時
ありがとな。じゃあ、悪魔の船でも盗んでやろうかね。
(空気に触れたワインは少しずつ味が変わっていく。鋭い辛さの中に滲む酸味が濃くなったように感じるのはそのせいか、これから思い起こす記憶の仕業なのか)
エルドラード出身で、世間ずれしてない奴って言うとナナか。最近見てないが元気そうかい?
……まったくな。男もケツに馬鹿デカい出来物の一つや二つでも作りゃいいんだが。
(リブシェの呆れに苦笑を返し、冗談めかして吐き捨てる)
そう、あれは私が船長の座に就いて半年近くが経った時の話だ。
意地の悪い前任者をクーデターで海に沈めた時……こういうのも海賊船じゃよくあることだったが……私は投票で新船長に推挙されてね。新生海賊団がいよいよ軌道に乗り始めた頃、野郎どもと酒場で飲んでたら、とんでもないお宝の噂を聞いたのさ。
「死者の宝箱」――勿体ぶるまでもないな。今目の前にある、こいつのことだ。
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リブシェ・レッドスケイル 2月13日19時
ああ、元気よ。結構好きにやってるみたいで。
(万色の目の少女はそれなりに元気にやっているらしい。そんな話をしつつ)
(しばらくワイン片手に宝箱を見ていたが、ぽそりと)
ええ、ええ、死霊といえば冷気がお似合い。鬼火もまあ、ありますけど……そちらは地獄のお仕事。
そこで、宝箱を探しに乗り出した、というところかしら。
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クローディア・ベネット 2月18日00時
そいつは良かった。ああいう女こそ、新宿島で好き勝手生きてほしいもんだね。
(以前対面した時に察した雰囲気や境遇から、密かに気遣わしく思っていたのだろう。ふっ、と安堵の吐息を溢した)
話が早いな。行くかどうかは掟に則って投票で決めたんだが、満場一致でね。
全く、あいつらには普段から酷い扱いをしてやるんだったな。
聞いた話によれば、「死者の宝箱」は名前の通り死人の魂に関する力を持つ宝だ。
中に他人の魂を閉じ込めれば、亡霊の兵士として意のままに操れ、自分の魂を入れれば、箱の中身が無事な限り体がどれほど傷つこうと死なない無敵の戦士になる。
なんとも馬鹿げた話だが……私には飛びつく理由があった。
クローディア・ベネット 2月18日00時
何せ、その宝箱の持ち主だって騒がれてた奴は……。
――この手で仕留めたはずの、先代船長だったんだからな。
(奴の忌々しい笑顔を思い出すと、口の中に泥から煮出したコーヒーでも流し込まれたような気分になる。過去の幻影と戦うために酒を一気に呷った)
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リブシェ・レッドスケイル 2月28日11時
女の子は丈夫なものよ。ちゃんとした水と服と友達が居れば、元気になるものだわ。
(それが難しいのですけども。溜息をついて)
ネクロマンシー。古い魔法ね。
(しばし考えて)
あらあ。それじゃあ、その「持ち主」さんは……外法の使い手だった、ということかしら?
殺しても死にそうに無いのよねえ、そう言う方。
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クローディア・ベネット 3月6日01時
ははぁ、違いない。
実を言うと、占いで余計なものを視て真に受けちまったんじゃないか、なんて考えてたが……その心配もなさそうだな。
頼りが無いのが元気な証拠ならそれでいいんだ。
(予見者としての才が人を幸福にすることはあまりない。カサンドラだってそうだろう。クローディアにしてみれば、ナナにとって力が重荷になっていないことを願うほかに手がなかった)
クローディア・ベネット 3月6日01時
殺して死なないだけなら、手足に重りを付けて海底に沈めてやるよ。
だが奴はもっとタチが悪かった。
いつの間にかアビスローバーになってたのさ。クロノス級のな。
(喉奥の酒気と共に、溜め息を吐き出して)
気付いたのは、奴の根城だっていう島に乗り込んで直接の勝負になってから……つまり手遅れだった。
あの頃の私は自分に妙な力があることには気づいてたが、他にも使える奴がいるなんて知らなかったんでね。
奴が放つパラドクスを前に、手下を護り切ることなんてできなかったよ。
どいつもこいつも、遺言は「俺のことはいいから宝を!」の一点張り。もちろん私も進み続けた。
後悔はしてないが……私含め、どいつもこいつも前しか見えてなかったな。ならず者の世界ってのはそんなものかもしれないが。
息をするごとに手下が弾避けになってくたばる。それでも私は先代のクソ野郎の下へ走ったよ。
そして奴の一瞬の隙を突いて伸ばした手が、宝箱に指をかけたんだ。
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リブシェ・レッドスケイル 3月7日18時
神にだけは愛されたくないわ。
(悪戯っぽく笑んで、フリーに乾杯、と呟いた)
……あらー、ほんとたちが悪いこと。殺したら大人しく地獄に行きなさいよ。それが悪党の誉れってものでしょ?
(毒づいた。色々思うことはあるらしい)
そうね……宝を目の前に逃げるのは難しい。
わたくしも似た采配となりそうね。特に、嫌な奴が持っているとあったら。
――そして、どうしたの? 今の様子だと、無事逃げられたのだと思うけど。
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クローディア・ベネット 3月11日22時
神にも悪魔にも愛想を尽かされるのが密かな目標さ。
(今は未だどちらかに、或いは両方に魅入られているのだろうか。『海神』の尻尾を掴んだ代わりに、船を沈められかけた時なんかはまさにそうだったかもしれない。自嘲気味に鼻で笑って、酒を継ぎ足す)
生憎だが逃げきれたらここにいないさ。クロノス級にやられた復讐者の中で悪運のいい奴が新宿島に流れ着くんだからな。
その代わりに、宝箱だけは私の物になっていた。
……箱の中に吸い込まれてた手下の魂が、内側から箱を乗っ取ってくれたのさ。元々入ってた亡霊の兵士どもが総出になった隙を突いてね。
先代は不死者じゃなくてクロノヴェーダになってただけで、奴の魂は入ってなかったのもラッキーだったよ。
馬鹿なことを、と嘆く暇もない。いつも通り皆を指揮して戦って……だが結局、負けた。
(流石に堪えるのか、目元を隠すように帽子を目深に被り直し、さっき注ぎ直したばかりの酒を一気に飲み干す)
(演出終了)
リブシェ・レッドスケイル 4月5日21時
ああ、そういう……(逃げ切れなかった。その意味を悟って大きく溜息をついた。何処も難儀な話だ、全く)
(あなたは頑張った、なんて陳腐な慰めはこの場には似つかわしくない。荒くれ者の頭領として、そういった局面には女は何度か出会ってきた)
(だから、出来るのは)
死者に乾杯。
(少し皮肉げに唇を上げて、盃を掲げることだけ)
(PL:大変返信が遅くなってすみません、また出てこれるようになれましたのでお付き合いよろしくお願いします……)
(演出終了)