底の底 弐
ゼキ・レヴニ 5月3日21時
スポットライトが落ちてくる。
薄暗がりの中の、君ともうひとりに。
歓声が落ちてくる。
汚い野次が足元の血痕に跳ね返って、ふつりと消える。
“The Pits”――『底の底』。
君は此処まで落ちてきた。
理由は何だ。
腕を試しに?
借金のカタに?
金を稼ぎに?
どれも外れだと、そう言うだろうか。
どうであれ、此処で出来る事はひとつだ。
勝者はひとりだ。
戦え。
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●模擬戦。置きレス進行。1名様まで、ゼキと模擬戦をやった事がない方ならどなたでも。初見でも知人でも歓迎
●ルール・設定:
https://tw7.t-walker.jp/club/thread?thread_id=26479
●鐵顎圏のアリーナ、深夜。『底の底』と呼ばれる賭け闘技。勝者は多額の賞金(新円)を手に入れられる。
●1ヶ月誰も来なかったらスレごと消します。
1
ゼキ・レヴニ 5月3日21時
――で、どうなんだい、お前さんは?
(対戦相手の男が、指に挟んだ煙草の火先で君を指す。サイボーグの証たる鋼の腕が、スポットライトの下で剣呑な光を返した)
(問いかけの意味なんか決まっている)
(――“どうしてお前は、こんな所まで落ちてきた?”)
(隅に据え付けられた大型装置が壁に数字を投影し、アナウンスがカウントダウンを始める。「試合開始まで、あと10秒、9、8……」)
湯上・雪華 5月3日21時
まぁ、遊び相手を探して、ですかね。
普段だとあまりやりすぎないように、しちゃうので……
思いっきりやっていい、んですよね?
(クスクス笑いながら、あの時とは違う。黒いパンツとジャンバーに刀を携えて現れた)
ゼキ・レヴニ 5月3日23時
ふは、そうか。激しい「遊び」がお好きってかい。
――しかし今日は、ビシッと決めてきたじゃねえの。
(影を切り抜いたような黒。依頼で度々目にした可憐さと打って変わった凛々しい出立ちに、僅かに目を細めた)
ああ。血が流れれば流れるほど観客は喜び、主催はガッポガッポ儲かるって仕組みだからねえ、ここは。
……誰もお前さんを止める奴はいねえ。気ぃ済むまで戦り合えるぜ。
(ニッと気さくな笑みを向けながら、手の中で金属の塊――『躯』と名付けた得物を弄ぶ)
(「あと5秒、4、3……」)
(大型装置が稼働し、プロジェクターじみた挙動でアリーナの空間を書き換える。投影された光の網が畝り、実体のあるテクスチャが貼られ――現出したのは、一面の銀世界。冷えた風に粉雪が舞う)
ゼキ・レヴニ 5月3日23時
(ぱきり、と氷が割れるような音がした。男が手の中の金属塊を砕いた音だった)
【先攻判定】
湯上・雪華 5月4日20時
あは、それはよかった!四肢の一本、二本、弾き飛ばしてもいいってことですね!
たまには何もかもぶちまけるような戦いをしたくなるんですよ。
(嬉々として刀を構える。狂気が見え隠れする笑みを浮かべた)
なら、渡りに船。とことんまで遊んでくださいな?
渇望抱く伽藍、参ります。
【先攻後攻判定】
湯上・雪華 5月4日20時
【先攻】
まずは小手調べから、ですね。
(一歩踏み出し、飛び出す。距離を詰める所から。行うべきは移動の速度を乗せた一撃)
ふふ、綺麗な赤い華、見せてくださいな?
(心臓を狙っての刺突を繰り出そう。早く、鋭く、切っ先を突き出した)
ゼキ・レヴニ 5月5日23時
【HP5】【反撃】
弾き飛ばせる程ヤワな四肢じゃないぜえ。刀が折れねえように気ぃつけな。
(誇示するように突き出した機械の腕に、砕けた金属片が寄り集まり、曖昧な形を成していく)
――渇望とは良く言ったモンだ。なんていい顔しやがる、
(対して己も気さくに、気軽に、笑みを深めた。まるで、子供が遊び相手に向けるような)
(アナウンスが「0」を告げる声の残響も消えきらない一瞬に距離が詰まる)
ッ、(突きの速度に武器の生成は追いつかない。刃を横に押しのけ逸らそうと鋼の腕を構え)
ゼキ・レヴニ 5月5日23時
【HP5→4】【攻撃】
(腕は刀の軌道を心臓から僅かに逸らせただけに過ぎなかった。刀の切先が生身の胸を貫き、真っ白な雪にぽたぽたと朱が落ちる)
(ぐ、と奥歯を噛み締め痛みを耐え、刀の切先が抜けないように刀身を掴む)
(その顔で未だ、笑っている。目に奥に生への希求を湛えて)
小手調べにしちゃ狙ってくるじゃねえの……!
(刀を掴んだ方と逆の片手に寄り集まった金属片は、既に五指に伸びる鉄爪を形づくっていた)
おれのドス黒い血ぃよかお前さんの血の方が綺麗でねえ、の!
(至近から鉄爪を逆袈裟に斬り上げようと)
湯上・雪華 5月6日22時
【反撃】【HP5】
ふふ、だってその方が楽しいでしょ?
(あぁ、綺麗な赤だ。生身の所もあるんだと気づいた。そこを狙えばもっと見れるかな)
ボクの血?綺麗じゃないですよ。赤は綺麗でも意味が無いですから!
(刀を抑えられた、動くなら手放さねば迫ってくる鉄の爪から逃げられない。逃げるなんてもったいない。左手で鞘を構える受け止めようか)
湯上・雪華 5月6日23時
【被弾:HP4】
無理か。
(鞘で受け止めようとしたが、弾かれ、脇腹から肩へかけて切り裂かれる。ボロ布とかした服を気にかけずに嗤う。やっぱり強い)
これだけでれば、行けるかな。
模倣、気高き焔。喰らい尽くせ。
(流れる赤を燃え上がらせ、猟犬の首へと形作る。眼の前にいる彼の腕を噛み千切れるだろうか)
【攻撃】
ゼキ・レヴニ 5月8日00時
(訂正)【雪華:HP5】【ゼキ:HP3】
ゼキ・レヴニ 5月8日00時
【HP3】【反撃】
(手応えはあったものの、深手には至らない。だが至近からの攻撃に一歩も退かなかった君の度胸が気に入ったのか、返り血を浴びた頬をますます歪ませて)
そうだなァ、楽しくなってきたとこだ!
意味がねえ血なんてあるか、お前さん自身の命を滴らせてるようなモンなのによ、――!?
(熱気が肌を焼く。燃え上がる赤を纏って雄々しく顕れた炎の猟犬の睨む先を察し、刀を掴んでいた手を離した)
(後ろに一歩下がりながら、鉄爪のかたちを解く。ばらばらになった鉄片が細胞のように分裂増幅し、再び寄り集まり、分厚い鉄の板と化す)
(そうして生成した大盾を前に構え、迫り来る猟犬の牙を遮ろうと)
ゼキ・レヴニ 5月8日01時
【HP3→2】【攻撃】
――!!
(炎の牙が大盾の一部ごと左腕を食いちぎる。熱で溶け歪んだ断面から血管のような配線が垂れ下がり、血のかわりに青白い火花が散る)
ふ、は、っ。意味ねえどころか。
お前さんは……その命ん中に、獣を飼ってるって訳だ!
いいねえ、戦場じゃそうじゃなくっちゃなあ!
(機械部分の痛覚はほぼ切ってある。片腕を失い不利にはなったが、痛みを感じぬのなら怯む事もない。欠けた大盾の一部を再構築し、右手で引き寄せて構え)
おかげでエンジンに火ぃついちまった。
こっからはフルスロットルで行くぜ……!
(出力を上げた機械の脚が熱を発し、足元の雪が溶けていく。ぐ、と力を溜めてから強く地面を蹴り、猛スピードで突進。盾ごと体当たりして弾き飛ばし、骨を粉々に砕いてやろうと)
湯上・雪華 5月8日23時
【反撃】【HP5】
私の赤じゃ、生きてるって感じるだけなんですもん。
もっと、熱を感じる闘争が欲しいんです。燃やし尽くされるようなのはごめんですけど!
(あの時、一緒に居たのだ。これで伝わるだろう。噛み砕いたのに、ひるまないのは流石の一言。あぁ、これだから、命のやり取りは愉しい)
飼ってるというか、飼われてる?大事なヒトの炎を貰いましたから!
(すごいでしょ?って赤く染まりながら笑う。この場には不釣り合いなほど無邪気な笑みで)
あは!もっと、踊りましょう?
(鋼の体躯での体当たりは受けたらひとたまりもない。斜め前へ大きく踏みこんで、すれ違えば威力は殺せるかな)
湯上・雪華 5月8日23時
【HP4】【攻撃】
っ……
(判断まではよかった。行動に移す前に強い衝撃を受けて撥ね飛ばされる。1回、2回と跳ねてから、雪の上を転がって止まった。あちらこちらの雪を赤く染めあげる)
痛いけど、動けないわけじゃない。
(痛み止めのお呪いが効いてるらしい。骨が砕けてるのに、動けるのだから、ありがたい。ふらつきながらも立ち上がって、デリンジャーを抜く)
渇望の呪詛、お見せしますよ。
貪り喰らえ。
(流れていく赤を弾倉に詰めて、真紅の弾丸と成形。正面から彼を見据えて引き金を引く)
ゼキ・レヴニ 5月11日22時
【HP2】【反撃】
――そうか、
(ブレーキがわりに大盾を雪上に突き立て、突進の勢いを殺す。太い轍に、未だ胸の傷口から流れる赤が彩りを添えた。ぶん、と重い盾を振って雪煙を退けながら)
どおりでアツアツなワケだ、大事な人のなら尚更だよなァ……
(戦場に似合わぬほどノホホンと微笑ましげに曰いながら、視線は次の動きを追っている。大盾は鉄片に解かれる)
ああ、見えるぜ。お前さんの目に。
燃やし尽くされたって消えやしない、闘争の炎が……!
(だからこそ、彼も己も「踊り続ける」のを止めやしない。斃れる事を良しとしない)
(呪詛が装填されたデリンジャーの銃口がこちらを睨む。横に跳んだところで狙いを調整されるだけだろう。先程大盾が掻き分けた雪の塊が目隠しになる場所に、仰向けに倒れ込むように回避を試みながら)
目には目を、銃には……
(鉄片が残った片腕に寄り集まり、形作ったのは――)
ゼキ・レヴニ 5月11日23時
【HP2→1】【攻撃】
……ッ!!
(呪詛の弾丸は正確に、かつ迅速に、回避の動作に先んじて男の腹を貫いた。呪詛のみが傷口に留まり、臓腑の内側から身体を蝕む)
ゴフ……ッ、銃を、だ……ッ!!
(内側からひっくり返されるような痛みに耐えながら片腕で掴んだのは、鉄片が編んだ歪で長大な対物ライフル。血を撒き散らしながら仰向けに倒れ込んだ姿勢から、俗に言うプランケット・ポジションで銃を構える)
(「躯」が形作る武器は、概念的な側面が強い。核である人物の記憶を形にしたその銃は、装填すらも必要はなく、ただ引金を引くだけでよい。腕一本での無茶な構えも姿勢も、強靭な機械腕だからこそ)
(狙うは心臓、ただひとつ。外せば後はない、そう感じるほど心は凪いでいく)
(狙いをつける一瞬はスローモーションのように。引金を引けば、轟音とともに世界が動き出す)
湯上・雪華 5月14日20時
【反撃】
こんな楽しい事、すぐ終わらせたらもったいないですもん!
(当たった。追い詰めた気がするけど、油断はできない。まだ、踊り足りないのだから)
わ、すごい!ライフルだ!
(その場で組み立てらているのを見て興味が湧く。どういう仕組み何だろう。純粋に尊敬する。あぁ、斬ろう。刃を射線に合わせて、置いて)
湯上・雪華 5月14日21時
【攻撃】【HP4】
真っすぐでいいです。とっても素敵。
(綺麗に弾丸を斬り裂けた。心臓狙いだと、更に赤く染まったけど、それはそれ。あぁ、楽しい)
ふふ、いいです。とってもいいです!
もっと、もっと、欲しくなる。
(雪を踏みしめて、走り出す。彼我の距離がそこまでないとしても三歩でトップスピードにのせて、首を撥ねようと刀を振るう。まっすぐ狙ってくれたのだから、その分、お返ししないと)
ゼキ・レヴニ 5月16日23時
【HP1】【反撃】
(真っ二つになった弾丸が観客席を守る魔道障壁にぶつかり、君の背景にふたつの火の華を咲かせる。爆炎を背負った剣鬼めいたシルエット、非現実めいたその技量を目にすれば、こう呟かずにはいられなかった)
ふは、あり得ねえ……。
(驚嘆と賞賛、若干の呆れさえ含んだ呟き。それが紫煙とともに消えゆく前に、仰向けの姿勢から気力を振り絞って上半身を起こした。風のように駆け来る剣士を睨み)
欲張る、ねえ……ッ!
(流れた血の量は既に限度を超え、意地のみが体を動かす。片足を引き寄せ、ライフルを杖がわりに突き立て――刃が閃くその瞬間、前に向かって撥条のように飛び出した)
ゼキ・レヴニ 5月16日23時
(刃を振るうその腕の下から、前屈みに懐に飛び込むと)
――ッまだまだァ!
(己だって貪欲なのには変わりない)
(もっと、もっと、もっと。生を感じる戦いを、)
欲しいんならこいつを喰らえッ!!
(その為ならステゴロでも何でも構わない。顎に向かって下から突き上げるように、思いっきり頭突きを喰らわせる!)
湯上・雪華 5月20日21時
【被弾:HP3】
あ、んぐっ……
(まだ、遊べる。徒手空拳での間合いに来てくれた。こちらの刃を潜り抜けて頭突きされた。食いしばる前に衝撃が脳髄を揺らす。視界がぐらりと揺れて、体勢を崩してしまう)
ゼキ・レヴニ 5月22日23時
【HP1】【攻撃】
(君の体勢がぐらりと揺らいだのを見た)
(畳み掛けるなら今だ――否、今しかない)
(頭突きの衝撃で飛びそうになった意識の糸を意地で掴み、目を、瞳孔を、開く)
(掴んでいたライフルが崩れ、ばらけた鉄片は細く長く連なって鉄条網のかたちを成す。そいつが巻き付いた機械腕を弓を引くように振り上げ、固く硬く握り)
――うぉらァッッ!!!
(半身を捻る勢いで振り抜く。避けられなければ、鋼の重さの強烈なボディフックが内臓を揺らし、巻き付いた鉄の茨が肌を裂くだろう)
湯上・雪華 5月25日10時
【反撃】【HP3】
(視界の端、鉄条網が巻き付いた腕が見えた。狙いはボディだろうか。後ろに下がれば避けられる、だろうか。力が抜けた体でどこまで動けるだろうか)
湯上・雪華 5月25日11時
【被弾:HP2】
ぁ”っ
(ろくに動けないまま腹を殴られ、吹き飛ばされる。柔らかな皮膚が裂かれ鮮やかな赤が更に増える。中身がまろびでないだけ、マシだろう。痛みがどこまでも響く)
……あ、は。あはは。
あかく、あかく、こごえて、そまれ。
(雪が降り積もっているのなら、今より凍えさせればいい。模倣を、魂をも凍てつかせる冷気を。何もかも凍えさせる灰なる炎を。この場を、八寒地獄へと化せ。
彼を凍てつく獄へ招こうか)
【攻撃】
ゼキ・レヴニ 5月26日00時
【HP1】【反撃】
フーッ……(腕を振って払った返り血が、空中で急速に凍っていく。銜えたままの煙草の火が消え、荒く吐いた息がダイヤモンド・ダストにきらきらと輝く)
(この極寒の地獄から逃れる術を。思考まで凍りそうになりながら『躯』に招び出したのは戦場の料理人の温かな記憶、その具現化たる鉄の大鍋)
出力……全解放……ッ、
(背骨の外骨格に指令を下し、残った生体エネルギーを四肢の機械部に注ぎ込む。指先からおりる霜と生体エネルギーを注いだ電熱がせめぎ合い――)
ゼキ・レヴニ 5月26日00時
【反撃成功】【演出】
(シュウ、という小さな悲鳴を残して霜が溶ける。指先を伝った電熱は大鍋へ。瞬く間にその鉄の肌が赤熱し、中で溶解した鉄片が男の周囲に陽炎を揺らめかす)
ふは、は、……寒ぃなァ。
熱い茶ァでもしばくかい。
(大鍋を振るえば)
燃えりゃもっと明るく染まるぜ、
(溶解した鉄が舞い、火の雨が君に降り注ぐ)
湯上・雪華 5月29日19時
【被弾:HP1】
あは、とかされちゃったや。
(立ち上がる余裕もなくて、倒れたまま空から降る火の雨を見上げていた。顔だけ防ぐので精いっぱい。斬り裂かれた傷口が焼かれて塞がるも、その痛みに声なき叫びをあげた)
ゼキ・レヴニ 5月30日23時
【HP1】
(降り注いだ火の雨は雪に触れれば一気に水蒸気となり、アリーナ中が白い靄で覆われる)
(喉奥から込み上げる血混じりの掠れた声で、靄を通して呼びかける)
なァ、お前さんの「渇望」もそろそろ満たされる頃かい?
おっちゃんはもうくたくただよ。
(新しい煙草を銜え、大鍋に残る鉄から火を取ると)
じゃ、――終わらせちまおうか。
(フッと吹きかけた紫煙の中で大鍋が槍に変形する。そいつを脇を締めて構え、強く地を蹴る)
ゼキ・レヴニ 5月30日23時
(最早防御は考えない。己か彼か、一か八か)
(疾駆は颯を纏って。一歩、二歩で靄を突っ切り、鋭い穂先を突き付ける!)
【攻撃】
湯上・雪華 6月2日21時
【反撃】
そう、でなきゃ、ね。
(どこもかしこも痛い。誤魔化しきれない痛みが器を焼く。それが心地よく感じくらい、気分が高揚して、立ち上がる。彼の穂先を受け止めるより、迎え撃つ方が楽しい)
あは、ラストダンス、しましょ?
(気力で立ち上がり、刀を構える。彼が早いか、こちらが早いか、ただそれだけの話)
湯上・雪華 6月2日21時
【被弾】
……あ、は。まけちゃった。
(切っ先を突き出すより早く、彼の穂先が心臓を貫いた。足の力が抜けて、彼の槍に寄りかかる。どこもかしこも赤く染まったや)
つよいですね、ゼキさん。
(好戦的な笑みではなく、ふわりと力の向けた笑みを向けた)
【敗北】
ゼキ・レヴニ 6月3日21時
(壮絶な削り合い、紙一重の死闘の末。向けられた笑みは、まるで遊び疲れた子供のように映って)
お前さんもな。……お休み、雪華。
(だから、己の笑みも、門限を惜しむ子のように、幾分寂しくなろうというものだ)
(槍を解いてもとの金属塊に戻し、退場口に向かうため背を向ける。担架で運ばれていく君の方は――そのまま海岸送りになるか、10分生き延びて回復するか、運次第といったところか)
ゼキ・レヴニ 6月3日21時
(幻影の雪が止み、かわりに歓声とチップの雨が降り注ぐ)
(伽藍の器が赤く染め上げた今宵の試合が、貪欲な観客たちの渇望を満たした事は間違いなさそうだ)
【了/お付き合いに感謝を】