書と臥榻

九月九日、零時過ぎ

観月・遙 2021年9月11日
夜のラウンジに、人影ふたつ。
大きな本棚と、座り心地の良いソファが並ぶゆったりとした空間。

受け取った箱を、とても大切に、テーブルへ置いた。


(お約束した方と)




0

観月・遙 2021年9月11日
(次いで、水で満たしたグラスを二つ置き、彼の向かいへ腰を下ろした)
すみません、今、水しかなくて……。気の利いた飲み物を備えておけばよかったです。本当に。

(もてなしの至らなさに、頬が熱い。……否、それは予期せぬこの状況に、心が浮き立っている所為かもしれない。横長の座面に広がる尾は、先刻からそわそわ波打つようであったから)
夜遅くに引きとめてすみません。我儘をきいてくれて、ありがとう、夜壱。
では。いざ。……開け、ます、ね?
(少し緊張した手つきで、箱をひらいてゆく)
0

花塚・夜壱 2021年9月12日
いや、突然お邪魔した俺も悪かった。折角だから、一番にお祝いさせて貰えれば、と思ったんだが……。こうして一緒にテーブルを囲えるとは、嬉しい驚きだ。ありがとう。(無表情ながら、心なし柔らかな雰囲気を纏いつつ。差し出されたグラスをありがたく受け取る)

バースデーケーキは、俺の近所ケーキ屋さんに頼んだんだ。君が気に入ってくれると嬉しいが……。(ソワソワした様子の彼を見守り、ゆっくりと開かれる箱に心臓の鼓動が速まる。緊張の一瞬。出てきたのは、ホールのショートケーキ。その上部には、マスカットとピオーネが所狭しと並んでいる。そして中央に、「遙くんHAPPY BIRTHDAY」と書かれた板チョコがあった)
店員さんに聞いたんだ。九月は、ピオーネとマスカットが美味しいんだと。君の口に合えば良いんだが……。あぁ、そうだ。ローソクも付けて貰ったんだ。18本。(そう言って、箱に一緒に入っていただろうローソクを探す)
1

観月・遙 2021年9月15日
ううん、こんなに嬉しいことが悪いわけない。……一番、に? それは勿論……私が思い出すよりも早かったから、とびきりの一番でしたよ(喜びで心満ちる儘、相好を柔く崩した)

ケーキ、聞いたことがあります。近くで見るのは初めて、で……
――――、(息を呑む。目の前に現れた『ケーキ』は、純白に沢山のきらめく果実と、なんとも清廉でやさしい雰囲気に包まれていて。そしてその美しさ以上に目を奪われたのは、プレートの方。メッセージから、誕生日を祝う彼の惜しみない心が強く感じられたから。蓋を持ち上げた儘の指先が、少し震えた)
……っ、……すご、い……(顔が染まるのが解る。頬が焼けるみたいで、目まで熱い。こんな反応、挙動不審だろうか? ……だけど。とても、感動したのだ)
ありがとう、夜壱、ほんとうに。(ハッ)食べるのが、勿体ない……どうしよう(今度は狼狽える。探し物をする仕草に、「これですか?」と箱にあった蝋燭を手渡した)
0

花塚・夜壱 2021年9月16日
(ケーキを見て紅潮する彼の姿に、緊張で早鐘を打っていた心臓は、少しばかり落ち着きを取り戻す)まさか、ケーキでそんなに喜んで貰えるとは……(声に僅かばかりの驚きを滲ませながら、それでも見目は平然としつつ)そうか、ケーキは初めてだったのか。遙の為のバースデーケーキだ。色々と、店員さんと相談して決めた甲斐があったな。
今度良ければ、一緒にケーキ屋さんを見に行こう。他にも種類はたくさんある。勿論、ケーキ以外も。マカロンやバームクーヘン、タルトにシュークリーム。……だから、勿体ないなんて言う必要はない。たくさん食べてくれれば良い(彼の様子に、思わず小さく笑みが零れた)

(ローソクを受け取り、封を開ける)……あぁ、折角だ。遙がローソクを立てるか?(そしてふと、彼はこの行為の手順を知っているのかと疑問に思い)ローソクを立てて、火を点けて、俺が歌って、遙が火を吹き消せば完璧だ。(1人、満足気に頷く)
0

観月・遙 2021年9月18日
う……不思議ですか。だって、この白くて煌びやかでやさしいかたち、夜壱の真っ直ぐな思い遣りがそのまま詰まっているようで、心を掴まれて。言葉まで……嬉しくて。店員さんと一緒に考えて下さったお祝いの品……感激しないわけない、です。だから、このケーキが、いっとう嬉しいんです……(そこで漸く持ったままだった蓋を傍らへ。少しずつ顔の熱も落ち着いてきて)
そのケーキ屋さん、是非行きたいです。沢山知りたいし、夜壱が好きなものも知りたい。……はい、残さず頂きます(面倒見のいい彼の言葉が、好ましくてくすぐったい。彼が零した笑みにつられるよう笑い、素直に頷いた)

蝋燭は照明器具になら日常的に立てていました。ケーキに立てるのですね……!(親切なガイダンスを真剣に聞く。歌、にはソワッと耳が揺れたりしながら)委細承知しました。ここは失敗しないように力加減を知っておきたい。夜壱、一本立てて頂いてもいいですか?
0

花塚・夜壱 2021年9月19日
(遙の真摯な言葉の数々に、柄にもなく照れていた)遙のその気持ちだけで、胸が膨れてしまうな。ありがとう。しかし、こうも俺ばかり嬉しい言葉を貰っては困る。これでは、どちらの誕生日か分からない。
……なら、今度。ケーキ屋に出掛けた時にでも、俺のオススメを紹介しよう。君の好きな物が増えると嬉しい(先の約束に、ようやく気を取り直し、視線を上げる。遥を見つめて、表情を緩めた)

蝋燭……そうか、遥の時代では、貴重な照明道具だったんだな。こちらでは、誕生日で迎える年の数だけ、ローソクをケーキの上に立てるんだ。……ふ、(「歌」と言う単語にソワつく耳に、思わず小さく声を漏らす。年頃の男の子に対して、「可愛い」と言う単語は飲み込んだ)
……ん?記念すべき1本目が、俺で良いのか?……そうか、なら、任されよう(ローソクを一本受け取り、ケーキの上に手を伸ばす)力を入れる必要はない。深く立てず、倒れない程度に、そっと。
0

観月・遙 2021年9月21日
だって伝えたくて……でも困らせてしまうのはいけませんね。一旦この辺りで収めましょう。
夜壱のオススメ、メモ持参で聞きます。……私の好きな物? 何だか、優しく見守られているようです。私は平安ではれっきとした大人ですよ? ……でも、ありがとう。(戻ってくる視線を受け止める。表情の変化の淡い彼の、和らいだ貌。それにとても、温かな安らぎを覚えた)

歳の数……どこか儀式のようですね(固唾をのんで見詰め、刺す位置や深さ、力加減などを把握する。心得たりと頷いて)ありがとうございます、これでいけそうです。では……(手に蝋燭を構え、彼が刺した位置と対角に二本目を立てる。想像よりずっと柔らかい生地に、蝋燭に巻かれた銀紙の高さまでを埋めた。)あぁ……この作業、楽しいですね。次は此処?(二本、三本、と順調に。蝋燭が半分を超えたあたりで刺すポジションへの助言を求めながらも、やがて18本、立てきった!)
0

花塚・夜壱 2021年9月24日
……!!(とても驚いた様子で目を見開く)そうか、確か平安では、15くらいに成人なんだったか。年の割に、遙は随分としっかりしていると思ったが、なるほど。なら遙がこの時代に順応すれば、メモが必要になるのは俺の方かもしれないな(自分の台詞を、「まるでおじさんの様だ」と思いつつ。遥の立派な将来を、信じて疑わない眼。無意識だが、やはり年上としての意識は抜けない様子)

(緊張する彼の姿に、釣られて真剣な表情に。己の過去を顧みても、ここまでローソク立てに集中する人間は見たことがない。だからこそケーキに……自分からのプレゼントに、真摯に向き合う彼の気持ちに嬉しくなる)あぁ、バランス上手に刺せたな。初めてでこのレベルとは、恐れ入った。本数が多いが、上手に立ててる。(素直に拍手を送り、喉を鳴らす)
0

花塚・夜壱 2021年9月24日
……じゃあ、ローソクが融けてしまう前に、俺も歌わせて貰おうか。
(そう言って、ガタイのいい鬼が一人、手拍子しながら、不器用に歌を紡ぎ出す)

♪はっぴーばーすでー トゥーユー
♪はっぴーばーすでー トゥーユー

♪はっぴーばーすでー ディア 遙

♪はっぴーばーすでー トゥーユー

(歌い終わると、ひと際大きく拍手を送る。そして視線をローソクへ向けて、彼に息を促した)
1

観月・遙 2021年9月26日
(大きく開いた瞳を見て。あ、綺麗な色だ……なんてことを思う傍ら、「ええ」と頷いて)そうです、だから大人同士。……でも夜壱がどこかお兄さんのような接し方をしてくれる気持ちも解ります。私も平安の15歳を相手にするときなんかは、似たようなものですから。

やった……ぁ、よかった……。夜壱の指導のお陰です。(安堵と喜びと、褒められる擽ったさにまた尾が揺らぐ。テーブルの脇に皿は2枚、カトラリー類は容れ物ごと置いているからこのあとの不足も無い筈だ。そうして左手の人差し指と中指を揃えて唇に当て、呪を囁いた。呪を載せた二本の指で蝋燭の先を撫でると、小さな火が灯り)
お、お願いします……!(いよいよ気になっていた歌を聴けるとなると、背筋を伸ばして)
0

観月・遙 2021年9月26日
――――…………(初めて耳にするバースデーソング。難しくなく、誰もが歌えるような優しい歌。一音一音を大切に贈るようなその調べが、あまりにも温かさに満ちていて……とても、美しい歌だと感じた)……、(本当に、自分は彼から一夜にして多くを貰いすぎだと思う。さっきよりもずっと目が熱くて……耳の奥で、自分の拍動が聞こえそう。やがて声が止み、穏やかな……いつまでも浸っていたいような余韻に包まれる)
夜壱……、……ありがとう。ありがとう、ございます……
(声を感激に詰まらせながら、少し震える手で拍手を重ねた。彼の視線が蝋燭へ向かうと、溢れそうな思いをどうにか胸の中に押し留めて――)(蝋燭の火を吹き消した)
0

花塚・夜壱 2021年9月29日
遙は俺よりしっかりしているし、素直で善良だが……。この時代にはまだ、慣れないことも多いだろう。俺は君が、怪しい水や壺を買わされやしなかと、時々不安になる(割と真剣そうな声で、そう言葉を零す)とは言え、年下扱いするのも良くないな。今後は気を付けよう、うん(自分に言い聞かせるように強く、頷く)

(そして彼が火を吹き消すのを、見守る)
(「ありがとう」と重ねられる言葉に、震える手から生み出される拍手に、まるで眩しい物を見るように目を細めた。歌はありきたりな物であったし、自分が特別、歌が上手い訳でもない自覚もある。しかしそれを、こんなに嬉しそうに受け取られ……柄にもなく照れている。誤魔化す様に、少しばかり拍手に力を込めた。)
改めて、誕生日おめでとう、遙。君のこれからの一年に、たくさんの幸せが咲き誇りますように。
0

観月・遙 2021年10月3日
怪しい、水や、壺。(思わず真顔)……優しすぎて心配と言っていたのは、そういう意味だったのですね。時を越えて納得しました。私が善良に見えるのは、夜壱に善意を受けて、幸福な気持ちだからです。悪いモノには容赦しませんからご心配なく(幾分、強かさを秘めた笑みで。続く言葉には、緩く首を横に振り)ううん、気を付けないで、自由に接してほしい。私は貴方のどんな顔も見たいです。

『たくさんの幸せ』は、今此処にあって。もうこのときだけで、心に枯れない花を得た。ずっと咲いてくれる幸せそのもの。大袈裟と思われるかもしれませんが……私にとっては、この夜は特別な宝物です。ありがとう……(火の消えたホールケーキを愛しく見つめて呟いた。その眼差しを彼へと上げて)食べましょう、夜壱。食器は、これ? 茶屋で甘味を嗜む女性たちを見たことがあるので少し知っています(皿の上にナイフとフォークを置いて、彼と自分の前へ一揃えずつ置いた)
0

花塚・夜壱 2021年10月5日
君を子供扱いするのも申し訳ないが……!君は少々、綺麗すぎる気がしてな。ついお節介をしてしまう。しかし、そうか……。悪いモノには容赦なし、か。なるほど、カッコいいな。そう言えば元々、遙は戦う生業をしているんだったか……?(そう聞いた気がする、と首を傾げ)機会があれば、君と戦いに出てみたいものだ。

誕生日は、一年に一度しかない特別な日だ。君にとって、特別な思い出になれば嬉しく思う。あぁ、用意をありがとう遙(揃えられたカトラリーに感謝しつつ、自分もケーキに刺さっていたローソクを回収する)。さて……ケーキを切らないといけないな。重役だ。遙、宜しく頼む(自分に綺麗に切れる自信がなく、さりげなく遙へと頼む込んだ)何より、君が主役だからな。好きなサイズに切ると良い。
0

観月・遙 2021年10月9日
綺麗……(何故かと考え、理由に思い至り――ふ、と柔い笑みが零れた)成る程……貴方の目に映る私は、感激している姿ばかり。夜壱が私に喜びをくれるから。きみこそが、綺麗です。ええ、私は戦いが生業の、平安京を護る者。夜壱も戦うひと……ですか?(この時代の事情には明るくなく、曖昧な訊き方になる)共闘ですか、是非に。夜壱と一緒に戦えたら頼もしいし、どう戦うのか見たいです。

うっ、この清らな形を切るのですか。でも確かに、適した大きさでないと。……斬ることを任ってきた身。承りましょう(いちど瞑目してから、覚悟を宿す瞳をケーキに向けた。プレートは太刀筋から避けて置き、銀色の刃をケーキへ、すいと一閃。十字にもう一筋。剣気によりすぱりと断たれた四等分のケーキは、果実もスポンジも綺麗な断面を見せている)ふぅ……(ゆるゆる、緊張をほどいて)いっぺんに食べるのは勿体ないから、四つに切りました。大丈夫、でしょうか?
0

花塚・夜壱 2021年10月12日
俺が、きれい……?(驚いた様子で硬直し、言われた言葉を繰り返す)……あ、あぁ、すまない。そう言う言葉を投げられたのは、初めてだ……。ありがとう、で良いんだろうか。なんだか新鮮だな(自分が綺麗だと言う発想が無かった為に、リアクションが逆に薄い。しかし「遙がそう言ってくれるのならば、俺は綺麗なんだろう」と納得する)あぁ、俺も元々、用心棒をしていたんだ。用心棒と言うか、ほぼ何でも屋だが……。俺は我流だから、遙の様な流派があるものはとても気になる。

(とても真剣そうな表情に、ケーキを切る様子も様になるなと思いつつ)おぉ……!綺麗な断面だ。ケーキは柔らかいから、切るのはなかなか難しんだが……。(素直に称賛を贈る。普段、自分が綺麗に切れないのは、自分の腕の未熟さだと確信した)
綺麗に切ってくれてありがとう。食べたい所を、遙が先に選ぶと良い。……君の口に合うと良いんだが。
0

観月・遙 2021年10月17日
はい。夜壱のかげひなたのない言葉も、惜しみない祝意も。綺麗なものを頂いて、心洗われています(彼が受け入れてくれるまでの様もまた、綺麗。そう感じながら、微笑む儘の瞳に収めた)唯の雑貨屋さんの体つきではないと思っていましたが、なるほど元々が用心棒。私も同じようなもの。護る者です。流派といっても、うちは「悪しき九尾の力を刀に封印しつつ戦いにも活用しよう」みたいな感じの結構調子のいい流派だったりしますね。

良かった……斬るのは得意なので、多分なんでも綺麗に斬れます。でも今回は緊張しました。私から……では有難く、貴方の言葉が載っているものを(四分割されたケーキの内、板チョコが飾ってあるところに決めた。断面にフォークを添え、滑り込ませたナイフで持ち上げて自分の皿へ。ナイフを持っているしついでに彼のも、と)夜壱はどこがいいですか?(教えてもらったなら、それを彼のお皿へ移すだろう)
0

花塚・夜壱 2021年10月20日
遙こそ、かげひなたのない人柄だと思う。君と話していると、いつも温かい気持ちにさせられる。君こそ綺麗そのものだ。……俺も見習わなければ(言い切った後に、少々照れた様子で、誤魔化す様に水を飲む)……今サラッと言ったが、君、それは凄い事なんじゃないのか?封印をしつつも、人を護るために戦ってきたのか。……なんだか、カッコいいな。流派と言うのも、少々憧れる。俺は我流だからな。また是非、遙の刀術も見せてくれ。

(遙が上手にケーキを移すので、思わずその様子をジッと見つめる)板チョコ、喜んでもらえて何よりだ。やはりバースデーケーキには、チョコプレートとローソクが無くてはな。俺の実家でも、そうだった。……俺のも移して貰えるのか?すまない、助かる。上手にできる自信がなかった……。そうだな、じゃあ……(小さい所を、と思ったが。見事なナイフ捌きで、均等である事を思い出す)……じゃあ、遙の右隣のを貰おうか。
0

観月・遙 2021年10月31日
温かい気持ち……(その言葉を噛みしめるよう聞いて、心に残す。すると残した所がじわりと温かく感じられる)……うれしい言葉、ですね。私も温かくなる。って、見習うまでもないのに。でも……ありがとうございます(少し照れたよう視線が流れ、彼の腰のお守りに向いた。刻まれた文字を眺め)護るために戦うのは、夜壱も同じ……? 我流で磨いた武術、私も見てみたいです。はい、是非に……共に肩を並べて戦いましょう。

ああ……これは夜壱の家庭の、暖かな風景だったのですね。祝って、祝われて、素敵な時間。……お誕生日会の小さな夜壱を想像すると何やら可愛くて仕方ないです(良い話を聞いた。)右隣の、こちらですね。任せてください、大体の要領は掴みました(少し腰を浮かせ、手つきは慎重に。ケーキの形を崩さず彼のお皿に移せたらほっと小さな息を吐く。いそいそ姿勢を正して)(瞳は輝いて)では、では。いただきます。(丁寧に手を合わせた)
0

花塚・夜壱 2021年11月4日
(遙の視線が、腰のお守りに向いている事に気づき)あぁ、これか。これは昔、仕事先の人が、善意で作ってくれた物だ。元々、木造物に文字や絵を彫る仕事をしていた……らしい。詳細は知らない。だが、俺の宝物の一つだ(指でそっと、「護」の字をなぞる)俺の武術は、何とも武骨だが……。君との共闘は、心惹かれる。是非今度、一緒に行こう。楽しみが一つ増えたな。……あぁ、いや。戦いに行くのに、楽しみだなんて不謹慎だろうか。

(切り分けられたケーキを見つめつつ)俺の家は、何と言うか……イベント事が大好きでな。俺もその血が濃いらしい。(「小さな夜壱」と言われて、自分も暫し幼少期を思い出す。無意識に、笑みが零れた)手間を掛けさせてすまない。切り分けありがとう。……では、俺も頂こうか(綺麗な断面に惚れ惚れしつつ、「いただきます」と両手を合わせた。そして次の瞬間には、ケーキの半分を一口でペロリ)
0

観月・遙 2021年11月23日
(教えてくれるのが嬉しくて、覗き込むように少し身を乗り出し、指先が触れた文字を眺めていた。)お守りを贈る……なんて優しい方でしょう。夜壱が宝物に護られているようで、なんだか私まで嬉しくなります。不謹慎だなんて(緩く首を横へ振り)戦いは日々続いていますから、楽しいことも無いと心が擦り切れてしまうでしょう。私も、楽しみです。

えっ。きえた(彼の皿に半分となったケーキを眺め)……はっ。いや、食べたのですね。失礼しました、あまりに気持ちのよい食べ方でつい。感激で胸いっぱいでしたが食欲を刺激されました(ケーキをフォークに掬って口の中へ。舌に拡がる未知の味を、知覚するに至り――)……!!! あま……、え、わ、……おいしい。果物も美味しすぎます……こんな、本当、すごい。すごいものですね、ケーキ……!(尾がふるふるしたのち、ふんにゃり、うっとり。ケーキの味にめろめろ状態である)
0

花塚・夜壱 2021年11月29日
(夜壱が護られているようで…と言う言葉にハッとする)そうか、これは”俺自身”のお守りでもあったのか。俺はてっきり、「護る心を忘れるな」と…。そう、自身の信条を目に映る様に与えられたのかと。そうか、そうなのか…。ありがとう、遙。とても良い事を知れた(思いもしなかった解釈に、目を瞬かせる。そして納得した様に頷いた)なんだか、今ならどんな敵にでも勝てる気がするな…。嬉しい事だ。

ん?んん…(遥の視線に驚きつつも、口の中のケーキを飲み込む)あぁ、驚かせて済まない。俺は一口が大きくてな…(しかしさすがに、品が無かったかと反省する。そして、遙がケーキを食べるのを目で見つめ…。その喜ぶ様子に、眩しい物を見る様に目を細めた)ふ、ふふふ……ははっ!そんな君、子供みたいに…!(珍しく、声を上げて笑う)いや、喜んでもらえて何よりだ。ふ、ふふ、…いや、良かった、本当に。たくさんあるんだ、お腹いっぱい食べなさい。
0

観月・遙 2021年12月12日
それは……(思わず微笑む。彼の実直さが好ましく、心地よくて)男前な受けとめ方ですね。背筋が伸びます。ふふ、頼もしい……想いの込もった物が傍に在ると、心強いのですね。いえ、物でなくても、思い出であっても…(彼を見守るようであった瞳に、穏やかな共感を宿し、洩らした言葉はそれまで。この時間が、自分にお守りのような温もりをくれると――そこまで説明するのは照れるから)

えっ、な、(解りやすく頬が染まり)子供みたいなんて、もう言われなくなったのに。だって千年の進化は刺激が強くて美味しさに驚くのも無理は……(何やら恥ずかしい、けれど。眩げな視線の温度に、やがては此方の口元も綻んでしまう)……夜壱がそんな風に笑うの、初めて見ました。もう……嬉しくて何も言えなくなったじゃないですか。はい、いただきます(彼に倣うよう、少し大きな一口で食べてみた。いっぱい美味しくて、幸せが広がる。フォークが止まらない)
0

花塚・夜壱 2021年12月17日
遙のおかげで、また1つ、お守りの魅力に気づくことができたな。今まで以上に、このお守りは大事にしよう(穏やかな彼の視線に気づく事無く、「そう言えば」と、ふと言葉を零す)思いの込もったものと言えば……。君がくれた、藤袴もそうだな。見ているだけで、秋蘭祭りの事を思い出す。あの花も、俺を支えてくれている一つだ。

(照れた遙の様子を、微笑ましく見守る)いや、君の子供らしい一面が見られて、安心した。君はしっかりしているが、俺は君より年上だ。存分に甘えなさい(今度また、甘い洋菓子でも差し入れようと決意しつつ)あぁ……俺も、こんな風に笑うのは久しぶりだ。……口角と頬が痛い……(思わず片手で、頬を摘む。それでも、幸せそうな彼の表情に、満足気に頷いた)
0

観月・遙 2021年12月19日
いえそんな、思ったことを言っただけで。藤袴は……(照れたように尾が揺れる。彼の言葉に、ゆるやかに思い出をなぞって)大切にしてくれてありがとう。……花を渡したくなるのは、不思議な気持ちでした。夜壱はお名前に花の字が入っているから花もお好きかな、なんて思って。……夜壱も誰かに花を渡したこととか、ありますか?(興味の赴くまま、何気なく訊いてみる)

甘える……本当、優しいひと。こんな状況で夜壱だって大変でしょうに(何も知らなくとも、どういう形であれ何らかの復讐を抱えている者同士のはずだ。見守る笑顔に、「憶えておきます」と笑って)でもそう言うなら、夜壱にだって甘えて頂きたいものです。ずっと年上の大人でも甘えたいときがあること、知っているのですからね。……(少し間を置き)……今のだけで顔の筋肉にきたのですか。ふ、ふふ……それは、貴重な(フォークを持った手で口元を抑え、ふるふる肩を震わせた)
0

花塚・夜壱 2021年12月23日
おぉ、当たっているぞ、遙。こう見えて、俺は花は好きだ。俺の母が、花を育てるのが好きな人だったから……。俺の名前も、月下美人と言う花が由来だそうだ。花を渡した経験は……(ふと記憶を辿る様に、視線を彷徨わせる)……言われてみれば、無い、かもしれない。機会があれば、君に贈ろうか。遙、君の好きな花は?(藤袴も貰ったのだし、是非お礼に、と言葉を返す)

確かに、過去を思い返せば心苦しい時もある……(一瞬だけ目を伏せるも、すぐに目を瞬かせた)だが、悪い事ばかりではない。楽しい出会いや、素敵な思い出も、ここでできたからな(「憶えておきます」の笑みに、一つ頷く)
……俺はもう十分、君に甘えていると思うんだが……(思わず「フッ」と、息を吐く様に笑う。更に頬の筋肉が痛み、思わず真顔になった)……遙、君、笑い過ぎだぞ(そう言って、残りのケーキ半分をペロリと食べた)
0

観月・遙 2022年1月11日
あたり、嬉しい。(綻ぶ顔に、安堵と喜びが広がって)優しそうなお母君ですね。花に根差した名とは、何と素敵な。月下美人は夜に一度だけひらく花ですね。綺麗ななまえ。夜壱。(花を思い、改めて名を呟いた)花はどれも好きで……夜壱に花を貰ったら、それを特に好きになる気がします。……贈り物が苦手な私ですが、花はまた贈りたいような。(約束とも言えない、自然と口に出た気持ち。機会があったら、と付け足した)

――ええ。本来ありえない筈の出会いが、嬉しい。歴史を奪還して、悪い事など消し去って、いいことずくめにしてやりましょう(笑いすぎの指摘には、やっぱり「はい」と笑って)えっ。十分甘えられた覚えは無いのですが。一体いつ? ……でも、そうなら嬉しいです。今後もそうして下さい(やがて此方も綺麗に平らげ、両手を合わせて)ご馳走様でした……! 本当にありがとうございました、夜壱。残りの分も大切に頂きますね。
0

花塚・夜壱 2022年1月17日
花に例えられるほどの、人間ではないは自覚はあるが。俺も、自分の名前は気に入っている。そう言えば、遙と言うのも良い名だな。響きも綺麗だから、つい名前を呼びたくなる。……君は美丈夫だからな。どんな花でも、きっと似合うな。
(折角なので、花を贈って上げたい、と思いつつ。そうは花に詳しくない為、「ふむ」と小さく考え込んだ)

遙には、十分甘えさせて貰った。一緒に出掛けて貰ったし、花も貰ったし……。こうして、楽しいひと時も貰っている。これ以上甘えたら、罰が当たってしまう(本気でそう思っているらしく、茶化すような声色ではなかった)
君が喜んでくれたのなら、選んだ甲斐があったと言うものだ。改めて、おめでとう遙。これからの君の成長、楽しみにしている。
0

観月・遙 2022年2月6日
そんなことないです、似合ってます(力説した。次にきいた言葉の意外さには瞬いたのち、微かに笑んで)遙は、とおくながく勤めを果たせるように……と願われた名です。だからそんなふうに言って頂けたのは初めてで。……嬉しい、です。ありがとう。夜壱と、たくさん名を呼び合えれば良いな。(素直な気持ちを、ありのまま)

それが、甘……え……? むしろ甘えているのは誘って頂いている私では(思わず真顔。でも彼もまじめな御様子。)いえ……甘えとかでなく。ほら。あれです。と、……友達って、そういうもの、でしょう……(友達なんて勝手かな。でも、たぶん大丈夫。そんな自問自答の末、遠慮がちな声で言った。そわりと落ち着かない視線は少し泳いだ。)
はい。本当に、美味しくて嬉しいときをありがとうございました。夜壱に祝って頂いたぶん、きっと立派に育ちます。
0

観月・遙 2022年2月6日
(――そうして温かな言葉を交わした後、「明るいところまで」と彼を送りゆく。
街は灯りが絶えないし、護り手たる彼に夜道の危険を心配をしたわけでもないけれど。
この楽しい時間を終えるのは、まだ少し、名残惜しかったから)
0