千里の道も
ゼキ・レヴニ 2023年11月1日
「片付けを手伝ってもらう」なんて気軽な約束がこの日につながろうとは、二人のうちどちらも予想していなかっただろう。
今日、暗殺者の青年がいつものマントをつなぎに着替え、工房での仕事の初日を迎えるのだ。
ちなみに。
青年の新しい職場であるこの工房の主には、片付け癖というものがまるでない。
室内に積み重なった段ボール、放置された書類、散らばった工具などで一目瞭然だ。
それらを跨ぎ掻き分け時にはぶつかりながら、広くはない工房内の設備を紹介していく。
ざっと説明を終えるとゴム手袋を差し出して、
「っつう訳で、ようこそ新人。千里の道も一歩からって言うだろ?」
――これは、ずいぶんと大きな一歩になりそうだ。
――――――――――――
●お約束した方との1:1RP
●〆の目安:30〜50発言程度でキリの良い所か、3週間発言が途切れたら
〜工房の片付け〜
片付け途中にダイスを振ると、下表を組み合わせた物が見つけられます。(タイミング、回数は任意)
どんなものかの詳細はダイスを振った方が決めてOK。
思いつかなければ適当に流すか、ゼキに聞いても。
30発言前後で大体片付け終わるイメージです。
=======ダイス表=======
赤ダイス 青ダイス
0→下表どれでも 0→下表どれでも
1→複雑な 1→修繕中の武器か防具
2→へんてこな 2→武器か防具の設計図
3→カッコいい 3→請求書・領収書類
4→かわいい 4→何かの部品
5→光り輝く 5→飼い犬の写真
6→不思議な 6→工具
7→呪いの 7→試作品
8→ごく普通の 8→資料本
9→古びた 9→音楽のカセットテープ
ゾロ目(00、99以外)→せくしーなグラビア雑誌
00 or 99→魔導錠のかかった箱
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2
ゼキ・レヴニ 2023年11月1日
(自分の鋼鉄の両手にもゴム手袋を嵌めて、手首のあたりを引っ張りつつ)
職場の雰囲気は……予想通りってトコ? それとも予想以上だったか?
お前さんの初仕事ってんで、豪勢に散らかしといたぜ!……ってえのは嘘だけどよ。
……。
(散らかりきった工房を見回す。途方に暮れたように腰に手を当てて)
さあて、どっからやっつけようかねえ……。
(急に声にいつもの張りがなくなったのが、部屋の片付けというものが大嫌いな何よりの証左だ)
ケペシュ・ナージャ 2023年11月1日
(皺も汚れもないツナギに袖を通した瞬間、えも言われぬ感慨があった。貴方に連れられやって来た工房に、緊張の面持ちで記念すべき一歩目を踏み入れる。改めて考えると、自分は憧れの人のもとで働かせて貰えることになったのか。こんな幸せなことがあって良いのだろうか、なんて夢見心地はゴミ山の前で粉微塵に吹き飛ぶこととなる)
……一応確認しておきますが、掃除夫として雇われたわけでは無いんですよね?
(言って雇い主へと視線を向けたところで気が付いた。これはもしややる気と根性を試されているのでは。これくらいで根を上げるような人間にはこの仕事は務まらないということなのかもしれない)
正直なところ軽く予想の10倍以上はありましたが、これくらいならなんてことありません。どーんと任せてくださいよ。
(ゴム手袋をきゅっとはめ、腕捲りで気合を入れたなら、手始めに最も手近な山から探ってみることにした)
ケペシュ・ナージャ 2023年11月1日
(何故か床の上に直に書類が積み上がっている。種類毎に分類していきたいところだが、生憎どれも内容は新入りには理解できそうにない。せめて簡単に向きを揃えて一纏めにしておこうかと、何となしに一枚を表向きにして)
……あれ、これってもしかして何かの設計図でしょうか。素人目にも複雑な機構に見えますが。
(お宝でも見つけたような眼差しで貴方の方へ振り返り)
これはゼキ殿が描いたんですか?
ゼキ・レヴニ 2023年11月2日
もっちろん、職人としてよ。だがよ、まずはお前さんの働くスペースを確保しなきゃだろ?
しかし早速つなぎも着こなしちまって、やっぱイケメンは違うねえ。ふはは……、
(さすがに呆れられた空気を察して気まずそうに頭を掻くと、目が合う前に手近なダンボールの中身を整理し始めた。初日で辞めるなんて言われないだろうかなんて不安は、次いだ言葉で杞憂に終わり)
――お、おう! さすがおれの見込んだ男だぜ。そんじゃバッと片付けて、終わったらパッと飲みに行こうぜ。初日の祝いに奢っちゃるからよ。
ゼキ・レヴニ 2023年11月2日
(ダンボールの中身を仕分け始めたところにかけられた声に振り向く。機械的で精密な線と、乱雑なメモ書きが混ざったそれに目を凝らし)
あー、そりゃ没ネタだな。
十徳ナイフみてえに多機能な剣を考えてたんだが……まず高コスト過ぎるし馬鹿みてえに重くなると気付いて実際には作らんかった。設計図書いてるうちに楽しくなって実用性の事忘れちまって。(苦笑を浮かべて)
そいつがあるって事はその辺は没ネタの山だな。いつか転用できるかもと思ってとっといてたが……この機会だ、一思いに捨てといてくれ。(空のゴミ袋を差し出し)
ケペシュ・ナージャ 2023年11月3日
確かに、今のままだと足の踏み場すら怪しいですよね。移動する時に大変じゃなかったんですか?
(働くスペースと聞いて妙に納得してしまった。つなぎ姿を褒められたなら、嬉しそうに両手を広げて見せて)
有難うございます。こうやって身に纏うだけで工房の一員になれたようで、不思議な気持ちです。……ゼキ殿のつなぎに寄せて仕立ててもらったんですよ、これ。
(見込んだ男と聞けば更に喜びが増す。奢りの提案を聞いて反射的に遠慮しかけるも、ふと先日の賭け事でのやり取りを思い出し、素直に甘えさせてもらうことにした)
仕事の後の楽しみができました。ご馳走になります、親方。
没なんですか、これが……なるほど、職人の世界には妥協が無い。俺なんかは勿体無いと思ってしまうんですが。
(まじまじと設計図を見ていれば、差し出されたゴミ袋にぎょっとして)
え、捨てるってこれ全部!? うぅ……何枚か貰っても良いですか?勉強のために。
ゼキ・レヴニ 2023年11月5日
いやあ、もう慣れたモンよ。猫みてえにスイスイと……足の小指ぶつけて痛がる心配ねえのがこの脚の良いとこ。(結局ぶつけまくっているのは明白だ)
不思議なこたねえぜ、おれんとこで働くからにゃお前さんはもうファミリーよ。とことん世話焼いてやるから覚悟しろよ。
……おれのに似せたのか。そいつは光栄だねえ。
(くすぐったそうに鼻の下を擦って、しかし緩んだ頬は背中を向けて何とか隠すことで、『親方』の威厳を守った)
ウム! 励みたまえよ。
……そういや酒や煙草はもう試してみたのかい。(先日のダイス遊びで煙草に興味を持っていたのを思い出し)
――ハハ、おれも勿体ねえと思ってたから今まで捨てられなかったのさ。
持ってくのは別に構わねえぜ。自分さえ読み解けりゃいいって具合に描いてるから、参考になるか分からんが。
ケペシュ・ナージャ 2023年11月7日
それ、ぶつけてるじゃないですか。……でもなんらかの修行にはなりそうです。
(持っていって良いと許可があれば、ぺらぺらと何枚か内容を確認していって)
ファミリーか……へへ、くすぐったいですね。けど嬉しい。
お言葉に甘えて、お世話になろうと思います。代わりに俺からも孝行させてくださいよ。
(言って広い背中へ笑顔を向けた)
酒はカクテルやビールを何度か。煙草はシーシャを一度吸いましたが、紙煙草はまだですね。
(紙束の中から数枚取り出し頷いて)
うん、それじゃあこれにします。頂いていきますね。
(それらを邪魔にならない場所に置くと、残りは袋に詰めていった)
あれ、このダンボール……中身は何でしょうか。
(被った埃を手で軽く払い、そっと中を覗き込んでみる)
ケペシュ・ナージャ 2023年11月7日
こ、これは……!
(箱の中に詰め込まれていたものは銃器の類に見えた。宝物を見つけたように慎重に一つ取り出して)
没にならなかったもの、だったりするんでしょうか。本物かな……
ゼキ・レヴニ 2023年11月10日
実は隠密の修行でよ……(軽口で返しながら重い段ボール箱を棚上へ持ち上げる。片付けというより物をどんどん隅に追いやっているだけだが、少なくとも通路は広くなってきている)
んはは、期待してるぜ。なんだ、放蕩跡取り息子が帰ってきたみてえな気持ちになるなァ。
(機嫌よく肩を揺らしながら、今度はカウンターの中の物をごそごそと整理し始め)
そうかそうか。シーシャは喫い易かったろ。酒の味はどうだったよ?
ゼキ・レヴニ 2023年11月10日
(カウンターの下からひょこっと頭を出して、君が取り出した銃器を見遣り)
お! どこにやったかと思ってたが、そんなトコにあったか。
そいつはパラドクスを弾として込める、特別な銃の試作品さ。そこに入ってんのはハンドガンタイプだろ。
――お前さん、銃の扱いは? 曲剣や暗器を使ってんのはよく見る気がするが。
ケペシュ・ナージャ 2023年11月14日
ふふ……『親方』より『お父さん』の方が良かったですか?
(口調こそ冗談めかしているものの、口にすると特別な響きになんとも言えないむず痒さを覚える)
……ええ、シーシャはフレーバーが色々で選ぶのも楽しいですし、確かに想像より喫いやすかった。
カクテルはものによってはジュースのようで、調子に乗って飲みすぎると急に酔いが回りそうだなと。……ビールは苦い。でもきっと、あの苦味を楽しめてこそなんですよね。
(カウンター下からひょっこり覗いた顔に、モグラ叩きにも似た愛嬌を覚える)
へぇ、実弾とは違うんですね……
(手の中の銃に視線を落とせば「ええ」と答えて)
ということは、ハンドガン以外のタイプも別の場所に?
……一応、扱い方は知っています。実際に使ったことは殆どありませんけど。
ゼキ殿は刃物も銃器も扱いに長けていそうですね。
ゼキ・レヴニ 2023年11月17日
おお息子よ、おれの遺伝子は一体どこに置いて来ちまったんだい?なんつって!
(大袈裟な口調でおどけて、まんざらでもなさそうにガハハと笑った)
駄弁りながらノンビリ喫うのにゃ良いよなあ、水煙草も。
なに、場数を踏みゃ酒の限界も分かってくるさ。ビールも珈琲と同じで、飲み慣れてくっと旨く感じてくるモンよ。まずは味より喉越しを楽しんでみるといいぜ。
ゼキ・レヴニ 2023年11月17日
ああ。ライフル型やら擲弾式も試作した筈だが……バラしちまったっけな。
基本ここの仕事は既存の武具の修繕かオーダーメイドでの製作だから、実験的な試作は完成しても大抵売らずにバラしちまうのよ。
(またカウンターの下に潜ってガサゴソやりながら)
ほお、近代兵器も扱えるのか。こっちに流れ着いてから特訓を? ハナから銃器の構造を理解してるなら、教える方も気が楽だぜ。
おれは――銃は軍で仕込んだが、刃物での戦闘は山刀とスコップと銃剣ぐらい、あとはからきし。他は良くて猿真似なのを、記憶と想像力と外骨格で補ってどうにかしてるだけさ。
ケペシュ・ナージャ 2023年11月20日
(呼ばれてみれば、同じく満更でも無さそうに笑みを浮かべた)
喉越し……なるほど。決めました、今日の飲みの席ではビールを頼むことにします。ビールの美味さが分かる男を目指して。
バラすんですか。やはり勿体無い……なんて思ってしまうのは俺が素人だからなんでしょうね。
(邪念を振り払うように頭を振って、空のダンボールを折り畳んでいく)
いえ、敵を知るために調べただけです。知識としては知っていますが、実際の扱いには自信がありません。
……からきしだなんて、それだけ扱えれば十分でしょう。スコップは相手を油断させられそうですし、墓穴も用意できてなかなか良いですね。
(周囲を片付けながらも、普段は飄々とした貴方の過去を思う。先日、『右腕』同然の人との話をしてくれたっけ。その時の貴方の顔を未だに思い出すのだ)
軍での訓練は厳しいものでしたか?きっと集団行動も学ぶのでしょう。統率が取れなければ命取りになる。
ゼキ・レヴニ 2023年11月24日
おっ、いいねえ。そんじゃここは親方として違いの分かる男の手本ってやつを見せてやらんとなァ。(要するに大酒を食らう宣言である)
仕組みやアイデアは活かせるから、勿体無がる必要はねえさ。素人こそ、作って壊して、色々と試してみるべきだと思うぜ。月並みだが、失敗から学ぶ事は多いからな。……ようし、こんなとこか。
(カウンターの中の整理を終え、今度は奥の戸棚の中をひっくり返し始めた。溢れ返る物や部品の中から、不要な物を選別しながら)
ほお、勉強熱心だねえ。だが、命を預ける武具を扱うなら、知識だけじゃ気付けねえ事もある。――このビルの下に“アリーナ”があるのは知ってるかい。気が向いたらそこで、試し撃ちでもしてくといいぜ。
ゼキ・レヴニ 2023年11月24日
(工具の先端部らしい、様々な形をしたアタッチメントを何処に仕舞うか首を捻りつつ)
ふはは、墓穴か。違いねえ。……今じゃ意外に思われるブツだが、「大戦」の頃はメジャーな近接武器だったんだぜ。
――訓練? そりゃあ厳しいなんてモンじゃねえさ! 偉ぶったヒゲ面が毎日毎日、前へ、飛べ、伏せ、進め、休め、前へ……なあんて気が狂うまで命令して来やがる。一人でも遅れたら連帯責任で繰り返しよ。今でも夢に見るぐらいだぜ。
ケペシュ・ナージャ 2023年11月25日
ええ、勉強させてください。……実を言うとやってみたかったんですよ。一仕事終えた後にジョッキで乾杯。
(どこかの広告で見た光景だ。プロモーションのためとはいえ、俳優がとても美味そうに酒を飲んでいたのを覚えている)
なるほど、組み立てて解体しながら自分の中に引き出しを増やしていくんですか。子供のブロック遊びにも似ていますね。
(有難いアドバイスをすかさず懐のメモ帳に記した)
“アリーナ”ですか、初耳です。
(その名から闘技場のような場所が真っ先に思い浮かべば、つい戦闘好きの血が騒ぐ)
試し撃ちができるなら有難い。もしや相手がいれば手合わせも可能ですか?
ケペシュ・ナージャ 2023年11月25日
(工具のパーツのような物を手にした姿に気が付いたなら、ちょうど目に付いたプラスチックの収納ケースを運んでくる)
これに纏めて入れておいたらどうでしょう。ちょうど空っぽみたいですし。
……へぇ、そうなんですか。国や時代によって文化も様々ですね。
(まるで歴史の授業でも聞くように、真面目に相槌を打つ)
ふふ、ヒゲ面ですか。それは大変でしたね。
……けど、時々ゼキ殿からただ者では無い気配を感じる理由が分かったような気がします。普段は、こう……飄々としているのに。
(少しだけ言葉を選んだ)
ゼキ・レヴニ 2023年11月30日
ハハ、そんじゃいい機会だ。働いた後のビールはいっちゃん沁みるぜえ。
――そうそう、積んで崩して、赤ちゃんからやり直しってな。やり甲斐あって燃えるだろ?
(素早いメモっぷりを見る限り、やり甲斐如何の心配は要らなそうだ、とは思いつつ)
普段は鍛錬場として開放してる闘ぎ……ゴホン、運動場よ。
申請しときゃ貸切で手合わせにも使えるぜ。回り気にせず思いっきり暴れられるって訳だ。
(プラスチックケースを受け取り、アタッチメントを仕分けてみて)
おお、ぴったりだぜ。さっそく有能っぷり披露しちまって、ええ?
(感心を顔に表しながらケースを仕舞い、また別の棚を整理しだした)
まァ、大抵すぐに前線送りんなって別の”大変”に変わったがね……ふはは、人に歴史ありって言うだろ。
っつかただモンじゃねえってならただの一兵卒より暗殺者のがよっぽどだと思うぜ?
ケペシュ・ナージャ 2023年12月6日
ええ、道のりは多少険しいくらいが燃えますから。
俄然やる気が増してきましたよ。
(かちかちとペンの後ろをノックし、胸ポケットに突っ込んでおいた)
至れり尽くせりじゃないですか。なんて有難い施設でしょう。
今度時間がある時に手合わせしましょうよ、ゼキ殿。ね。
(玩具をねだる子供のように目が輝いている、かもしれない)
ふふ、それほどでもありませんよ。でももっと褒めてください。
(褒められるたびに調子に乗っている気がする。自制しなければとは思いつつも、貴方が受容してくれるものだからつい歯止めがきかなくなって)
ざっと俺の2倍程度は生きてらっしゃいますもんね。さすが人としての歴史も深みもある。
(うんうんと頷きながら)
……そう、でしょうか。ずっと暗殺者をしているので、只者ではない自覚はあまりありませんが。
俺にとっては特別なものではないというか。
(口を動かしつつ、次はまだ手付かずの棚の中身を整理することにした)
ケペシュ・ナージャ 2023年12月6日
(ガラス板をスライドさせ、中身に手を付けようとしたところでぴたりと手が止まる)
……なんでしょう、禍々しい気配を感じます。人間がおいそれと触れてはいけないような。
ゼキ・レヴニ 2023年12月10日
おう、やろうぜ手合わせ。都合良い時に言ってくれりゃ、貸切り申請しとくからよ。
しっかし、戦いの事んなると生き生きするよなァ、お前さん。中々のバトルジャンキーっつか。(戦いを遊びのように純粋に捉えているように思えて)昔からか?
ふはは。おれは褒めて伸ばすタイプだからな、期待してていいぜ。
う゛っ。二倍も生きてんのか……(改めて聞くとちょっと刺さる)
ま、人ってのは生きた年数ばかりじゃねえ、太く短く生きた奴もいる。(ひとつ、溜息めいた息を零し)……お前さんは、太く長く生きてほしいモンだがね。
――そうかァ。おれにとっちゃ、エジプトの暗殺者なんて、歴史書に出てくるような存在だからよ。
思えば、復讐者なんて皆只者じゃねえか。そういう奴らに囲まれてると、時々、お伽話の世界に居るみたく感じるぜ。
ゼキ・レヴニ 2023年12月10日
(工具の詰まった箱を別の棚に運びがてら、君が手を伸ばしかけた棚をちらと見て)
おっと! 気ぃつけな。そん中にゃこっそりディヴィジョン内で仕入れて来た呪物が入ってる。
例えば触るだけでベロベロに酔っ払っちまう盃とかよ。武器の触媒か何かに使えるかと思ってな。
ケペシュ・ナージャ 2023年12月12日
やった。ふふ、楽しみにしていますから。
(無邪気に八重歯を見せて笑い)
ええ、これは昔からの性分で。だって楽しいじゃないですか、特に格上の相手と戦うのは。生きるか死ぬかの瀬戸際が、よりいっそう己の技を磨き上げる。
……手合わせは生き死に云々の状況にはなり得ませんが、それでも互いの本気をぶつけ合うのは楽しいもんです。
既に「褒めて伸ばす」の効果を身をもって味わっているところですよ、ええ。少しばかり照れ臭くはありますが……悪くない気分ですね。
(なんて、つい素直ではない物言いをしつつ)
そうですね、俺も前は短い方だったから。今度はもう少し長く生きてみるのも良いかもしれません。
ゼキ殿も長生きしてくださいね、頭が白髪でいっぱいになるくらい。
確かに、自分の周りの復讐者を見るだけでも凄い人達がごろごろいますし。
……お伽話ですか、可愛らしい喩えをしますね。ゼキ殿も幼い頃はお伽話を聞いて育ったんですか?
ケペシュ・ナージャ 2023年12月12日
えぇー……なんですか、そのすごく嫌というわけでもないけど地味に嫌な呪物は。
(怪訝な顔で、伸ばしかけていた手を引っ込めた)
もっと平和で面白いものは見つかりませんかね。こう、例えば何らかの理由でこっそり隠している本とか。
ゼキ・レヴニ 2023年12月17日
生き死にの瀬戸際か。わかるってか、わかっちまうってか。お前さんと同じ理由かは分からんが……、
(君に背を向けたまま、作業机の上を片付けている。少し考えるような間を置いて)
……だがよ、もう少し長く生きても良いと思うんなら……いいか、心は瀬戸際の内側に置いておくんだぜ。(わかるか? と一度君の方に視線を投げる。)
……ン? ああ、おれは長生きする気満々よ、折角貰った命だからな。白髪になる前に禿げちまうかもしれねえが! んはは。
(問いには頷いて)おう、人並みには。悪い事した奴を食いに来る悪鬼の話、名を轟かせた戦士や英雄の話なんかをな。
お前さんも、母君から聞かせて貰ったりしたのかい?
ゼキ・レヴニ 2023年12月17日
ふっはは、んな渋面すんない。一見くだらねえ呪物でも、工夫次第で強力なエンチャントとして組み込めるんだぜ。
お前さんも、ディヴィジョン内でこれはと思うモンがあったら手に入れてきてくれよ。
コッソリ隠してる本……? んっ?? いやいや、隠さにゃいけねえ本ってどんな本だいハハハ。(乾いた笑いを零しながら、スーッと横の棚に移動し、奥の方をゴソゴソ探りだした)
ケペシュ・ナージャ 2023年12月21日
瀬戸際の内側、ですか。
(視線が合えば、その言葉に含まれた意図を自分なりに考えて)
……死に急ぐなということでしょうか?
(自信なさげにそう答えた)
大丈夫ですよ、ゼキ殿ならきっと髪が無くとも男前です。
へぇ、どんな話なんだろう。悪い鬼は幼い子供にとって恐怖の対象になるんでしょうね。
……ええ、眠る前に毎晩聞かせてくれました。特に自分からせがむことはしませんでしたが、それでも夜が来るのが楽しみでしたね。
(物語の内容は殆ど忘れてしまったが、それを語る母の顔は今でもまなうらに刻まれている)
ゼキ殿のご家族の話は、あまり深く聞かない方が良いですか?
妹君の話は前に聞かせてもらいましたが。
(特に復讐者には尋ねにくい話題だ。だからそっと確認するように)
ケペシュ・ナージャ 2023年12月21日
毒も使い方によっては薬になるようなものでしょうか。
エンチャント……うぅん、奥が深い。俺にはまだまだレベルの高い話ですが。
分かりました、見つけ次第持ち込むことにします。
……どうしていきなりそこを漁り始めたんですか?
(怪しい。とても怪しい)
ちょっと俺にも見せてください。
(ずいっと隣から棚の奥を覗き込んで)
ケペシュ・ナージャ 2023年12月21日
ん?これは……
(奥から引っ張り出した写真に写っていたのは)
ゼキ殿のところの……えぇと、確か名前はネイト。もしや秘蔵の写真というやつですか。
(可愛い、と呟きながら写真と見つめ合っている)
ゼキ・レヴニ 2023年12月26日
(頷く事も、否定する事もなく)
それもあるがね。……「あっち側」ばっかり見てるとよ、いつか心が囚われちまって抜け出せなくなっちまう。
そうならねえように、大切なもん、帰れる場所を内側に大切に持っとけって事よ。
(ほんとかぁ?と碌に手入れもしていない髪を撫でつけ)
もう殆ど憶えてねえが……世界中どこにでもあるような話さ。子供が悪さしねえよう躾ける為のな。
ケペシュ坊ちゃんにゃそんな躾は必要なかったろうなァ。(せがまなかった、という所がまた、小さい頃からケペシュらしいと思いつつ)毎晩お話を楽しんで聞いてくれる子供なんて、可愛くて仕方なかったろうよ。
――家族ってと。おれん中にゃふたつ意味があってよ。
血縁か、同じ隊の“家族”か。
血縁の事なら、長いこと疎遠だったもんで話せる事があんまりねえのよ。
隊の「家族」の事なら、聞かねえ方がいいどころか、聞いてくれる奴がいるなら喜んで話したいぐらいに思ってるよ。
ゼキ・レヴニ 2023年12月26日
大体そういうコト。毒と言や、お前さんそっち方面には詳しいんじゃねえか?
例えば、斬ると毒を流し込む武器とかよ。それも一種のエンチャントだぜ。
おれとは違う発想ができそうだし、自分の得意分野を伸ばしてくのもアリかも知れんな。(あたらしい可能性を感じてつい声が弾む)
ゼキ・レヴニ 2023年12月26日
うおっ(さりげなく体を傾けて棚をディフェンスしようとしながら)
いやいやいや怪しくなんて全然ないぜ。ホラッ、可愛いな〜うちのネイト。よく見てみ、こん時ベロ出しっぱなしでよ……
(君が見ている写真は、今さっき「ブツ」の手前に仕込んだいわばデコイだ。ありがとうネイトお前は最高だ、と心の中で唱えながらブツを棚の奥底に押し込んだ。その間コンマ2秒)
……ふゥ!大体、それなりに……半分ぐらいは……片付いたよな!
良い時間だし、残りは明日にして飲みにいくか!
(急に言い出したのは、夜中ブツを片付けておく作戦を思いついたからだ。別に男同士、見られても困らないものじゃあるが、まだまだ君の前ではカッコ悪い大人にはなりたくないのだ)
ケペシュ・ナージャ 2024年1月1日
囚われて抜け出せなく……
(貴方の言葉を繰り返し、記憶に刻む。含まれた意味を丸ごと理解するには、きっと時間が必要だろうから。それにしても、その口振りはまるで)
実際にそうなってしまった人がいるんでしょうか。
……ともかく、肝に銘じておきます。貴方と賭けをした日に決めたんです。ゼキ殿を裏切るようなことはしないって。
逆にゼキ殿はヤンチャな子供だったんでしょうね。なんとなく、ですが。
(もしかすると、なかなかベッドに入ろうとしなかったのではないだろうか。そんな光景を思い浮かべては微笑ましさを感じた)
それは良かった。それじゃあたくさん聞かせてください、ゼキ殿の「家族」の話。
……とはいえ、今日はもうあまり時間がないでしょうから。また時間に余裕のある時に。
(エンチャントについて、まだまだこれから学ぶことが多そうだ。「勉強になります」と頷いた)
ケペシュ・ナージャ 2024年1月1日
あぁ、本当だ。舌が出ている。……これはゼキ殿がめろめろになるのも分かる気がします。
(写真に夢中になっており、コンマ2秒の早業には気が付かなかったようだ。暫く眺めた後で写真を貴方の方へと差し出した)
はい、お返しします。大事なものでしょう。
え、もう切り上げるんですか? まだ手を付けたい所があったんですけど。
(しかし貴方に助け舟を出すかのように、折良く腹の虫が鳴いた)
……まぁ、でも、そうですね。親方がそう言うなら従いましょう。
(こほんと一つ咳払いをして)
どうでしたか?初日の働きぶりは。明日からも頑張りますからね。
ゼキ・レヴニ 2024年1月6日
――いたかもな、そんな奴も。
ン、その言葉、信じるぜ。それと……、ありがとな。(「繰り返さない」方に賭けてくれて。そう付け足してから一拍置いて、ぐしゃりと後頭部を掻き)
……ったく、かわいい弟子が出来たからってつい心配性が出ていけねえや。お前さん、今のうちに耳栓でも買っといた方がいいかも知らんぜ。
おれ? そうな、家でお話を聞くよか、外で走り回ってたかもなァ。わかっちまうか。
(大人としてずいぶん長くやってきたつもりでいたが、少年時代の残滓はまだ見える所で燻っているらしく。そんな自分へのちょっとした反抗のつもりで、カウンターに寄りかかって煙草を銜えながら)
……おや、いいのかい。なんせ自慢の大家族だったモンでよ、長い話になるぜえ。
お話好きのケペシュ坊やなら、飽きずに聞いてくれっかね。
(また余裕ある時にな、と頷いて)
ゼキ・レヴニ 2024年1月6日
(ヨシ、バレてない! 写真を受け取り、神棚よろしく棚の上に飾っておいた)
ああ。うちの守護犬だからよ、毎日ちゃんと手を合わせるんだぜ。んはは。
(幸運は続くもので、君の腹の虫にも助けられ)
腹が減っちゃ労働効率も下がるってモンだぜ。パーっと飲んで食って、明日の労働の精をつけようや。
初日の評価は……テキパキ片付けてくれる上に、工房に活気が出るとおれもやる気が出るってモンで。一石二鳥の二重丸をつけようかね。
片付けが終わったら、本格的に仕事覚えて貰うからな。甘えのは今のうちだぜ。(本気か冗句か、ニヤリと笑った)
ゼキ・レヴニ 2024年1月6日
そんな訳で。明日からも――改めてヨロシク頼むぜ、ケペシュ。
(鋼鉄の手を差し出す。生きる道はひとつではない。それを示し、導く意思を秘めて。――あたらしい日々は、力強い握手から始まるのだろう)
【了/お付き合いに感謝を】