【上層】穏やかな日常【2】
紫雲・朱夏羽 2023年9月8日
雑多なショッピングモールの喧騒を抜け出して、
開放的な屋上庭園へ────
ニュー新宿わくわくモール、上層。
聳え立つは高級百貨店、三つ星ホテル。取り巻くブティック、レストランにコンサートホール。
ここには新宿の栄華が息づいています。
────今では、海だって見えるのですよ。
【ルール】
・最初に入った人が参加人数の上限をアンケートで指定、シチュエーションを決めてください。
・続いて参加する人は、最初に入った人のアンケートと同じものを選択してください。出て行くときは全員【退場】をお願いします。
・レスが400を超えたら建て替えをお願いします。
・建て替え時にはアンケートをお忘れなく。分類は【誰でも閲覧自由・発言は友好・団員のみ】にしてください。
上層居住区の公共エリアである、庭園、百貨店、ブランドショップの並ぶ商店街などが舞台です。
利用客も店員もお上品。お行儀には気をつけて!
シチュエーション例)
・屋上庭園 ・静かな小路 ・ホテルのロビー ・百貨店 など
【入場:3人】
【入場:4人】
【入場:5人】
【退場】
0
ヘイ・ヴェルメリオ 7月29日21時
“あれは何の星なのか、何故輝くのだろうか。私はそれすらも知りたい”
…だったか、な。
(それは、本の中の台詞だったか?誰か、灼けたキヲクの中の人が言ったのだったか)
(ふ、と首を振る。耄碌したくはないものだし、そもそも)
“似合わない”
ヘイ・ヴェルメリオ 7月29日21時
(ふは、と小さく嗤った)
…──(そりゃあ、似合わないとも)今だって、見上げた星が何の正座とか、さっぱりわからんしな。
ヘイ・ヴェルメリオ 7月29日21時
(わからないから)
(わかろうとして、空を見上げて)
(──やれ、らしくはないな、と立ち上がる)
ヘイ・ヴェルメリオ 7月29日21時
(サングラスを装着し、歩き出す)
…そうだ。
(お祭り、どうしようか。何をしようか。そんな事を考えながら去っていった)
(【退場】)
ハヴェン・リィ 9月10日21時
【夕方 黄金院ロード】
(無効票)
ハヴェン・リィ 9月10日21時
(今日も一仕事を終えた娘はひとり煌びやかな黄金の道を歩いていた)
(初めて訪れた時には「本当に、この金の道を踏んで歩いていいものか」と悩んだものだが、一年と三ヶ月も過ぎれば慣れてくる――感覚がマヒしたとも言えるだろう)
ハヴェン・リィ 9月10日21時
(この辺の店は極めて豪華だ。娘は知らないが、顔馴染の大富豪が贔屓にしている高級店が集められている場所である)
(普段なら気持ちテンション高めに黄金のタイルの上を歩いてさっさと他の階へと降りていくだけなのだが、今日は珍しくひとつの店の前で立ち止まる)
ハヴェン・リィ 9月10日21時
(そこは宝石店だった)
ハヴェン・リィ 9月10日21時
(入口近くのショーウィンドウには――恐らくは何らかのテーマに沿った展示なのだろう。青と紫の造花がアーティスティックに花瓶から溢れ出し、その傍らに、宝石をあしらった蝶のブローチと花のネックレスが並んで飾られていた)
ハヴェン・リィ 9月10日21時
…………
(娘はそれを、じっと、何も言わずただ眺めていた)
ル・タッタ 9月10日21時
────欲しいの?
(ふわりと、現れたような。パッと、現れたような)
(元からずうっと、そこに立っていたような)
(そんな少女が、あなたの横顔を覗くように笑んでいました)
(無効票)
ハヴェン・リィ 9月10日21時
厶?(知らない娘がそこにいる)
……そう、だな。よくわか、ない。ボクには必要のないものだ。
ハヴェン・リィ 9月10日21時
それでも――見つめてはいたいと思う。それくらいだ。
ル・タッタ 9月10日22時
見つめていたい……見つめるだけでいいの?
普通、手に入れたい。身に着けたい。欲しい。……って、願うはずなのに。
ル・タッタ 9月10日22時
あなたに似合いそうなのに。
(指先を空を摘まむように動かして、あなたの首にあのネックレスを合わせるような仕草)
ハヴェン・リィ 9月10日22時
……ボクは、こういった宝飾品の類は身に付けることが少ない身分だった。色のついた宝石は特にだ。
別に必要ない。
ハヴェン・リィ 9月10日22時
(そう思っているし、事実この店に並ぶ品は自分に相応しくないと感じている)
……必要はないのだが、見てしまうのだ。
あれが欲しいというわけでもないのに。
ル・タッタ 9月10日22時
(だった
…………)
そう。
ル・タッタ 9月10日22時
必要ないと思うのは当然だと思うわ。だって、人間にはいらないでしょう。あんなもの。
食べられるわけでも、命を助けてくれるわけではないんだもの。
ル・タッタ 9月10日22時
ただ、人間を煌びやかに彩る為のもの。そうあるべきと作られたもの。
けれど────
ル・タッタ 9月10日22時
石、だと思って見るのなら、とっても素敵よね。
ずうっと、見てしまうものね。
まるで、あの中に吸い込まれるみたいに。
ハヴェン・リィ 9月10日22時
いし。
(そう、あれはただの石だ。どこかで掘り起こされ、磨かれ、より美しく魅せるために整えられたものだ)
……ン、それは、分かる。
あの宝石は美しい。あのひと粒ひと粒にどれだけの人が携わったか、それらには興味がある。
ハヴェン・リィ 9月10日22時
……
(そう、この見知らぬ娘の言うとおりだ。この石は生きる為に必要ではない。嘗て部族の長達が示した通り、彩り示す、権力の象徴だ)
――キミ、キミはああいうもの、持ってる?
(彼女の言葉に興味を示した娘は、僅かに高い位置にあるその目を見た)
ル・タッタ 9月10日22時
────さあ、どう思う?
(うっすらと笑みを浮かべながら、再び指先が空を辿る)
(瞬き一つ。あなたがした頃)
ル・タッタ 9月10日22時
どうかしら。
(似合う?と。先ほどまでショーウィンドウにあったはずの花のネックレスがそこにはありました)
(まるで真っ白な花瓶に、一本だけ花を挿したようでした)
ハヴェン・リィ 9月10日22時
どう……と、
(思いがけない言葉を聞けば、自然とまばたきの回数は増える)
言われ
(その僅かな間に)
ても
ハヴェン・リィ 9月10日22時
分から……厶?
(何故)
(何かのまじないか、それとも奇術か。彼女の首元を彩るのは――先程まで見つめていたそれと同じだ)
……どう、やって?
キミもそれを持っていたのか?
(ああ、いや、それもだが、問われた事を返さねば)
ハヴェン・リィ 9月10日22時
似合っては……いる。
(白の中にひとつ、鮮やかに輝く花は――赤く、あかく、心臓のように美しかった)
……、(見つめていると奇妙な心地になる。胸の奥の、何とも表現し難い塊が喉にすら到達してくれない。そんな感覚だ)
ル・タッタ 9月10日23時
ありがとう。素直に褒めてくれる子は好きよ。
(その笑顔に嘘はなく、心の距離と同様に一歩。ぺたりと踏み出して)
ル・タッタ 9月10日23時
例えばそうね────隠していたとか。
この服の内側、あるいは……口の中とか。
ああ、それじゃあ面白くないわ。
魔法でこの手のひらから生み出したというのはどう?
(絵本でも描くように、嬉々として語って)
ル・タッタ 9月10日23時
それか────あそこから盗んでしまった、とか。
(あなたが振り返れば、ショーウィンドウの向こう側は空っぽでした)
(まるで、元からそこには何もなかったかのように)
ハヴェン・リィ 9月10日23時
(ぺたり、狭まる視界に近づく顔。幼気で愛らしいと感じはするのだが)
……
(少女の描く喩えの数々はどれも心に響かない)
ハヴェン・リィ 9月10日23時
盗……む?
(言われ、振り返り)
――(空っぽ。何も、何も無い。先程まで見つめていたものが)
…………そう、か。
ハヴェン・リィ 9月10日23時
――キミ。
それを本当に盗んだのなら、元通りに戻しなさい。
欲しいのなら、ボクが買って与えてあげよう。
(淡々と、子どもを叱るにしても平坦な声音だった)
ル・タッタ 9月10日23時
(怒られちゃった)
ル・タッタ 9月10日23時
買い与えるだなんて。まさか。
そんなことできないわ。だって、これは。
ル・タッタ 9月10日23時
────わたしの心臓そのものだもの。
(細い指先でなぞった刹那)
(どくん、と)
(そう、見えたかもしれない)
ル・タッタ 9月10日23時
…………なんちゃって!
(パッと両手を開いて、可愛らしいポーズを見せました)
(そこにあったはずのネックレスはなくなり。そこから消えたはずの宝石たちは元通り。元から、"何事もなかったかのように")
ハヴェン・リィ 9月10日23時
できない?
……その宝石を、ボクが?
(なぞった細い指の先、赤が跳ねた)
(ように、見えた)
ハヴェン・リィ 9月10日23時
(が、ぱっと、全てが元通りになっていた)
……厶?……おお。
なんだ、手品だったのか?
フフ、そうだとしたらすっかり騙されたな。
危うく「めっ」するとこだったぞ!
(先程までの言葉の平坦さは消え、朗らかに笑いかける)
すごいな、キミ。名前はなんという?
ボクはハヴェン。色んなところでお手伝いしている身だ。
(よろしくな、と手を差し出した)
ル・タッタ 9月11日00時
ふふ、そうなの。わたし、ちょっと得意なの。
(嬉しそうにニコニコと笑顔を返して)
ル・タッタ 9月11日00時
わたしはね、ル・タッタ!ルゥって呼んで、ハヴェン!
(差し出された手に、こちらは包むように両手を伸ばして)
ハヴェン・リィ 9月11日00時
フフ、るたった。可愛い名だな。踊る足先のようだ。
ルゥ、と呼べばいいか。うむ、よろしくな。
(包むように伸ばされた手は容易に娘の手を隠すだろう)
(包んだのなら、娘の皮膚の下――這い回るように蠢く何かがある事を知るかもしれない)
ル・タッタ 9月11日00時
(────────そう)
(どこか、親近感にも似た何か。心の隅が、弾むようだった)
ル・タッタ 9月11日00時
そう、そうよ。わたしの名前、かわいいでしょう。
名前の通り、踊るのも好きなの。
少し、踊ってみる?ハヴェン。
(握った手は、ダンスに誘うように手の平を上に返して)
ハヴェン・リィ 9月11日00時
(娘はただ優しく微笑んで)
ハヴェン・リィ 9月11日00時
フフ、そうなのか?
……そうだな、踊るのも悪くない。
ああそうだ、店の前では迷惑だろう?
下の階の広場まで行こう。あそこなら、踊っても怒る人はいないだろうからな!
(握られていた手は重ねたまま。ほんの少しだけ自分の方へと引き寄せるように力を込めた)
ル・タッタ 9月11日00時
ああ、うれしい。うれしいわ!
行きましょうハヴェン!
(引き寄せられるまま、あなたと共に行くでしょう)
ハヴェン・リィ 9月11日00時
(そうして、金のタイルを軽やかに踏みながら、娘は少女の手を引いて下の階へと向かうだろう)
(先程までの悩みはすっかりと忘れてしまうほど、楽しそうに)
(【退場】)
ル・タッタ 9月11日00時
(────残された赤い宝石は)
(まるで胎動するかのように、煌びやかに)
(【退場】)