【夏フェス】御澄機津
御澄・機津 2023年8月29日
燦然とした夏の陽と、青空直下のステージ。
極彩色のライトが交錯する中。
熱い陽射しとロック魂に灼かれた、一人の男が吼える。
ロッキュー
「R9!!!」
今日のキーボードは、フェス仕様のニューカマー。
イエロー、フラッシュグリーン、ビビッドピンク。
カラフルな点灯、その背後で青年は不敵に笑う。
「ははっ、すっげえ熱気! なあおい、最高じゃん!」
ステージ上から見渡す、人の海。海。海。
ペンライト、タオル、拳。
掲げられたそれらに、昂揚に、まなこを爛々とさせながら。
「ピアノ・ガンナー、御澄機津!!」
びりびりと大声が空気を震わせる。
遠吠えは、高らかな名乗り。
DINOから評された二つ名を誇らしげに冠しながら。
「“名前だけでも”なんて言わねえさ──魂に刻み付けていけ!!」
打ち込み音源は使わない。
抱えるのは、この一台で湧かせてみせるという反骨精神。
真っ直ぐに前を見据えて。
若きロッカーは、とっておきを叫ぶ。
「《銃創とドラマティカ》!」
十の指が! 鍵盤音が!
忽ち、マシンガンのように猛り出す──!
(形式:リアルタイムスレッド風! あくまでも“風”なので、お好きな自由なタイミングで楽しんでいってくださると幸いです!)
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御澄・機津 2023年8月29日
(指先から、喉から、確かな火が迸る)
“夏の炎天 響く散弾”
“なあ、銃創は汗に染みるか?”
“側溝に流した血潮とレトリック”
(乱れて跳ね回れ。ギアもゲインも最大だ)
(歓喜に餓えた十の指が、鍵盤に咬みつき、味わい尽くす。)
御澄・機津 2023年8月29日
(片目を瞑り、もう片目で狙う)
“ほら、銃口がお前を見ているな?”
“狙い構えるは十字のレティクル”
(おどけた仕草もご愛嬌だろう?)
御澄・機津 2023年8月29日
(躍り、弾み、もつれ、爆ぜる音)
“渇く喉笛 されど燦々”
“さあ、蘇生の息を吹き返せ”
“即効性活殺自在のメトリック”
(会場内の心地よい熱気に呼応して、活力となる)
(アガればアガる程──高まっていく)
御澄・機津 2023年8月29日
“ほら、水源の在処をくれてやる”
“うってつけだろう重傷のメランコリ”!
御澄・機津 2023年8月29日
(どこか荒削りの石を思わせる声が)
(挑発的に荒び、挑戦的に吼え)
(サビまで駆け上っていく──)
御澄・機津 2023年8月29日
(──『撃たれる準備は良いか?(Are You Ready?)』)
(ガンナーの銃口が、火を噴いた!)
御澄・機津 2023年8月29日
“鮮やかに穿て 五十口径”!
“ライフコインは意味を為さない”!
“あかがね貫け 八十八発”!
“デッドラインをぶち抜いていけ”!
御澄・機津 2023年8月29日
(────それは。)
(遠くまで、最果てまで)
(何処までも突き抜けていく。)
御澄・機津 2023年8月29日
“最果てに吼えろ 五十口径”!
“セーフワードはかなぐり捨てたか”!
“火花を散らせ 八十八発”!
“キラーチューンは今鳴り止まぬ”──!!
御澄・機津 2023年8月29日
(脳髄が炭酸に漬けられたように、溶岩に浸されたかのように、)
(視界はクリアに、五臓六腑は熱く、)
(観客席の海はうねり、昂り、)
(ああ、──ああ!)
(最高が過ぎる!!)
(フェスは何度目かのたけなわを!!)
御澄・機津 2023年8月29日
“最前線だと心得ろ”
“眩暈さえ激しくクロマティック”
“諸手を挙げろよ ロマンティカ”
(歓声は、がなりは、蒼穹の彼方へ。)
(音の高波に呑み込まれていく。)
御澄・機津 2023年8月29日
“第一線を駆け抜けろ”
“焦げ付かせたのはドラスティック”
“歓喜の坩堝を ドラマティカ”────
(余韻が、大気を震わせた。)
御澄・機津 2023年8月29日
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(鳴り響く、アウトロ)
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御澄・機津 2023年8月29日
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(照明が切り替わる)
(唯一つ、スポットライトがロッカーを照らす)
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御澄・機津 2023年8月29日
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(疾走する──アウトロから、曲と曲とを繋ぐメロディ)
(指は走る、鍵盤の上を奔る、止まらない、もう止まれねえよ)
(汗が肌を伝い、とめどなく落ちる)
(夏に浮かされた酩酊の上で、ざわめき、歓声が弾ける)
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御澄・機津 2023年8月29日
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(アドレナリンにやられた脳味噌が)
(行けるとこまで行こうぜ、と笑う)
(ああ、勿論だ)
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御澄・機津 2023年8月29日
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(──がらりと変調)
(速度は落とさず、次のイントロへ)
(サイケデリックな照明がステージ全域に燦然と降り注ぎ)
(血色の舌が唇を舐めて)
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御澄・機津 2023年8月29日
──酔い痴れろ、《ロケンローアディクト》!!
御澄・機津 2023年8月29日
(左手が織り上げる低音、右手の軽やかな高音)
(縺れ合い、競うように、Aメロへとなだれこんでいく)
(それは常よりも何処かキャッチ―で)
(普段に増して、悪戯複雑な曲の作り)
御澄・機津 2023年8月29日
“白鍵! よう兄弟調子はどうだい?”
“発見絶好必然的で人畜有害なときめき足りてっか”?
(搔き乱して遊ぶ悪童めいて)
(怒涛、瀑布、捲し立てるような言の葉とサウンド)
御澄・機津 2023年8月29日
“黒鍵! なあダチ公どうにも冴えない?”
“滑稽最高カッチブーで天下無敵の遊びをしようぜ”!
(縷々ならず轟々と)
(壇上へと誘うように、鳴らす、鳴らす)
御澄・機津 2023年8月29日
“欠伸噛み殺すより退屈の喉笛”
“刺激的で炎症的なこの先は燎原”
“なあもっともっともっと爪研いで笑え”
“重たいお飾り 擲ちゃいい”
御澄・機津 2023年8月29日
(喜色と酔いにくらめいては)
(内側から込み上げ、心の臓、骨の髄まで焼き焦がさんとする音)
(八十八鍵のフィールドを所狭しと駆け巡れ)
(ほら、行こうぜ──準備は万端だろう!)
御澄・機津 2023年8月29日
“手応え上々 耳に寄越せよ”
“ハードでラウドでヘヴィでクレイジー”!
“如何様にも 指を鳴らせよ”
“ハートもボディも奮っちまってんだ”!
御澄・機津 2023年8月29日
(高まり過ぎてふっ倒れそうだ)
(嘘、倒れてやんない、勿体ない)
(もっと、もっと)
(ステージ上に、皆の前に、立っていたいから)
御澄・機津 2023年8月29日
“埒外上等 音にのぼせて”
“ビートでライトでキッチュでクレイジー”!
“イカサマでも それがいいさ”
“ハートもボディも極っちまってんだ”!
御澄・機津 2023年8月29日
(心臓が囂々と血流を送る音がうるさい)
(熱狂だけを、聞いててぇなあ)
御澄・機津 2023年8月29日
“答えは上々 耳を汚せよ”
“ハードでラウドでヘヴィでクレイジー”!
“如何様にも 指を走らせ”
“どうにもこうにも痺れちまってんだ”!
御澄・機津 2023年8月29日
(「クレイジー!」と唱和する声が客席から飛ぶ)
(「お前ら最高!」と詞の合間にがなって)
御澄・機津 2023年8月29日
“一概上等 音を喰らわせ”
“ビートでライトでキッチュでクレイジー”!
“イカサマでも 逆様でも”
“どうにもこうにも────”
御澄・機津 2023年8月29日
(一瞬、音に空白)
(あおのき、喉を晒して、視界一面の青へと)
“────堪んねえんだ”!!
(どっと激しく指が、鍵盤音が、雪崩れる)
御澄・機津 2023年8月29日
(延々と続くようなアウトロの中)
(搔き消されぬ音量で、MCをがなって)
御澄・機津 2023年8月29日
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会場の皆みんな、R9、39!
ロックは好きか!! 好きだよな勿論、知ってる!!
ライブはまだまだこれからだぜ!
覚悟しろよ、ちょっとやそっとじゃ帰さねえからな!
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御澄・機津 2023年8月29日
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(ステージ上の熱は、まだ、まだ、終わらない)
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御澄・機津 2023年8月29日
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(不滅の炎だと言わんばかりに)
(夏の日。炎天の下)
(今日も、御澄機津のロックは──生きている)
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(R9!!)