【個別】Calling You
赤薙・夜明 2023年7月25日
夏に賑わうわくわくモール。
新宿島に夏休みという意識は希薄かもしれませんが、子供や家族連れが多い気がします。
そんな中で二人が訪れたのがわくわくモール4階にある電話ボックスの前。
其処は嘗てそこにありながら世界中と繋がっていましたが、現在は精々の奪還された東京区内とだけ通じているでしょう。
しかしそんな状況でこそ、通じなくなった場所に対応する何処かへと通じる事も
あるのかも、しれませんね……。
#赤薙・夜明
#十埼・竜
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赤薙・夜明 2023年7月25日
(父親を裏切った母親、母親を殺した父親、それに破滅の引き金を引いた娘が何を話し合う事があるのだろうか)
……でも。確かめたいのは、確かですね。
十埼・竜 2023年7月25日
(声が聴こえないなら、可能性は収束しない。)
(便りがないのはよい便り。)
(……それで、都合のいい夢を捨てきれなくて、狂った男を知っている。)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
(コール音は続いている。)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
…………僕が知ってる手順はここまで、なんだけど。
特に変わったことは起きないね。
(きみに受話器を渡しながら)
どうする?
ガセだったって、調査はここまでにするか。
……僕としては、もう一度くらいは試してもいいと思ってるけれど。
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
ぼくも、聴いてみたい声があるしね。
赤薙・夜明 2023年7月25日
…………。
いえ。やっぱり私。
これでいざ、両親の所へ繋がっても。何て話せばいいか、わからないですから……。
(渡された受話器を手に取って)
赤薙・夜明 2023年7月25日
(電話機の元へ下ろす)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
(電子音)
(公衆電話から鳴り響く)
(着信を示す音)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
電話、鳴ってる……!?
(驚き、硬直したまま思わず十埼さんの方を見ます)
十埼・竜 2023年7月25日
(だしぬけにベルが鳴りだしたから、ぼくもきみみたいに硬直して)
(顔を見合わせる)
(この電話機に、外部からの異常な電気的干渉はない。それはぼくの耳が保証する)
(つまりは――――)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
…………「一回電話を切ること」。これが最後のピースだったっぽいね。
、、、、
(何かは、そこに繋がっている)
(電話機を鳴らしているその通信に、チューニングを合わせようとしながら)
夜明ちゃん。……これは多分、夜明ちゃんを呼んでるんだと、思う。
怖いなら、僕が出るけど……(どうする? と、目配せした)
赤薙・夜明 2023年7月25日
だから、わたしは。
(話す事は、無い)
(一体何を話す? そもそもこの先が何処へ繋がっているかもわからない)
(いや、この先に、誰かいるなら。それは)
(私と話そうとしているのだろうか?)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
わたしは……。
(受話器に手を伸ばし。それを取った)
もしもし……赤薙です。
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
(受話器の向こうから、何も聞こえてこない)
……ママ?
(少なくとも、あらゆる波長の波を聞き取る貴方にはそう感じ取れるだろう)
え……? ……ん……はい。……はい。
(だが、受話器を耳に当てた少女は確かに「声」に反応しているように貴方からは視える)
あの……あの……実は、確認したい事があって。
私は夜明ちゃんの友達で。
夜明ちゃんのお父さんに聞かなくちゃいけない事があって。
(木の葉が風に揺れ見えない風の形が分かるように、言葉の間の取り方、身体の反応が確かに少女は何かと言葉を交わして居るらしいと貴方は気づくでしょう)
十埼・竜 2023年7月25日
……。
(漏れ聞こえるはずの声も、何もない)
(なるほど)
(今、招待されているのはきみだけだ、夜明ちゃん。)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
(ぼくたちは、刻逆で別たれて2年経とうとしている)
(夜明ちゃんが両親の死を確信している、ということは、もしかしたらもっとだ)
(……受話器の向こうの死者は、“いつ”なんだろうね)
(言葉を紡ぐたびに微かに揺れる背中を見守りながら、そんなことを考えている)
赤薙・夜明 2023年7月25日
あの、あのっ……夜明ちゃんのお父さんは!
(緊張に声が震える、叫ぶように訴えかけ、息を飲み、そしてそっと囁くように声を続ける)
夜明ちゃんの事…………好きでしたか?
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
(沈黙が訪れる。受話器を握りしめたま、呼吸を荒げじっと、少女はそこに立ち竦む)
――――。
(ぱくぱくと口が開閉して、言葉が声にならないまま少女の口から洩れる)
ありがとう……ございました。
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
――ごめんなさい、パパ。
(そう言って、返事を待たず受話器を置く。ここで初めて利用を終わった事を機械が認識して元の機能通りテレホンカードが吐き出される)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
……十埼さん。今の人は、私の父親でした。
本物かは、分かりません。
でも……パパだと思います。
(目元を覆い隠したまま、未だ震えの残る声で)
確かめたい事は確かめられました。
十埼・竜 2023年7月25日
……本当に、きみの父親だと。……ほんとに思う?
ただきみの中の虚像を共有するだけなら、ぼくにだってできるんだぜ。
これがタチの悪い悪戯や罠だって可能性はいくらでもある。
(穏やかに声をかけながら、きみの前で少し屈みこんで、隠れたままの目線を合わせた)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
………………ろくでもないこと言われたの?
赤薙・夜明 2023年7月25日
そうですね……私の過去なんて、いくらでも調べようが在りますし。
本人以上に本人らしく振舞えるような人間だって居るんでしょう。
でも……あれは。
(何をいわれたのかと、問われ、他でもない貴方がこれを聞こえなかった、アレは自分にしかとどなかったのかと、ここで初めて悟り。ゆっくりと首を振る)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
パパは、私の事を好きか聞かれたら泣いてました……すごく、すごく苦しそうに。
泣いてたから、それが答えで、それで充分なんです。
十埼・竜 2023年7月25日
………………。
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
(きみの背中を、優しく撫でて、擦る)
そっか。
娘のきみには、解ることだよね。
(きみの両親ときみとの関係を、ぼくは知らない)
(ぼくは父親と良好だった方だし)(けれど、世の中には酷い親がいることだって知っている)
(……ここのところのきみの“波”の沈み方が、どうにも、ぼくに嫌な想起をさせたけれど)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
僕で良ければ、話を聞くよ。
……それとも、今はいい?
赤薙・夜明 2023年7月25日
(苦しい程、好きで居てくれたから、泣いてしまったのだと)
(そう解釈する事にした。それ以上は知らなくていい)
(壊れてしまったけど、全部は壊れて無かったのだと解かればそれだけで)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
私と家族の死因は、父親からの無理心中でした。
其処に至る切っ掛けを作ったのが私の母親の素行に対する告発で。
だから私は憎かっただろうなって……。
でも、憎いより辛かったんだってわかったから。
(だからいいんだと思った、勿論彼の耳にも分らなかった声が幻では無いとは限らないけれど。そう思いたいと、そう思った)
十埼・竜 2023年7月25日
(厳しい顔で)
(きみの告白を、懺悔のようだな、と思う)
(ぼくは何時から父さんをパパと呼ばなくなっただろう。家族が軋んで壊れた時、その引鉄をひいたとき、きみはきっと、十分に幼かったんじゃないだろうか)
(…………忘れてしまう方が、幸福だった記憶。)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
(件のドラマでは、何度も繰り返されるモチーフがある。「騙されていたとしても、その方が幸福だったんじゃないか」。)
(「真実を暴いたところで、辛くて不幸な現実があるだけだ」。)
(それに打ち勝つ物語は、ぼくらが勝手に抱く希望的ご都合主義で)
(生憎ぼくたちは現実に生きている。)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
……夜明ちゃんは、お父さんのこと、好きだったんだねぇ。
(背中をぽん、ぽん、叩いて)
少なくとも。
この電話を電気的にハッキングして、っていう生身の人間の悪意はなかったよ。
僕の耳でも簡単には読み解けない、神秘的な現象が起こったのは確か。
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
……夏の怪談話が本物だったって、体験しちゃったねぇ。
赤薙・夜明 2023年7月25日
パパも、ママも好きでした……。
全部思い出したから、今はちゃんと覚えてます。
(背中を叩かれると、目元を拭う仕草をして)
へ、へっ……。
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
(いつもり赤い目は貴方を見る)
ドラマみたいなトリックでは、ありませんでしたか……。
けっこう怪談とか苦手なんですけどね。私。
…………。
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
でも、これは悪い体験では無かったと。そう思います。
十埼さんは?
十埼さんも、確か何処かに掛けようとしたのでしたっけ?
十埼・竜 2023年7月25日
……僕は、ね。
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
僕の母親の声が聴けやしないかって思ったんだけどさ。
……とはいえ。
僕はその人の声、知らないし。
……向こうだって、まさか産んだばかりの自分の息子からの電話なんて、想像するはずもない!
(無効票)
十埼・竜 2023年7月25日
……だから、結構、迷っててさ。
今日の所はここでおしまい、でも、僕は構わないよ。
(時計を見る。……夕飯の支度の時間は、確かに近いのだし。)
赤薙・夜明 2023年7月25日
(十埼さんのお母さん)
(十埼さんを産んで亡くなったんですね……)
(自分を産んで亡くなった母親について、それを知り貴方に語る父親について、貴方はどう思うのだろうと考えるけれど)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
そうですね。もしも話すなら、ゆっくりと話せたほうがいいのかもしれません。
(電話機からテレホンカードを抜き。十埼さんに手渡して)
何もな話す事も無いと思って居たわたしも。
実際繋がったら、私も思ったより話す事がありましたから。
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月25日
十埼さんのお母さんは16年分の話を聞きたがるかもしれません。
そしたらそれ一枚じゃ足りないですし、お夕飯にも間に合いませんからね。
準備して、準備ができたらまたここに来ましょう。
十埼・竜 2023年7月26日
(薄っぺらな交霊カードを、財布に仕舞って)
……まず灯台がラジオ局になって父さんが初代局長です、ってところから説明が始まるし、そりゃあもう長い長い話になるよ。
面白がるだろうなぁ。
(ぼくは、その人のことを伝聞でしか知らない)
……来てみたいって言ってた、し。
(少し、歯切れ悪く笑う。)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月26日
(ぼくの母親は、ぼくを産んでから海難事故で亡くなった)(――――というのは、或るワールドハッカーの描いた夢で)(彼女は、ぼくを生んですらいない)(けれど今、実在するのは“僕”)
(胡蝶の夢は。赤の王の微睡は。)
(……どちらが真実で現実かなんて、目覚めているものが決めればいい。そう思うけれど)
(電話の先は、どちらに繋がるのだろう)
(無効票)
十埼・竜 2023年7月26日
……そうしよっか。ついでにモールで買い物してく?
終雪先輩に欲しいもの聞いてさ。……ついでに食べたいものもネジ込もうぜ。
赤薙・夜明 2023年7月26日
それは――ええ。
私も私の事も、パパやママと離れてからどういう事が起こったかも、是非話しておきたいものですね。
ちょっと一日では語り尽くしようが無いでしょうし。
そもまた何れ……。
(此処に立ち寄らずとも、死者が行き着く何処かがあるのなら。きっとそこで私達は出会い、再び話す事ができるのだろうと思う)
(無効票)
赤薙・夜明 2023年7月26日
おお、それはいいアイデアですね。
早速、終雪先輩に連絡です。
(そう言ってスマホを取り出して)
(📞)
赤薙・夜明 2023年7月26日
今日はなにを食べたいでしょうね十埼さん、は。
(そんな他愛も無い話をしつつ。一瞬番号を入力するか迷い、SNSを経由して終雪先輩へと夕飯の相談を持ち掛ける夜明なのでした)
十埼・竜 2023年7月26日
因みに今日のわくわくスーパーのセール品はニガウリと豚バラだよ!
いやゴーヤチャンプルー食べたいかって言うと……あれは苦いからなあ……
(📞)
十埼・竜 2023年7月26日
(――――そして、ぼくたちは)
(生きている声の側に、戻るのだ。)