【日記】2023.6.18 作られし者
リオーネ・クア 2023年6月18日
マリー・アントワネット。
歴史に詳しくない俺でも、その名は聞いたことがあるくらい有名な人だ。
ディアボロスはマリーさんを処刑から助け、長い間交流を持ってきた。
不思議な存在だったけれど、やがてその正体が明らかになった。クロノヴェーダによって作られた、本来なら存在しない存在。つまり、本来の歴史のマリー・アントワネットではない。本来のグランダルメディヴィジョンから派生した時代に存在する者。
派生した時代が近々消滅するであろうときに、彼女はあるべき状態、すなわち消滅するであろうことを受け入れていた。
俺はエゼキエルが消えるときに自分が消滅するとしたら到底それを受け入れられないから、その覚悟はとんでもないものだと思った。一目お会いして、最後になるかもしれない時間を楽しんでもらいたい。そう思って、彼女に初めて会いに行った。彼女は、初対面の俺にも微笑んでくれたし、ロッソのダンスも楽しんでくれた。
結果的に彼女は、あるディアボロス達の説得を受け入れ、ディアボロスになるべく特訓をして、新宿島に流れ着くことになったのだけど、彼女は最後まで消えずに済むだろうか。
……彼女の心配ではなく、俺の心配をしているからひどいな、とは思う。
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