鐵顎圏

統べる五指

ゼキ・レヴニ 2023年4月19日
2023年3月某日、鐵顎圏地下『アリーナ』――

この時期の忙しなさは復讐者達も例外ではないようで。
昼間は鍛錬場として開放されている場内に人影はなく、
新たに利用者が現れる様子もない。
これ幸いと、『貸切』とでかでかと書いたボードを入口に吊るすと、
マーカーペンをくるりと回して、ひとつ、閃いた悪ふざけを書き足した。

『用途:バースデイ・パーティ!』

――――――――――――

●お約束した方との1:1RP
●〆の目安:30発言程度のよき所か、2週間発言が途切れたら




1

ゼキ・レヴニ 2023年4月19日
(『アリーナ空いたんで、今なら例の試用できるぜ。暇だったら来てくれ』)
(魔術師の友人にメッセージを送り、持ってきた荷物を客席に置くと)……よっと。(柵を跳び越え、重い金属音を轟かせながらアリーナ場内に降り立つ。広い場内の隅にあるプロジェクターを起動し)

さあて、かわい子ちゃん。奴にちょいと悪戯をしてやろうぜ……(機械を弄っている時は無意識に独り言が多くなる。リズムよくパネルに指を滑らせて、設定を組み込んでいく。)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年4月20日
(メッセージを受け取ったのは少し前のこと。何度か訪れた道のりは見慣れたもので、地下へと向かう階段を下って行った。ふと入り口で目についたボードには──聞いていた話とは違うことが書かれていたような気もするが。相手の意図を汲み取るならば…と。片腕だけ嵌めた籠手とは別に、ひとつ無色の触媒を浮かせてそのまま足を向ける。男の姿はアリーナ場内にあった。)
…やあ、ゼキ。連絡をありがとう。それはパーティの準備中とかいうやつだろうか…?(作業中の様だったので一声掛けたが。弄っていたものの用途を思い起こせば、間合いを取るような距離で足を止めて。)
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ゼキ・レヴニ 2023年4月21日
おっ。本日の主役のご登場だ!
(声がかかるや、タッチパネルを軽く弾く。すると備え付けのスピーカーから大音量でご機嫌なバースデイ・ソングが流れ出し、ホログラムの花火が色取り取りに打ち上げられた! しかもおめでとうオズワルド君というなんかすごいポップな書体の文字まで踊っている)
(ハッピーバースデイ、と一節だけ指を鳴らしながら歌った男は、音楽に負けないよう大声を張り上げ)
お誕生月のお客様への特別サービスよ! どうよ、気に入ったかい?
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年4月22日
……、(思い浮かべた予想とは半々だったが大音量で流れ始める音楽を黙って眺めていた。暫しの間から、相手の大声ほど張り上げずとも届くようにした声を返して。)
……あと10年ほど若い僕だったら、率直な感想も述べられたかもしれないが。ホログラムが出て音楽も流れるならば、小型化したものでも造れたら新宿島の子ども達なら喜びそうだなとは思う。…ゼキが音楽と花火で祝われたいなら次回からはそうするし。先月の誕生祝いも今からサービスする用意はあるのだが。(コレで花火でも上げようかと主張するように。浮かべていた触媒が周囲をくるりと旋回している。)
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ゼキ・レヴニ 2023年4月23日
……めちゃくちゃ冷静に分析するな……??
(手を振ってプロジェクターに合図を送ると、ションボリと音楽がフェードアウトし、ホログラムも消え去って、がらんとした部屋の景色が戻る)

……ウン、まあちょいと驚かせようとしただけさ。マジメなお前さんの足も勝手に踊り出すぐらいのイケてるサプライズだと思ったんだけどなァ〜。
(態とらしい口ぶり程は残念でもなさそうに顎をさすりながら、旋回する触媒に目を遣って)
おっ、そんじゃ花火サービスは後で頼むぜ。籠手を試した後は乾杯するだろ?(確定事項のように曰い、)その景気付けによ。
お前さんの誕生祝いってなら、前に貰ったアレを開ける十分な理由になるしな。(客席に置いた荷物を指差す。そこに『鹿の谷』ウイスキーが入っているらしい)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年4月24日
驚かせるにしても……パーティーと書かれていたのを見かけてしまっているからな。クラッカーを鳴らすかパイ投げが飛んでくるか…くらいは身構えてしまっていたよ。…だから、思い掛けずに籠手が届いたのはとても驚いたし喜ばしくもあったし。此れでゼキを打ち負かせるように精進しよう(シュッシュッと拳を振り上げるようにして、旋回させていた触媒を留める。)
……そうか。それでは、景気付けの花火のサービスは後ほどに。アレは確か、キミの誕生祝いとして送った品だと思うのだが……好みはわからないから適当に選んだウイスキーにはなるけれども。
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ゼキ・レヴニ 2023年4月27日
くっ、サプライズの予告をしちまったって訳か。失敗失敗。
次からはいきなりパイでも投げるとすっか。(などと軽口ひとつ、)
籠手は喜んでくれて何よりだが――ふはは、その情熱はおれよりクロノヴェーダに向けてくれよ。
自分で作った装備で打ち負かされるなんざ、教訓じみたお伽噺みてえだぜ。

良い酒を自分のために開けんのは勿体なくてよ。
適当つっても、お前さんのお勧めってなら問題ねえだろ。好みかどうかは後のお楽しみにとっといて――
その前に、軽い運動といこうかい。
(プロジェクターのパネルに向き合い、ダミー訓練設定を入力しつつ、背中越しに)
……その籠手、もう自分じゃ試してみたのかい。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年4月27日
…そうか。教訓じみたお伽噺みたいなものを求めたくなったら、いつでも応えよう。
安酒でもないにせよ、そこまで良いものかも定かではないのだがね。キミの好みを探るためでもあったのだからガンガン飲んでくれて構わなかったのに。(軽い運動、とプロジェクターに向き合う相手の姿を見て。改めて、片手のみに嵌めた籠手へ視線を落とし。)
……そのことで。ある程度は製作者の意図も確認しておこうとは思ってな。僕のやり方は何度か見ているから知っているとは思うが、まあ触媒等の消費は激しいものであるし。どの程度の耐久性──破損させたとしても修理には応じて貰えるかだとか、物理的に殴るのは想定しているかとか……攻撃方面に特化するのは元々の魔術で事足りはしているので。防衛向きに多少の回路を弄ってはあるな、片腕側のみだが。(比較用に、もう片方は受け取った素面のままだとも付け加えて。)
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ゼキ・レヴニ 2023年4月29日
まァ、いいじゃねえの。何もなく一人でガンガン行くよか、祝いにかこつけてカンパイの方が美味く感じるぜ、きっと。

(『訓練モード/空間再現:オフ/保護障壁を展開』機械音声のアナウンスとともに照明が暗くなり、プロジェクターから光の網目がアリーナ全体に投影される。)

(パネルの操作を続けながら)
なんだい、安心保証サービス3年分にでも入っとくかい?
……ってえのは冗談。命を左右するモンに手は抜けねえからよ、当然激しい戦闘にも耐えられる作りにはしてあるぜ。物理的に使うのだって想定済みよ。
(必要とあらばツノまで使って戦う姿を忘れてはいないのだ)
その溝に嵌め込まれてる鉱石は魔力の流れを増幅・加速する装置みてえなモンだから、それ自体を消費するって事はねえと思うが――あとは使い方次第ってトコかねえ。
――ま、何事にも絶対って事ぁねえし。修理が必要な時は安くしとくぜ。
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ゼキ・レヴニ 2023年4月29日
っと、さっそく改良してみたのか。そんならもう仕組みはばっちりだろうし、あとは使いながら色々と試してくかい。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年4月30日
…ふむ。そうだな…まぁいいか、ということにしておこう。(機械音声と共にアリーナ全体へと投影される映像を眺める。鍛錬場として利用した機会はなかったように思うので、何が出るのやら…と小首傾げつつ。)
…この新宿島に後3年も滞在しているかは定かでもないがね。ゼキの……武器職人としての腕は信用しているつもりだったので。では…多少の激しい戦闘に使うのも、物理的に殴るのも問題はないのだな。覚えておこう。
普段用いている触媒は、魔力を込めた弾丸に近いようなものだが。道や経路、座標としても用いることはある。其の認識で違えぬのであれば……嵌め込んだ鉱石までは破損させないだろうが…僕の使い方次第、だな。わざわざ盾を使うようなやり方も、戦闘経験としては必要なことではあるのだろうし。…此の場所の設定はゼキに任せるしかないからな。
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ゼキ・レヴニ 2023年5月1日
でもよ、物理的に殴んのは最終手段みてえなモンだろ? なるべくそんな状況に陥らねえように気を付けろよ。

経路や座標か。ン、それに近いと思うぜ。嵌め込んだ鉱石はいわば――ホースの口みたいな役割だ。
お前さんの魔力が水だとして、水は擬似回路……ホースん中を勢いを増しながら流れ、対応した属性の出口に辿り着く。
出口は通常は閉じた状態だ。水の流れはそこで一旦止まり、蓄積し、加圧され、一定以上の圧力になった時点で、五指と掌に細く絞って放出される。
ホースの口を半分だけ摘むと水が勢い良く出るだろ? イメージ的にはそんなんだ。
(伝わったかどうかちらりと様子を伺ってから、パネルの操作に戻る)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月1日
(――『ダミー起動/静止モード』)(君の前方数メートル先の空間が書き変わり、地上に人型の的が数体、空中に鳥型の的が数体出現する。どれも光の網で立体的かつ抽象的に描かれた、実体のある的だ)

んで、どうすっかい。防衛だけ試すか、攻撃も試してみっか。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月2日
それは勿論。近接でガンガンに殴ってくる相手をするのは、特定の人物でくらいしか想定はしていないからな。普通は遠距離からの魔術で如何にかするものだよ。
――ホースの蛇口、水流か。んん……元々の魔術の使い方でも問題はなさそうだが、キミの解説に沿う方が本来の性能を発揮するのだろうし。多少は解釈を取り入れるとしようか。噛み合わなくとも、修正を繰り返すのが実践というもの。
(話す間に、前方数メートル先の空間が書き変わる。人影の的、飛行する的…実体のよく出来ている標的に見えた。それならばと己の取る行動は決められた通りに。)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月2日
……ああ、あの的ならば。防衛も、攻撃も――どちらもやれそうだ、(彼が告げていたのは水流のイメージだったか。籠手の広げた掌へと、魔力を水として流し込む。応じたよう鉱石が瞬き始め五指に放出され――やがて、花開くように半透明な障壁が展開された。ふわりと浮かんだ花弁のような其れを、見据えた的に向けて振りかぶり、)

……しまった、未だ投げない方がよかったか
(空中に浮かぶ鳥型の的へと向かう手前、ブーメランのように軌道修正が行われて)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月4日
特定の人物…………いやァ誰だろうなァ〜………?(わざとらしい咳払いひとつ)
前に聞いた属性やらの話を参考にしつつ、魔力を点に集約する事で精度と威力を増す助けになるように考えて作ってはみたんだが――まァ理論上のモンだしな。
お前さんのスタイルと噛み合わない部分は、モノ自体も調整していこうや。ゼキ工房はアフターケアも万全だからよ。

(プロジェクターに背を預け、少しばかり緊張した面持ちで試用を見守る。籠手を見つめる目は我が子の初めての舞台が上手くいくよう祈る親のそれだ。鉱石が輝き出せば思わず前のめりになり)
おおっ。(障壁が展開されれば感嘆の声を漏らし)――んおっ?(予想外の所でカーブを描いた障壁の行方を眺め)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月4日
…………なんだ、さっさと殲滅してもよかったのだろうか(掌へ引き寄せられるように戻ってきた花弁の其れは。パリンと硝子が割れる小さな音ひとつで消失させた。彼の反応を顧みるに――方向性として外してはいない様子なのだろう。感覚を確かめるよう籠手の五指を握り直しながら。)
…魔力を点に集約させるのは、普段使いな石の触媒がほぼ同一の理論にあたるな。ひとつひとつの精度と威力は大まかに固定されていることになる。点と点同士の攻撃方法ならば…ある程度は凌げるが。線状や面……盾のようだったり壁に近いもので来られると競り負けることは否めない。なので強度を増す手段として、蓄積し、加圧する…と、特定の軌跡を描くのであれば様々な方法も取りえるが、いちいち戦場で其れを行うのは今まで効率が悪かった。……という訳なので。ゼキが籠手に施したものは理論上でも間違ってはいないように思うが。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月4日
魔力を通してみた感触としては五層…現状では、先程のような障壁を五枚重ねくらいは放出できそうではあったな。(語る間で籠手へと蓄積させていた魔力を解放させる。先程より鉱石は輝きを増したように――宣言どおり、花弁状の障壁が五枚は掌から伸びるよう展開されていた。)
僕の練度を上げるなり、籠手を両手使いとして組み合わせるのであれば…盾としての層は増やせると考えてはいるが。設計者として観察するなかで、改良案が見つかれば教えてくれ。それこそ工房の万全なアフターケアとやらも知りたくはあるしな。

…それで。ゼキ側としては、的にギミックなど仕込んでいるのなら発動してくれて構わないし。何もない木偶の坊ならば……纏めて薙ぎ払うつもりだが。それでいいか?
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ゼキ・レヴニ 2023年5月5日
ふんふん。そんじゃ籠手があることで、防御魔術を行使するための工程がちっとは短縮されたって事でいいんかね?
その理解で合ってんなら、おれの狙いは半分ぐらいは達成されたって事にはなる。
あとの半分……威力面は、防御特化って事なら重要度低いし、お前さんの技量に任せるのが良さそうだ。
その上で改良して伸ばせるとこがあるとすれば、コスパとスピード……蓄積速度と容量を増やす、蓄積から放出までのディレイを短くするってとこかねえ。

とまあ、これはおれの感想。うちはお客サマ第一のアフターケアなんでね、お前さんにもっとこうしたいってのがあれば教えてくれや。
(プロジェクターの訓練モードの設定画面を呼び出す。ゲームの難易度選択のようなボタンが表示されて)
ギミックは――こいつらに攻撃させる事もできるぜ。イージー、ノーマル、ハード、インフェルノ。どれにする?
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月6日
普通の鉱石ひとつでも防衛魔術は使えるな。即席なのでペラッペラの紙装甲になる、というだけのこと。ヤられる前にヤれを信条としているので……防御にそこまで重きを置いてはいないが。取れる手段は多いに越した事はないし。折角あるものを使わないのは勿体ないしな。
魔力の蓄積速度は、籠手を嵌めた状態を常としておくなら別に重要視はしなくて良いと思う。蓄積できる容量は多いほど有難くはあるが…放出時に掛かる負荷との兼ね合いは起きそうだな、とは。今ある強度での最大出力、限界値はこのまま測るつもりではあったから。キミの承諾が得られるのであれば……ふむ。僕の思考傾向として、今あるもので如何にかしようと考えてしまう性質なので。改良できそうな点は…なるべく意識はしておこう。…攻撃方法を見る前に破壊してしまわなくてよかったな。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月6日
──インフェルノ。業火を表す言葉のひとつだったかな。僕もムキになっても問題ないのであれば其れで行こうじゃないか。ゼキの思うところの地獄を見せてくれ給え。(五枚盾を張る籠手を嵌めたのとは反対側、素手だった掌の上に。魔力を込めた追加の触媒がジャラジャラと音を立てている。)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月8日
ン、今の限界値を確認してから容量を増やすか決めるって事な、了解だぜ。

(インフェルノ、と聞けばニヤリと黒い笑みを浮かべ)
……言っちまったなァ? 後で後悔すんなよ。あー、ちなみに……『難易度の選択は自己責任でお願いいたします。怪我や海岸送りになった際の損害について、当社は一切の責任を持ちません。』
(芝居がかった早口で注意事項を読み上げると、人差し指を高く掲げ――)
そんじゃ”地獄”に行ってらっしゃいッ、と!
(――インフェルノのボタンに振り下ろす!)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月8日
(アラートが鳴り響いて部屋全体が赤く明滅したかと思うと、君の四方を囲むように大量のダミーが出現する。人形、鳥型の奥にはゾウ程の大きさの獣型が、さらに奥にはドラゴン型のダミーまで控えている)

(第一波は人型の攻撃だ。剣や槍などの近接武器を、或いは弓や銃などの遠距離武器を携えたダミー達が四方八方から君に襲い掛かる!)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月8日
(鳴り響いたアラートと赤く明滅する室内は正に業火といえる様相だったか。四方を囲むように出現した的のダミーを、数と傾向を大まかに把握するため見渡して。)
そう来なくては。──嗚呼…邪魔だな、
(構えていた五枚盾に追加の触媒ひとつを装填する。炎を表す紅石からの熱線は、砲に見立てた其れを通過しながら威力を増して、四方八方から近付く人型たちの多くを焼き払っていた。)
(…光の網で造られたダミーならば気休めだろうが。牽制代わり足元にばら撒いた鉱石からも、魔術の荊棘線が食指を伸ばして距離を確保する。)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月8日
(地獄と呼ぶからには彼への声も届かないのだろう…と。予めゼキの近くへと向かわせていた碧石の触媒を、浮かべた通信機代わりに起動させる。ジジと一度だけノイズ音が走り。)……、…複数盾の消失から、再生成までのタイムラグ…は然程気になるものでもなかったな。枚数を増やすほど更に遅延が起きるのかもしれないが。……試運用ということで報告義務があると思ってこういった真似をしてはいるが。殲滅に集中してろと言うのであれば口は噤もう。

(再び籠手から生成させた障壁は、数を増した七枚。ダミーの出方を窺うべきか──多少の消耗は覚悟の上で、幾つかの花弁を空中に浮かぶ鳥型の的たちへ差し向けて。)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月11日
(焼き払われた人型達がばらばらとポリゴンを崩すように消えていく。運良く生き残った者も、荊棘に阻まれて攻めあぐねているようだ)

お〜、すげえビーム。そんな使い方もできんのか。
(名前に相応しい様相を呈してきた”地獄”を眺め、魔導障壁の内側で少年のように目を輝かせている中年は、声を聞き取ろうと通信触媒に耳を近づけて)
籠手への蓄積にラグはなし、となるともうちっと容量を増やしても問題ねえかもな……ああ、いや。口を動かすも集中するも好きにすりゃいい。
――その余裕がどこまで続くかも、お前さん次第さ。

(『――第2ウェーブ開始』)
(アナウンスとともに鳥型のダミーが動き出す。光の翼を羽撃かせ素早い動きで花弁を掻い潜った個体が、鋭い爪や嘴で君の上空から迫りくる。地上からは同時に荊棘を乗り越えた人型数体が剣や槍を構えて突撃を仕掛けて来ていた)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月11日
……それでは此のまま続けよう。別に余裕がある訳でもないのだが。……結構ムリのある使い方はしているので。何れは籠手の試用どころではなくなるとは思うよ。
(七枚あった花弁の障壁は、すべて中空の個体に投げつける形で放出していた。空っぽになった籠手の掌へ、琥珀の触媒を出現させる。握りしめた其の手の内から勢いよくヤドリギが枝葉を伸ばし。金枝と新緑の魔術矢が四方八方へと放たれる――敵対者は決して逃さぬように。空の者も、地の者も、遍く刺し貫くように。)

……少し質問は良いだろうか。黙秘するなら其れでも構わないが。…あの、大型の獣は何処からデータを取ってきたモノなのかと。竜種……ドラゴン型の再現度がどの位の数値かで、この後の難度が変わりそうではあるな。
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ゼキ・レヴニ 2023年5月14日
(金枝と魔術矢がダミーを貫けば、ヒュウと口笛ひとつ。もはやお茶の間でスポーツ観戦でもしてるようなノリで)
やるねえ、今んとこノーダメだぜ。ハイスコア更新も夢じゃねえ――ン、質問?
(いいぜ、と気軽な肯定を返し)
鳥型と獣型は妖怪やら亜人やらをベースにした創作だな。
ドラゴン型はアヴァタール級の複数個体のデータから構築してある。
強さは挑戦人数と難易度に合わせて調整されるんで、インフェルノなら――『斃すのも無理ではない』ぐらいと考えてくれりゃいい。

(『――第3ウェーブ開始』)
(人型が全滅し、鳥型が概ね堕ちた所で獣型が動き出す。その数3体。象ほどの大きさの雄牛のような見た目の巨躯が、三方から蹄を蹴立て地鳴りを起こす。荊棘線をも踏み潰し、鋭い角の切っ先を君へ向け猛進する)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月15日
了解した。情報提供ありがとう。
(全て推測よりかは情報の精度が高いに越したことはない。動き出した獣型へ視線を遣る。巨躯が3体。全く当てがない――という訳でもないのだが。)
(腰を落とす姿勢で籠手の腕を前方へと構える。魔力の満ちた触媒を添えれば、障壁が次々と花開き。十枚、砲身の形成されたところで光が溢れた。――真正面から猛進する獣型の1体に大穴を開け。そのまま己を軸代わり、時計を回すように身体ごと腕を振えば光の線が追尾して。2体目の巨躯を両断、3体目を掠め抉った光線は途中で威力が消え失せていた。…目前の結果に動じるでもなく、次の行動へ転じながら)
……、……すまない。擬似回路…だったか、の機能はダメにしたかもしれない。嵌め込まれている鉱石はそのまま利用できるので。僕の普段通りの使い方とさせて頂こう。…以上だ。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月15日
(高威力の光線を打つけたことで獣の猛進も些か衰えている。一足で地を蹴り、的との距離を詰め。片手差し込んだ外套から引き抜いたのは、騎士槍の形状をした魔術具のひとつ。抉れた巨躯へ槍先を突き刺し、籠手からの魔力を注ぐ。――バチィと派手な雷音が轟いて。内部からばらばらと最後1体のポリゴンが崩れていくのを確認すれば、後方へと身を翻す。…残る手の内と、ダミーの種類は。)

…此れは。ドラゴン型も数体いる前提で考えるべきだろうか。
(さすがに上がり始めた呼吸を整えるため息を吐く。片手に乗せた触媒を砕いて、残る鳥型を打ち墜とすよう追尾する雷の魔術を放っていた。)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月18日
(光の砲が炸裂すれば、あまりの眩さに手をかざして庇をつくり)
ははは、こいつは派手なレーザー・ショーだ!
攻撃にも十分使えて……んっ? もう壊しちまったの?
回路自体はよっぽどじゃねえと壊れねえ筈だから、オーバーヒートってトコか……?
だとしたらちょいと冷却時間を空ければ使えると思うが、どっちにしろもうちと負荷に耐えられるつくりを考えねえと……、
(ブツブツ考えている間に獣型の最後の一体も打ち砕かれていた。数羽残っていた鳥型も雷に追い堕とされて)

お見事ォ! しかし、流石に疲れて来た様子だな?
そんなオズ君に朗報だ。ドラゴン型は一体だけだぜ。
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ゼキ・レヴニ 2023年5月18日
――2体も出したら、ここの魔導障壁が保たねえからよ。

(不吉な呟きに被るように、アナウンスが流れる)
(『――最終ウェーブ開始』)
(最奥に控えていた竜型がその巨体の倍以上はあろう翼を広げ、突風を巻き起こしながら飛翔する。上空で首を擡げると大きく開けた口内に火球を輝かせ、地上を火の海と化す灼熱のブレスを吐き出した)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月18日
…僕も竜種の相手は苦手だから。タイマンで済むようなら何よりだ。精々…障壁が保ってくれるのを祈るとしようか。これから地獄の門をひらくので、

……――畏れよ、
(呟いたのは詠唱の一節。地上が火の海と化す前に、アリーナ内でばら撒いていた石片が青白く灯り始める。地に円を描き、魔法陣を描き、開かれたのは異界の扉。砂嵐が吹き荒れる。)
(噴き上がる砂嵐と土砂、魔法陣の中央に召喚されしは獣の巨像。揺らぐ鬣、煌めく爪牙――砂色の獣王の瞳に光りが灯る。)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月19日
(火の海を飛び越え、高く跳躍した砂獅子の爪牙が――飛翔する竜型の首を捉えたのを最後に。風も炎も飲み込むように、砂嵐が空間内を埋め尽くしていった。翼持つ竜の男だけが、其の光景を眺めていて)

…始まりに見えたダミーの的は、凡そ片付けたと思うが。まだ残党がいるようならば対応させて頂くよ。(ザアザアと吹き荒んだ砂嵐の音が背後で響くなかで。其の声だけは明瞭に、相手の元へと届けられていた。)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月20日
(砂嵐が吹き荒れ、砂礫が障壁を叩きつけるバチバチという音が絶え間なく轟く。炎と砂の渦のなかに垣間見えたのは、砂色の獅子が竜の首を引き裂くその一瞬)
(ノイズの中に声を返す)
――いいや。もう一体も残っちゃいねえぜ。
お前さんがぜんぶ吹き飛ばしちまったよ。

(『訓練モード クリア。結果詳細はアプリでご覧ください。いまならアプリDL特典として当ビルの各お店で使える割引券が――』)

(宣伝アナウンスが淡々と響く中、壮大な終劇を見ていたたったひとりの観客が、魔術師に惜しみない拍手を送る)
クリアおめでとさん! 見応えあったぜえ。
まァ最後は籠手関係無くなってたが……お前さん的にはどうだったよ、そいつの使い心地は?
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月20日
――そうか。
(アリーナの主からの返答を聞き終えると同時に。荒れ狂う砂嵐は何事も無かったように消え失せていた。淡々と響く機械音声を耳にしながら、たったひとりの観客の元へ舞い戻る。)
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月20日
(戻った本人からも、浮かぶ触媒からも発声はなく。…暫しの沈黙と。若干、気まずそうに視線を逸らしつつ口を開き。)
……盾としての運用をする気持ちなら大いにあったんだ。キミが地獄を見せると言うから…つい、熱が入ってしまって。…ヤドリギと長槍へ外的にブーストを掛けたのは、想像以上の効果が出ていたな。……障壁を生成する為に調整していたもので、何度もビーム砲代わりに使っていたのは…本当に効率が悪いのだが…。獣型3体を相手取る上では、あの状況では最適解であったとは思う。……本当に効率は悪いのだが。あと近接で殴りに行くのも、獣型とタイマンであれば出来たかもしれないが。今回はデータを取れなかったな、済まない。ドラゴンも真正面から相手にはしたくなかったので開幕から砂嵐で飲み込むための仕込みをし続けていたのは此方も済まなかったとは思っている。……僕の所感としては、このくらいだろうか。
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ゼキ・レヴニ 2023年5月23日
(暫しの沈黙のあいだに新しい煙草に火をつけ)
なぁにを済まなさそうにする事があるんだい。観覧料を払いてえぐらいのショーに文句なんか出ねえぜ。
それに回路壊しちまったっつってたけど、もうそろそろオーバーヒートも治まった頃じゃねえか。
(使えるか試してみ、と籠手を顎で示して)

(君の感想を聞きながら)元々は攻撃を主に据えて作ったモンだしな。ブーストをかける要素が成功したんならそっちを伸ばすのもアリじゃねえの。
ビーム砲! ありゃ浪漫があるねえ。途中でも言ったが、鉱石の容量を上げればもうちと使い易くなるかも知らん。どっちにしろ一撃必殺のぶっぱ方式になるとは思うが。
近接やらは今後の訓練や実戦で都度調整してけばいいさ。
(一呼吸おいて)――今回の調整点としては、容量増設と負荷対策ってとこでどうかねえ。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月24日
……ブーストを掛けるような補助としての用途を主だって使うのであれば、有っても無くてもいい存在になるな。此れにしか出来ない役割を追求しようとしていたのは……僕の愚かさだと言ってしまえばそれまでになるのだが。(顎で示されたのを受け、手の平を翳した。籠手から生成された薄い六角形の障壁を、指先へ乗せるようにくるりと遊ばせ乍ら。)(己の所感に対する、彼からの意見に耳を傾ける。行き着く結論は凡そ似たようなものになるのだろうけれども。)
――容量増設と負荷対策、か。僕の使用感としても異論はないよ。とても攻撃面には偏っていたが…ゼキを観客としたことにも意味はあったのだろうし。…そういえばハイスコア更新とも言っていたが。あの難易度調整は、キミが実践で試しているものだよな…?
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ゼキ・レヴニ 2023年5月26日
そうか、お前さんがそう言うなら予定通り防御主体で伸ばしてこうぜ。ブーストみてえなのは副次的な利点と考えりゃいいさ。
愚かなんて事ぁねえよ、道具ってのは色んな視点とニーズがあってこそ進化するモンだしな。
(君の指先で回る障壁を眺めながら)
――意見一致だな。んじゃ、その方向で調整させて貰うぜ。
…………ン? いやあ、インフェルノはおれも挑戦した事ねえのよ。ってかあれ裏コマンドってか、お前さんが初挑戦っつか。初チャンピオンっつか、な?
……、(しれっとした顔で)やぁ、にしてもあんだけ動いて疲れたろ。うまいつまみでも買って上で一杯やろうぜ。ウイスキー開けてよ。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年5月27日
…………そうか。キミがあのドラゴン型をどう倒していたのか、参考にさせて貰おうかとも思ったのだが。話が聞けないのであれば残念だな。……ゼキ本人を相手にする方が余程厄介だし。愉快だとは思うのだが。籠手の試用に…よい頭の運動はさせて貰ったよ。(…そういえば魔術の花火を上げるという話もあったか。薄い六角形の障壁も、パリンと硝子が割れる小さな音ひとつで消失させて。浮かぶ通信用の触媒も手招いて回収する。)
次はゼキを派手に祝う番、なのだろう。ウイスキーも開けさせるが…先程の特典で割引券がどうのとアナウンスされていた訳だが……(これ幸いにと使えるものは使うように。結果詳細は如何見るのかと、携帯端末を手にぐいぐい迫りながら。)
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ゼキ・レヴニ 2023年5月30日
ハハ。半分ジョークで作った最高難易度だからよ、おっそろしくて挑戦できなかったわ。
お前さんもまさか初挑戦で選ぶとはなァ。しかもきっちりクリアしてるしよ。
(元々意図していた訳では無かったが、君の結果でちゃっかり難易度調整のためのデータを得た訳だ。もう一段上の難易度作るかねえ、などと無責任な事をぼやきながら)

や、祝うのはおれじゃなくお前さん……ま、飲めりゃどっちでもいいか。
(迫る端末にぱちくり、意図を理解すれば肩を揺らして)意外と庶民的なトコもあんだなオズ先生よ。ほんじゃまずはアプリを――
(画面を見ながら結果詳細の見方を教える。撃破時間、命中率、動画リプレイ等、鍛錬に役立つ情報や機能が並んでいる)
クーポンはその下の方に……ああ、これな。
もうすぐここの貸切時間も過ぎるし、行くとするかい。
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オズワルド・ヴァレンティ 2023年6月2日
……遊びごころも理解はするが。己で制御しきれないような難度のものを作り出すのもどうなんだ…? このアリーナを壊さない範囲であれば、何が来たとしても僕が負ける事はない算段があったので。…次回があるなら砂嵐は禁則にした方が良いのかもしれないな。
(端末を手に寄る意図を理解して、肩を揺らす相手の様を眺めては。訂正する程の内容でもないが…教わる画面を見ながらの雑談混じりに。)普段のゼキが手に届きにくい金額の旨いツマミでも、僕の割引で易々と振る舞ってやろうという魂胆だよ。使えるものは十二分に使わないとな。…と、そろそろ時間であるようならば。僕は満足したことだし。キミの思う旨い店のあるところに連れて行ってくれ給えよ。
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ゼキ・レヴニ 2023年6月4日
大丈夫大丈夫、ほんとにやべえ時は緊急停止コードあっから。お前さんの砂嵐も耐えられるように障壁も強化しとくぜ。

お、そんじゃ今日は豪華に飲めそうだねえ。3階にうまい店があってよ……
(足取り軽くアリーナを後にする。新たな装備の力を統べるか否かは彼の五指次第、だが今はグラスに添え、乾杯を楽しもうか)

【了/お付き合いに感謝を】
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