溺Lulu

アクアグレイ

法雨・ジン 2021年8月26日
水槽まみれの暗い店内は真っ青だ。
低いエアレーションの音が、肺呼吸を全て飲み込むよう。

……から。
ロンググラスに試作品のカクテルを濯ぎ、マドラーを回すバーテンがひとり。あなたを見て、猫のように微笑んだ。女の片目には、水槽がまあるく嵌め込まれている。

どうぞ。席は空いています。

(RP1:1/どなたでも/20〜25 or 10日沈黙で〆)




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夜乃森・紅 2021年8月28日
(重たそうな扉が静かに開かれた。するりと入ってきた黒髪の女は、店内を埋め尽くす青い水槽の幻想的な光景にわずかに目を見開く。ひとつひとつの水槽に、興味深げにネオンブルーの瞳を向けながら、ゆっくりとカウンターへ向かって歩いてきた。)
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法雨・ジン 2021年8月29日
あら、いらっしゃいませ。
(来客の音に、顔を上げる。姿勢を正しつつも居づらさを感じさせぬよう身体は相手に対してやや斜めに。笑みかける)
(珍しい瞳の色だ、水槽のブルーを映すにふさわしい眩さだ。己もまた、来客の様子を視界はしに興味深く収めつつ。ネオンブルーが見つめた水槽の先では、人懐こい魚たちが人間の気配に餌か餌かと通路側に一時的に集まっていく。)ーーお前たちはさっき食べたでしょう。
よろしければ、どうぞお好きなお席にお掛けくださいな。
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夜乃森・紅 2021年8月29日
(青く揺らめく光と水槽設備の低い駆動音に全てを包まれて、まるで別世界へ迷い込んだようだ。そこへ道を示すかのような、バーテンダーの柔らかな声。女は軽く会釈を返したものの、目はいまだ水槽の内へと彷徨っている。ガラスの際へと群れなして集まる魚たちを不思議そうに見やり、水槽の中からこちらはどのように見えているのだろう、と取りとめもない思考が浮かんで消えた。)
(歩むにつれて、場を満たすように思えた水槽の駆動音の中からしっとりとしたピアノの音が浮かび上がってくる。カウンターの中で微笑む女性バーテンダーの姿は、海の底で出会う道しるべのようだった。彼女に勧められるまま、女はスツールのひとつに腰を下ろした。)
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法雨・ジン 2021年8月29日
(黙したまま、水槽向こうを見つめながら歩む彼女。その様子が水底のように静かで、店主は喜ばしげに目を細めている。)
(外は蒸したろうーー歓迎がてら、小さなグラスにライムとミント、シュガー、よく冷えたソーダを注ぐと、彼女の前にことん、差し出した)ここは水槽バー溺Lulu。とはいえお金が意味を成さなくなった現在です、ちょっとドリンクが飲める小型水族館くらいのおつもりでのんびりして頂ければ私も魚達も嬉しく思います。

まるで迷い込むように漂うようにいらした貴女。……魚はお好きです?(にこり。興味深げに、見つめてくれていたから。)
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夜乃森・紅 2021年8月29日
(こと、と軽い音とともに差し出されたグラスは、炭酸の泡の中に緑の小さな葉と柑橘が泳ぐ目にも涼しげな一杯だった。水底のような店の雰囲気にのまれて忘れかけていた渇きが騒ぎ始める。だが対価は、と女が一瞬戸惑ったのを察したのか、バーテンダーの女性は目を細めて微笑みながらグラスを勧めてくれる。彼女の片目がどうやらヒトのものではないことに女は気づき、この空間を体現したようななりだ、と妙な納得を覚えた。)

(喉を通り過ぎていくさっぱりとした炭酸の味と、後に残る爽やかな香り。見た目にたがわない、汗が引くような心地に、女は思わず息をついた。どこか満足げににこりと笑ったバーテンダーの女性の言葉に、女はぱちりとネオンブルーの眼を瞬く)……どうだろうな。考えたことがなかったが……(辺りを見回し)ここの風景は好きだと、思う。
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法雨・ジン 2021年8月30日
良かった。炭酸に警戒心が無いという事は、現代の方でしょうか?
(ミントは平気かライムは平気かソーダは毒には見えないかーーー様々な関心に口をつけられたグラスが答えをくれた。こぽり、瞳と脳のいくらかを占める水槽の中で、ネオンテトラが翻り、ソーダによく似た泡が舞う)
とても興味深げというか……視線が吸い込まれるかのように見つめてくれていたので、好きなのだろうと思いました(ころり、くふくふ、口数は少ないながらも感情は映されるネオンブルーに喜ばしく笑って)好いて頂けたなら、とても嬉しい。良いでしょう、静かで。……あ、いえ、私はお喋りでしたね。(あ、お恥ずかしい!ふふ!)
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夜乃森・紅 2021年8月31日
(女性バーテンダーの言葉に、なるほど、と女は手の中のグラスにしばし視線を落とす。今この時ならではの気の遣いかたに感嘆を覚えた。なにせ自分は本当に気が利かないものだから。)(現代出身であることは間違いないにせよ、それが区内だったか区外だったか、女はいまだよくわからずにいた。このあやふやさを上手く話せるわけもなく、ひとまず相手の問いには頷くことで返答する。)
(気を悪くした様子もなくころころと微笑う女性バーテンダーの態度に女は内心安堵した。彼女から見た自分の印象は、興味が全く隠せていなかったあたり少し恥ずかしかったけれど。お喋りでしたね、と言われて、反射的に首を振った。)いや、……ここは静かだ。静かとは、決して無音のことではないのだな。初めて知った気がする。──落ち着く、場所だ。
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法雨・ジン 2021年9月2日
……すこぉし自信がなさげですね。(頷くまでに感じた迷いの有無を確認するように穏やかに問う。様々な矛盾や世界線の交錯に満ちた今だ、現代の定義も新宿駅から見下ろす主観に過ぎない言葉故、……失礼がなければ良いのだが)
(私も飲んでもいいですか、と気楽に言うと先に作っていた青いカクテルを一口含んだ。うん、やっぱり冷たい飲み物は心地が良い)
それは。良かった。
少々、ロマンティックな事を言いますが、貴女はとても水底のような人だと思いましたから。青い景色と、水に音が吸い込まれる此処によく似合う。

折角です、何かお酒も作りましょうか。もし貴女が飲みたいと思ってくださるなら、ですけれど。
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夜乃森・紅 2021年9月4日
(女は頷く代わりに少しばかり目を伏せた。言葉にならなかった逡巡までもが伝わるのは彼女が特に敏いのか、それともバーテンダーという位置に立つ者は皆こうなのだろうか。いずれにせよ、話し下手な自分にとってはありがたいことだ。一言断りを入れて手元のグラスを傾けた彼女の、唇を湿す青いカクテルと眼窩の奥の青い世界の対比をぼんやりと眺める。)
(彼女の言はロマンティックを通り越して少々突飛に感じられたけれども、そうだったらいいなと思う程度には、女はこの小さな青い世界を気に入ってしまっていた。愛想のない顔にほんのわずか、初めて笑みらしきものが浮かぶ。)……そうだな、ぜひ。(そう答えてから、この身体になって初のアルコールだと気付く。)何か、あまり強くないものを頼む。
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法雨・ジン 2021年9月5日
かしこまりました。ではーー花を一輪咲かせましょうか。
(あなたの笑みが、光の加減でそう見えただけかもしれずとも喜ばしい。ころり表情を綻ばせ、ついはしゃいだ言い回しも混じる。青に溺れる世界だ、青いカクテルを出すのも良いけれど。この世界を気に入ってくれたからこそ、より映える色をあなたの視界に添えたいと思う。)
(ポンっ。軽やかに空気が弾ける開栓音。それから瓶の中から静かな歓声のように炭酸が沸き立つ。シャンパン、それからオレンジジュース。背の高いグラスに注いで軽く混ぜれば、ほらもう鮮やかな黄色が青に咲いた。)
どうぞ、ミモザと呼ばれるカクテルです。オレンジで割ったお酒なので、とても飲みやすいと思います。
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法雨・ジン 2021年9月5日
(己の青いカクテルを、あなたに向けて傾けて、)私たちの水底で、乾杯。
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夜乃森・紅 2021年9月7日
(バーテンダーの洒落た言い回しが感心と期待を煽る。黒髪の女はわずかにカウンターへ身を乗り出し、興味を隠しきれないネオンブルーの瞳でじっとバーテンダーの手元を注視した。)
(流れるような動きで瓶とグラスが選び出され、コルク栓が軽く弾ける。とたん溢れる泡音はまるで喝采だ。──ヒトの手指が何かを作り出すさまというのは、なぜこんなにも美しく見えるのだろう。いつだったかにもこうして誰かの手を眺めたような、淡い記憶が女の脳裏に浮かびほのかな温度を残して消えた。)

(洗練された所作で差し出されたグラスの鮮やかな黄色は、なるほどぱっと花が咲いたように美しく映えた。女はそれを慎重に受け取り、)──乾杯(バーテンダーに軽く掲げてから、口をつける。オレンジジュースの甘みに、すっきりとしたアルコールの後味。弾けた泡の爽やかな香り。)……おいしい。とても。
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法雨・ジン 2021年9月12日
ありがとうございます。お口にあったようで良かった。
(両の目を撫でられる猫の子のように細めてはひとつ安堵の息。提供したものが口に合うか否かの答え合わせへの安心は、いつも呼吸に漏れてしまう)
ね、人が何かを作るところは、お好きですか?……いえ、楽しそうに見てくださっていたので、なんとなく私も嬉しくなってしまって。
(好奇心を滲ませるがままに見つめてくれていた瞳の期待に添えていたかはわからないけれど、わずかな手順の中でも見栄えを意識してしまったのは確かだ。それに、無口な人から感情が溢れる様子は実にうれしいご褒美だ)
(身体の中に飲み物が入ってくると、口から喉にかけてが液体に馴染んでいくようだ)
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夜乃森・紅 2021年9月14日
(目を細めたバーテンダーの微かな吐息は安堵か、それとも満足だろうか。あまりに月並みな言葉ではあったが、なんとか感想を伝えられて良かった、と女は思った。それにしても、自分の薄い──よくそう言われるし、なにせ自分でもあるのかないのかよくわからない──だろう反応からこれほど内心を引き出せるのかと、女は顔に出ないままバーテンダーに対し感嘆の念を覚える)……そう、だな。好きなのだろうと、思う。魔法のようだと、いつも思っていて……(女は唐突な気づきを得て顔を上げた。わずかに見開かれたネオンブルーの瞳が、バーテンダーの微笑みをつくづくと眺める)今、それを思い出したんだ。不思議だな……。自分の感情を、誰かに発見してもらうだなんて。
(何かを考えるように、黄色のグラスをひとくち、ふたくち)……やはり、魔法なのではないか?(グラスを掲げ、大げさに首を傾げて言った言葉には、明らかな笑みが滲んでいた)
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法雨・ジン 2021年9月18日
(あ、笑っている。これまでだって貴女は笑っていたけど、こんなに笑んでくれるとーー己もまた、少女同然に笑ってしまう。ああ冥利に尽きる、ついつい胸も張ってしまうというものです。)
私、貴女の魔法使いになれましたね。なんて……貴女の瞳がきらきらと素直なおかげですけどね。
……お調子者の魔法使いの答え合わせがてら、お尋ねしてもよろしいですか?
(ああそうそう、お酒を飲むならこれも必要だった。銀紙に包まれたチョコレートを数粒、小皿に出してことりと置く。どうぞ。)
(それから朝凪の如く穏やかな声で。NOもYESも返しやすいように。)
貴女、ひょっとして記憶が、曖昧なのではないでしょうか。
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夜乃森・紅 2021年9月19日
(バーテンダーがなぜこうも嬉しそうなのかはよくわからないけれど、向けられたこの笑みは、なんだか胸が暖かくなるような、良いものだなと女は思った。しかし続いた言葉は意外なもので、ネオンブルーの瞳がぱちりと瞬く。不愛想だとか、何を考えているのかわからないだとかばかり言われる自分が、素直とはなんだろう? ここで世辞を言うタイプでもなさそうだが……などという思考は差し出された小皿に目を奪われた瞬間雲散霧消する。久しぶりのチョコレートにさっそく手を伸ばしながら、バーテンダーの問いには頷いた。)
……む、わかるか? 生活には問題ないと思っているのだが、何か、不審だっただろうか。(そう言えば、バーの作法(?)もわからないなと今さらに思う。何か失礼なことをしでかしていなければ良いのだが。)
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法雨・ジン 2021年9月22日
いえ、不審なところはありませんよ。貴女はとても良いお客様ですよ、シンデレラ。……いえ、アリエルにします?
(水底ですし。冗談めかして笑ってからーーさて己が持っていた違和感の答え合わせ。)
聞けば答えられる事には、こんな風にお話ししてくださるけれど。現代出身かと尋ねた際には、とても迷いながら頷くだけ、でしたから。
現代と聞いて曖昧に返すという事は恐らく……もう一つの「現代」、天使と悪魔の日本から来ておられるか。新宿の外に住んでいたか。そも記憶が不安定か。その全てか。
……「いつも思っていた」ことを思い出したというのも、印象的な言い方でしたね。
(もちろん、何事も言葉の綾というものはあるし、緊張していただけかもしれないけれど)(きらきら、すべての水槽の泡は耐えずのぼる)
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夜乃森・紅 2021年9月23日
(女はチョコレートを飲み込みながら、感嘆の意を込めて小さく拍手を送った)すごいな、大体合っている。もう私よりも私のことを知っていそうだな。
(つかの間、女は何かを思い出すように目を閉じた。瞼の裏にも青い水底。重い身体は沈む、沈む。立ちのぼる泡の向こうにすいと横切る何かの影。影の向こうには光があると本能が理解して、必死に手を伸ばした、ような。そんなおぼろな記憶が、己の始まりだった。)私はリターナーだ。目が覚めたら新宿の海だった。……死んで生き返ったなら、生前の記憶が吹っ飛ぶくらいの代償もありそうだろう。そう思って、私はあまり気にしていなかったんだが、そうか。見る者が見ればやはり違和はあるのだな。(──ああ、なるほど。ここはなんだか、あの海の底にも似ている。もしかしたらあの時は、泡になりかけていたのかもしれない。まったくプリンセスという柄ではないが)
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法雨・ジン 2021年10月1日
(賞賛に謙遜する事なく、恭しく頭を下げて喜んで受け取ろう。)
(目を閉じて何かを思考する彼女を静かに眺めていよう。再びあの明るい青い眼が開いて、語られる内容にーー)
リターナー。(己は。無意識に、カウンターから少し、身を乗り出した。)(なに、耳を傾けているだけに見えるだろう。死の匂いに惹かれてしまう性分なんて、きっとうまく隠せています。)
……あなたが、海の藻屑となる前に新宿に漂着し。その上こんな水底までたどり着いてくれた事。私、とても嬉しく思えます。
(穏やかに笑むままに。思考に合わせて瞳の中のネオンテトラが右に左に。興味があります。興味があります。死者の肉は冷たいのですか?)
あなたの空いた記憶の片隅に、ここの水がきっと満ちますよ。静かに、寂しくないように。……ねえ、友好の印に、握手してくださいます?
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夜乃森・紅 2021年10月6日
(カウンターからわずかに身を乗り出したバーテンダーの、変わらない穏やかな微笑みの奥で小さな熱帯魚の影がきらめく。ちらちら、ひらひらと見え隠れするそれは不思議と動悸めいて何らかの感情の存在を映し、かんばせに嵌め込まれたこの青い水槽窓が正しく彼女の眼であることを実感させた。何か、彼女の琴線に触れるような言葉でもあっただろうか?)
……ありがとう。──満ちる、か。良い言葉だ。(手元のクラスを一撫でし、応えて右手を差し出した。色白で、体温は低めの、何の変哲もない女の腕だ──平時の今は。)私は紅という。あなたの名を聞いても?
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法雨・ジン 2021年10月15日
……白い指。生前からこうだったのでしょうか、それとも死して血の巡りが失われた故でしょうか。冬には、寒そう……。
(あなたと握手をしよう、背丈の違いが現れる大小の手と、低い体温に胸のうちが鳴る。)
(きれい、いいな。)
(ついつい両の手であなたの手を包み込む)
(冷たくて細くて、いいな)
(眼球の中の光も、あなたを見ている)
(…………おちつこう。体外に出る焦がれが、この程度の内に。瞑目、己の水槽から光を閉ざす。それと息を吐けば少しの排熱。次に目を開けば、落ち着いていてお話好きの私です)
べにさん。良いですね、命の色のお名前。私は、みのり。法の雨と書いて、みのり、ジンと申します。
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夜乃森・紅 2021年10月20日
……どうだろうな。切れば、今でも血は流れるが──恐らく、もうこの身体は何か違う摂理で動いている。そんな気はしている。(考えてみればサイボーグに触れる機会は初めてだ。軽々とボトルを扱っていたわりには小さな手に、右手を両の手で包まれる。しっかりとした体温。どこか渇望にも似た仕草──なぜそう思うのだろう?)
(しばし目を閉じた彼女が名を名乗る。受け入れられたように感じて少しほっとしたことに、気づかれていなければ良いのだが。みのり。漢字を組み立てるのにしばしの時間を要した。法雨、か。)見ての通り、すっかり青くなってしまったのだがな(肩をすくめた) 法雨さんか。素敵な読み方だ。そういえばジンというお酒もあるのだったか?
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法雨・ジン 2021年10月23日
すっかり、青く? ……青い血が流れているのですか?(べにを命の色と己は言った、少々遠回しな言い方はしたが要は血や臓腑の色を指していた。それへの返答であるなら。否、その魅惑的な瞳を指しているやもしれないが、女はきょときょとと瞬いた。皮膚の下を思い描くように、するり貴女のてのひらをてのひらでなでる)
ええ、ジンというお酒もございます。透明な、ハーブを使った蒸留酒。……甘いお酒では、ないですよ?(微笑。)
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夜乃森・紅 2021年11月1日
いやすまない、見た目のことだ。血は赤いが……こんな世界だ、この先青くなったとしても私は驚かないな(久しぶりに触れた他者の感触はやわらかく、温かく──ああ生きている、と思った。無意識に、空いた手でそっと己の眼の縁に触れる。光るネオンブルー、もはや人ならざる色。こんな世界で、生者と死者の境界はどこにあるのだろう?)(やけに難しいこと考えてるな、といつかの自分が脳裏で囁いた。だってここは水底だ、何か思い出せる気がするんだと私は言い返す。……場所のせいか、アルコールのせいかはわからないが。これが酔いというものならば、こうして沈むのも悪くはないと思う)
蒸留酒か。それは強そうだな……(透明で、それ自体は甘くない。なるほど名は体を表すのかもしれない。飲んでみたかったが、もしあのミモザで酔ったのならやめておくのが無難だろう。ほんのわずか、残念そうに眉が下がる)ん、すっかり長居してしまった。ごちそうさま。
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法雨・ジン 2021年11月3日
ああ。瞳のことでしたか。失礼いたしました。
そうですね、私も血管に流れているのものが血なのかも怪しい身体になりました。みんな、色んな、きらきらを持っています。
ーー私ね、こういうと罰当たりかもしれませんが。今のこの世界が、好きなのです。
紅さんも。好きか否か。美しいか否か。それだけに思考を委ねる瞬間があっても、良いのですよ。
(ーー何か少し、考え込んでおられるような気がしたから。バーテンダーは笑って、単純思考の提案をした。ね、忘れてしまっているなら尚更。その宝石みたいな身体を、好きか否か。)
……あら、いつのまにかこんな時間。
楽しいひとときは、あっという間ですね。
もしまたいらっしゃる時は、ジンのカクテルを紹介させてくださいませね。
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法雨・ジン 2021年11月3日
(ぱん、からりら)
(水底は、扉の向こう)
(いつでも水没者をまっている)

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