【イ】エムライブ 「Identität」ステージ
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
Identität/存在意義、存在理由。
――貴方の理由は、なんですか。
◆スレッド概要
ミーレ・ベルンシュタインのライブパフォーマンス用スレッドです。
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【見・誰歓】エムライブ 「Identität」客席
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◆出演者
ミーレ・ベルンシュタイン
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ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(再び暗転のステージ)
(観客席からの抑え気味の喧騒だけが響く、束の間が終わり)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(ぱちんっ)
(闇の中、指を弾く音が響きます)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(ぱ、と、ステージの中央に浮かぶ、しろいつき)
(卍器たる月影……ではなく、ただそれを模したような、魔術の光)
(それは、計算されたスポットライトよりも幾らか優しく、或いは幾らか曖昧に、瞬きの間にステージの中央に現れた、レースアップのワンピース衣装に身を包む、白い少女を照らします)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(……「それ」抜きでは魔術らしい魔術は使えない、と公言している彼女を知る者は、少しばかりの違和感を覚えたかもしれないけれど。今はステージの上、一旦棚に上げましょう)
(少女はゆっくりと顔を上げ、観客席の皆様を見渡すと)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「みなさーんっ! エムライブ楽しんでますかーっ!」
(花が咲いたように元気よく、ぶんぶん手を振った!)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(耳に手を当て、大袈裟なくらいの聞き耳のポーズ)
(それを観客席に向けながら、ぐるっと体を回して……うんうん、頷くと)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「ほーんと。一発目からフルスロットルで、びっくりしちゃいますよね」
「想像力を掻き立てる、見たこともない音のパフォーマンス」
「圧倒的歌唱力、それも目を離せない大型コラボ」
「――これは、この後もですね!」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「……『わたし』としては、随分、ハードルが上がっちゃうんですけど」
(笑うとこですよ、とばかり、おどけた様子で首を傾げてみせて)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「1年前、観客席からここを見ていた時は――次は自分も、なんて、思っていなかった気がします」
「その、ちょっと後からかな。人前で歌う機会が何度かあって――」
(2月、蒼海番長との相対。6月、マリーミィとの歌合戦。それに、まあ、いろいろ。見てくれた人も、ここにいるのだろう。思い返すように少しだけ目を細めて、)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「この学園に来た頃には考えもしなかったこと」
「わたしをそう変えた日々と、色んな出会いと――その中で抱いた沢山の気持ち」
「自分の中から探した言葉を、歌います」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「聞いて下さい。――『Identität』」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(ぱちん)
(再び掲げた腕で、指を弾けば。ふ、と、月光めいた灯りが消えて、ステージに闇が落ち)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(――――ざざん、………ざざん)
(闇に響くのは、波の音)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(「ここ」に来て初めて聞いた音がこれだ、という者も、きっと少なくないだろう)
(狭くて広い、新宿の海に響く潮騒)
(正確には、今や海岸線は広がって、全く同じではないのだけど)
(――録音や再現でなく、実際に「今」響いている波の音を。遠く、魔術が統べた風がここに届けた)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「『きみは、ぼくに会いにここにきたんだ』」
「そんな言葉を、夢に見たよ――」
(潮騒に溶けるような、囁きと共に)
(月光が再びステージを照らし。明るくポップなメロディが響き出す――)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「知らない海 知らない空」
「知らない世界に 降り立って」
「みんな一緒に 歩き出したね」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(――きっと、皆同じ)
(この国、この時を知る人も。全く別の流れから来た人も)
(変わってしまった世界は、誰にとっても知らない世界)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「いろんなことがあったね」
「いろんなひとと会ったよ」
「笑って」
「怒って」
「つながって」
「ぶつかって」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(ああ、本当に、――色んなことがあった)
(これも、きっとみんな、そうなんだろう)
(うまくいったことも、いかないことも)
(時には、衝突することだって)
(それが当たり前だってことすら、未熟な自分は知らなかった)
(だから――)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「――だから一緒に、歌を歌おう」
「見据える先が違うとしても」
「見ている世界は同じだから」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(歌詞に載せたあの日の言葉を、振り返る)
(誰かに会うことが運命で、知らない世界に降り立った)
・・・
(そんな、運命なんてもの。誰にとっても、)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「Identität あの夢の言葉はきっと嘘」
「だってぼくは出会ったもの」
「数え切れないよ 一つだけじゃない」
「ぜんぶ残らず ぼくの理由さ」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(――あるわけない、って)
(一つの運命で片付けられるほど、軽い日々じゃないって)
(今は、知っている)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(でも)
「でも、」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「Identität あの夢の言葉は きっとホント」
「だってぼくは出会ったもの」
「たった一つの 特別なもの」
「嘘をホントに していい気持ち」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「Identität――ぼくの理由は、ぼくが決めるよ!」
「Identität――きみの理由を、きみが決めるように!」
(大きく、跳ねるように)
(腕を観客席に向けて振って、)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(――そうでしょう? と、軽やかにウィンクひとつ)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「笑って」
「怒って」
「つながって」
「ぶつかって」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(差し掛かるクライマックス)
(ゆっくり、ペースを落として歌いながら)
(ステージの上を、ぐるりと歩いて――)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「そしていつか きみに伝えよう」
「だからいつか きみも伝えてよ」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(そのゆっくりとした歩みは、まるで)
(観客席、一人ひとりと目を合わせようとするかのように、)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「そんな出会いを 必然にして」
「噓を運命に したいのならば――」
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
. γ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ
| 好きだよ、って |
乂______________ノ
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(ふ、と。――月光は絶え、再びの暗転)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(静寂。余韻が、しん、と、響いて)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(最後に。ぱちんと、月よりも明るく、くっきりとしたスポットライトが)
(息を弾ませ、紅潮した頬に汗を浮かべた少女を、再び照らして)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「――ありがとうございましたっ!」
(終わりの合図)
(ぴょこんと、飛び跳ねるように、深々お辞儀をしました)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
(声援と拍手を、確かめるように)
(ゆっくりと上げた顔に、笑顔を浮かべて)
ミーレ・ベルンシュタイン 2023年2月1日
「それでは引き続き、本日のクライマックス」
「紫のクラスの大物、『黄金公演』をお楽しみくださいね――!」
(いただいたものに応えるように、精一杯におっきく手を振り振り、舞台袖へと下がっていくのでした――)