【呟】独白。
為叶・幸咲 2022年9月11日
どこにもいかない、ひとりごと。
噛み締めすぎて、香りさえなく。
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為叶・幸咲 2022年9月11日
(人と交流すればするほど、"言葉"の味は深くなる。)
(あの人から零れたこの"言葉"は美味しかったし、
この人から落ちたあの"言葉"も美味しかった。)
(けれどやっぱり、)
(自分の"言葉"は、いつだって味がしないのだ。)
為叶・幸咲 2022年9月13日
(煙草は手っ取り早い"言葉"の摂取。)
(手紙を、書物を、"言葉"が載った紙を吸う。)
(けれど美味いかと問われたところで、それは断じて否であり。)
(謂わば、サプリメントのようなもの。)
(しかも、特に栄養価は高くないときたもので。)
(だから、ちょっとした隙間を縫うだけの、気休めでしかない。)
為叶・幸咲 2022年9月15日
(遠い昔。)(だったような。)
(あるいはつい最近。)(かも知れないけれど。)
(一族の誰かが言っていた。)
(自分のためだけに向けられた"言葉"ほど、極上のものはないのだと。)
(その真意は、ついぞ教わらなかったなぁ。)
(ぼんやり考えては、今日も"言葉"を消化する。)
為叶・幸咲 2022年9月24日
(食べ物を咀嚼し、飲み物を嚥下する。)
(美味しい、)
(、とみんなが言っていることだし、確かに美味しいと思う。)
(甘いとも、)(酸いとも、)(からいとも、)(にがいとも、)
(舌の上できちんと味はしている。)
(けれど、)
(自分にとってそれらはただの"嗜好品"だから。)
(がり、)
(、爪の先を噛んでみても、同じ様に味はする。味は。)
為叶・幸咲 2022年9月27日
("言葉"は保存できないから、その場で味わうしかなくて。)
(鮮度がいいものはもちろん美味しく、軽やかな"会話"はフルコースだ。)
("手紙"ももちろん悪くない。自分のために綴られた"言葉"はどのような味でも格別だ。)
("物語"は味が濃厚で胃に溜まる。気をつけないと胸焼けするから、少しずつ噛み砕いて味わうのがいい。)
為叶・幸咲 2022年10月20日
(楽しさや嬉しさ、悦びの"言葉"は甘くて瑞々しい。)
(これは単純に美味しい。)
(悲嘆や憎悪から搾られる"言葉"は塩辛いか、苦味がある。)
(それもまた、いわゆる珍味のような味で正直嫌いではない。)
(本音の方が食べごたえはあるが、嘘でもまぁ無いよりはマシで。)
(もっと色んな"味[ことば]"を食べてみたい。)
(けれどもまぁ自分だってそこそこ生きてきたものだし、)
(ハジメテ味わう"言葉"なんて、)
(もうそろそろ、なかなかお目にかかれないだろうけれど。)
為叶・幸咲 2022年10月31日
(わるいゆめをみた。)
(目の前で消えていったみんな。)
(生きたい、と。生きよう、と。逃げてきた、のに。)
(たった一歩分。ほんの紙切れ一枚分。)
(それっぽっちの差で、生き延びた自分と、消えていったみんな。)
(言葉[ことば]を、失った。)
(……今日は、むかしのゆめをみた。)
為叶・幸咲 2022年11月14日
(言葉があふれてとまらない。)
(――なんて。そんな表現があるけれど、あれは空恐ろしいものだ。)
("文字"通り、"言葉"が"溢れ"て、"止まらない"のだから。)
(やれやれ、)(勘弁して欲しい。)
("あんなの"になるほど理性を失うなんてことは、きっとそうそう無いだろうけれど。)
為叶・幸咲 2022年11月14日
(どうせ理性を失うなら、そうだなぁ……。)
(理性を捨てて欲のままにベッドの上で、とか。)
(そういう方が、まだマシな気もする。)
為叶・幸咲 2022年11月16日
(記憶というものは、「声」から忘れていくらしい。)
(そう言われてみれば、)
(遠い昔、消えていったみんなの"声"。)
(どんな"味"だったか、もう、覚えていない。)
(……薄情、なのだろうか。)
(こんなにも、胸が痛むのに?)
為叶・幸咲 2022年11月18日
(ぼー、っとする。)
為叶・幸咲 2022年12月2日
(嘘は吐かない。)(基本的に。)
(本当のことしか言わない。)(全部ではないけど。)
(敵でないのなら、わざわざ傷付けるような言葉だって言いたくない。)
(相手に傷をつけるような鋭利な"言葉"。)
(そんなものを"吐き出した"ら、きっと、)
(自分の喉も、切れてしまいそう。)
(血の味は、あまり美味しくない。)