【個・企3】帰り道、そして出会い
ノワール・アーベント 2022年7月23日
その日は偶然にも作業が長引いてしまって、
最終下校時刻もすぐそこに迫っていて、
故に急いで帰らねばならない。
そんなある夜の出来事。
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ノワール・アーベント 2022年7月23日
(当番業務に夢中になり、ふと顔を上げれば辺りはすっかり暗くなっていた。時刻を確認すれば19時過ぎ。)
(日はとっくに沈んでいるとはいえ、真夏のこの時期ではまだ汗も滲んでくる気温である)
ふぅ、まさかこんな時間になっていたなんて……
急いで帰りましょう。
(ビニールハウスが並ぶ生産区画の道、ハウスの鍵を返却し終わり帰路を急ぐ少女が一人)
天音・光 2022年7月23日
もはやこの時間に帰るのが当たり前となっている
やることが多い、というよりはやれることをたくさんやっているせいだが
「ん?まだ他に誰かいるのか」
夏の暑さをものともせず、涼しい顔でそちらに寄っていく
青には時間を忘れて作業するのも多いからなあ
ノワール・アーベント 2022年7月23日
(不意に聞こえてきた自分以外の声に思わず足を止めそちらの方を見る)
(見かけない顔ではあったが、こんな所にいるのだから恐らく同じ青のクラスの人間なのであろう、という事は容易に想像出来て)
あら、私以外にまだ人がいるとは思っていなかったわ。
もしかして貴方もこんな時間まで作業を?
天音・光 2022年7月23日
「やっほ。そ、作業さ。“も“ってことはそっちもか?」
ノワール・アーベント 2022年7月23日
えぇそうよ。当番業務をしていたのだけど、気付いたらこんな時間になっていて……
作業自体はもう終わったから、後はもう帰るだけよ。
(そんな事をいいつつビニールハウスの方へチラッと視線を向け)
天音・光 2022年7月23日
チラっと向けられた視線のほうにはビニールハウス
あそこが当番の場所だったのだろう
そこが当番ということは
「ああ、植物関係か。日々の手入れには時間かかるもんな」
ビニールハウスには、電機関係で何度か入ったことがある。黒も白も青もいる、中々珍しい場所だ
ノワール・アーベント 2022年7月23日
最近暑い日が続いているでしょう?
私が住んでいた所はずっと寒かったから、こんなに暑いのは初めてで……
植物のお手入れって本当に大変なのね。
そちらは何の作業をしていたの?
天音・光 2022年7月23日
「夏だしなあ。出来ればこれ以上気温上がってほしくないねえ」
熱中症には気をつけろよ?と付け加える
ビニールハウス内は植物優先で人間のことはあまり考えられてないし
「俺は建築系でね。色んな設備の点検だったり補修だったりでこの時間さ」
ノワール・アーベント 2022年7月23日
日本の夏って本当に暑いのね、毎年こんな日々を過ごしているなんて想像しただけで恐ろしい……
ええ、水分はちゃんと取りながらやっているわ。
なるほど建築系だったのね。それこそ屋外での作業がメインだし大変だと思うのだけど。
("そちらも気をつけてね"と付け足して)
天音・光 2022年7月23日
「時期によっては湿気も相まって地獄みたいになるしな」
気遣いの言葉を聞いて
「なーに、俺は大丈夫さ。なんたって」
自分の喉の黒い部分にデコピンをする。決して人体では鳴らない高い金属の快音が響く
「機械だからな」
ノワール・アーベント 2022年7月24日
そう、暑いのはもちろんなんだけど、湿気でジメジメしてるのがもう最悪ね。
まぁ、気付かなかったわ。少し近くで見てみても?
(聞こえてきた音に驚き小さき目を見開くと、興味深そうな表情でそちらの方を見上げてみて)
天音・光 2022年7月24日
「ベタつくしカビるし、色んなものがすぐ駄目になる」
湿気は最大の敵、といっても過言ではない
(、)
天音・光 2022年7月24日
「ああ、別に構わんが」
とりあえず、見やすいようにやや上を向く
喉のちょうど真ん中、本来なら喉仏がある部分がまるで穴でも空いているみたいに真っ黒だった
といっても本当に空いているわけではない、先ほどデコピンしたみたいにちゃんと触れる。冷たく硬い金属がそこにある
他の場所には
ノワール・アーベント 2022年7月24日
木材とか駄目になったら大変よね、きっと。
私も作物が腐ってしまわないように湿度の調整には気をつけろって言われたわ。
ありがとう、では少し失礼するわね。
(少し背伸びをして彼の喉元をジッと観察してみる)
(機械についての知識があるわけではないので凄いな、と感じる程度だけなのだが)
天音・光 2022年7月24日
「木材も気を付けないとすぐ駄目になるし、珍しい例だと電気回路がショートしたりとかね」
梅雨が開けたと思ったら、暫く降っていたときは頭を抱えた
というのを上を向いて喋っていて
「見てみてどうだ?」
聞いてみる
ノワール・アーベント 2022年7月24日
電気回路がショート…!?そんなケースもあるなんて驚きだわ。
機械については疎いから単純な感想しか出てこないのだけど、凄いわね……
見せてくれてありがとう、もう大丈夫よ。
(見終わると小さくお辞儀をして)
どうやって声が出ているのかしら?
天音・光 2022年7月24日
「中々珍しいけどね。湿気が回路内で水滴になって、という流れでね」
もう大丈夫と聞いて元の体勢にもどる
「声は他の人と同じように喉から出てるよ。声帯みたいなものもちゃんとあるんだ。こっちの黒いのはスピーカーみたいなものさ」
ノワール・アーベント 2022年7月24日
なるほど、声はちゃんと普通に出せるのね。
私の住んでいたディビジョンにはそもそも機械自体が無かったから勉強になったわ。
……ところでもうこんな時間ではあるのだけど、貴方は帰らないの?
(ふと気付けば立ち話をしている間に時刻は少し進んでおり、最終下校時刻まであと30分程度であった)
天音・光 2022年7月24日
機械自体がないディビジョン……結構あるな?
寒いところから来たって言ってたからロマノフかな
「勉強になったならなにより」
時間と言われ
「おっと、もうこんな時間か」
視界の右下にある自分にだけ見える時計を確認した
「早く帰る理由はこれっぽちもないが、最終下校時刻を過ぎても残ってると見回りの先生に怒られるからな」
ノワール・アーベント 2022年7月24日
えぇ、正解。私の出身はロマノフよ。
だからこの新宿島や学園に来て機械が色んな事をやっているのを見たときは驚いたわ。
ふふ、話していると時間って案外すぐ過ぎるものね。
せっかくだし今日はこのまま一緒に帰らない?これも何かの縁だと思うの。
(なんて、気まぐれに誘ってみて)
天音・光 2022年7月24日
「ここにはサイボーグの俺でも驚く機械もある。きっとまだまだたくさんの驚きが待ってるぜ?」
一緒に帰らないかという提案に対しては
「お、いいね」
すぐに乗った
この縁が切れてしまうのは惜しいからな
「ああ、俺の名前は天音・光。よろしく」
ノワール・アーベント 2022年7月24日
まぁ、それはとても楽しみね。
私の知らなかった世界や技術をもっと知っていきたいもの。
光ね、私はノワール。ノワール・アーベントよ。
(自己紹介も済ませると、校門のある方向へと歩みを進めて)
天音・光 2022年7月24日
同じように校門へと歩いていく。その間に身近な機械の話でもしようか
そうだな、暑い夏にピッタリなクーラーの話でも。あれば便利だしな
ノワール・アーベント 2022年7月24日
そういえばこの新宿島は今とても暑いのだけど、室内だととても涼しいのよね。
機械の力で温度調節も出来るってとても便利だと思うからロマノフにも欲しいわ。
いつか持ち込めるか試してみたいと思わない?
(そんな事を楽しく談笑しながら帰路についたのであった)
ノワール・アーベント 2022年7月24日
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