室内にて
フィル・ラーク 2022年4月19日
アンティーク調のランプが照らす室内にあるのは、殆どが先人が置いていったものばかり。
自分の持ち物と言えば、生きるのに必要最低限の物が入った鞄くらいだろうか。
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フィル・ラーク 2022年4月19日
ん……?(いつの間にか着いてくるようになった鳥の鳴き声で目を覚ます。数人掛けのソファは思ったよりも寝心地が良いせいか、つい寝過ぎてしまう……。そう考えながら身を起こし、乱れた髪を軽く払う)
朝かと思ったら昼だったか……もう少し早く起こしてくれても良かったのに。
(肩に止まった鳥に語りかける。耳元で小さく鳴く鳥の声にどことなく安心して、そっと頬をすり寄せた)
フィル・ラーク 2022年4月20日
(痛みを感じた気がして、左足を軽くさする。大怪我だったせいもあってか、傷跡も残っているし無意識に庇ってしまう事が多い)
歩けないわけではないし、誰に咎められるわけでもない。だから問題は無いんだが……。
(傷跡を見る度に、変わってしまった日のことを思い出す。だから、全く問題ないというわけではないのだ、と胸の内で呟く)
(そんな思考を振り払うように、杖を支えにして立ち上がった)
フィル・ラーク 2022年9月28日
(深い眠りから覚めて、それでも中々目を開けられずにゆっくりと手を伸ばす。指先に感じるのはいつもの鳥がとまる感覚で、少しだけ安心して目を開いた)
……???
(指先にとまる鳥とは別に、胸のあたりに白い鳥が鎮座しているのが見えて一瞬動きが止まった。視線だけを動かしベッド脇の花瓶に活けられた花に目をやってようやく思い出す。柔らかく微笑みながら、空いている手の指先で白い鳥を柔く撫で)
……おはよう。この部屋も少し賑やかになったな。
フィル・ラーク 2022年9月30日
(膝に置いた本の頁を捲り、書かれた文字を追う。また一枚捲っては文字をひとつずつ追う。肩にとまってチチチと鳴く鳥の声すらも聞こえていないかのように本の世界に没頭している)
(ふと何かに気付いたように顔を上げると、肩にとまった鳥を指先でくすぐるように撫で)
……俺は感情移入しやすいらしい。本の世界に浸りすぎるのも考えものだな。
フィル・ラーク 2022年10月5日
名前つけないと、だろうか。あまり名付けるという行為をした事がないから……何と呼ばれたい?
(流石に二羽いると名前をつけなければだろうか、と思案する。けれどそう簡単に思いつくものでもなく、ただチチチ、と返ってくる鳴き声に首を傾げるばかりだった)
フィル・ラーク 2022年12月3日
名前を決めるというのは難しいんだな。……俺の名前をつけた誰かも、こうして悩んだんだろうか。
(結局名前は思いつかず、鳥の色で呼び分けることにした。……それを誰かに伝えたら何と言われるだろうか。名づけ親も悩んだんだろうか。そのどれもが人とあまり接してこなかったせいで想像すらできずに、ただただ首を傾げながら鳥の頭をそっと撫でた)