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過日

アザレア・クラン 2022年1月31日
夜が来るのを待つ日々。
ときどき無理をして昼を歩く。




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アザレア・クラン 2022年1月31日
(森の奥に打ち捨てられた納屋を見付けた。傍には草臥れた畑と、庭っぽいものもある。)(確かに誰かの居場所であった筈なのに。持ち主だけすっかり消え去って。)(……しばらく此処を借りよう。屋根があれば取り合えずは十分だから。)
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アザレア・クラン 2022年2月1日
(乾燥させたコキアをいくつか束ねている。)(麻紐で纏め、落ちていた枝木に括り付ける。)(しっかりと固定すれば、箒の完成。)――、(息を吐いた。夜はまだ、長いというのに。)
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アザレア・クラン 2022年2月2日
(納屋というわりにほとんど空っぽだった。)(肥料やスコップなどの道具たちを外の軒下へ移動させる。)(作った箒で中を掃除した。)

(屋根と壁があるだけで落ち着く。背を預けて座り、目を閉じた。)
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アザレア・クラン 2022年2月4日
(手引き書。というものに目を通す。)(島に着いてから渡されたものだ。此処での生活について記してある。)……残留効果。(便利で、不思議で、得体が知れない。)
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アザレア・クラン 2022年2月6日
(曇りの日は、昼でもいくらか気分がマシだ。)
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アザレア・クラン 2022年2月11日
(なんだか街中が賑わっている。)(バレンタインデーと書かれた案内の紙。並ぶチョコレート菓子たち。)
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アザレア・クラン 2022年2月14日
(ナイフで木を削っている。)(傍には電車の時刻表と、錠剤の入った小瓶。)
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アザレア・クラン 2022年2月22日
(今日という日は、猫の日でもあり、ショートケーキの日でもあるらしい。)(バレンタインを過ぎてなお、世界は賑やかだ。)
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アザレア・クラン 2022年2月25日
(あっという間にあの場所を飛び出し、電車に飛び乗り、膝を抱えてここまできたのに。)(何のために戦えばいいのか、戦わずして何を目指せばいいのか、わからない。)(植え付けられたこの力は、――なんのために?)
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アザレア・クラン 2022年3月22日
(ぽつ、ぽつ、)―――(雨の音に意識が浮上する。薄暗い窓。寒空に雨雲。)……(シーツの上に投げ出された手を、ゆっくり開く。閉じる。)(起きよう。数日余分に眠ってしまったようだ。)
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アザレア・クラン 2022年4月19日
(雨上がりの水溜まりに映る、自身の姿を覗き込んでいる。)
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アザレア・クラン 2022年5月23日
(思っていた以上に長く眠ってしまっていたようで、やっと目を覚ます。)(縁が欠けたり、変色してしまっている古びた鏡を遠くから覗いた。)(人の影をしていたのは、ちゃんと自分自身だった。)
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アザレア・クラン 2022年7月9日
(指を開く、閉じる。)(夏の日差しは焼けるように熱い。)(熱くて、痛い。)(……でも、今よりもっと。もう少しだけ。)
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アザレア・クラン 2022年7月14日
(写真とハガキを手に、部屋をうろついている。)(家具が少なく、どこに飾ればいいかわからない。)……(手に持って、灯りに向けて翳す。)……綺麗だ。
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アザレア・クラン 2022年7月19日
(夏。)(夜の、海なら。)(きっと歩ける。)
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アザレア・クラン 2022年7月22日
(つくづくと自分は、面白味のない生き物だな、と思う。)(悲観しているとはまた違うのだけれど。)(…ちがうのかしら。)
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アザレア・クラン 2022年9月2日
(……夜の景色が欲しい。)(闘技場の前に、ただ立ち尽くすだけ。)
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アザレア・クラン 2022年9月3日
(カードケースの中のIDを見る。)(もうとっくに必要もないのに、ずっと捨てられずにいる。)(此処に写る自分と今の自分は、何か違うのだろうか。何も違えていないのか。)
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アザレア・クラン 2022年10月2日
(光のない場所で、闇を纏う。)(更に深く、世界から遠く。)(何も見えないのは、楽でいい。何も聞こえないのも、)(……やがて、夜の足音がした。)
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アザレア・クラン 2022年10月11日
(厚い雲で陽は翳っているというのに。)(長く、長く寝ている。身体が動かない。)

(体調不良。につき、少しお待たせを。)
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アザレア・クラン 2022年11月29日
(長らくお待たせして申し訳なく。)
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アザレア・クラン 2022年12月2日
(澄む代わりに冷たさを含む空気。)(凍る世界を見てみたい。)(独りぼっちの静けさ。)
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