不可思議/立春
法雨・ジン 2022年1月13日
夜。きっと気付けば迷い込むように、あなたはここに立っていた。
星の真似でもするかのように控えめに光る、『水槽バー 溺Lulu』の看板の前に。
黒く重たい扉を、少しの勇気をもってあけたなら。視界を埋め尽くすのはーー
+.+.+.+.
花のような、雪。
壁も、テーブルも、席に至るまで水槽で埋め尽くされたその店は、初雪から春にかけて、薄桃色の雪のような景色にレイアウトされていた。
各水槽の背景を曇天めいたグレーで覆い、底の石を白から薄桃で埋める。
スノードームをひっくり返したように、循環装置から絶えず花雪が降り積もる。
表に出されている魚たちも、心なしか赤やピンクと春色の金魚や熱帯魚達だ。
ぽろん、らん。BGMにかけられた弦楽器は、今宵はたおやかな琴曲を。
+.+.+.+.
「おや、いらっしゃいませ」
少し背の低い店主と思わしき女が、グラスを磨きつつ微笑んだ。
「どうぞごゆるりと、溺れてください」
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来訪ロールもとっくに座ってましたロールも歓迎です。
下記は初発言時、あるいは選択を変えたい時にご利用ください。
「お話」喜んで応答させていただきます。
「注文」何か飲みたい時にどうぞ。
「独り」ソロール向け。ゆったりとどうぞ。私が少しだけリアクションする事もあるかもしれませんが、お気になさらず。
(RP/何名様でも、どなたでも、いつでも。)
(桜が散る頃まで)
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霓・虹彩 2022年4月10日
(はなゆきのまぼろばに満たされた空間。カウンター端の椅子に、蟲が一匹とまった。)
やあ、店主さん。
ギムレットをひとつ。
(澄ました顔で、BGMに耳を傾ける。)
(注文)
法雨・ジン 2022年4月12日
(磨いていたグラスを音も無く置く。)
法雨・ジン 2022年4月12日
よくいらっしゃいました。ギムレットですね。
(こぽ。瞳の中で泡が上った。)(シェイカーにジンとライム、それから砂糖をひと匙そそいで。)
花言葉。星言葉。石言葉ーー美しいものに人は意味を見出したがります。
カクテルも同様。ご存知ですか?ギムレットのカクテル言葉。
(小さな女の手でシェイカーを持ち、軽やかに振りながら問うた。)
霓・虹彩 2022年4月12日
(はなゆきよりも僅かに濃い色味のサングラス。その奥でオパールがきらめく。)
カクテル言葉なら、一つ二つ知ってるよ。
ギムレットは確か“長いお別れ”だっけね。内容は見てないけれど、映画にもなったはず。
気温が高くなってきたから、すっきりしたものが飲みたくってね。
そういえば、ジンベースか。
ちょっと意味深だ。
(くつくつ笑って)
法雨・ジン 2022年4月13日
ええ。実は私もきちんと観た事は無いのですがーーもっと言うと。その映画に限らず。映画やドラマ、漫画といった物語媒体にあまり触れない、のですけれど。(シェイカーの中でアルコールと果汁がこまやかに混ざり、まろやかな舌触りが出来上がる。)
それでも聞き齧りの知識で言えば。
「ギムレットにははやすぎる」、という言葉が有名なのだそうですね。
(冷えたグラスに注げば。曇りガラスのような白い透明が、テーブルにしている水槽のライトの上で発光するかのごとく灯る。)
法雨・ジン 2022年4月13日
何を言いたいかというと。
(す。グラスを静かにあなたの前に置いた。)
一杯目に飲むにはいささかお早い。酔いを回して、また溺れにでもいらっしゃいました?(笑うと言うには愛想なく、睨むと言うにはまろやかに、ただ目を細めてあなたを見たのだ。)
霓・虹彩 2022年4月13日
ありがとう、おいしそうだ。
(涼やかな香りがくゆる。グラスの首をかたい指の腹がなぞれば、澄んだ音。)
あ、いいなあそれ。
(本心本音で、ほそまった視線にころころ笑う蟲)
今日は残念ながら、チェイサーとも仲良くやるつもり。明日オフだったら、好奇心に任せてたかもね。
霓・虹彩 2022年4月13日
“速すぎる”のは蜻蛉という生き物の性分でね。野暮な注文のひとつふたつは多目に見てくれよ。
(一口目を傾けた。ああ、美味しい。口当たりよく、仕事上がりの身体にライムの酸味がよく効く)
じゃあ法雨さんだったら、何をおすすめしてくれるんだい。春の、少し暑くなってきた時期柄に。
(薄く笑んで、首を傾げる)
法雨・ジン 2022年4月21日
……あら、いけないおひと。いえ、悪い蟲さん?かしら。
(いいなあ、だなんて。真意の分からないおひと。)
野暮だなんて。何を考えてそんな強いカクテルを、と思ってしまった私の方こそ野暮なことです、ごめんなさい。お酒はいつだって、自由ですよ。
でも、そうですねーーここ数日の、初夏かと紛う気候、桜の残る時節なら。
はなやかな日本酒のカクテルなど、いかがです?
(きっとあなたならイエスだろう。取り出すグラスは、無色透明の切子細工。はなやかな切り飾りが光を吸って拡散してまばゆい影をひろげている。)
霓・虹彩 2022年4月22日
いけない? そうかも。
イイ性格とはよく言われるけれどね。
(くつり、肩を揺らして)
きみの考えも尤もだよ。謝らないで、おあいこ。
けどそう言ってくれると気楽かな。
日本酒ベースか!
いいね、飲んでみたいよ。よいものは癖がなくておいしいんだよね。
(取り出されたグラスの輝き。伝統工芸のような独特の切り出し方をしたグラス。影のゆらぎ、うっすらとした分光が美しい。)
それも素敵。なんていうグラスだい?