《1:1》静寂
花鶴・景臣 2021年11月28日
夜のしじま。
喧騒から取り残された、摩天楼にて。
◆
最低限の良識があれば、どなたでも。
長くなり過ぎない程度にマイペース進行。
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花鶴・景臣 2021年11月28日
(復讐者の能力とは素晴らしいものだ。多少の怪我ならば直ぐに治療が叶う――僅かに治癒し損じた口角の傷へと乱雑に触れては、冷たい音を響かせ、鉄製の階段を足早に上る)(パラドクスを使い過ぎか。流れる血潮が沸々と熱く湧き上がる。鈍い頭痛に舌を打ちながら、ポケットを探る)(飴玉をひとつ、口に放る頃には、屋上へ続く扉の前に辿り着いた)
リドット・クラシコ 2021年12月1日
(血の匂いか、人の気配か。いの一番に気付いたのはオラトリオだった。リドットの袖をつまんで、扉に指を差す)どうした、ヴィオ?(足音が聞こえる。カン、カン。鉄と本底の鳴る音。近付いてきている)(目を逸らさぬままに、オラトリオを腕の内に入れた。恐らく姿の見えない誰かは、既に扉の前にいるのだろう。ならば)―――こんばんは。(声を投げてみようか)
花鶴・景臣 2021年12月4日
(鈍りきった思考故か、扉の先にある景色に気付けなかった。大きな音を立て、勢いよく鉄製の板を押し開けた先――)
(一度、二度、瞬きが続く。開いた口が塞がらない。仕方がないだろう。だって、誰もいないと思ったその屋上に誰かいて、しかも声まで掛けられたのだから)……あんたは、(誰? ――飴玉と一緒に転げ落ちそうになった言葉は、慌てて飲み込んだ)
リドット・クラシコ 2021年12月7日
(――人?)(宵に溶けるような黒髪の男だ。会話も出来、意思の疎通がとれる。どうやら人間であるらしい。何よりこの反応は敵ではないのだろう。警戒心を薄めてゆく)……俺は偶然来たんだが、此処、あんたの秘密基地かい?だったら悪い、今夜は、騒がしくしてる。(腕に捕らわれたオラトリオが逃走を企てるのを、そっと押し留めながら)
花鶴・景臣 2021年12月11日
あ?(秘密基地? 投げられた言の葉の意図を読み取る。首を擦り、首を横に振った)…別に、そんなんじゃねえよ。ただ適当に暇潰し出来そうな場所を探してただけだ(がしがしと頭を掻き、天使を連れた男を改めて見る。――視線を少し上げないと、目が合わなかった。大きい)…悪い、邪魔したな。俺は適当に夜風当たっとくから、好きにやってくれ(彼にとっては邪魔かも知れない。然し、正直暫くじっとしていたかった)
リドット・クラシコ 2021年12月16日
(「邪魔もなにも、」と素気無い声がこぼれ出た。常日頃、自分が柔くもなく単調な口振りであることは自覚している)互いのものではないんだから、俺に気遣わなくていい。(優しいのだろうと思う。気にする必要はないだろうに、思慮深い。ふいに視線を逸らしフェンスの先を見下ろした。時間か、高さか、そのどちらもか。眼下は夜闇に包まれて、地面を確認できない)階段上ってきたの。地上から?
花鶴・景臣 2021年12月20日
………あっそ(気でも遣わせたか少しばかり罪悪感が残るも、ならば殊更に無下にする訳にもいかない。端の方で大人しくしているか――)……ん?(不意の問い掛けに、目を瞬かせ)……ああ。ここは廃ビルだし、エレベーターなんて動いてねえから。それに、少しくらい体を動かした方が心地いい。
リドット・クラシコ 2021年12月28日
少し……か?結構高層に見えるのに。―――いや。俺が飛んできたから気付かなかっただけで、実はそんなに高くないのか……?(目線は変わらず暗闇の先に向けたままぽつりぽつりと。めげず脱出を狙うオラトリオが肩をよじ登りつつある)
花鶴・景臣 2021年12月30日
高層?(フェンス越し、闇に包まれた眼下を見下ろし――目を瞬かせる)……俺、思った以上に上ってたんだな(どうやら気付いていなかったらしい。我がことながら驚きを隠せず、唖然とする)……(その中、闇を照らすかの如き天使を一瞥して)別に襲いやしねえよ。その子、あんたのオラトリオか?
リドット・クラシコ 2022年1月23日
なに、考えごとでもしてたの。(そう口にして、――嗚呼、そうか。復讐者か。ここにきて漸くお仲間らしいと気付く)(彼の視線が移ると同時、オラトリオがついに腕からすり抜けた。再び捕まる前にと、ふよふよ、相手のもとへ飛んで行くのを眺め、嘆息し)そう。ヴィオ。俺の。まあヴィオは可愛いから、襲いたくなったとしても想うだけなら許すぞ。(大真面目に言った)
花鶴・景臣 2022年2月7日
あー……(しばし、頬を掻いて)……多分な。他に誰かいるとは思わなかったから、驚いて飛んじまったが(と、此方に浮遊してきた天使に目を瞬かせる。こういう時、どう接したらいいものか)――よう。飴でも食うか?(ポケットから個包装された飴玉一つ、取り出して、ふと。そういえばサーヴァントは何か食べるのだろうか)……あんた、ほんと変わってんな。そこは思うだけでも怒るところじゃねえの?